「ばとしす」とは
ばとしす~Battleship Sisters! とは、
平成18年6月に株式会社イカロス出版より刊行されている、
(自称)ハイパー美少女ミリタリーマガジン、「MC☆あくしず」創刊号から連載されている学園ライトノベル。現在は第一部が完結。
原作テキストは鈴木貴昭(「ストライクウィッチーズ」世界観・軍事設定担当)、
イラストは、しのづかあつと(「真・恋姫†無双」など)が担当。
主人公は、代用教官(のち、正式採用)山本悟郎(山本五十六)と、
大東亜戦争に参加した大日本帝国海軍12隻の戦艦の化身たる少女たちである。
あらすじ
瀬戸内海に浮かぶ歴史ある全寮制女子学校「古鷹女学園」。そこに代用教官として赴任した山本悟郎は、校長・東郷の元、生徒会に該当する「水交会」の会長を務める「長門萩乃」と出会う。彼女の紹介のまま英国から一つずつ運ばれたレンガで造られた校舎の中で、悟郎は水交会メンバーたち12人の歓迎を受ける。
果たして、彼女たちの言う「海の女王」とは何なのか。悟郎が12人の大先輩格・日進と過去に交わした約束とは・・・?
特徴
一話完結式のノベルであり、現在発表されている第一部は全18話。山本悟郎と12隻の出会い、日々のドタバタ、そして悟郎が自らの責務を思い起こし、決意を新たにする部分までがその概略となる。
擬人化とは言えイラストには「メカ娘」的な趣はなく、パッと見単なる学園もののため、一見すると「どこが艦船擬人化?」と首を傾げてしまうが、原作担当がストウィ軍事担当者であるだけに、テキスト部、特に各艦のキャラ付けに顕著に現れてるが、文章には膨大な軍事・歴史ネタが仕込まれているのが特徴。
・「五省」が登場する
・「赤本(大学の過去問と海軍大学校の秘密作戦要領集と略称が同じ)取って」「手塚治虫の新宝島の?」「享保~元禄頃の草双紙でしょ?」
登場キャラ
一号生(三年生)
ディアマンテ・ヴィッカース・サーストン
「ふん、仕方ないわね、私のことはディアマンテって呼んで」
愛称はディア。戦艦金剛の化身。名前はファーストネームから順に、「金剛(石)」のイタリア・スペイン語表記・建造された造船メーカー(ヴィッカース社)・設計者の名前(ジョージ・サーストン海軍卿)から。出身は12隻中唯一の外国であるイギリス、スコットランドのバロウ・イン・ファーネス。
典型的な金髪黒リボンのツインテでツンデレ。初登場から間もなく、うどん・そばを「野蛮」と低く見た直後に、同期の榛名・霧島に「英国料理は味が単純でエレガントさに欠ける」、「紅茶にはこだわるくせに、料理は何でも煮るだけ」と反撃されるが、自身は決して味オンチでも料理下手でもなく、日米メイド対決の際はシンガポール・ラッフルズホテルばりのチキンライスをものにして悟郎を驚かせたこともある。上記からも見られるように精神的な母国をイギリスとして、アメリカ側を「植民地人」と呼んで敵意をあらわにする場面も見られる。漢字が弱点。
良識的なツンデレに見えながら夜の勉強会の際は悟郎に「夜襲」を掛けようとして、トラップに引っかかったり、バレンタインデーではバレンタイン歩兵戦車を比叡と共に持ち出すなど少々極端な行動が目立つ。
また、エスコート役選定の際は自らの金髪にコンプレックスを抱えていることが分かる一幕もあった。
陸上部のエースでもあり、俊足を誇る一号生の中でも最速で、しばしば悟郎に「金色の風」と形容される。また、体育祭では運動部系の中心となって運営委員会を動かしているらしい。体育祭におけるリレーの際は彼女たち金剛型が相打つ事となったが、その際の順位は実に興味深いものであった。[1]なお、金剛型4艦の中で聯合艦隊旗艦を務めたのは彼女のみである。
比叡・Y・サーストン
ディアの従兄弟。英国とのクォーターとの設定は、ディアの起工半年後に横須賀にてほぼ同様の図面を使用して起工された事・36センチ砲塔が英国で製造されたことによる。なお、竣工時には他の3隻と異なり、ヤーロー式混焼ボイラーではなく、国産のイ号艦本式混焼ボイラーを装備していた。
近茶髪のツインテールに薄い青の目が特徴的。普段は男言葉を話すが、一号生のみの中や悟郎と二人だけの時は女性っぽい話し方をする場合もある。「特に気位が高い」と公式設定にあるのは、練習戦艦時代に何度も御召艦を務めていたことから。
公式では他を見下しがちな傾向があると記されているが、実際はディアよりも正直に自らの気持ちを表現し、エスコートに選抜されないと悩むディアを他の2隻同様気遣うなど、あまり気むずかしいと取れる描写は見当たらない。
第二次改装後の艦幅は他艦より数十センチ太くなっているのだが、貧乳。十二隻の中で最も貧乳であり、また本人もそれをコンプレックスに持っているため、胸の大きさの話に及ぶと、自らより胸の大きい相手(つまり全員)に感情を露にすることなどから、しばしばネタにされる。しかしながら、パラオでは水着にスリングショットを着用し、悟郎と読者を驚愕させた。が、それが仇となり、直後のアメリカ側とのビーチバレーでは胸の布地がずれた瞬間に打ち込まれた相手側のボールを受け、ノックアウト・脱落となった。試合前にはバイリンガルであることが判明したのが救いであろうか。
貧乳を気にしている割に、大和と仲が良いのは、第二次改装後の艦橋と、装備した試作型の砲塔旋回用水圧ポンプが大和型のテストベッドとなったことを反映している。
上野榛名
「せんせーひどーい!いくらあたしがちっちゃいからって!」
子供っぽい性格・外見の一号生。緑色の髪を左で結んだ髪型がトレードマーク。
何も考えていなさそうに見えるが、空母機動部隊の直衛を大戦後期でも長らく務めたからか、面倒見の良い、目端の利く部分もある。伊勢と並んで神戸出身。
また、陸奥と並ぶ料理上手でもあり、イギリスの煮込みランカシャー・ホットポットを教えてもらったカーチス・ブラウン社の技術者との背景にはややこしい設定がある。[2]
走ったり泳いだりした際、「お尻を振る癖がある」と評されるのは、マリアナ沖海戦にて至近弾を受け左舷外側のスクリュースラグがずれた結果、振動が発生するようになった戦績から。
いたずら好きでもあり、大和・武蔵・比叡の水着エプロンの上にホースの水を「誤射」したり、アメリカ側のグラマーさに「こちらも負けてない」と、大和の18インチバストを(勝手に)後ろから掴んで揺らしまくったりしてみせた。一人称は「僕」のようである。
新しいもの好きでもあるが失敗も多いとの性格は、第一砲塔爆発事故から長きに渡る改装と、その後は新装備をまず搭載する実験艦的役割も持たされており、ゆえに事故・不具合が付き物であった点を反映している。
霧島千里
「先生、その一撃を繰り出すための技、それを教えてくれっ」
ボーイッシュな一号生。空手部に籍を置く戦艦霧島の化身。プロテインと肉体的な鍛錬を好むという事、また細かいことを気にしない拳で語るタイプとの性格は、第二次ソロモン海戦(至近距離での戦艦同士の撃ち合い)の戦績と、竣工から間を置かないうちは当時の聯合艦隊トップから「四姉妹の中で士気も成績も劣悪だ」と名指しで批判された結果、霧島神宮から御霊を艦内神社に分祀し、努力と根性でギャップを跳ね返した史実によると思われる。
「英語が苦手」とも取れる描写が出てくるが、実際には英本国との繋がりは多く、本当に英語が苦手なのか、他に理由があってのことかは不明。但し、テストの成績は「体育以外が壊滅的」との記述を見るに前者の可能性が高い。長崎出身。
気配を消して近づくのが得意(先の第二次ソロモン海戦より)だが、逆に他者の気配を察するのは、やはり戦績を反映してか決して得意ではない。比叡に次ぐ貧乳だが、「未だスポーツブラ」との実態を指摘されても微塵も揺るがない。
パラオにて生起したアメリカとのビーチバレー(ドッヂボールではない)対戦では、タンキニにて比叡と共にアメリカ側メンバー(ワシントン・サウスダコタ)と戦ったが、サウスダコタを離脱させる引き換えに比叡と枕を並べてKOと相成った。出身地と名前の由来故か、日向とも親密な描写がある。
二号生(二年生)
近藤扶桑
「先生、好きな本は?」「これ、良かったら読んで」
二号生。図書委員長を務める寡黙な眼鏡の文学少女。初の国産弩級戦艦扶桑の化身。よく改装後の妙な形の艦橋をネタにされているが、これには理由がある(後述)。また、低速低防御と評されることもあるが他国同年代の戦艦と比した場合、25ノット程度の速力・全体指向の水平防御の強化など、むしろかなり強力である。呉出身。
物静かだが、やや容赦のない問いかけをする事がある。試験項目は点数にむらがあるのが弱点だが、国語・社会に関連する蔵書の知識は相当に深いものがあり、本そのものにも愛着を持つ。具体的には図書館の大掃除に弁慶を彷彿とさせる格好で臨んだり、悟郎に渡すバレンタインチョコの包装を本と見分けを付かなくなるような形で渡すなどである。腐女子。
扶桑型二艦は昭和五年頃からの大改装の際、即戦力化と能力向上の両立を求められたため、他の戦艦の肩代わりとなる形で徹底しているとは言えない改装に甘んじた。この際、「妙な艦橋」になった理由は、他戦艦の改装との時間的・予算的兼ね合いから艦尾延長工事が実施されず、結果、艦尾部に搭載されるはずの水上機用のカタパルトを、第3主砲塔上に前向きにして設置せざるを得ず、艦橋基部が抉れて見えるため。
両艦とも第一次改装は金剛型を除けば最も早く、第二次改装は最も遅く(他戦艦の練度の回復を待ってから)施されている。言い換えると、扶桑は山城と並んで自らの改装の不徹底さと引き換えに、他の戦艦が半ば解体されるような大改装を受けられる猶予を与えたのみならず、昭和十年には山城・榛名と僅か三艦で太平洋正面の抑止を担っている。
更に大東亜戦争中にはミッドウェー作戦以降前線にこそ出なくなったものの、練習戦艦として無言で帝国海軍と他の十隻を支え続けていることを反映して、作中では体力はない(スキー実習の際はスキーが乗りこなせないため、ソリに乗るなど)が、裏では地味な下準備、具体的な提言などを行う役回りが多い。
山城葛野
「精神が健全かどうかは自信がありませんけど、肉体が健全じゃないとダメってのは困ります~」
戦艦山城の化身。二号生で保健委員長。艦橋の高さを反映した長身に、色白の肌に薄青の長い髪を後ろで束ねた、万年寝たきりといった感じの病弱キャラはドック入りの期間が長期に渡った事を反映してのもの。しかし、その実際は病弱を利用した策士であり、初の航空機発艦試験・測距射撃試験を成功に導いた被験者であり、長門と陸奥が改装のため一線を引いた際は連合艦隊旗艦に留まらず、御召艦の栄誉にまで与ったやたらと健康的な病人である。
しかし、やはり体力が最低レベルという事実は如何ともし難く、体育祭ではリレーでのバトン受け渡しに失敗して扶桑ともども大転倒したり、アメリカ戦艦群と枕投げ合戦になった際には真っ先に息が上がるなど不利は否めない模様である。実際には彼女たち二艦の燃費は十二隻の中で最優秀なのだが、それは機関出力の低さ故のものであり、その反映なのだろう。
不徹底な改装にも関わらず扶桑よりも長期のドック入りとなった理由は、突発的な有事な際への即応性を求められ、いつでも工事を切り上げられるよう比較的浅い改装に留められたため。そのため、状況が切迫しつつある昭和12年ころにも国会議員・民間団体・在外日本人学校の見学・研修・修学旅行先に多く選ばれている。
バレンタインでは病弱キャラを生かして悟郎に迫ったり、下着を見せるように転んだりと色仕掛けじみた策を弄するが、スキー実習の際はパウダースノーに寝転がってはしゃいだり、日米メイド対決の際には自らがスリガオ海戦にて交戦・戦没することとなったアメリカ側の面子の名前を出して嫌悪感を見せるなどの反応を見せた。
伊勢鈴香
活発なワインレッドのポニーテール娘。戦艦(のち航空戦艦)伊勢の化身。二号生。快活な性格だが各種雑学に妙に強く、陸奥と雑学知識で張り合う一幕も見られ、何かと言うと自らの薀蓄を披露する。そのため原作第三話までは日向と共に解説コラムの司会役を務めていた。榛名と同じく神戸出身。
勘が鋭く、耳が早い。また、体育祭のリレーの際に転倒した扶桑・山城をほとんど速度を落とさず回避するなど、身のこなしが大変に素早いが、これは伊勢型が最も早い時期に電探(レーダー)を搭載した艦であること、エンガノ岬沖海戦にて、最も激しい時は4分間に計153機の敵機から放たれた魚雷7本、爆弾35発を回避し、その後もほぼ無傷で作戦を終えたことの反映。ただしスタミナがあるとは言いがたく、日向ともども悟郎に「燃費が悪い」と評される点もまた同様である(大和型を除いて燃費最悪)。
普段は快活な性格だが、スキー実習の際は自分を置いて他の生徒の指導に当たった悟郎にヤキモチを焼いて、陸奥と共に遭難しかけるといった女性らしい心境も垣間見せている。
日向同様、気配を消して動くのが得意というのは、大戦末期シンガポールから本土まで資源を輸送する北号作戦において敵方の目を掻い潜り、大成功を収めたことから。また「鈴香」の名前の由来は戦中、海軍工廠が置かれ、現在はサーキットで有名な「鈴鹿」市からのためか、冒頭文に見られるように非常に頻繁に「伊勢 鈴鹿」と誤記される。
宮崎日向
伊勢型2番艦、戦艦日向の化身で緩やかにウェーブがかったピンクの長い髪が特徴。話し方もおっとりしており、日向ぼっこが好きという一方、長門から「のんびりしているようでしっかり見ている」と評され、フォロー上手で、積極的に動くことも苦手ではないという面は伊勢と同様の理由から。
スリガオ・北号両作戦において伊勢と顕密な連携でこの難局を切り抜けたことから、一見、反応が妙(話しかけても応答までに間がある・語尾を伸ばすなど)ではあるが、他者の失敗のフォローや素早さを求められるような状況にも難なく適応している。具体的には雪山で遭難した伊勢・陸奥コンビの捜索や、騎馬戦での伊勢とコンビでの立ち回りなど。また、日米メイド対決の際には伊勢と共に矢絣袴の出で立ちで給仕をこなした。
が、3回に及ぶ砲塔爆発・火災事故などを反映して(後述の陸奥ほどではないにせよ)、ドジっ娘属性が付いて離れない側面もまた有している。実際、体育祭では日向・陸奥のドジコンビがリレーのバトンタッチの際に大転倒し、大番狂わせの元となった。余談だが上記事故の他にも、昭和二年に日向は朝鮮半島南西沖で触底し、その際、触底した暗岩に「日向礁」と名付けられる羽目になった。
名前・出身地故に九州と縁が深く、出身地が同じ(長崎三菱)霧島とは、(今ひとつかみ合わない会話ではあるが)仲の良さを伺わせるシーンも見られる。
長門萩乃
「そうです、みんなは最初から先生のことを信じていましたから」
眼鏡・黒髪の三つ編みが特徴的で、生徒会長を務める。真面目で成績優秀、人望も大きいとの性格は、通算で聯合艦隊最長の91ヶ月の長きに渡り聯合艦隊旗艦を務めた経歴と、国民から寄せられた絶大な信頼を反映してのもの。扶桑・大和と同じく呉出身。
第一話において、東郷校長の命で現れた彼女に山本悟郎が風情ある校舎を案内されるシーンから、本作、「ばとしす」は幕を開ける。
世界初の40センチ砲搭載艦にして、「ビッグ・セブン」の一隻。本作は悟郎からの視点に加え、長門からの視点による描写で成り立っている。悟郎にとって二人三脚で様々な問題を乗り越えていく、文字通りの「女房役」である。そのため、やや押しの弱い部分のある悟郎に変わり、騒ぐ他のメンバーを叱咤し、悟郎の話を聞かせるなどの補佐も度々行う。
最も長く悟郎と共に時間を送るため、彼の事を知悉している描写が度々見られる。具体的には、悟郎が他生徒に囲まれるような事態になっても「まあ朴念仁だから」と気に留めなかったり、東郷校長のゴリ押しに折れる形で種々の企画を伝えた際にも「弱気なんだから」と内心責めつつ、「でもそこが良いところなのよね」とフォローしてみせる、などである。
相方の陸奥との間では苛烈なツッコミ役を演じ、その際は地が出るようである。第一部後半ではパンチラ・入浴中に後ろから胸を揉みしだかれるなどのイラストが妙に多い。パラオでカヌーから転落し、溺れかけた所を悟郎に救出されたが、これは原作者の鈴木貴昭氏が実際にパラオで遭遇した災難が元ネタ。
田村陸奥
薄茶・ショートボブの子犬っぽい髪型が目印。長門型二番艦・戦艦陸奥の化身で生徒副会長を務めている。これは長門と同時期、長門の次に聯合艦隊旗艦を務めてた期間が長かった(通算46ヶ月)ことから。
全12隻のメンバー中でも1・2を争うほどの博識であり、料理上手でもある。前者は専門知識ではなくトリビア的な雑学に関してであり、伊勢と張り合えるほどの知識であるが、テストに関しては回答欄がズレていたりと「ケアレスミスが多い」ため、あまり成績には反映されていないようだ。後者に関しては関東大震災の際、横須賀~呉間で専ら食料輸送に従事した経歴故か。
横須賀出身である点は比叡・山城と同じだが、スキーが得意との描写は、唯一北国と関連のある名前から。
特筆すべきは日向を上回るドジっ娘である点。これは昭和18年の原因不明の爆沈ゆえのもの。実際、前述の体育祭のバトンリレーや、スキー実習の際は大きな失敗をしている。が、一方で床に臥せった悟郎の意思を読み取り、調理実習から持ってきたままの包丁をしまおうと(振り回す形を取って)周りを混乱させることで悟郎の話をうやむやにしてしまうなどの勘の鋭さを見せる場面もある(悟郎本人に「ぼけているようで鋭いのが恐ろしい」と評されている)。
また、普段は天然気味ではあるが、危機に際したり他者からの真摯な問いかけなどでスイッチが入ると、極めて的確な応答・行動を取る。
長門と並び、世界で7隻のみしか存在しない16インチ砲搭載艦であり、かなりのバストサイズの持ち主。雪山で遭難した際、伊勢(14インチ砲搭載)と裸で暖めあうシーンでは、湯気が上がる胸に伊勢が絶句する一幕がある。
三号生(一年生)
大和吉野
「でも、そこが良さでもあるんですよね。いつも前向きで、ひたむきで一生懸命で」
長身に長い脚、腰まで届く真っ直ぐな黒いロングヘアーと、「出る所は出ているが、へこむ所はへこんでいるモデル体型」が、清楚でありながら圧倒的な存在感をもたらす戦艦大和の化身。作中のメインヒロインである長門よりもメインヒロイン然としていると評する声もある。
特徴的な後頭部の白い大きなリボンは聯合艦隊所属艦が艦橋最上部を白く塗った事、口ぐせが「ないしょ」であるのは大和型の存在そのものが軍機(事実上の国家最高機密)である事、長門・陸奥を上回る「18インチバスト」と通称される超大型のバストは武蔵と並び世界唯一の46センチ砲搭載艦である事をそれぞれ反映してのもの。呉出身。
普段は聡明かつ穏やかな常識人然としたお嬢様だが、その分個性が強い他のメンバーに(主にバストに関して)いじられることもままある。
長門と並び成績優秀であり、水交会では書記を務めている一方、次代の生徒会長(聯合艦隊旗艦)候補でもある。成績のみではなく、水交会全員での入浴の際は男風呂を覗こうとする榛名・霧島を引き剥がしたり、バレンタインにてチョコを抱えた悟郎に自分の分も入れた紙袋を渡す、日米対抗騎馬戦の際は長門から指揮を譲られ、代わって的確な指揮を執るなどの働きを見せている。
悟郎をサポートしようと務める点は長門と同じだが、長門から見るとまだ大和は若干詰めが甘いようである。しかし、第一部最終話にて12隻各艦が思い思いの(やや手厳しい)悟郎への評価を語った際、悟郎への理解を最大限に示した大和は彼から「大和お前だけだ、理解者は」と、多少大げさではあってもモノローグで感謝されるなど、想いは届いていたようだ。
前述の通り、穏やかなだけではなく、他のメンバー同様いわば「前線」で忠実に槍働きもこなす。具体的にはメイド対決において途中から袖無し・ミニスカの改造メイド服を着用させられお客の呼び込みに立つ、日米水泳大会では当初のスク水から、白のホルターネックタイプのビキニを着用させられ騎馬戦に臨む、日米枕投げ合戦において敵側と一隻同士になるまで撃ち合い、アメリカ側のモイン・アイオワと相打ちとなるまで戦うなどである。
ストライクウィッチーズに登場した独・伊・英の戦艦群が来日する特別編においては大和がホストシップを務め、大浴場にてストライクウィッチーズの裏話じみた会話の聞き手となった。が、その際、男風呂で聞き耳を立てる東郷校長を「昔は昔」と断った上で「今はあんなエロ猿の置物です」と、辛いが水交会共通の(何らかの意味合いで正当な)評価を下していたり、途中から乱入し、自らのバストを揉むのを一向に止めようとしないピア・サウスダコタを拳で一撃して沈黙させるなど、やや意外な面も見られる事となった。
発売からごく短時間で在庫切れとなったため現在の入手は困難だが、12隻中唯一、立体マウスパッドという形で商品化されたことがあった。
氷川武蔵
「胸揉禁止」「受け取れ」
大和同様、長身・ロングヘアー・良好なプロポーションで、遠目には大和との区別が付かないほど外見が似ているが清楚な感のある大和と異なり、常に怒ったような表情が目立ち、「妖艶」とも評される大人の色気が漂う少女。戦艦武蔵の化身。
会話からテストの回答までをほぼ全て四文字熟語で行う。大和に近づく男性を目の敵にする部分もあるが、その一方で、バレンタインでは水交会メンバー中、真っ先に悟郎へチョコを赤面しながら手渡したツンデレさんである。長崎出身。
ツンデレというのは、レイテ海戦に於いて20発の魚雷・17発の爆弾の直撃を受け約半日後に沈んだ重防御極まりない戦績の反映、また妖艶な空気は就役後程なく悟郎こと五十六提督の戦死・後任の古賀提督の遭難と凶事が相次いだ故か。
大和と行動を共にすることが多い事も同様に実際の行動から。作中では「大和に近づく男性」のみではなく、大和の胸を掴んでは悦ぶ榛名などの行動を止めたり、大浴場で走る榛名をたしなめたりと意外と良識的な行動を取っている。
前述の通り、ほとんどの意思疎通を四文字熟語で行うが、大和と会話する際は普通に会話していると見られるシーンも登場し、数少ないながら普通通り会話するシーンも存在する。
また、大和と登場するシーンでは騎馬戦が顕著だが、極めて息のあった行動を見せる。一方で明らかに「大和の影に隠れる」形になってしまっているが、武蔵は不満じみたそぶりを一切見せていないので本人も納得しているのだろう。
旧水交会メンバー(卒業生)
三笠
「でも、それが私たちの務め。私たちにしかできない義務。でも、信じる事が出来る人が一緒にいてくれるなら、絶対大丈夫」
フルネーム不明。古鷹女学園のOGであり、水交会メンバーのみならず、悟郎からも「三笠姉さま」と呼ばれる大功労者。戦艦三笠の化身。
ロングの紫がった黒髪を背中まで伸ばし、両サイドは頬の辺りで整えている髪型に、鋭さを帯びた紫の目が特徴。初登場時のイラストは竣工後、本国まで回航した際の塗装をイメージした白のストライプが入った黒いスラックスタイプのスーツで、校長室の椅子に足を組んでこちらに視線を向けているという印象的なものであった。
出身はディアも同様であるイギリス・スコットランドのバロウ・イン・ファーネスであり、かつて東郷校長・他の11隻と共にロシア側と戦い、Z旗を掲げつつ歴史的な勝利を収めた。入浴の際は素肌にその際の傷跡が浮かび上がり、周りを驚かせることもある。
水交会の面子のみならず、東郷校長であっても睨みつけるとたじろぐ程の迫力の持ち主だが、決して力や権威に頼るタイプではなく、初登場の際は長らくの再会となる悟郎へ真摯に「国と個人の幸せ」、「時代によって移る海の女王と教育のあり方」を語りかけ、その後は二号生と共に大浴場で風呂に浸かりながら悟郎への想いを優しく問いかけたりと、水交会全体にとっての良き姉である。
しかし、一方で観察眼は鋭く、日進に想いを抱き続ける悟郎に「あ、それ多分猫被ってたいたんだと思う」と伝え、短時間ではあったが悟郎を絶望の淵に追いやったり、日米戦艦群に「猫を被るなら最後まで被り通しなさい」、「できるだけ大きな猫を被って男たちの理想の姿を演じなさい。健気さと儚さ、強さと包容力を兼ね備えて、ちょっと涙を流したりすると、もうイチコロよ」と教え、その後、全員での入浴から上がる際に腹の音を聞かれ、追求しようとした陸奥を無言の笑顔で威圧して震え上がらせる、あるいは長門の胸を背後から揉みしだき「ずっるーい、一つちょうだい」、「いいじゃない、減るもんじゃなし」と駄々をこねるといった、評価が難しい側面もまた見せている。
現在「エロ猿の置物」化した東郷を「今じゃ、あんなスケベじじいだけど、みんな東郷校長を信じて付いていった」と評し、憎まれ口を叩き合う様な仲のようである。また、同型の敷島・朝日・初瀬(初瀬は故人)や日進・出雲などへのやや複雑な想いを見せるシーンも存在する。ちなみに日露戦争に参加した主力12艦の内、終結時健在だった艦の中で最も早く軍艦籍から除籍された(大正12年)のが三笠である(記念艦にすることが大正11年に決定したため)。
春日
「この勝負、私たちの勝ちだわ!」
フルネーム不明。古鷹女学園のOG。イタリア出身で、三笠や日進と同期の模様。「春日」は「かすが」と読まず、「はるひ」と読む。名前からか外見はロングヘアーで少し大人びた涼宮ハルヒといった趣である。
日露開戦時の主力12艦の一隻で、装甲巡洋艦春日の化身。準同型艦・日進が実の妹であり、当初は日本ではなくアルゼンチン海軍に所属する予定であった点も同様。
やはり名前故か強引な部分がある性格で、自らと三笠が呼び寄せた奈良旅行での際には、再会間もなく悟郎をやりこめたり、アメリカ側メンバーとはち合わせた際には枕投げ対決に持ち込み、自らは審判役を買って出るが公平とは言い難いジャッジを行うなど、登場回数は少ないながら、存在感は決して少なくない。
その後、日米の後輩へ三笠と共に「あの戦い」の語り部として、自らが戦ったロシア側との戦いの記憶を語り聞かせた。
作中では過去の水交会メンバーを知るだけではなく、苦い思い出も伝え、悟郎からは日進の姉であることから、「日進姉さまがいなくなった後、その姿を思い出すのがいやだった」とモノローグで語られるなど、普段の、三笠から「気まぐれで、移り気で、狩りが大好き」と評される「猫」然とした表面だけではない側面を併せ持ったキャラクターである。
三笠や東郷から「協調性がない」、「一人だけ規格外」と評されたのは、日進と異なり帝国海軍では互換性に乏しいが高仰角を指向できる25センチ砲を装備し、旅順攻撃の際に当時としては画期的な無線を利用した弾着観測による間接砲撃をほぼ単独で実施した点を反映し、これは本人の口からも語られる。
また、登場時の役職は不明ながら三笠とコンビを組んでいる点から、何らかの教育に携わっているものと考えられる(大正14年から練習艦として運用され、昭和13年からは三笠の隣で定繁練習艦となった事から)。
マリア・モレノ・日進
古鷹女学園のOG。イタリア出身。春日の実の妹だが、事故により故人となっている。装甲巡洋艦日進の化身。悟郎曰く「優雅な物腰、長い足、小柄ながらも豊満な姿」で、「モレノ姉様はとても優秀だった。お淑やかで優雅で、何でもできる人」。
三笠などによると当時から個性的ではあったが、「よくできた子」であり、来日から程なく副委員長を務めたり、三笠が脱落した際には敷島と交代で委員長(聯合艦隊旗艦ではない)も務めたが、現役を引退後、最後と定めた役目を果たそうとしたが帰らなかった。
図書館の大掃除の際に幼少時の悟郎と共に収まった写真があるが、詳しい外見・人物像などは詳らかになっていない。しかし、三笠や春日の語り口から察するに、悟郎の日進に対するイメージが膨らみすぎている可能性も存在していると思われる。
教職員達
山本悟郎
「この命、君たちのために捧げよう。君たちが誰にも負けない立派な海の女王になれるよう、できる限りのことを尽くす!」
本作の主人公。新潟県長岡市出身の4月4日生まれ。教員免許を取れとの祖父の遺言に従い、教員として父の友人であった東郷の元へと臨時教員として着任するところから本作は始まる。
両親は生まれてすぐに他界し、物語の開始時点では育ての親の祖父も亡くなっているため、天涯孤独の身となっている。そのため、モデルである山本五十六と異なり、故郷の長岡にあまりこだわりを見せていない。
担当する教科は歴史。真面目で実直な性格だが、それゆえ恋愛がらみの話には疎く、バレンタインデーに気付かない・うっかり混浴の露天風呂で水交会メンバーの裸を見て鼻血を出して失神するなどのお約束を各所で演ずる事となる。
物語は彼が以前に日進と交わした約束と、東郷が創ろうとした理想を軸として進んでいく事となる。
もっとも、当初は良好だった東郷校長との仲は、史実通り悟郎が東郷を嫌う形で急速に悪化していく事となるが、一方でアメリカのニミッツとは幾度かの顔合わせの後、「彼女たちを絶対に守らなくては」と完全に意気投合し、衆人環視の中、春日から怪しまれるほど熱い誓いを交わしたりするなど極めて良好な関係を築いているようである。
やや押しの弱い性格だが、長門などの補佐もあり、水交会だけでなく学校で唯一の若い男性教師であるために任される力仕事などもこなせているようだ。
ともするとおぼろげだった約束と「海の女王」の重みと意義を様々な経験を通して再認識していき、第一部ラストで自らの約束の意義を受け止め、冒頭の台詞に繋がる・・・が、直後、(やはり史実を反映し)一時期航空方面へ志望していた事が判明し、場が大荒れになりかけたが、東郷校長からの正式教員への昇格を伝えられ一応は丸く収まる事となった。
何のかので多数の艦艇から愛されている果報者であり、当作品のタイトルも彼から見た12戦艦(妹たち)がその名の元となっている。
東郷校長
「挑戦とあれば、この東郷、引くわけにはいかん!受けて立とう!」
口ひげ・あごひげを蓄えた春風駘蕩といった感の好々爺的外見の老人であるが、実際は豪放な部分も持ち合わせながら、私欲のためにプール清掃用コスチュームをスク水+エプロンに、学園祭のコスチュームをメイド服に統一させる。毎回のように男湯で女湯の生徒の話し声に聞き耳を立てる。毎年夏頃に授業を取りやめ水泳大会を強行し、露出が高めの水着を着用させるなど、磊落とは言い難い部分も目立つ人物である(その際には大概悟郎が割を食う)。
強引なだけではなく、テストで成績低下の回避策として悟郎へは「一人でも赤点を取れば当該生徒を水交会から除名」と脅す一方で、生徒には「成績が上がれば悟郎がデートしてくれるぞ」と吹き込み、目標を達成させるなどの頭脳プレーも弄する事から、悟郎から「古狸」と毒づかれることもある。
もっとも三笠の項で見られる通り、かつては三笠を始め12隻の主力を率い大きな成功を収め、生徒は現役・OG問わず助平さに閉口はしているものの一定の敬意は払っているようである。しかし、悟郎との関係は当初こそ敬語同士で話しあうなど穏やかで友好的なものであったが、史実においてそうだったように坂を転げ落ちるように嫌われていく。
極端なマイナス面がややもすると目立つが、日米のメイド対決の際に鶴の一声で部屋の使用と試合の開始を許可したり、一人しか許可できないエスコート枠を悟郎の意を認め四人へ増枠する、自らの役目を自覚し水交会以外の他生徒からも望まれている点を鑑み、悟郎の正式教員枠へ編入と他生徒の指導も任せる事を決めるなど、決して無理ばかりを望む人物ではない。
本作中の世界における「海の女王」とは、かつて東郷が三笠たちと共に戦った際、払った犠牲に衝撃を受けた東郷が「男が傷つくのは仕事だからいいが、うら若き女性が傷付くのはいかん」と強く望み、長い時間を掛けコンセンサスを得て一定の制度へ漕ぎ着けたものであり、その奥底にあるのは、祖国のために身命を投げ出す「彼女たち」への深く真摯な愛情と共感であると言える。特に第一部後半は、東郷がこの考えに至るまでの悟郎の追体験という側面を強く持っており、中でも第一部ラストでの「悪夢」は決定的な衝動として悟郎を決意へと突き動かすこととなる。
各話あらすじ
話数・所収巻 | タイトル | あらすじ | |
---|---|---|---|
第一話(MC☆あくしずvol,1所収) | 「ようこそ、お兄ちゃん!」 | 瀬戸内海に浮かぶ島の学校「古鷹女学園」。新任の山本悟郎は長門萩乃の案内のもと、風情あるレンガ造りの旧館、清潔なコンクリート造りの新館などの学園内と、「彼女たち」---長門も含めた12人の水交会メンバーを紹介されることとなる。 | |
第二話(MC☆あくしずvol,2所収) | 「お姉さま方の栄光」 | 各々自己紹介を始める水交会メンバー達。個性的な面子に驚く間もなく長門から切りだされた、かつての水交会メンバー---「お姉さま達」から現在の長門たちに伝えられた教えとは。 | |
第三話(MC☆あくしずvol,3所収) | 「女湯にて戦闘状態に入れり?」 | 初日からイベント盛りだくさんの疲れを癒そうと、学園内の大浴場に東郷校長と共に浸かる悟郎。一方、男湯に「お兄ちゃん」がいる事に気づいた水交会メンバーは大騒ぎしつつ何を企んでいるのか・・・。 | |
第四話 (MC☆あくしずvol,4所収) | 「バレンタインの戦い」 | 2月14日、バレンタインデー。水交会以外の面々からもチョコを受け取る朴念仁・山本悟郎に自らも想いを届けんと、12戦艦もこぞってゴリ押し・搦め手・仮病策などを上げて臨むが・・・。 | |
第五話 (MC☆あくしずvol,5所収) | 「激闘、春季体育祭!」 | 春の風物詩、春季体育祭。いつもの水交会メンバーも4つのチームに分かれ対抗して競技を行うが、名物は霧島の騎馬戦無双や、リレーでの一号生の俊足だけでもなく、生徒から悟郎に寄せられる弁当の重箱もカウントされているようで・・・。 | |
第六話 (MC☆あくしずvol,6所収) | 「夏!水着!パラオ!」 | 水着回。学校の施設があるパラオへとやってきた一行は、毎回の行事であるカヌー実習に臨むが、長門が溺れかけたり、アメリカ側と偶然の遭遇が有ったりとやはり波乱含みの様相を見せる。大和のビキニと比叡のスリングショットが目玉。 | |
第七話 (MC☆あくしずvol,7所収) | 「学園のメリークリスマス」 | 年末年始は無理であっても、せめてその直前のクリスマスは悟郎と共に過ごそうと、それぞれ得意料理を作る12戦艦。が、一方その頃、悟郎は大被害を受けた艨艟が沈むという悪夢にうなされていた。 | |
第八話 (MC☆あくしずvol,8所収) | 「夜のお勉強会?」 | 成績に不安要素がある点を東郷校長から指摘される悟郎。榛名の策で、急遽水交会での勉強会が開催される。当初は大人しく試験対策に費やすが、悟郎が一人自室に引き上げてからは勿論その隙を逃そうとする娘ばかりではなかった。果たして試験の結果は。 | |
第九話 (MC☆あくしずvol,9所収) | 「ウェイトレス日米対決!」 | 東郷校長の発案でコスチュームは全てメイド姿で行うこととなった文化祭。しかし、そこを訪れたアメリカ側との再会は、ディアとピアの対立となり、それは程なく日米での料理・ウェイトレス対決に化けていた。アメリカ側の驚愕のメニューとは。 | |
第十話 (MC☆あくしずvol、10所収) | 「謎の宝物庫探検隊!?」 | 山奥にある学校の資料庫兼保養所を整理の為訪れた水交会一行。数多の歴史・戦史に関わる資料に驚く間もあらばこそ、迷い込んだ秘密部屋じみた地下資料庫は震電・ストライカーユニット・パンジャンドラムと妙なものの巣窟で・・・。 | |
第十一話 (MC☆あくしずvol,11所収) | 「(タイトル無し)」 | 白地に豪奢な装飾が施された美しい振袖。それを着て学校を訪れた来客を公式にエスコートする一号生を一人だけ水交会から選別せよと仰せつかった悟郎。4隻のうちの誰かを選ばなければならない中、比叡・榛名・霧島は自らも憧れつつもディアを推すのだが・・・。 | |
第十二話 (MC☆あくしずvol,12所収) | 「(タイトル無し)」 | 二号生と共にスキー実習に訪れた悟郎。不慣れな面々を陸奥に任せ、自らは扶桑・山城コンビの引率に当たるが、なまじある程度滑ることが出来る伊勢はそんな悟郎にヤキモチを焼いて、陸奥と連れ立ち荒れ気味の山に向かうも、案の定遭難してしまい・・・。 | |
第十三話 (MC☆あくしずvol,13所収) | 「勃発!特別水泳大会!」 | 水着回。プール掃除から一転、水泳大会になったある日の古鷹女学園。当初は身内だけの競技だったのが、アメリカ側も乱入し、やはり日米対決に。果たして苛烈な撃ち合いの末、騎馬戦で勝利を掴むのはどちらか。大和ファンはラスト1ページ、死んでも見よう。 | |
第十四話 (MC☆あくしずvol,15所収) | 「ねえさま登場!」 | 授業中に突如悟郎を呼び出す校内放送が。向かった校長室にて彼を待っていたのは、かつての水交会メンバー、三笠だった。彼女が語る海の女王の意義と変化。そして二号生への「みんなゴローちゃんが好きなの?」との問いに彼女たちはどう答えるか。 | |
第十五話 (MC☆あくしずvol,16所収) | 「枕ファイト@大和路」 | 春日と三笠の招待で二号生と共に奈良の温泉旅館を訪れる悟郎。程なく、またしてもアメリカ側メンツとカチ合う事となり、やはり日米対決・枕投げとなる。が、今回は両軍とも作戦予備を後置していたのだった。飛び交う枕と怒号。阿鼻叫喚の果てに悟郎は何を見るのか。 | |
第十六話 (MC☆あくしずvol,17所収) | 「天気晴朗なれども波高し」 | 第十五話の続編。春日と共に「あの戦い」を語り始める三笠。ロシア側の動きが判然としない中の神経戦・敵主力と会敵した際の高揚を後輩たちに伝える両者。その中、悟郎は東郷が何故「海の女王」制度を望んだのか、ニミッツと共に思い至る。 | |
特別編 (MC☆あくしずvol、18所収) | 「欧州三人娘あらわる」 | 悟郎からの命で欧州から訪れる来客のホスト役を務めることとなった大和。水交会に負けず劣らず個性的な欧州勢と共に、汗を流すため大浴場にて湯船に浸かる4隻。そこで大和は「ある映像作品」に彼女たちが出演した際の話を聞くのだった。アニメ「ストライクウィッチーズ」のスピンオフ回。 | |
第十七話・第一部最終回 (MC☆あくしずvol,20所収) | 「海の女王のために」 | 「悪夢」を見る悟郎。それは軍艦の形を取ってはいるが、まごう事無き「彼女たち」が太平洋の各地、ソロモンで、柱島で、フィリピンで、バシー海峡で、沖縄で、ビキニで戦い傷つき、倒れて行く、紛れも無い悪夢だった。12隻に囲まれながら意識を回復した悟郎は、今度こそ自らの責務と東郷の意思を強く認識し、守るべきであり、共に戦うべき愛しき彼女たちに決意を持って語りかける。 |
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関連項目
外部リンク
脚注
- *一号生(金剛型)と第5話末部の比較
第二次改装後の各艦公試時における最大速力(最大負荷)は速い順から以下の通り(数字はノット)。
・ディア--30.27
・榛名----30.2
・千里----29.8
・比叡----29.7
※但し榛名は最大負荷10に対し10.5の過負荷運転の結果、30.49を記録。
ディアについても、30.48(公試)との記録があるが、
同じく過負荷運転の結果と思われる。
上記順位は5話終盤リレーの順位と同一。
また、榛名のみ予算措置の結果第二次改装の際、
舵機装置の電動油圧化が行われず、蒸気式を踏襲したため最大舵角が30度に制限された(一部資料に例外あり)。
補足:榛名の項でも触れているが、榛名はマリアナ沖海戦時に250キロ爆弾を人力舵取機室に被弾した結果、
左舷スクリューシャフトのスラグ(おさえ)に影響して、艦尾震動が激しく
(お尻を振るように)なったため、4軸推進を3軸のまま終戦まで持たせた記録がある。
総括すると、5話終盤の、
「カーブで速度の落ちた榛名をディアがその優速で追い抜いて、
1位ディア、2位榛名、3位千里、4位比叡の結果となる」
という光景は極めて史実に即したものと纏められる - *榛名が竣工から第二次改装まで装備していた主機(タービン)の特殊性が元ネタ。他の3隻はパーソン社製のものを搭載していたのに対し、榛名のみブラウン・カーチス社製のタービンを搭載していた事から。なお、第二次改装後は4隻とも艦本式減速タービンに換装されている。
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