ブラック企業とは、法規や善良な労働慣習を守らず収奪的な営利活動をする企業である。
本項目では概要だけでなく、多数の特徴や対策法も記載する。
同時に、まともな企業(ホワイト企業)に関しても記載しておく。
学生さんなど「自分には関係ない」と思ってはいけない。そこらじゅうにある。
学生の無知を利用した、ブラックバイト(項目参照)もあなたを狙っている。
面倒でも必ず覚えておこう。酷い目に遭っている人間は現時点でも大勢いる。
相手はあなたの無知や罪悪感を悪用・刺激することで利益・時間・労働力の搾取を行ってくる。
違法すら「普通」「美徳」と錯覚させ、死ぬまで酷使しても罪悪感すらない。
…また既に入っており、洗脳でブラック企業だと気付いていない可能性もあるため要注意。
もちろん、搾取できなくては困るため基本的に学校では存在や対処法を教えない。[1]
前提として労働基準法違反は犯罪であり、「(犯罪者に)黙って従うのが美徳」ではないし、社畜の人権なんて知ったこっちゃねえ企業に「申し訳ない」なんて思ってはいけない。
目次
概要
『ブラック企業』と言ったとき定義は様々だと思うが、長時間労働、サービス残業はまず基本である。かつては企業舎弟(有名なものとして美空ひばりが所属していた神戸芸能社も山口組田岡一雄組長直営だった。)やヤクザと繋がりのある企業のことを指したが、ヤクザの影響力が落ちたことや労働環境の実態が明らかになるにつれ、劣悪な労働環境の会社を指すようになった。
あわせて、労働契約書や給与明細を渡さないというのも重要な要素である。
まともに付き合って働けば、給料はろくに出ない、長時間働かされる、パワハラ、セクハラで精神的、肉体的に追い詰められる、犯罪行為の片棒を担がされる、自殺など散々である。
長時間労働や上司に対する従順さ、トラブルを非法規的に解決する示談文化などが、日本的な労働慣行の中にまかり通っているが、ブラック企業は日本的労働慣行の弱点をつき、働く人を食い物にする存在としては許しがたい。
注意しなければならないのは、いわゆる『優良』な企業でも、経営者や責任者が独善に陥り、ある目標を過剰に追求させるために、雇用している労働者の一部にむちゃくちゃな条件を押し付け働かせ、法を踏み越える行為をさせれば、それはブラック企業同然だと言うことである。
よく調べることの重要性
ブラック企業を批判すると『仕事を選ぶな。選ばなければいくらでもある。』という屁理屈が返ってくる光景がよく見られるが、日本ではこのようなブラック企業は決して少なくなく、幾多の労働者が彼らによって食い物にされているという現実がある。『仕事を選ばない』という事は、サバイバルに例えれば目の前に生えているキノコが食用キノコなのか毒キノコなのかをろくに調べずに食べるのと同じ事である。社会に出るにあたって『仕事を選ぶ』ことはブラック企業に対する最も基本的な自衛策となる。
違和感や理不尽、効率性のガン無視や待遇の悪さなどがあれば必ず疑い調べてみよう。「これが普通、当たり前」とか言われるが鵜呑みにして即納得してはいけない。上司・企業だからといって何でもやり放題の無法地帯ではないし、労働者にも権利はある。
労働者への批判
しかしながら、ブラック企業に勤務する労働者への批判は十分に散見される。ブラック企業はそこで働く労働者がいて初めて成立する存在であるがゆえに、ブラック企業を存続させているのは、他ならぬ労働者自身であるという指摘だ。実際はブラック企業であっても働き続けない限り、給料を得ることができず、生活がままならない(転職をする場合にも不利)という理由で働き続けるのであるが、ブラック企業の経営者も労働者酷使をやめれば、会社がつぶれて自分たちが困るので、同じ理屈を使えてしまう。つまり、ブラック企業だけが悪いという理屈は存在せず、ブラック企業が悪ならば社畜も悪人であるというのが、彼らの考えだ。しかし、日本ではブラック企業だけが非難の対象とされ、そこで働く労働者へのバッシングが見られない。この状況をブラック企業に対するいじめや集団リンチと捉える人も一部では存在しているのだ。
しかし上記の問題は専門家に相談することで解決は十分に可能であり、ブラック企業の見分け方も存在する。まずは個人で解決しようとせず下記の特徴・対策法や相談先を参照されたい。
特徴
すべてに当てはまる必要はないし、ひとつでも当てはまればブラック企業という訳ではないが
ブラック企業であれば自ずと該当していくため、識別は容易といえる。(対策法は後述)
これを読んで「こんなメチャクチャな企業や上司がいるわけないだろう」と
笑えたあなたは、勝ち組かもしれない。(未就労者を除く)
※就職前のアルバイトにおいては ブラックバイト の項目を参照。
- 面接の時点で違和感がある
- 研修(洗脳)により企業や社長への忠誠心をつけさせる。(ブラック研修)
- 研修内容・研修場所を詳しく知らせない。
- 研修開始日時を知らせるのが前日や間近。対応するための時間的猶予を与えない。
- 研修前に研修内容を口外しないよう誓約書を書かせる場合もある。(違法な内容には無効)
- スマホ、携帯電話、財布を没収し、逃げても無駄、逃げられない、耐えるしかない環境を作る。
- 山奥や閉鎖空間、容易に逃亡できない環境の監視下で不自由な共同生活を強制する。
- 威圧、罵倒、人格否定を繰り返し、社訓などを大声で叫ばせるなど、高ストレスを与える。
- 極めて激しい運動で体力や正常な思考力を奪う。心身ともに疲弊させる。
- 誰が何人泣こうが倒れようが遅延なく続行される。通常の対話が存在しない。
- 研修時間・研修内容に対して十分な食事、睡眠、休憩時間を与えない。個人の体力差を考慮しない。
- 根性論で途中脱落や水分補給を認めず、負傷者や病人が出ても医療機関へ搬送しない。
- 最後に威圧的な担当官が突如優しく褒め始めると、達成感と感動(錯覚)と共に洗脳社畜の完成。
(徹底的な人格否定→手のひらを返すのは、洗脳で広く使われている手法)
- 研修中の給与(時間外労働)がゼロ、または研修費用を給与から天引きする。(自腹)
- 研修内容が何も実務の役に立たない。社畜としての能力だけが出来上がる。
- 企業研修自体はどこも大変だが、ブラック企業の場合は特に「異常性」「非人道性」が際立つ。
- ※研修自体が無い場合もある。
- 個人の自由を奪う。
- 労働者の環境改善よりも企業の発展を優先させる。
- 労働時間や成果、技術に見合った報酬や評価を与えない。
- 有能な資格者・技術者を軽視する。
- 経営者や上層部への反感感情、意見、反論、他企業の使用を裏切り行為として非難する。
- 社員への敬意などなく、横暴すらも企業側に認められた権利と錯覚している。
- 高圧的、恫喝、脅迫、人格否定、吊るし上げ、嫌がらせといったパワハラを是としている。
- 不必要な罵声・体罰・暴力も、「愛」「本人のため」「教育」として納得させる。
- パワハラや体罰に罪悪感どころか「必要不可欠」「間違っていなかった」と自画自賛。
- 「昔はこれが当たり前だった」「だからお前も当然」といった前世代的感覚の押し付け。
- 悪待遇も「この業界では当たり前」「どこも同じ」と無知な社員を強引に納得させる。
- 大声や連帯責任、罰、絶対服従など、体育会系のノリや上下関係の過剰な押し付け。
- 気合、根性論、精神論。それがあれば(具体策がなくても)何とかなるという理論。
- 目的達成のための具体策を示さず、個人のそれに頼った営業や労働を強制する。
- 社内で頻繁に罵声が飛び交い、居るだけでストレスを感じるなど社内環境が悪い。
- 自分より先に出社する、自分より後に帰社する事を強制する。
- たまに環境や待遇の改善など社員に寄り添おうとするが、口だけ形だけのガス抜き。
- 技術や能力の無い人間が責任者・上長として現場や支店、上層部で顔を利かせる。強い権限を持つ。
- 責任者や上層部の私事、思想、政治団体・宗教団体への協力・参加を強制する。
- 古くからの慣例で、そもそも責任者が労働基準法に違反しているという意識が無い。
- 間違いを認めない。臨機応変さや柔軟性を持たず、偏見や前世代的な手法に固執する。
- 正当な意見すら反抗や命令拒否と糾弾し、減給、左遷や遠隔地への異動、解雇などの脅迫・実施。
- 全社員に対し、見せしめ、不届者として虚偽の内容を含んだメールを一斉送信する。
- 洗脳や罵倒によって、反論や意見、逃げることを許さない社内環境を既に完成させている。
- 自社製品(高額製品を含む)の購入や使用を強制する。またはそれを前提で天引きされている。
- 高度な企業秘密を扱う現場を除き、録音していないか確認する。不必要な所持品検査を行う。
- 悪い意味で「お客様第一」。悪質なクレーマーやモンスターペアレントの意見を真に受け、現場を無視したルール作りや悪質な相手でも忖度した対応を強制する。(部署や支店の評価や給与査定に悪影響を与えないため)むしろ企業や経営者自身が悪質なクレーマーに成り下がる。 →(クレーム)
- 匿名の意見箱や改善要求が一切機能しないどころか、内容が筒抜け、犯人捜しを行う。
- 不正や違反が露呈しても罰金が安い場合、問題を改善するより支払う方が利益になるという思想。
- 産業廃棄物の不法投棄など。
- 市場や企業規模の優位性を悪用し、横柄な態度や強気な条件で契約を迫る。(殿様商売)
- 企業の存続にもはや興味なく、自分のいる間までもてば、儲かれば良いという自己中心的な思想。
- 地元議員や政治家・官公庁に対し、多額の献金で政策や法律が自社優位になるよう働きかける。(規制緩和など) →レントシーキング…これ自体は即犯罪行為というわけではないが、自社有利どころか社畜や派遣を安価に使い潰せるよう法律を変えてくるなど、より悪質な方向へ社会を変えてくる。
- ヤクザ・暴力団、反社会的勢力との深い関わりを持つ(フロント企業)
- ※その他、労使関係において労働者が意見・反論しづらい特性(優越的地位)を悪用した行為。
- 自腹購入を前提とした過剰なノルマを課し、未達成者を罵倒、給与や査定を容赦なく下げる。
- 社員だけでなく、アルバイト等にも同等のノルマや責任・労働環境を課す。→ ブラックバイト
- 派遣社員や下請け、支店、下部組織、発注先、クリエイターを人間扱いしない。差別する。
- 派遣社員やアルバイトに対して「正社員登用」を餌に酷使する。
- 派遣社員を派遣先で雇用させない(違法)
- 中間搾取、多重下請け構造により利益だけ搾取して次へ丸投げする。
- 特段の理由なくエレベーターや社員食堂、福利厚生といった設備や施設・制度を使用させない。
- コスト削減のため正社員の割合自体が少ない。
- ロイヤリティ(売り上げの一部を上納)は搾取するが、事故や不利益は個人事業主の責任だと丸投げ。
(→フランチャイズ)
- デザインや設計など、一度発注した案件の仕様変更などを繰り返す。料金を十分に支払わない。
(IT・プログラマーに限らず、フリーのイラストレーター等が直面する問題)
- 下請けに過剰なコスト削減を要求し、従わなければ契約を打ち切る。(示唆も含む)
- 下請けに無償または安価でイベント協力を要請し、従わなければ契約を打ち切る。(示唆も含む)
- 顧客への対応が悪い。
- 現場を見ない、理解しない、意見を取り入れて活かさない。
- 現場の処理能力を無視した命令。そのうえ必要な設備投資や増員といった対策を取らない。
- 現場の処理能力を無視した納期や条件の仕事を安易に受注してくる。
- 一度に出せる利益や生産性を無視し、終電や深夜残業が必須の納期で計算してくる。
- コストや生産性を重視し、現場を知らない人間が机上の計算だけで時間短縮や省人化を押し付ける。
- コスト重視のあまり、運用に必要なコストすら出し渋る。
- 現場を激務にしておきながら、心配や協力は一切ない。むしろ押し付けて先に定時で帰る。
- 現場に必要な人材や人数を許諾や相談なく勝手に異動させる。
- 現場運営に必要な技術者・有資格者が不足している。または常駐させない。
- 現場運営に必要な技術者・有資格者の採用・育成などを人手不足やコストを理由に行わない。
- メンテナンス、セキュリティ、デバッグといった目に見えない部署やシステムを軽視する。
- 備品、設備や製品同士において無断で取り付け、改造、部品取り、改造といった危険行為。
- 労働安全衛生規則の無視、検査不良や違法改造といった法令の無視や隠蔽を現場に強制する。
- 補給や整備、規格、互換性を無視した機材やシステムを導入し現場を混乱させる。
- 部署間や部署内の協力や情報共有・情報伝達が不十分で、技術や設備を充分に活かせない。
- 現場の処理能力を無視した命令。そのうえ必要な設備投資や増員といった対策を取らない。
- やりがい搾取(項目参照)
不当に労働環境や賃金の低さを納得させる。顧客やファン、患者と天秤にかけさせる。 - 成果の横取り・業務や責任の押し付け、不正や隠蔽が横行し、それを黙認させる環境を作る。
- 労働契約書(雇用契約書)、給与明細を発行しない、渡さない、内容が違法(無効)。
- 労働災害を隠蔽する、申請させない。(違法)
- 過労死、自殺者、取り返しのつかないレベルまで精神を病んで辞める社員がいる。
- 個人の処理能力や体質・体調を考慮せず、過剰な業務を押し付ける。
- 「根性が足りない」「軟弱者」「近頃の若者は」と片付けられる。
- 「俺なら耐えられる」「これが普通」「なぜ耐えられない」と基準を押し付ける。
- 過労死や自殺者といった人命の損耗を気にしない、鋼メンタルだからこそのブラック企業。
- 医師の診断を受けさせない。通院させない。そのための半休・早退・有給の許可を出さない。
- 医師の診断書を持って精神状態を説明しても理解せず、ただの言い訳、邪魔者扱い。
- 「利益のための必要な犠牲」として重大な問題と認識していない。企業規模によっては毎月社員全員に正当な給与を支払うより、たまに出る自殺者だけに+αの支払いをしたほうが利益になると自覚しており、また証拠隠滅や口裏合わせ、法律の抜け穴などといった対策法を熟知している。
- 3年以内の離職率が高い。
- 有給休暇や慶弔休暇を認めない、取らせない。(違法)
- 退職させない。(退職届を受理しない)(違法)
- 威圧や脅迫、罵声によって強制的に退職を取りやめさせる。
- 「人手不足の場合は退職できない」など、一見効力のありそうな理由を羅列する。
- 退職届を受け取るフリだけで一切の処理しない、そのまま処分する。
- 企業への恩義、仲間や顧客、ファン、患者への罪悪感を人質に煽る。
- 日本人が同調圧力に弱い性質を利用する。(みんな、誰ひとり、お前だけが、等)
- 退職に条件を付ける。条件を満たすまで退職を認めない。
- 言葉・文章による謝罪や損害賠償を求める。法的手段を取ると脅迫する。
- 減給、ボーナス不支給、嫌がらせといった脅迫・実施。
- 「退職届の書式が違う」「書き方がなってない」と受け取らない。
- 退職時に離職票を渡さない。自己都合退職にする。
- 威圧や脅迫、罵声によって強制的に退職を取りやめさせる。
- 「うちは労働基準法を採用してないから」なんてトンデモ発言を行う企業もある。(違法)
- いざとなれば、わざと倒産し、各種支払いを踏み倒す。(計画倒産)
そのまま住所や社名、経営者名を変えた会社を設立して存続する手口もある。
※他にもありましたら追加お願いします
経済・景気への影響
還元されない分が企業や社会の為に正しく使われているか…といえば、お察しください。
例
平成26年/2014年の時点で
日本国内に約175万社、常用雇用者が約3777.7万人いるのだが、
33%(1246万6410人)がブラック企業で毎月3万円ずつ搾取されたと仮定した場合…
→ 毎月3739億9230万円、年換算4兆4879億0760万円が労働者・経済に還元されない。
50%(1888万8500人)がブラック企業で毎月3万円ずつ搾取されたと仮定した場合…
→ 毎月5666億5500万円、年換算6兆7998億6000万円が労働者・経済に還元されない。
70%(2644億3900人)がブラック企業で毎月3万円ずつ搾取されたと仮定した場合…
→ 毎月7933億1700万円、年換算9兆5198億0400万円が労働者・経済に還元されない。
※あくまで一例のため、これ以上の経済効果の無さがある可能性も。
…「9兆円の経済効果」の真逆をやっていると考えると納得がいくだろうか。
忘れてはいけないのが、派遣労働者や外国人技能実習生は上記の常用雇用者に含まれないため、彼らがピンハネで掠め取られている金額を含めればこれ以上に総額に跳ね上がる。さらに税金等も万単位で引かれていく。
そりゃ景気も良くならないわけである。
(比較値)2023年/令和5年度予算
東京都が8.41兆円、大阪府が1.93兆円、香川県が4883億円である。
要素まとめ
※ブラック企業目線
- 労働者に権利は無い。義務の無い事もやれ。労働者は深夜休日も薄給激務で滅私奉公が当然。
- 雇う側が偉いんだから、横暴、パワハラ、体罰、人格否定は当然の権利。
- 自殺?うつ病?精神崩壊?…根性が足りんぞ。もっと気合い入れろ。
- いかに非人道的な扱いであっても一切の反論は許さん。
- 仕事はできる奴に押し付けて、利益は企業が搾取して社員に還元しないけど、文句言わずに辞めるな。
は?違反じゃねえよ。どこの会社もこれが当たり前だ。
お前は社会の一般常識も知らんのか。お前も随分と偉くなったもんだな。ツラ貸せや。
一行で
ブラック企業「お前らに人権はないし、反論も許さないけど死ぬまで働け」
ブラック企業対策
情報収集 | 圧迫面接・ブラック研修 | オワハラ | 残業代が支払われない | |
休憩が無い | 有給休暇が取れない | ノルマ買取強制 | 労働災害 | 退職させない |
分かってもらえない |
給与や待遇だけで安易に選ばないことや、就職した会社がブラックだった場合も想定しておく。労働者の無知や未熟、経験の無さを突いてくる事が多く、知識があるだけでもかなり有利に戦える。ただし労働者自身が「これが普通」「ブラック企業ではない」と誤認している場合もある。(違法な状態でも誰も声を上げない環境を作っているため)
・労働基準法の違反は犯罪行為である。「ちょっとした罪」ではない。
・労働基準監督官には、警察官と同じ、逮捕や捜索差押等の強制捜査の権限が認められている。
・労働基準法は研修中の新入社員、末端のアルバイト・パート・派遣まで適用される。
・強制法規であるため、「うちは労働基準法を採用してないから」は免罪符にならない。
・労使関係で意見・反論しづらい特性(優越的地位)を悪用した場合、罪が重くなる可能性もある。
・労働(雇用)契約書や誓約書の内容が違法である場合 → 違法性のある契約は無効。
「書かざるをえない状況だった」「既に書いてしまった」「上司がブチ切れて契約破棄を認めない」「契約破棄する場合は無条件で多額の損害賠償を行うとか書いてある」でも関係なく無効化できる。
「あっそれ禁止されてるんだ」っていう規則やルールの一覧とは (マモロウネとは) [単語記事] - ニコニコ大百科 (nicovideo.jp)
必ず事前に情報収集しておこう!
インターネットで検索するのも手だが、「企業名だけ」で検索しても出てくるのは商品やサービスばかりで、よほどの事がない限り不都合な情報は出にくい。
そこで「ブラック」「クチコミ」「パワハラ」「退職理由」「帰れない」「激務」「残業」「違法」「違反」などネガティブな言葉を添えて絞り込むのも有効。都道府県や市町村名+「ブラック企業」で逆に探知してみるのも面白い。検索時は必ず間にスペースをひとつ挟むこと。(OR検索)
そこの学生さん、遊ぶのも結構だが
ブラック企業は実在どころか、掃いて捨てるほどある点に注意して頂きたい。
ただし上記のように、簡単な検索だけでもある程度の識別は容易である。活用してほしい。
圧迫面接・ブラック研修
面接・研修の時点で、担当者が不快な態度、言動、威圧や恫喝、人格否定、的外れな説教や侮蔑を伴う「圧迫面接」や「ブラック研修」は時代遅れなので、「耐えなくてはいけない」のではなく、よほど命をかけて入りたい企業でもなければカッコつけて耐えようとせず、適当な事を言って途中で帰っても構わない。(正当な理由もなく妨害すれば脅迫罪・強要罪、または逮捕・監禁罪となる)生命の危険を感じれば逃亡、場合によって反撃して構わないレベル。(正当防衛)
研修は先に研修場所や内容を調べておきたい。別に「研修が大変」は普通の企業もあるが、ブラック企業は(詳しくは先述)不自由どころか異常性や非人道性がひときわ際立つ、というより度を越している。変に耐えてしまうと、終了時の達成感で「せっかく耐えたのだから」「よく耐えたと褒めてくれた」「一緒に乗り越えた仲間」と一種の洗脳状態に陥ってしまい逆に辞めづらくなる。
企業には安全配慮義務(従業員が安全かつ健康に労働できるようにする)がある。
現代において圧迫面接やブラック研修の実施は、(相応の理由がなければ)優秀な人材を確保するどころか実情を辞退者に口コミ、SNS等で広くバラまかれ、就職志望者の激減、購買力低下や企業イメージの崩壊など、まともな企業であればほぼデメリットしかないコスパの悪い諸刃の剣でしかないため、判別しやすい例といえる。
面接で評価されるのは就活生だけでなく、企業側・面接官側も同じ。
面接官を務めるのは大抵、その企業の高い役職についている人間が多いため
・長年一緒に働く仕事仲間を選ぶ大事な面接だけど、就活生なんだしこのレベルで十分
・うちにはこんな無礼なクズが上層部でデカい面して居座ってますよ
・入社後にはこれ以上のパワハラを日常的に行うからよろしく
…と、ご丁寧に教えてくれているのだから、ブラック企業にしてはある意味親切ともいえる。
(面接官が入社後の上司だったというのも珍しい話ではない)
もちろん、すべてのブラック企業が圧迫面接を行うわけではないし、人数が欲しい場合、面接はほどほどに洗脳(ブラック研修)や研修後に本領発揮してくる可能性があるので予備知識として覚えておくと役立つだろう。
オワハラ(就職終われハラスメント)
取って付けたような用語だが、2015年頃から聞かれるようになったもの。
(大学4年生の大企業の採用選考が4月→8月開始となったため/経団連)
近年は就活者に対して容易に内定を出す反面、その時点で他社への就活を終わるよう強制する「オワハラ」(就活終われハラスメント)も存在し、「はやく就職内定して遊びたい」「就職が決まって嬉しい」「不景気だけど採用されて良かった」といった就活者の心理をうまく突いてくるので要注意。
※もちろん短期間・その日のうちに内定を出すこと自体は違法ではない
もちろん内定を辞退しても謝罪や損害賠償、採用にかかった会社側の経費諸々の返還の義務は一切ない。「辞退するなら一言詫びに来るのが筋だろ」「土下座して謝れ」(強要罪)そんな義務はないし、申し訳ないからと顔を出す必要もない。
損害賠償する場合は違法性や悪質性を法的に証明する必要があり、「不景気で採用するのも大変なのにあっさり内定辞退されたから」という理由だけで訴えたところで合理性も正当性もないため、ただの脅しだし、仮に訴えた所で盛大な自爆にしかならないので安心して構わない。「内定辞退すればお前の出身校から今後一切採用しない」「お前の悪評を業界に流す」(脅迫罪)といった脅しもあるが、その場合も臆せず学校へも相談すること。
言葉だけではなく、就活生のスケジュールを束縛する形もある。面接の回数を必要以上に多く設けたり、自社研修への参加を強要、大量の課題を出すなど「他社への就活する暇がない」状態にする。他社の採用試験が集中しやすい時期に内定者向けのイベントを開催して、参加を強要するケースや、採用希望者のスケジュールを確認した上で、他社の面接等に自社の面接等をかぶせてくる悪質な手口もある。
バブル期ほどではないが、内定者に物品や食事を奢る、BBQなどプライベートでの親交を深め、同情や罪悪感から辞退させにくくする手も無いわけではない。物品や食事自体は高額である必要はないが、デザートのひとつでもおまけにつければ、金欠学生には豪華に感じ恩に着てしまうかもしれない。…ただの良い会社かもしれないが。
内定を辞退しないよう誓約書を書かされるケースもあるが、憲法で認められた「職業選択の自由」に違反するため無効である。ブラックと知ったまま入社するほど間抜けなことはない。
言い返せない性格など、心配なら面接時/内定辞退時に録音しておけば安心。
内定を辞退する意思を伝える事自体は必要だが、普通の企業なら深追いはしてこない。
オワハラが無かったとしても、就活するにしては年齢的に不利、経歴や学歴が不利、おまけに特別な技術や資格も無いといった圧倒的な不利に関わらず、妙にあっさり内定が出る(都合が良すぎる)場合も一応警戒したほうが良い。
残業代を正しく支払わない、減額されている、支払われない。
残業代を支払わない(→サービス残業)はそのまま違法(犯罪)である。
「どこも同じ」「これが普通」なんて犯罪者の言い分を鵜呑みにしてはいけない。
「みなし残業」を盾に定額働かせ放題されている。
残業代が支払われない、タイムカードを定時で押すよう強制されるのはブラック企業の判断基準でよくある分かりやすい話ではあるが、知っておきたいのは基本給与に残業代が含まれた「みなし残業(制度)」でも、残業代が定額の残業手当を上回る(指定の残業時間を超過した)場合は超過分の残業代を支払う義務が生じるため、
・一定額の残業代さえ払えば社員を「定額働かせ放題」というのは実は大間違い。
・さらに言えば、みなし労働でも、休日・深夜の割増賃金は適用される。
「見込み残業」「みなし残業」「固定残業代(制度)」「定額残業代(制度)」は同じ意味。ぜひ覚えておいてほしい。
※適切に超過分の残業代・手当まで支払われていれば、みなし残業自体は違法ではない。
→ 残業
休憩時間に休めない!
6時間超え、8時間以内の労働には少なくとも45分の休憩を、8時間を超える労働には少なくとも1時間を超える休憩を与えなければいけない。(労働基準法34条1項)休憩中は労働時間として扱われないため、軽作業や電話当番をさせるのも違反である。
もちろん飲食店などが最も忙しい「12時に休憩を取れない」のは仕方ないが、「忙しい」「人手不足」「新人のくせに」「××もしていないのに」と条件や難癖をつけて「まったく取れない」のは違法。もちろんアルバイトも休憩は取れる。休憩時間をずらしても取れていれば問題はない。
有給休暇が取れない!
有給休暇は、労働者の権利である。上司を納得させる必要はそもそも無い。
有給休暇が取得できない、消化させない企業もあるが、条件を満たせば新入社員でもアルバイトでも有休を取得・消化できる。「アルバイトのため無し」「ノルマを達成するまで取得できない」など訳の分からない理由を労働(雇用)契約書に書かれていたとしても、違法な契約はそもそも無効である。
有給休暇は、雇用した日から数えて6ヶ月間勤務を継続し
かつ勤務日の80%以上働いた従業員に対して与える義務がある。(所定労働日数によって異なる)
その他に「成績優秀者のみ」「ノルマ達成者のみ」など変な条件は必要ない。
また有給取得の理由・目的を口頭や文章で説明する義務はないし、企業側を納得させなければ有給が取れないという義務もない。有給を取った日は旅行でも趣味でも一日中家で寝ていても構わないし、「呼び出しがあればいつでも出社できるように準備しておけ」というのは完全にお門違い。有給取得に対して減給や左遷といった不利益を示唆し、取りやめさせるのも大問題。
とはいっても有給取得書類には大抵理由欄がある…が、「私用のため」で特段問題はない。
※企業側は一応、繁忙期などは有給取得日を前後させる権限は一応ある。
また退職間際に残った有給休暇をすべて消化しても全く問題ない。取得日を退職後にずらす事はできないため会社側も認めざるを得ない。
「みんな取らないから」といった同調圧力(※洗脳済)で罪悪感を感じるほうがおかしい。
→ 有給休暇
ノルマ未達成だから罰金が…
売り上げ目標などを掲げる事自体は問題ないし、
達成者に対して別の報酬を与えるのも問題ない。
ただし、ペナルティを与えるのは違法。
ブラックバイトのほうが言われがちだが、正社員に対して行われる場合もある。自爆営業とも。
未達成者に対して大勢の前で罵声、人格否定などはもちろん
罰金・給与天引きといったペナルティが与えられる。
「売れなかった自分が悪いので受け入れるしかない」ではなく、違法である。
「雇用契約書にノルマ未達成は罰金と書いてあった」…関係ない。違法なので無効。
買取ではなく、給与天引きなら…ダメです。
→ ノルマ
労働災害を申請させてもらえない
労働災害が発生した際、会社は速やかに報告・提出する義務がある。
→ 労働災害
退職させない
退職は、労働者の権利であり、労働者側の意思が優先される。企業側の許可は必要ない。
入ってしまうと難癖つけて退職妨害を行い、退職できても離職票を出さなかったり(失業手当が受けられない)、内容を自己都合退職にするなど、最後の最後まで嫌がらせを行うパターンもある。「××するまで辞めさせない」「××できたら辞めさせてやる」「代わりを連れてこい」「法的措置を取る」「本人や家族に損害賠償請求する」「転職先を教えろ」といった脅しに義務はないし、よく見ると労働契約書(雇用契約書)に書いてあった…としても違法性のある契約項目は署名捺印があろうが契約として無効。
退職に余計な条件は必要ない。(強いて言えば意思表示と貸与品の返却くらい)
「忙しいから退職手続きができない」「手続きをする担当者がいない」「人手不足なのに辞める気か」「企業側が退職に納得できるよう説明しろ」「誠意を感じられなければ退職させない」というのは全く理由にならない。
退職届は「受け取っていない」とバックレられないよう配達証明つき内容証明郵便で送りつける手もある。「決まった書式でなければ受け取らない」とゴネられても、必要項目が記載され退職意思が分かるものなら印刷でも手書きでも書式は関係ない。(署名捺印は必要)ただし「退職願」だと「退職の許可を得る書類」になり効力が弱まるので注意。
※損害賠償を請求するには違法性・悪質性を法的に証明する必要がある。
※ちなみに離職票だけあっても、申請しないと失業手当は貰えないので注意。
「お前の仕事を同僚がやる事になる」「残った仲間に申し訳ないと思わないのか」「文句を言っているのはお前だけだ」「みんな黙ってやっているぞ」と罪悪感や同調圧力(集団心理)を突いた脅し文句もあるが、むしろ同僚も連れてさっさと辞めるか、自分ひとりでも辞めろ。そのまま金と時間と精神を削られてアルコール依存症、精神科送り、過労死、自殺した人間はいくらでもいる。・・・それでも勇気がなければ弁護士や、近年は退職代行サービスという手も存在する。
一生懸命説明しても、分かってもらえない!
ひどい言い方だが、当たり前である。
正当な意見であろうが、そんなものブラック企業は興味ない。あなたが相手をしているのは
「虚偽や嘘は常套手段、常識や倫理観の欠片もない極悪非道の犯罪者」であることを認識してほしい。
(労働基準法違反は犯罪)
罪悪感なく社員の人権や生命を平気で踏みにじる鋼メンタルだからこそのブラック企業。
企業に所属しているのはあなたではなく、あなたの名前が書いてある粗末な捨て駒である。
人権など元から保証されていない。
丁寧に礼儀正しく対応し、分かってもらおう、理解してもらおうという時点で大間違いである。むしろ「クソ極悪人にくれてやる礼儀なんて1ミリも必要ない」で充分である。開き直れ。
会話が通じて速やかに反映されるならブラック企業ではない可能性が高いし
仮にひとつ上の立場の上司が了承しても上にゴネられ、それだけでは何にもならない場合が多い。
また”分かったフリ”、”理解したフリ”は悪人の常套手段なのであっさり騙されないこと。
そもそもまともに会話が通じる相手ではない(違法という意識すらない)ため、労働基準監督署や裁判で訴える場合は録音などの証拠を必ず残すほか(証拠書類も含む)、そのデータのバックアップ(コピー)を取っておく事も忘れずに。発見されて破壊されたり、紛失、誤って上書きしてしまった、というリスクにも備えたい。言葉巧みに預かろうとしてくる場合もあるが、相手に安心して預けてはいけない。警察の証拠物品やいじめのアンケートなど、「都合の悪い物が<偶然>紛失する」事案は割とある。証拠さえ無くなれば訴えられないからだ。(ブラック企業は隠蔽や証拠隠滅に対しては一般企業以上に真面目に動く点を忘れてはいけない)
スマホでも録音は可能だが、バッテリー残量管理や着信などの割込を受けないよう設定する手間がある。ICレコーダー(ボイスレコーダー)の方が小型軽量で忍ばせやすく、さらに長時間の録音が可能といったメリットがある。製品や録音の音質によって千差万別だが、安い物でも3,000円程度から購入できるので覚えておきたい。中には録音可能時間が百時間近いものまである。
労働契約書(雇用契約書)、就業規則、被害を記録した日記、タイムカードのコピー、給与明細、通話やメールの履歴、録音した音声データなどの証拠は多いほど良い。攻撃的なブラック企業なら録音データの収集にも苦労しないだろう。
転職先もブラックだった…という事がないように。ハローワークや転職サイトを使うのも手ではあるが、ノルマ(就活成立)達成のために向こうからブラック企業を適当に選んでくる場合もあるため、過信は厳禁。
ブラック企業なのに辞めない理由
- 「ブラック企業だけど、給料を払ってくれてるんだから感謝しなきゃ」
前提として労働基準法違反は犯罪であり、「黙って従うのが美徳」ではない。「給料を支払ってくれるから」と恩義を感じてしまう方もいるが、「分け前をくれるから」と泥棒・強盗・殺人などの犯罪者に黙って従っている共犯者と同じであり、元より美徳や正しさなんてない。
- 「頑張ってつらい研修に耐えて就職したのにもったいない」
ブラック研修だった場合は、人格破壊と洗脳、社畜精神の養成が目的です。そもそも耐えてもマイナスにしかなりません。どん底に落として持ち上げるのは洗脳の基本ですから、そもそも耐える価値のない研修です。 - 「ブラック企業でも、頑張っていればいつか報われるかも…」
報われる前に心身ボロボロで精神科送りか、過労死、自殺するリスクが大きすぎます。また報われる前に企業そのものが倒産する危険性もあります。ブラック企業は都合が悪くなると、あえて一度倒産させる手口(計画倒産、支払いも踏み倒す)、そのまま住所や社名をを変えた会社を設立して何食わぬ顔で存続する手もあるため、巻き込まれた側はたまったものではありません。
もしその企業に居ながら報われるとすれば、まともな人が経営権を握るのを待つか、自分が経営権を奪い取るか、自分自身が最低最悪のブラック上司になるしかありませんが、努力して何とかなる問題でもないし、その努力はまともな他社で生かしてください。
トントン拍子で昇進させ、責任者として責任を押し付けて元凶・首謀者が逃げる手口もあるため、報われたと感じたら地獄に叩き落されることも。 - 「給与を上げるから(待遇良くするから)辞めるなと言われた!」
「クソだと思っていた上司が真摯な顔で頭を下げてくれた!」
あなたを引き留めるクソ上司の地位や査定は保証しても、結局難癖つけてあなたの給与も待遇も上がりません。喉元過ぎれば元のクソ上司に逆戻り。謝罪の気持ちがあろうが無かろうが口先だけなら何とでも言えますし、頭だって下げ放題。いろんな意味でカイジの「焼き土下座」(百科記事参照)が良い例。じゃあ最初から給与と待遇上げればいいんじゃないの。
もし例外を考えるなら、未払い分全額(業務成績等で受け取るはず手当全般も含む)+αを即金(現物)で手渡され、原因となった上司や経営者が解雇され、強力な発言権や現場の運用権限を譲渡されるレベルなら考え直しても良いかもしれません。ブラック企業の特性上ありえないけど。 - 「自分だけ辞めるのは仲間や上司、雇ってくれた企業に申し訳ない」
薄給激務でパワハラまみれのマジキチ悪徳企業に申し訳ないという気持ちは1ミリも必要ありません。あなたを人権のない捨て駒としか思っていないので、あなたが倒れようが精神崩壊しようが自殺しようが1ミリも気にしません。(隠蔽はする)
あなたの貴重な時間と人生、自由、労働力を過剰に搾取しながらパワハラやストレスを与えまくり、時給換算で最低賃金以下、権利も認めずまともな給与も支払わない時点で恩もクソもありません。労働時間に対して十分なお釣りがくるレベルの給与を貰っているなら話は別ですが…
- 「自分が辞めたら同僚に負担が増えて迷惑がかかるし…」
「みんな頑張って働いてるのに自分だけ辞めるのは…」
「みんな文句ひとつ言わずに働いているし…」
「みんなが(ry
「みんながそうだから」「みんなやってるから」「私もやらなきゃ」と勝手な罪悪感と同調圧力・集団心理で動くのは日本人の悪い癖です。相手が極悪非道のブラック企業ならば、「逃げ出さずにやり遂げた」「黙って耐えた」「みんなで仲良く最後は精神崩壊して過労死or自殺しました」「死ぬまでみんな一緒」は美談でも美徳でもありません。完全に無駄死にです。一人でも辞めていいし、
むしろ仲間も誘って辞めればボーナスポイント。
「誰も文句を言っていない」のではなく、洗脳や習慣で違法/異常だと気づいていないか、もはや意見や反抗は無駄、辞職できないと現状を諦めているのが理由です。 - 「仲の良い同僚(親友)を見捨てる、裏切る訳には…」
「彼に自分の仕事を押し付けることになる…」
その気持ち自体が既に立派な人質です。どんなブラック企業にも良い同僚・同期はいるものですが…
見捨てるのではなく一緒に辞めましょう。もしくは自分だけ辞めて、転職後の待遇を教えれば付いてきてくれるかも。同僚が良い人材であり、転職先企業と馬が合うなら軽く根回ししても良いかもしれません。申し訳ないからと現状のまま親友と一緒に過労死するのは友情でも美談でも何でもない。
そのまま連鎖的に部署が瓦解すればブラック企業には大ダメージです。
- 「人手が足りないのに辞める気か!」「謝罪文を書け」「土下座しろ」「代わりを連れてこい!」「家族に支払わせる」「家に行く」「誠意を見せるまで辞めさせない」と言われたけど無理…
人材募集や人材の補充・管理するのは企業側の仕事です。例えあなたが人事部の人間であろうが、後任を探す義務は1ミリもないし、損害賠償や土下座、謝罪文の義務もありません。代わりに労働基準監督署の人間を連れてきてあげても良いかもしれません。日当2~3万円で毎日日払いとかにすれば嫌でも来るんじゃないですか?家に押し入られたら武器使用OKでボコボコにできます。(後述) - 「どんなにつらくても、3年は頑張るべきだって言うだろ!」
「仕事が辛いからってすぐ辞めるのは社会人としてどうなんだ!」
「明らかにブラック企業の場合」に限っては必要ありません。時間の無駄です。薄給激務で犯罪行為(労働基準法違反は犯罪)に3年も付き合う義理はありません。無駄にした時間は二度と戻ってきませんし巻き戻せません。ストレスと嫌な思い出、心身へのダメージは確実に蓄積した代価もなく、いい経験にもカッコイイ武勇伝にもなりませんが、よろしいですか? - 「仕事を辞めるとか、逃げるみたいでカッコ悪い」
「ブラック企業で捨て駒の薄給激務に黙って耐えてる俺カッコイイ」も結構ですが、それなら試しに合コンやナンパで業務内容と実働時間、労働環境や給与を自慢してみてはいかがでしょうか。モテるどころかドン引きですわ。家族友人に心配はされても、誰も褒めてはくれません。命をかけて主君に尽くす武士道もいいですが、極悪非道の悪人に命をかけるのは武士ではありません。でも裁判を起こしてブラック企業に一泡吹かせるのはカッコイイかも。 - 「転職って難しそう」
「新しい仕事が見つからないかも…」
年齢や資格にもよりますが、希望条件を緩和すれば割とあります。気の進まない仕事や業種・給与かもしれませんが、意外と住めば都なもの。そもそも安月給なら、楽しい仲間や待遇のいい安月給のほうがよっぽどマシです。一般企業でも途中入社してくる転職者などは珍しい例ではありません。
さすがに転職10回とかなら警戒されますが…そうでなければだいたい何とかなる。
※ただしブラック企業か否かはよく調べること - 「なんか訴えるとか申し訳ない気が…」
「黙って録音とか卑怯じゃない?盗聴では?」
辞める際に必ずしも訴える必要はありませんが、極悪非道のブラック企業や上司に後ろめたさ、罪悪感を感じる必要はありません。「違法を告発するため」という目的があって録音するなら「盗聴」ではありません。相手は犯罪者集団(労働基準法違反は犯罪)、卑怯には卑怯を。録音であればONにして放っておくだけで勝手に証拠を収集してくれるので便利です。何もしなければブラック企業の片棒を担ぐ「共犯」と変わりません。SNSで拡散してやるなどの手段もあります。(ただし虚偽の内容は厳禁、個人の特定できる情報はぼかすこと) - 「今持っている技術や資格が今の職場以外で活かせない!」
「この資格を取るのに×年××か月、××万円かかったんだぞ!合格率も低いし!」
その気持ち自体が既に立派な人質です。私個人的には同情したいし、立派な資格には敬意を表すべきだと思いますが、ブラック企業は捨て駒の思い出話には一切興味がないため「資格者ならできて当然」「××するだけだろ」と特段の同情も敬意もありません。 - 「弁護士に依頼したらメチャクチャ高い金取られるだろ!大赤字じゃねーか!」
高額なイメージですが、「成功報酬の××%」という方式であれば赤字にはなりません。30分までなら無料で相談を受けられる場所も多いです。(要点や証拠は必ず事前にまとめて行くこと)弁護士によって能力や得意分野が異なるので、誰でも良いという訳ではありません。 - 「んな事言ったって辞めさせてくれねーんだよ!もう自殺するしかない!もう死ぬ!」
出勤しないでください。危険な状況から逃げても罪にはなりません。(緊急避難)労働基準監督署へ連絡してください。万一家に家に押しかけられたらドアを開けない(ドアチェーンで対応)で退去を要求して、無視して居座るなら即警察を呼んでください。(刑法詳細は住居侵入罪/不退去罪にて)家に押し入られたら遠慮なく安心して武器を持ってボッコボコにして構いません。(自宅敷地内では、望まぬ来訪者への正当防衛の効果が最強になるため)
仮にあなたが自殺したところで動じない厚顔無恥の鋼メンタルだからこそのブラック企業だし、ブラック企業に与えるダメージは証拠隠滅や口裏合わせの手間と、次の捨て駒を探すまでの労力、申し分程度の慰謝料(1~2桁少ない)くらい。
企業規模にもよりますが、むしろ社員に還元しない日頃の搾取で利益が有り余っている場合、たまに1人死んで多少慰謝料を払っても、全員に正当な給与と手当を支払うよりもかえって安くつくという悪魔もドン引きの所業。遺族に「1億欲しいのか」とか言っちゃうワタミどこかの社長も実在するし、その企業がまだ存続しているレベルなので(一部事業売却で急場を凌いだ)、普通に死に損です。
その他
日本人は
「黙って働くのが美徳」「カネの話をするのははしたないこと」と考える人もいますが
その浮いたカネを懐に入れてほくそ笑んでいる悪党が大勢いる点も忘れてはいけない。
まともに給与も支払わず、権利を行使させない企業に恩義を感じてはいけない。
極悪人に丁寧な対応や説得は1ミリも必要なく、また美徳でも何でもない。
相手がブラック企業なら「逃げるは恥だが役に立つ」
…ではなく、逃げても恥でもありません。まともな企業で力を発揮してください。
※「逃げること=恥」というのも一つの錯覚である。
ブラック企業は、「無知な社畜」がいなくなれば存続できません。
派遣会社による搾取
その他、社員が得るはずの利益を掠め取る派遣会社にも要注意。
多重下請けの場合、本来得られるはずの額が一気に下がる。(→派遣社員)
契約で「派遣先での雇用が禁止」と書かれているトラブルもあるのだが、
どこで雇われようが自由で、違法性のある契約内容は無効で拘束力がない。
※派遣先で直接雇用されてしまえば、派遣会社がピンハネできず旨味がないため。
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まともな企業に入りたい!
「ブラック企業」の真逆に「ホワイト企業」もあり、地域別に特集しているサイトもある。
…が、皆考えることは同じで当然倍率は高くなるため、入社には学力・資格など相応の苦労が必要となるのと、自分に合った職場か否かは働いてみなければ分からない。
経営者がセンスのない人間に変わり、利益追求に走った結果ブラックになる確率もゼロではないため、「ホワイト企業だから」と飛び込むのではなく、必ずブラックか否か、企業動向も調べたほうが良い。ホワイト企業だと思って入ったら実はブラック企業でした…ではシャレにならない。「面倒だから」と言わず、情報収集はしておこう。
もし今、就職前の学生さんが読んでいるなら、遊ぶのは構わないがちゃんと勉強もしておこう。
勉強をサボりまくりのいい加減な成績の劣悪な就活者なんて、ホワイト企業は雇ってくれない。
暗記、記憶術なども一応役に立つ。(→記憶)
資格に関しては名前だけで効力がない、使えないものも多いので注意。(→資格)
企業によっては「成績証明書」の提示が条件になっている場合もある。
別にオール100点を取る必要はないものの、「内定が貰えたからあとは勉強すっぽかして遊べる!」「在校中に大した問題は起こしてないから大丈夫!」とか言ってふざけていると、成績証明書を見れば一発で企業側にばれ、内定取り消しもあり得るので要注意。(成績証明書は卒業後に学校に本人が申請すれば発行してくれるが、内容を改竄できないよう開封無効となっている)
「自分だけは大丈夫」なんて勉強せずにいると
最後に口をあけて待っているのは薄給激務か、薄給激務+倫理観ゼロのブラック企業だけである。
それでも構わないが、せめて「常識の通じる良い同僚仲間のいる普通の企業」に入って頂きたい。
もちろん、事前に企業への下調べも忘れずに。
Q:「なんで教育でこういう大事な事を教えてくれないんだよ!」
A:「知ってたら無知なバカ若者を安価に使い潰せないじゃん、だから教えない」
…記事がかなり長くなって申し訳ないが、ここまで全文読んだならそれなりの情報量。
もし、家族親族・知人友人の子供などに就職前の子がいるならば、
悪質な「ブラック企業」の存在と、それに知識で対抗できることを教えてあげて頂けないだろうか。
「そういう存在がいる」ときっかけを知っているだけでも状況は有利になるはず。
「ブラックバイト」もお忘れなく。
ブラック企業ユニオン
ブラック企業ユニオンでは、全国の様々な職場で働く方から相談を受け付けています。次のようなことで悩んでいませんか?
・長時間労働をしている
・休憩をきちんと取れない
・どれだけ残業をして残業代が払われない
・有給休暇を希望通りに取らせてもらえない
・産休・育休を取りづらい
・パワハラを受けている
・解雇された、退職を迫られた
・辞めたいのに辞められない
小さな疑問でも構いません。「これっておかしいのでは?」「もしかしてブラック企業かも?」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。
労働環境をうかがい、労働法に基づいたアドバイスをいたします。また、違法行為がある場合は、改善に向けてどのような対応ができるのかをお伝えします。相談でお伺いした個人情報については、秘密厳守いたします。
また、本人だけでなく、友人や同僚、両親やパートナーからの相談も受け付けています。
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