辻真先(つじ まさき)とは、アニメ界とミステリー界の誇る高性能レジェンドおじいちゃんである。
別名義に「桂真佐喜」(初期にアニメ脚本などで使用)、「牧薩次」(一部の小説作品で使用。ちなみに『仮題・中学殺人事件』をはじめとするスーパー&ポテトシリーズの登場人物の名前)。
概要
1932年愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒業後、1954年にNHKに入局。前年に放送が始まったばかりの草創期のテレビ業界において、学生時代に映画に傾倒して台本やコンテを書いていた経験を活かしてテレビドラマを中心に様々な番組の制作に携わる。
NHK退職後、フリーの脚本家となり、60~70年代の黎明期のテレビアニメにおいて膨大な数の脚本を執筆。脚本を担当した代表的な作品を挙げていくだけで、『エイトマン』『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『魔法使いサリー』『リボンの騎士』『ゲゲゲの鬼太郎』『巨人の星』『サイボーグ009』『サザエさん』『タイガーマスク』『ひみつのアッコちゃん』『天才バカボン』『デビルマン』『ど根性ガエル』『キューティーハニー』『バビル2世』『勇者ライディーン』『超電磁ロボ コン・バトラーV』『Dr.スランプ アラレちゃん』『忍者ハットリくん』『うる星やつら』などなどなどなど、あまりにも多すぎて書き切れない。
その一方、1972年に「読者が犯人」という趣向の遊び心に溢れたジュヴナイルミステリ『仮題・中学殺人事件』で本格的に小説家デビュー。[1]本作が1975年にソノラマ文庫で再刊されると、本作をきっかけにミステリの面白さを知ったという中高生を多数生み出し、現在でいうライトノベルの源流のひとつにもなった。
80年代以降はアニメ脚本から小説家へと活動の軸足を移し、当時のトラベルミステリーブームの中、自身の鉄オタぶりを活かして鉄道ミステリーやトラベルミステリーを多数執筆する。その一方、デビュー作から共通する作中作などのメタ趣向や大胆な仕掛けを駆使した本格ミステリも書き続け、『迷犬ルパン』シリーズなどのユーモアミステリ、ジュヴナイルSFや架空戦記など幅広く手掛けた。
1981年、『アリスの国の殺人』で第35回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。1986年には短編「村でいちばんの首吊りの木」が『旅路 村でいちばんの首吊りの木』のタイトルで映画化されている。
その他、特撮の脚本や漫画原作、児童書や絵本も多数手掛けており、旅行エッセイや黎明期のアニメ業界回想録など、その仕事の全貌をまとめようと思ったらいったい何冊の本になるのか見当もつかない。
……と、知らない人がここまで読めば「なるほど、昭和に活躍して後世に影響を与えた昔のすごい人なのね」とか思われるかもしれない。ところがどっこい、このおじいちゃん、米寿を超えた2022年現在もアニメ脚本家・小説家の双方でバリバリの現役である。
アニメではさすがに仕事量はごく少ないものの現在も年に1本ぐらいのペースで『名探偵コナン』の脚本を担当しており、他に近年では『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』(2015年-2016年)でも第9話「果てしなき家族の果て」(『サザエさん』ネタの回)と第17話「デビラとデビロ」で、更に『ルパン三世 PART6』(2021年-)でも第3話「大陸横断鉄道(嘘)の冒険』で脚本を書いている。ちなみに意外にもルパンはこれが初参加(ノベライズは書いたことがあるが)。
小説の方では現在も年1冊ペースでコンスタントに新刊を出しており、2008年に「牧薩次」名義で刊行した『完全恋愛』で第9回本格ミステリ大賞を受賞(このとき77歳)。
そして2020年に刊行した『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』では88歳にして「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」の年間ランキング3つで1位の三冠を獲得(米澤穂信以来、史上2人目)。
一般にミステリーは高齢になるほど論理的な思考力や発想力が衰えて傑作を書くことが難しくなるジャンルであり、80代で現役作家というだけでも希少なのに、その年齢でキャリアに残る代表作を書いた作家というのは、国内ではおそらく他に皆川博子(82歳で本格ミステリ大賞受賞)ぐらいだろう。
文字通り、テレビ業界およびアニメ業界の黎明期から現在までを知る長老にして生き字引であり、ミステリーの世界においても第3代本格ミステリ作家クラブ会長を務め、2019年に第23回日本ミステリー文学大賞を受賞したレジェンド中のレジェンドである。現在もデジタルハリウッド大学名誉教授として教壇に立ったり、各方面で業界のレジェンドとしてインタビューや対談に引っ張りだこ。そんな巨人であるにもかかわらず、本人のTwitterでは現在も最新のアニメ、漫画、小説の感想を楽しそうに呟いており、知らなければとても米寿のおじいちゃんとは思えない。
……とレジェンドぶりを強調していくと、辻作品を読んだことのない人は「それなら作品もさぞかし重厚で格調高い文学味のある小説なんやろなあ」と思われるかもしれないが(『たかが殺人じゃないか』が「戦前生まれの著者でないと書けないミステリ」と評されたので尚更)、全然まったくそんなことはなく(もちろん貶してるわけではない)、基本的に本格ミステリの稚気と遊び心を前面に出し、唖然とするようなトンデモトリックや冗談みたいなメタ趣向を平然と繰り出してくるユーモラスな作風である(シリアスなものもあるが)。
現役の新本格以降の作家でいえばそれこそ鳥飼否宇とか深水黎一郎のラインで、ユーモアミステリーやトラベルミステリーを多作したためかあまりそういう文脈で語られないが、ミステリ史においては島田荘司や竹本健治らと同じく、本格冬の時代にデビューした新本格的作風のプレ新本格作家と位置づけるべきだろう。
アニメは60~70年代の有名作品で大量の脚本を書いているので、dアニメストアなどの各種配信サイトでその時代の作品を見れば思わぬところで名前を見つけられるだろう。小説の方は著作が200冊を超える非常な多作であるが、さすがに誰もが知っているベストセラー作家ではないので、現在ではごく最近の作品を除く大半の作品が新品では入手不能。とはいえ『仮題・中学殺人事件』などの代表作は古書での入手はさほど難しくないはずなので、見かけたら手に取ってみて欲しい。
作品リスト(アニメ)
あまりにも膨大なので代表的なもののみ。
作品リスト(小説)
シリーズごとの一覧はWikipediaにあるので、ここではノベライズなども全部ひっくるめて刊行順に並べる。海外文学が原作の児童書や絵本、伝記、ゲームブックなどは除外。数が膨大なので抜け・改題ダブりがあるかも。
赤太字は2024年5月現在新品で入手可能なもの。
- 小説佐武と市捕物控 (1969年、サンヤングシリーズ→1976年、ソノラマ文庫)
- 小説どろろ (1969年、サンヤングシリーズ→1978年、ソノラマ文庫→2007年、朝日ソノラマ[改訂新版])
- ドンとこい、死神! (1970年、サンヤングシリーズ→1973年、少年少女傑作小説)
→ 死に神はあした来る (1975年、ソノラマ文庫[改題]) - ニッポン絶体絶命 (1971年、サンヤングシリーズ→1978年、ソノラマ文庫)
- 仮題・中学殺人事件 (1972年、サンヤングシリーズ→1975年、ソノラマ文庫→2004年、創元推理文庫→2023年、創元推理文庫[新装版])
- 盗作・高校殺人事件 (1976年、ソノラマ文庫→2004年、創元推理文庫→2023年、創元推理文庫[新装版])
- 改訂・受験殺人事件 (1977年、ソノラマ文庫→2004年、創元推理文庫→2023年、創元推理文庫[新装版])
- 変身番長サクラ (1977年、ソノラマ文庫)
- 宇宙番長ムサシ (1977年、ソノラマ文庫)
- SF番長ゴロー (1978年、ソノラマ文庫)
- TVアニメ殺人事件 キリコの中冒険 (1978年、カイガイ出版部→1980年、ソノラマ文庫)
- キャプテンフューチャー1 恐怖の宇宙帝王(1979年、朝日ソノラマ)
- SFドラマ殺人事件 (1979年、ソノラマ文庫)
- キャプテンフューチャー3 暗黒星大接近 (1979年、朝日ソノラマ)
- 死体が私を追いかける (1979年、21世紀ノベルス→1984年、徳間文庫)
- 伝説『鬼姫村伝説』 (1979年、集英社文庫コバルトシリーズ)
- 離島ツアー殺人事件 (1979年、双葉社)
→ 紺碧は殺しの色 (1982年、フタバノベルス[改題]→1986年、徳間文庫) - 小説ルパン三世 (1980年、双葉社)
→ 小説!!!ルパン三世 (1982年、集英社文庫コバルトシリーズ)
→ ルパン三世 小説版 (2022年、双葉文庫) - ブルートレイン北へ還る (1980年、21世紀ノベルス→1985年、徳間文庫)
- 謎の戦乱惑星ラア マッドボーイ・シリーズ1 (1980年、ソノラマ文庫)
- 大血闘!ニッポン超軍団 (1980年、フタバノベルス)
- アリスの国の殺人 (1981年、大和書房→1988年、DAIWA NOVELS→1990年、徳間文庫→1997年、双葉文庫→2021年、徳間文庫[新装版])
- 謎のギヤマン機関 マッドボーイ・シリーズ2 (1981年、ソノラマ文庫)
- 宇宙戦艦富嶽殺人事件 (1981年、徳間文庫→1999年、ソノラマ文庫NEXT)
- 小説!?Dr.スランプ (1981年、集英社文庫コバルトシリーズ)
- 謎の妖ATOM城 マッドボーイ・シリーズ3 (1981年、ソノラマ文庫)
- ローカル線に紅い血が散る (1982年、トクマノベルズ→1985年、徳間文庫)
- 小説!?Dr.スランプの逆襲 (1982年、集英社文庫コバルトシリーズ)
- おれの名は殺人犯 (1982年、ソノラマ文庫)
- 急行エトロフ殺人事件 (1982年、講談社ノベルス→1985年、講談社文庫→2007年、講談社ノベルス)
- 私のハートに、あなたのメスを (1982年、カドカワノベルズ→1986年、角川文庫)
- 火の国死の国殺しを歌う (1982年、トクマノベルズ→1986年、徳間文庫)
- なつかしの殺人の日々 (1983年、カドカワノベルズ→1986年、角川文庫)
- われら2DK超軍団 (1983年、フタバノベルス)
- 迷犬ルパンの名推理 (1983年、カッパ・ノベルス→1988年、光文社文庫)
- 死によって幕があがる (1983年、カドカワノベルズ→1986年、角川文庫)
- 天使の殺人 (1983年、大和書房→2002年、創元推理文庫[完全版])
- 秀介ファイルNo.1 (1983年、ソノラマ文庫)
- 迷犬ルパンの大活劇 (1983年、カッパ・ノベルス→1988年、光文社文庫)
- 殺人者が日本海を行く (1984年、トクマノベルズ→1988年、徳間文庫)
- 死ぬほど愛した… (1984年、集英社文庫コバルトシリーズ)
- ブーゲンビリアは死の香り シンガポール3泊4日死体つき (1984年、新潮文庫)
- 迷犬ルパンの桧舞台 (1984年、カッパ・ノベルス→1988年、光文社文庫)
- 巨神ゴーグ1 (1984年、ソノラマ文庫)
- 犬墓島 迷犬ルパン・スペシャル (1984年、光文社文庫)
- 旅は道づれ死体づれ (1984年、C☆NOVELS→1988年、中公文庫)
- 三陸鉄道死神が宿る (1984年、トクマノベルズ→1989年、徳間文庫)
- 寝台超特急ひかり殺人事件 (1984年、講談社ノベルス→1988年、講談社文庫)
- 迷犬ルパンの蒸発 (1985年、カッパ・ノベルス→1989年、光文社文庫)
- 山陰ドン行に死す (1985年、トクマノベルズ→1991年、徳間文庫)
- 列車内での悲鳴はお静かに オリエント急行6泊7日死体つき (1985年、新潮文庫)
- 殺されてみませんか (1985年、フタバノベルス→1987年、双葉文庫)
- 迷犬ルパンの犬疑 (1985年、カッパ・ノベルス→1989年、光文社文庫)
- はるひワンダー愛 (1985年、光文社文庫)
- 鳴門に血渦巻く (1985年、トクマノベルズ→1991年、徳間文庫)
- 殺しはレールに乗って (1985年、フタバノベルス→1987年、双葉文庫)
- いつか虹を渡りたい (1985年、集英社文庫コバルトシリーズ)
- ラブ・ポジション ハレー伝説 (1985年、講談社X文庫)
- 殺したい子に旅させよ (1985年、C☆NOVELS)
- 南の島のお熱い殺意 モルディヴ・ツアー7泊8日死体つき (1986年、新潮文庫)
- 迷犬ルパンの挑戦 (1986年、カッパ・ノベルス→1990年、光文社文庫)
- 旅路 村でいちばんの首吊りの木 (1986年、中央公論社)
→ 村でいちばんの首吊りの木(1994年、C☆NOVELS[改題]→2023年、実業之日本社文庫) - 旅の死体は殺し捨て (1986年、C☆NOVELS)
- ピーター・パンの殺人 (1986年、DAIWA NOVELS)
- 殺人小説大募集!! (1986年、ジョイ・ノベルス→2024年、実業之日本社文庫)
- 北海で殺そう (1986年、トクマノベルズ→1992年、徳間文庫)
- 幻の流氷特急殺人事件 (1986年、講談社ノベルス→1990年、講談社文庫)
- 蜘蛛とかげ団 迷犬ルパン・スペシャル (1986年、光文社文庫)
- 霊柩車に乗った狙撃手 (1986年、光風社ノベルス)
- 鬼ごっこだよ国立探偵 (1986年、C☆NOVELS)
- 夢はパノラマ (1986年、ソノラマ文庫)
- 味子さん、殺人です! キャピキャピ探偵事件メニュー1 (1986年、トクマノベルズ→1993年、徳間文庫)
- 殺人がいっぱい (1986年、ノン・ポシェット)
- 自由の女神にないしょで殺人 ニューヨーク8泊9日死体つき (1987年、新潮文庫)
- 世にも贅沢な殺人 (1987年、ノン・ノベル)
- 四国殺人Vルート 迷犬ルパンと「坊っちゃん」 (1987年、カッパ・ノベルス→1991年、光文社文庫)
- 探偵さん、迷宮です! キャピキャピ探偵事件メニュー2 (1987年、トクマノベルズ→1994年、徳間文庫)
- 秀介ファイルNo.2 (1987年、ソノラマ文庫)
- 世にも香しい殺人 (1987年、ノン・ノベル)
- お犬様捕物帳 迷犬ルパン・スペシャル (1987年、光文社文庫)
- 死体は走るよ国際列車 (1987年、C☆NOVELS)
- 愛して盗んで (1987年、講談社ノベルス→1990年、講談社文庫)
- くらやみの天使たち (1987年、フタバノベルス→1990年、双葉文庫)
- 殺人犯にキュー! アイドルわるのり推理劇 (1988年、角川文庫)
- 犯人のお好みは麻婆豆腐だった 上海6泊7日死体つき (1988年、新潮文庫)
- 犯人さん、復讐です! キャピキャピ探偵事件メニュー3 (1988年、トクマノベルズ→1995年、徳間文庫)
- 迷犬ルパンと地獄谷 (1988年、カッパ・ノベルス→1991年、光文社文庫)
- 不倫探偵局出動せよ! (1988年、廣済堂ブルーブックス→1991年、廣済堂文庫)
- 殺しは江戸のパフォーマンス (1988年、ジョイ・ノベルス)
- ソウル発殺人物語 (1988年、トクマノベルズ)
- 世にも達者な殺人 (1988年、ノン・ノベル)
- 迷犬ルパンと幽霊海峡 「青函トンネル・瀬戸大橋」殺人事件 (1988年、カッパ・ノベルス→1992年、光文社文庫)
- 刀根家のいちばん長い日 (1988年、C☆NOVELS)
- 北斗星ロイヤル個室で誰が死ぬ (1988年、徳間文庫)
- 線と面 迷犬ルパン・スペシャル (1988年、光文社文庫)
- 殺しの秘湯案内 (1988年、立風ノベルス)
- 刺のある花園 (1988年、コバルトセレクション)
- 殺しもあるよ国境紛争 (1988年、C☆NOVELS)
- TOKYO殺しのトレンディ (1988年、ケイブンシャノベルズ→1990年、ケイブンシャ文庫)
- 迷犬ルパンと殺人結婚 (1988年、カッパ・ノベルス→1994年、光文社文庫)
- 電気紙芝居殺人事件 (1989年、講談社→1992年、講談社文庫)
- 時はそよ風、時はつむじ風 (1989年、ソノラマ文庫)
- はだかの探偵 (1989年、フタバノベルス→1991年、双葉文庫)
- 婿ドノのいのちが危ない! 1LDKエアコンなし死体つき (1989年、新潮文庫)
- 大雪山発殺人物語 (1989年、トクマノベルズ)
- 犯人 存在の耐えられない滑稽さ (1989年、東京創元社→1995年、創元推理文庫)
- 西伊豆昇天海岸 (1989年、ノン・ノベル)
- 迷犬ルパンの大逆転 (1989年、カッパ・ノベルス→1994年、光文社文庫)
- 銀座コンパル通りの妖怪 (1989年、フタバノベルス→1992年、双葉文庫)
- 死体も歌え奥信濃 (1989年、C☆NOVELS)
- 草津・赤倉殺人紀行 (1989年、立風ノベルス)
- 銀河鉄道の朝 迷犬ルパン・スペシャル (1989年、光文社文庫)
- 正義の味方仮面ライター (1989年、ジョイ・ノベルス)
- 東海道36殺人事件 (1989年、カッパ・ノベルス)
→ 東海道本線殺人事件 (1996年、光文社文庫[改題]) - くたばれ!不倫探偵局 (1990年、廣済堂ブルーブックス)
- 仏ケ浦発殺人物語 (1990年、トクマノベルズ)
- 合本・青春殺人事件 (1990年、東京創元社) - 5・7・8の合本
- 幽霊の殺人 (1990年、ケイブンシャノベルズ→1992年、ケイブンシャ文庫)
- 秘境西表島で誰が死ぬ (1990年、徳間文庫)
- 四国市内電車地獄ゆき (1990年、天山ノベルス)
- 沖縄県営鉄道殺人事件 (1990年、講談社ノベルス→1993年、講談社文庫)
- 富良野・狩勝殺人ライン (1990年、カッパ・ノベルス)
- 新妻は二度ずつ、だまされる! 豪邸タダで貸します死体つき (1990年、新潮文庫)
- 鉄腕ルパン 迷犬ルパン・スペシャル (1990年、光文社文庫)
- 知床岬に夏は死ぬ (1990年、C☆NOVELS)
- 伝説『バラ星雲伝説』 (1990年、大陸書房)
- 死劇「ラビリンス」 (1990年、ソノラマノベルス)
- 南九州噴煙の下で誰が死ぬ (1990年、徳間文庫)
- 迷犬ルパンとアイドル (1990年、学習研究社)
- 四万十発殺人物語 (1991年、トクマノベルズ)
- ニッポン国泥棒村 (1991年、ジョイ・ノベルス)
- 「亡霊荘」の殺陣 (1991年、ケイブンシャノベルズ→1993年、ケイブンシャ文庫)
- 「殺人事件」殺人事件 (1991年、フタバノベルス→1993年、双葉文庫)
- 殺人「北越雪譜」 (1991年、トクマノベルズ)
- ガラスの仮面殺人事件 (1991年、白泉社)
- 突発性多重人格発生症候群 (1991年、パレット文庫)
- 幻影城で死にませう (1991年、ソノラマノベルス)
- 迷犬ルパンと三毛猫ホームズ 迷犬ルパン・スペシャル (1991年、光文社文庫)
- ユートピア計画殺人事件 (1991年、日経エコノミステリー)
- 若夫婦の寝室に潜むヤツは誰だ 家賃格安オンボロ団地死体つき (1991年、新潮文庫)
- 佐多岬・北緯31度の墓標 (1991年、C☆NOVELS)
- 殺人者あずみ野日記 (1992年、廣済堂ブルーブックス)
- 死の影温泉ただいま混浴中 (1992年、大陸書房)
- 南紀仙人風呂で誰が死ぬ (1992年、徳間文庫)
- 伊豆恋人岬殺しの眺望 (1992年、C☆NOVELS)
- 安曇野殺人事件 (1992年、カッパ・ノベルス)
- TOKYO死街戦 (1992年、ケイブンシャノベルス)
- 殺人はフルコースのあとで 長良川鮎づくしツアー死体つき (1992年、新潮文庫)
- 迷犬ルパン、ハウステンボスを走る (1992年、光文社文庫)
- 緑青屋敷の惨劇 味子の怪奇探偵レポート (1992年、ソノラマノベルス)
- 白雪姫の殺人 (1992年、徳間書店→1995年、徳間文庫)
- 伊良湖岬に死体がひとつ (1992年、C☆NOVELS)
- 究極の鉄道殺人事件 (1992年、フタバノベルス→1995年、双葉文庫)
- 根釧原野殺人事件 (1993年、カッパ・ノベルス)
- 観光課殺人ガイド (1993年、ジョイ・ノベルス)
- 土方歳三、参る! 幻説五稜郭 (1993年、光風社出版)
- 殺人「悲しき玩具」 (1993年、トクマノベルズ)
- 迷犬ルパンの東京暗殺マニュアル (1993年、光文社文庫)
- 孔明推理綺譚 幻説五丈原 (1993年、光栄)
- 十和田湖畔に死体が踊る (1993年、徳間文庫)
- 黄昏の殺人特急 (1993年、ケイブンシャノベルス)
- 津軽海峡死景色 (1993年、C☆NOVELS)
- 小泉八雲殺人風土記 (1993年、光文社文庫)
- 暁の連合艦隊 北洋決戦 (1994年、カッパ・ノベルス)
- 怪盗天空に消ゆ 幻説銀座八丁 (1994年、トクマオーノベルズ)
- 暁の連合艦隊2 激闘!大和vs.ビスマルク (1994年、カッパ・ノベルス)
- 喪われた関係 (1994年、フェミナノベルズ)
- 酔いどれ探偵李白 幻説楊貴紀 (1994年、トクマノベルズ)
- 暁の連合艦隊3 ウラジオストック沖大海戦 (1994年、カッパ・ノベルス)
- 奥志摩の海を死体が泳ぐ (1994年、徳間文庫)
- 江戸川乱歩の大推理 (1994年、光文社文庫)
- 暁の連合艦隊4 ベーリング海大海戦 (1994年、カッパ・ノベルス)
- 湾岸鉄道殺人事件 (1994年、ケイブンシャノベルス)
- 正岡子規殺人句碑 (1995年、中公文庫)
- 妖伝・三国志 諸葛孔明の正体とは!? (1995年、カッパ・ノベルス)
- 世紀の殺人 (1995年、東京創元社)
- 長崎雨の港に死体が祈る (1995年、徳間文庫)
- 旅と恋と殺人と (1995年、日文ノベルス)
- 零下四十一度の義経伝説 (1995年、光文社文庫)
- 迷犬ルパンの東京暗殺マニュアル (1995年、コスモノベルス)
- あゝ、名機ゼロファイター 零戦その生涯 (1995年、カッパ・ノベルス)
- 迷犬ルパンの大売出し (1995年、光文社文庫)
- 豪華船は謎を乗せて 沖縄・神戸もめごとクルーズ (1996年、光風社文庫)
- 悲憤の「大和」、栄光の「雪風」 (1996年、カッパ・ノベルス)
- 妖女降臨1945 (1996年、ジョイ・ノベルス)
- 殺人の多い料理店 (1996年、実業之日本社→2022年、実業之日本社文庫)
- 魔女復活1972 (1996年、ジョイ・ノベルス)
- 激闘!地獄の戦車隊 (1996年、カッパ・ノベルス)
- 超人探偵南方熊楠 (1996年、光文社文庫)
- 美女昇天1996 (1996年、ジョイ・ノベルス)
- 暗殺列車 山本五十六大将抹殺指令 (1996年、カッパ・ノベルス)
- 迷犬ルパンと里見八犬伝 (1996年、光文社文庫)
- 東京湾大海戦 (1996年、ジョイ・ノベルス)
- 本格・結婚殺人事件 (1997年、朝日ソノラマ→2024年、創元推理文庫)
- 崩壊 地底密室の殺人 (1997年、カッパ・ノベルス)
- 怪盗フラクタル最初の挨拶 (1997年、講談社ノベルス)
- 伊勢湾大海戦 戦艦大和vs.武蔵 (1997年、ジョイ・ノベルス)
- サハリン脱走列車 (1997年、講談社)
- 9枚の挑戦状 (1997年、光文社文庫)
- 赤い鳥、死んだ。 (1997年、実業之日本社→2023年、実業之日本社文庫)
- 風雪殺人警報 (1998年、カッパ・ノベルス)
- 不思議町惨丁目 (1998年、講談社ノベルス)
- 龍馬の露国艦隊撃滅大作戦 偽・日本史1 (1998年、ジョイ・ノベルス)
- 能登はやさしや鬼までも (1998年、光文社文庫)
- 西郷の沖縄独立大戦略 偽・日本史2 (1998年、ジョイ・ノベルス)
- 昭和は遠くなりにけり 時の回廊 (1999年、朝日ソノラマ)
- 平和な殺人者 (1999年、カッパ・ノベルス)
- 夜明け前の殺人 (1999年、実業之日本社→2022年、実業之日本社文庫)
- ひとしずく (2000年、三五館)
- あじあ号、吼えろ! (2000年、徳間書店→2007年、徳間文庫)
- ニャロメ、アニメーター殺人事件 (2000年、ジョイ・ノベルス)
- デッド・ディテクティブ (2000年、講談社ノベルス)
- 悪魔は天使である (2001年、東京創元社)
- 超特急燕号誘拐事件 (2001年、光文社文庫)
- 進駐軍の命により (2001年、徳間書店)
- 殺人病棟は眠らない (2001年、ジョイ・ノベルス)
- 北海道・幽霊列車殺人号 (2002年、光文社文庫)
- 弔い島殺人ステージ (2003年、ジョイ・ノベルス)
- 北辰挽歌 土方歳三海に戦う (2004年、学研M文庫)
- 上州・湯煙列車殺人号 (2004年、光文社文庫)
- 奥飛騨、殺人慕情 (2004年、ジョイ・ノベルス)
- 信州・高原列車殺人号 (2004年、光文社文庫)
- 津軽、殺人じょんから節 (2005年、ジョイ・ノベルス)
- 伊豆・踊り子列車殺人号 (2005年、光文社文庫)
- 長崎・ばてれん列車殺人号 (2005年、光文社文庫)
- 沖縄軽便鉄道は死せず (2005年、徳間書店)
- 青葉城、殺人恋唄 (2006年、ジョイ・ノベルス)
- 弘前・桜狩り列車殺人号 (2006年、光文社文庫)
- 日本海・豪雪列車殺人号 (2007年、光文社文庫)
- 甲州・ワイン列車殺人号 (2007年、光文社文庫)
- 完全恋愛 (2008年、マガジンハウス→2011年、小学館文庫) - 牧薩次名義
- 宗谷・望郷列車殺人号 (2008年、光文社文庫)
- 四国・坊っちゃん列車殺人号 (2009年、光文社文庫)
- 会津・リゾート列車殺人号 (2010年、光文社文庫)
- 郷愁という名の密室 (2010年、小学館→2014年、小学館文庫) - 牧薩次名義
- 日本・マラソン列車殺人号 (2011年、光文社文庫)
- 戯作・誕生殺人事件 (2013年、東京創元社→2024年、創元推理文庫)
- 未来S高校航時部レポート TERA小屋探偵団 (2014年、講談社ノベルス)
- にぎやかな落葉たち 21世紀はじめての密室 (2015年、光文社→2017年、光文社文庫)
- 未来S高校航時部レポート2 戦国OSAKA夏の陣 (2015年、講談社ノベルス)
- 残照 アリスの国の墓誌 (2016年、東京創元社)
- 未来S高校航時部レポート3 新撰組EZOで戦う! (2016年、講談社ノベルス)
- 義経号、北溟を疾る (2017年、徳間文庫)
- 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説 (2018年、東京創元社→2021年、創元推理文庫)
- 焼跡の二十面相 (2019年、光文社→2021年、光文社文庫)
- たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 (2020年、東京創元社→2023年、創元推理文庫)
- 二十面相暁に死す (2021年、光文社→2023年、光文社文庫)
- 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ (2022年、東京創元社)
- 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選 (2022年、創元推理文庫)
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
- *なお、それ以前から雑誌の短編掲載はいろいろあった。確認されている限り1957年に「悪魔の画像」という作品が雑誌掲載されているのが最初で、それ以降も60年代に雑誌「宝石」の新人賞で候補作になった作品などが雑誌掲載されているほか、初の単著も60年代のノベライズ作品なのだが、経歴などでは1972年が小説家デビューの年として扱われることが多い。これも正確に言えば、小説家としての活動が本格化するのは『仮題・中学殺人事件』がソノラマ文庫で再刊された1975年以降である。
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