よしっ 逃げよう!!
逃げ上手の若君とは、2021年連載開始の週刊少年ジャンプ連載作品である。
概要
中先代の乱を起こしたことのみ唯一教科書に載っている、鎌倉北条氏の末裔・北条時行を主人公にした英雄譚。「天地を喰らう」「花の慶次 -雲のかなたに-」などをはじめとした史実ベースの作品は近年のWJでは珍しく、本作品で久々に当ジャンルが誌面連載されることになった。
『魔人探偵脳噛ネウロ』や『暗殺教室』の松井優征の5年ぶりとなる連載作品。2021年8号から連載開始。
2023年3月20日の週刊少年ジャンプ2023年16号にてテレビアニメ化が発表された。同作者による連載は先述の2作に続いて3作連続のアニメ化となる。
登場人物
北条時行陣営
逃若党
- 北条時行(CV:結川あさき)
- 主人公。史実では生年は不明だが、本作では諸々の描写を見る限り数え年計算で中先代の乱を10歳で迎えるっぽいのでおそらく1326年生まれ。
- なお、史実では邦時と異なり母親は全くの不明だが、この漫画では邦時と別腹で北条高時の妻の中で安達時顕娘が母親の嫡子。
- 生存本能の化け物として英雄になるべく鎌倉を脱出させられ、日本史に名を残すこととなった。
- 雫(CV:矢野妃菜喜)
- オリジナルキャラクター。諏訪頼重の娘。
- 狐次郎(CV:日野まり)
- オリジナルキャラクター…多分。諏訪頼重の連れてきた郎党候補。母親が御内人に孕まされた後、母親の命と引き換えに生まれた。
- 刀捌きが得意な少年。信濃滋野氏の分家・袮津氏の出身。
- 亜也子(CV:鈴代紗弓)
- オリジナルキャラクター…多分。諏訪頼重の連れてきた郎党候補。1334年に9歳なので、おそらく北条時行と同い年。
- 怪力自慢な少女。信濃滋野氏の分家・望月氏の出身。
- 風間玄蕃(CV:悠木碧)
- オリジナルキャラクター。常に狐の面をかぶっている。信濃を騒がす盗人で、変装の達人。
現在の長野県塩尻市桔梗ヶ原に「玄蕃之丞」と呼ばれる化け狐の伝説があり、これが元ネタと考えられる。 - 吹雪(CV:戸谷菊之介)
- オリジナルキャラクター。謎の多い少年だが、大食漢。
- 実はもとは高一族のうち彦部氏の出身で、足利学校にいたが脱走し、逃若党に居着いていた。
- 夏
- 信濃に来ていた天狗衆のリーダー的存在。正式には「夏の四」という名前で、天狗衆としてのコードネームめいたもの。若たちと同程度の年齢で、性別は玄蕃が娘と言っていたので多分女。
- 中先代の乱勃発時に風間玄蕃に捕らえられて放屁とフルチンを見せられた感じの辱めを受けた結果、その後ずっとこっそり玄蕃を見張っていた。南北朝成立後に、火薬の生成を手伝った流れでふんわり逃若党に合流した。
- 秕(シイナ)
- オリジナルキャラクター……多分。武勇優れた女性で、幕府滅亡時に北条方の主君のために戦うも、主君が腹を切る時間すら稼げず、辱められ以後鎌倉で農家の下女として過ごしていた。
- その際指などを切られたが、北条時行の依頼で、正宗から、脚に装着する刀と、金属製の爪付きのガントレットめいた籠手を与えられた。
- その後、2回目の鎌倉攻略時に仲間入り。死に場所を探しているようなので、体力消費の激しい武器性能にされている。
諏訪神党
- 諏訪頼重(CV:中村悠一)
- 信濃の神官。史実では御内人の一人で中先代の乱の協力者。
- 未来が中途半端に見えるインチキ宗教家。北条時行を脱出させる。
- 若く見えるが、物語開始時点で元服済みの息子と孫もいる。最後には中先代の乱において北条時行を逃がし、『太平記』の筋書き通り退場した。
- 諏訪時継
- 諏訪頼重の息子。史実では父と同じく、中先代の乱の協力者。
- 作中でもメタ的にも影が薄い存在だが、盲目の剣の達人。最後には中先代の乱において北条時行を逃がし、『太平記』の筋書き通り退場した。
- 諏訪頼継
- 諏訪時継の息子。諏訪頼重の孫。史実では中先代の乱以後の諏訪氏の核。
- 自らを神格視した、高慢な幼児。
- 諏訪盛高
- 諏訪氏の一族。史実では諏訪頼重に吸収されていたり、されていなかったりという存在なのだが、この物語では諏訪頼重とは別に存在する。
- 解説上手。主君・諏訪頼重の最期をみとった。
- 海野幸康
- 滋野氏の嫡流で、この漫画では諏訪頼重の郎党。
- ナイスミドルだが、最強の童貞。
- 祢津頼直
- 滋野氏の一門で、この漫画では諏訪頼重の郎党。狐次郎は、妹の子。
- 冷静沈着で、鷹を操る人物。
- 祢津小次郎
- 祢津氏の次代当主。祢津頼直の嫡子で狐次郎のいとこ。
- 望月重信
- 滋野氏の一門で、この漫画では諏訪頼重の郎党。亜也子の父親。
- 豪放磊落で、適当だが短期的な戦術的成果をなんやかんや出す人物。
信濃諸勢力
- 保科弥三郎
- 史実では中先代の乱で信濃戦線を担当した人物。
- 四宮左衛門太郎
- 史実では中先代の乱で信濃戦線を担当した人物。
- 常岩宗家
- 中先代の乱直前の3月の戦いで登場する常岩と思われる。
- ここでポシャる氏族なので詳細は不明。
- 犬甘知光
- 建武3年の北条泰家の蜂起で登場する深志介知光と思われる。
- 後世は小笠原氏被官として登場する氏族。
北条党
- 三浦八郎
- 史実で参戦した三浦氏に八郎がいないような気がするので、詳細は不明。この漫画では若狭守の系統の三浦時明の弟だが、『尊卑分脈』、『系図纂要』、『諸家系譜纂』等にはそれらしき人物もおらず。
- 北条氏残党を信濃で取りまとめている存在。ただし、北条時行の正体は知らず、無礼も働いていたが正体を知ってからは襟足を正した。
- しかし、中先代の乱の敗戦後、足利方につくことになってしまう。
その他
- 北条泰家
- 北条時行の叔父。かつては北条高時の跡目を狙ってた気配もあるが、中先代の乱の協力者の一人。
- 文字通りすべてが顔に出るため、一定の信は置かれている人物。史実上最後の出番である建武3年の蜂起後、足利方に捕らえられつつも生き延びた。
- 名越高邦
- 『関東開闢皇代並年代記事』、『続群書類従』、『系図纂要』などの複数の系図に登場する名越高家の息子。通称は尾張左近将監など。
- ぶっちゃけ、系図記事以外に何も残っていない人物なのだが、この漫画では小夜中山合戦にあたった名越軍の主将を彼にしている(軍記にも文書にもこの名越が誰かははっきり書かれておらず、江戸時代の『掛川誌稿』には邦時と名前すら間違われているレベル)。
- 北条時行と同程度の幼い武士で、父親の敵討ちに弟ともに燃えている。
- しかし、魅摩の急襲によって戦力が減らされ、それでも最前線を担おうとしたがあっけなく殺された。
足利尊氏陣営および北朝
宗家と郎党
- 足利尊氏(物語開始時は高氏)
- なんでもありの訳の分からない英雄で、規格外の化け物。
- この物語のラスボスになると思われる。
- 足利直義
- 足利尊氏の弟。直感型の兄に対し、徹頭徹尾理論型という、別の類の俊才。
- 戦の常道を外れる手にも出れるが、理詰めであり英雄として"持っている"側ではないというキャラクターとして描かれる。
- 足利義詮
- 足利尊氏の息子で、後の室町幕府二代目征夷大将軍。
- まだ幼子であり、斯波家長からは父親と異なる凡庸な人物とみなされている。
- 足利直冬
- 足利尊氏の息子で、後の観応の擾乱の遠因。
- 東勝寺で北条高時の最期を見届け、そのまま鎌倉で悶々としていたが、素性も知らないまま北条時行に背中を押されたことで、なんの因果か彼の人生が始まってしまった。
- 高師直
- 足利尊氏に幼い頃から仕えた人物。少なくとも彼は主君の本性を理解している。
- どことなく鉄面皮な、冷静な人物。なお、普通に執事をしている。
- 高師泰
- 史実では長幼がわからないが、この漫画では高師直の弟。
- 無作法で残虐な気もあるが、足利尊氏の譜代の郎党。
- 高重茂
- 高師直、高師泰らの弟。典型的な吏僚で、文官としては優れている。
- 高師冬
- 高師直のいとこで、彼の猶子となっていた。後に関東執事となり、足利尊氏派として上杉憲顕とは競い合っていく。
- というか、この漫画では逃若党の吹雪のこと。足利尊氏のオーラに当てられて正気を失い離反し、高師直に死んだ猶子の代わりに据えられ、史実の高師冬となった。
信濃方面
- 小笠原貞宗
- 新田義貞の鎌倉攻撃の初期から付き従った信濃の有力御家人。建武政権では信濃国守護となり北朝でも引き続き守護となった。
- 洞察力に優れ、ダニの性別すら見分けられる人物。また、高圧的だが弓の腕は優れている。
- 赤沢常興
- 小笠原一門。遠い親戚のようで『寛政重修諸家譜』によると、父の代で惣領家から養子が入ったばかりである。
- この漫画では小笠原貞宗の副将。
- 赤沢新三郎
- 赤沢常興の弟。高慢な人物だったが、亜也子に一度叩きのめされ、それ以降は傷の癒えていない姿になっている。
- 市河助房
- 小笠原貞宗の指揮下で、中先代の乱に信濃方面で当たった人物。
- 聴覚に優れている描写が多々ある。
- 瘴奸
- 子供を売った金で酒を飲むことを生き甲斐にする悪党……だったが、北条時行との戦いで死の淵にて浄化される。
- そのまま死亡したかに思われたが貞宗によって救命されていた。
- 悪党としての行為の下劣さに反し、武勇と知略を併せ持つ優れた人物。
- 本名は平野将監。
- 天狗衆
- 足利尊氏配下のいわゆる忍び。
- 初登場時は玄蕃を上回る情報収集力と戦闘力を誇ったが、徐々にその裏をかかれていく。
- 村上信貞
- 河内源氏のうち、父親から文の才能があるのでそっちの仕事をさせてくださいと上司に任せて文働きを主に行った源頼清の子孫で、かの有名な北信の村上氏。
- 中先代の乱の後始末あたりから登場するため、この漫画でも鎌倉占拠後に初登場。
関東庇番など
- 斯波孫二郎→斯波家長
- 足利本宗家に対抗し得る、尾張足利氏の出身(孫二郎は『尊卑分脈』出典の仮名)。
- まだ幼子だが、この漫画では関東庇番の一員。
- 中先代の乱では未熟な策士という側面もあったが数多くの同僚を失い史実通りの初代関東執事となった。しかし杉山城の戦いで上杉憲顕に後を託して散った。
- 渋川義季
- 後の御一家の内、いわゆる御三家になる渋川氏の当主で、関東庇番かつ足利直義の義弟。
- オールバックのお堅い性格の人物。長刀「千里薙」の使い手。武士の理想の範疇から少しでもズレた存在に対する特効持ち。
- 岩松経家
- 畠山氏の同父兄弟から分出した、足利氏と新田氏の両方の血が流れている一門で、関東庇番かつ飛騨守護。
- なぜかサーファー風の軟派な人物だが、サーフボードらしき鞘に隠した刀「艶喰」の実力は確か。
- 三浦時明
- 同じ名前がいてややこしいが、本家の三浦時継の父親の三浦上総介時明ではなく、又従兄弟の若狭判官時明の方。関東庇番。
- 強いが、義理に欠け寝返りやすい。しかし、時行らの雰囲気に当てられて忠誠を誓い、最後は三浦八郎らを逃がして散った。
- 上杉憲顕
- 守邦親王についてきた後、足利氏と姻戚となった元下級公家の末裔で、関東庇番かつ後の関東管領。
- 元貴族といいつつ、武力も確かにある人物。ダークエルフ。
- 武士概念に興味を持つマッドサイエンティスト気質。
- 長尾景忠
- 鎌倉党の子孫とされ、後の上杉謙信等を輩出する、上杉氏の家宰となる一門。
- この漫画では貧民になっていたところを、上杉憲顕の実験材料として拾われた。
- 今川範満
- 三河今川氏の一員で、今川範国の兄。この漫画では関東庇番。
- 文字通り馬面の、ツッコミ待ちな存在。うまだいすき。
- 一色頼行
- 足利氏一門で、後の相伴衆の家格。関東庇番。
- 商魂たくましい性格。
- 石塔範家
- 足利氏一門。ただし彼についてはほぼ名前しか残っていない。関東庇番。
- 一次創作「白拍子天女鶴子ちゃん」の痛絵を身にまとった存在。
- 吉良満義
- 後の御一家の内、いわゆる御三家になる吉良氏の当主。関東庇番。
- カモフラージュマントを着た、斥候のような見た目。好物は草で、セリフの殆どに草を生やす。
- 岩松四郎
- 岩松経家の兄。
- 猫が好きそうだったが、特に何事もなく瞬殺される。
- 小山秀朝
- 下野の小山党の総領で、下野国守護。
- 別働隊を率いてたところ主力を向けられ、苦戦させる程度の実力はあったものの戦闘自体の描写なく死亡。
- 淵辺義博
- 『太平記』で護良親王を殺した存在。
- 張り付いた笑顔の男だが、動揺すると本性が出る。
- 史実ではそれ以外の出番はない(たまに『難太平記』では新田義貞との戦いで死んだと書かれるが、あっちは淵辺甲斐守でこっちは淵辺伊賀守なので同一人物という確証はなし )が、この漫画では北条時行の再起においてサラッと殺された。
- 桃井直常
- 足利義兼の庶子で嫡流の足利義氏の兄だった足利義助の子孫。あまりにも足利直義一筋だった結果、室町幕府ではパッとしない一門の一つ。
- 古典的なツッパリヤンキーで、石塔範家を倒した亜也子に惚れている。
足利氏本隊
- 今川頼国
- 今川氏の嫡流となる今川範国の兄。
- 弟の今川範満と異なり、こちらは牛の被り物をしている。ただし、戦い方はそこまで常軌を逸していなかったので、あっけなく倒される。
- 細川顕氏
- 嫡流になる足利義兼の兄で、源義仲方として戦死した矢田義清の子孫。要するに足利一門の細川氏で、後世の三管領ではなく足利直義側につきやや冷遇された細川奥州家の祖。
- 出自を鼻にかけているが、力不足で高師直からは露骨にいびられている。
一門女性
その他
- 佐々木道誉
- 京極氏中興の祖こと婆娑羅大名で、足利尊氏の有力な同盟相手的な存在。
- 腹黒過ぎて顔の見えない存在。足利尊氏の本性を理解している。
- 魅摩
- 史実では佐々木道誉から土地に関する文書を1通送られたのみの謎の存在(そもそもどこの誰か以前に男女どちらかも不明)で、ほぼオリジナルキャラクターみたいなもの。
- 佐々木道誉の娘で彼女も婆娑羅。
- 雫と同じように、神力をわずかながら動かせることができる。
- 赤松円心
- 播磨の悪党勢力のトップで、後の四職赤松氏の祖。
- 足利尊氏の逃亡時の防衛ラインとして初登場。
- 土岐頼遠
- 源頼光の子孫で美濃源氏の一人の婆娑羅大名。
- パワーがインフレしすぎていて逆に周囲からはデフレがかかったように言われている。
- 長山頼元
- 『太平記』で赤松氏範と激戦を繰り広げた長山遠江守(一部の『太平記』の写本では長山頼基とされている ) で、実際に土岐氏の下で尾張守護代を務めた長山遠江守頼基が同一人物と思われる。
- なお、土岐明智氏の先祖の土岐九郎頼基と同一人物と言われがちだが、活動時期も微妙に異なりはっきりとした証拠はないらしい。
- この漫画では、土岐頼遠の猶子(あくまでも契約的な養子関係のこと)として、『太平記』同様の豪傑として登場。
- 五郎坊
- 土岐軍の雑兵。人の域においては普通に豪傑だが、主君が化け物過ぎた。
朝廷
- 光厳上皇
- 持明院統の天皇で、後醍醐天皇の倒幕時の天皇。
- 皇位を奪われたあと、史実通りに足利尊氏に院宣を渡して北朝誕生の最後のスイッチを押した。
- なお、未だ本人は未登場。
- 光明天皇
- 持明院統で、北朝で天皇になった。
- なお、彼は普通にキャラとしての姿も明らかになっている。
宮方および南朝
朝廷
- 後醍醐天皇
- 現在においては簾越しの登場だが、過去回想で顔が登場する。
- かつては様々な人物を魅了する傑物であったが、建武政権の樹立後は上述のように一線を区切ってしまった。
- 護良親王
- 後醍醐天皇の皇子。武勇に優れ、功績もあったが、相手が悪かった。
- その後史実通り中先代の乱のどさくさ紛れに潔く殺された。
- 義良親王
- 後醍醐天皇の息子で後の後村上天皇。
- 史実同様奥州に送られており、北畠顕家と行動をともにしている。
- 清原信濃守
- 信濃国司。中先代の乱に小笠原貞宗とともに当たった存在。
- 史実では特に事績も分からない存在だが、この漫画では権威を笠に着た高慢な人物。
- しかし、本来は改革意識の強い下級貴族で、そのモチベーションを次々と利用され廃人と化していった。
- 西園寺公宗
- 関東申次。中先代の乱の当初の計画にいた人物。
- 太平記の筋書き通りに後醍醐天皇暗殺に失敗し、京にいた若達を逃して捕らえられた。
- 坊門清忠
- 後醍醐天皇の側近。
- 『太平記』の筋書き通り、 楠木正成の献策を断る。
- 千種忠顕
- 後醍醐天皇の側近。三木一草の一人。
- 実はちらほら背景にいたが、『太平記』の筋書き通り瞬殺される 。
- 北畠親房
- 村上源氏で後の三房の一人。北畠顕家の父。
- 北畠顕家の鎌倉攻略後にようやく登場する 。
奥州将軍府
- 北畠顕家
- 若き公家大将の一人で、奥州将軍府の有力者。
- この漫画では公家大将の中でも武芸に優れ抜きん出ている存在。
- 特権意識はあるが、相手への敬意はある存在。
- 松姫
- おそらく、福島県各地の自治体史などに残る、「宝財踊り」の伝承に出てくる北畠顕家の愛妾「松代姫」 。
- それ以外の情報はほぼないに等しく、戦前のインタビューで宗吽院の住職の娘などの言い伝えはあるものの、詳細は不明。
- 春日顕国
- 北畠家と同じ村上源氏の出で、同じく南朝方として東国で戦っていった。
- この漫画では北畠顕家の執事で、主君同様特権意識はある存在 。
- 伊達行朝
- 源頼朝の側室「大進局」の父である常陸入道念西の子孫と言われる存在。というか、戦国時代の伊達政宗のご先祖様(最近では直系かどうかは議論がある)
- 北畠顕家の配下として、戦闘指揮官となっている。
- 結城宗広
- 秀郷流藤原氏の結城朝光の子孫で、傍流だがかなりの地位を誇る白河結城氏の当主。三木一草の結城親光は息子。
- 殺意の高いかんたん作画の人物として登場し、初期から信濃にいた残忍なモブの三十郎は道を違えた彼の末子(なお、系図には基本結城親光と結城親朝しかいないので多分オリジナルキャラクター)。
- 結城親朝
- 結城宗広の息子で、彼の死後白河結城氏をまとめた存在。
- 父からは自分に似ず真面目な人間と評される。
- 南部師行
- 甲斐源氏の一派である南部氏のうち後世は八戸南部氏の祖とされたが、最近では甲斐にいた南部氏本家の人間とされる人物。建武政権によって糠部に派遣されたあと北畠顕家に従った。
- 北国訛りの強い通訳付きの助っ人外国人みたいな扱いをされており、言葉がわからないこともあってなんか高圧的に映る人物。
- 新田徳寿丸→新田義興
- 新田義貞の次男(漫画だと三男だが作者も突っ込むレベルで編集による誤植が多いのでこれで進めるのか不明) で、後の関東の南朝方義国流清和源氏の旗印。
- 史実でも父親とは別に関東にいたことから、この漫画では北畠顕家の配下になっている。
- 畑時能
- 新田氏の家臣として代表的な存在で、『太平記』においては愛犬の描写まで長々とあるレベルでキャラを立てられている 。
- この漫画では北畠顕家のところにいた新田徳寿丸の部隊にいる。
- 堀口貞満
- 新田一門の一人で、実は建武政権で美濃守をやったレベルで重用されていた。タカ派の代表格。
- この漫画では北畠顕家のところにいた新田徳寿丸の部隊にいる。
- 宇都宮公綱
- 下野宇都宮氏の当主で、楠木正成との戦いでの武名が称賛された存在。
- この漫画では戦績の悪さから、ぼけた爺さんだがオーラでなんとなく部下が忖度して戦うタイプとされている。
倒幕方諸勢力
- 新田義貞
- 義国流河内源氏の傍流で、鎌倉陥落の功労者。最近では多分尊氏の配下の一人とも言われる。
- 浅黒い肌の武将で、若干戦術レベルの判断しかできなさそうな扱い。
- 楠木正成
- 河内国にいたそこそこの武士の家の出で、三木一草の一人。
- 北条時行と波長の合う、逃げの英雄。ただし、本人的には逃げることをやめてしまった結果、湊川の戦いで足利尊氏のあまりの化け物っぷりもあって、敗死してしまった。
- 楠木正季
- 楠木正成の弟。湊川の戦いに際して登場。
- 楠木正行(まさつら)
- 楠木正成の長男。
- この漫画では北条時行の名前を念頭に置いて、湊川の戦いに際して楠木正成に諱を付けられたが、流石にそのままは露骨なので読みを変えられている(実は最近出てきた北条時行の名前の読みはこの人の名前が「 〜つら」なので「〜つら」なのでは説を若干逆手に取る形にもなる)。
- 楠木正時
- 楠木正成の次男。
- 兄と同様北条時行の名前を念頭に置いて、湊川の戦いに際して楠木正成に諱を付けられた。
- 楠木次郎左衛門→楠木正儀
- 楠木正成の三男で、後世南朝のハト派として外交などを行っていく存在。
- この漫画では、湊川の戦いでは登場せず、般若坂の戦いの直後で楠木一門が出てきたときに初登場。
- 結城親光
- 白河結城氏の出身で、三木一草の一人。
- 登場自体はしてたものの、死亡は特に描写されなかった。
- 名和長年
- 伯耆国の有徳人だか武士だかの家の出で、三木一草の一人。
- 西園寺公宗の予言もあって、『太平記』の筋書き通り殺された。
- 菊池武敏
- 源平合戦の頃からいる肥後の有力武士団の長で、菊池武時の息子、菊池武光の兄。
- 多々良浜の戦いに際して初登場。
その他
その他敵キャラクター
過去の人々
- 北条高時
- 主人公の父親。史実同様お飾り同然の扱いを受けており作中では白痴のような描写をされている。
- 北条邦時
- 主人公の兄。鎌倉からの脱出に失敗し処刑。
- この漫画では庶長子であり、幼いながらに嫡男ではない自分の身分を理解した上で、周囲にも気づかれていない弟の才能と当主としての適性を見出していた。
- 名越高家
- 北条氏傍流。北条氏の反主流派のホープだったが、足利尊氏蜂起に巻き込まれて戦死(この経緯は太平記とは異なる)。
- 摂津親鑑
- 幕府官僚家のトップの切れ者だったが、倒幕で死亡。『麒麟がくる』の摂津晴門は弟の子孫。
北条氏の生き残り
- 覚海尼
- 安達氏の一流である大室泰宗の娘で、北条貞時に嫁ぎ北条高時、北条泰家を設ける。つまり北条時行の父方の祖母。
- 倒幕後も生かされており、中先代の乱の失敗後北条時行たちをかくまっていた。
- 長崎駿河四郎
- 御内人の有力家門である長崎氏の存在だが、どこの誰かは不明。史実では北条時行の晩年の家臣の一人。
- この漫画では中先代の乱の後に登場し、覚海尼付きとして彼女の支えとなっていた。実は3人の子持ちで子煩悩。
その他の人々
- 吉田兼好
- かの有名な『徒然草』の作者。最近では疑義も大きくなってきたが、この漫画では吉田氏。
- 滅亡前の頃には若とも交流があった。
- 正宗
- 「相州伝」を確立したかの有名な刀工。正直室町時代の時点で伝説が多くて史実の詳細は不明。
- この漫画では初代として五郎正宗が登場。相手にどのような刀を作るかくらいしか興味のない、風変わりな人物。
- 国行
- 最近評判の刀工で、正宗のライバル兼嫁を寝取った男。ただし、かの有名な来国行はもっと昔の人間なので、誰かは不明。
テレビアニメ版
2023年3月20日に発表された。制作はCloverWorks。
監督は事実上これがテレビアニメ初監督の山崎雄太、シリーズ構成は『その着せ替え人形は恋をする』の冨田頼子、キャラクターデザインは『サマータイムレンダ』15話をほぼ一人作画に近い形で行った西谷泰史。
ボイスコミック版キャスト
- 北条時行:大塚琴美
- 諏訪頼重:鈴木将之
- 足利高氏:野澤英義
- 雫:高木遥香
- 北条高時:林佑樹
- 北条邦時:矢部仁美
- 清子:赤星真衣子
- 摂津親鑑:常盤昌平
- 狩野三郎:朝城かずあき
- 塩田次郎:楠戸康弘
- 名越高家:軍司高希
- 反乱軍:藤倉光
- ナレーション:酒井孝祥
関連項目
関連リンク
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