やはりエジプトか…いつ出発する？わたしも同行するとは (ヤハリエジプトカイツシュッパツスルワタシモドウコウスルとは) [単語記事]

「やはりエジプトか…いつ出発する？わたしも同行する」とは、花京院クソコラグランプリである。

「やはり大百科か……いつ執筆する？わたしも閲覧する」
「花京院」

漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Part3スターダストクルセイダースに登場する、花京院典明の台詞。

ジョースター家の先祖の肉体を奪った作中最大の悪役である吸血鬼 DIOが、スタンド能力を発現させたことによって、ジョースター家の子孫である空条承太郎とジョセフ・ジョースターにもスタンド能力が目醒め、さらにその影響は承太郎の母、ホリィにもスタンドを発現させた。

しかし、おっとりとした平和な性格のホリィではDIOの魂からの呪縛に対する抵抗力がなく高熱を出して倒れてしまう。このままではスタンドの害によって50日後に昏睡状態に陥り死亡してしまう。ホリィの命を救うためには、世界のどこかに潜んでいるDIOを見つけ出して倒すしかない。

ジョセフのスタンド「ハーミットパープル」で念写したこれまでのDIOの写真には、居場所が特定できるような物が写っていない闇のみでこれまでの分析は無駄に終わっていた。だが、承太郎のスタンド(スタンド名はスタープラチナと名付けるだろう)であれば機械以上の視力でヒントを見つけられるかもしれない。スタンドが闇の中に見つけた物をスケッチさせると、一匹のハエが見つかった。そのハエは、ジョセフの友人モハメド・アヴドゥルが見覚えのある物だった。彼の祖国エジプトに生息する「アスワン・ウェウェ・バエ」。DIOの潜伏地はエジプトのアスワン付近にまで限定されたのだ。

それを聞いた花京院典明が、入室しながらこう話す。

花京院「やはりエジプトか……いつ出発する？
　　　　わたしも同行する」

承太郎「花京院」

花京院「わたしも脳に肉の芽をうめこまれたのは三か月前！
　　　　　家族とエジプトナイルを旅行しているときDIOに出会った
　　　　ヤツはなぜかエジプトから動きたくないらしい」

打倒DIOの旅に同行の意志を示した花京院に承太郎はその理由を尋ねたが、承太郎が花京院から肉の芽を引き抜いて助けたのと同じ理由、「そこんところだがわたしにもよくわからない」と軽口で返した。本当の理由は、DIOの前に恐怖に屈し、肉の芽を植え付けられることを受け入れてしまった自分を乗り越える為…

こうして、ジョースター一行の旅に強力なスタンド使いである花京院典明が仲間に加わったのである。第3部には欠かせない人物が晴れて味方として仲間入りする名シーンと言えるだろう。

「やはりアニメ化か…」「花京院」

2014年に放送したTVアニメ版では、上述のくだりが大きくアレンジされている。

アヴドゥルが図鑑で調べて来たハエの正体を二人に見せてDIOの居場所がエジプトだと判明した所に「やはりエジプトか…」と現れ、花京院が肉の芽を埋め込まれた状況を語った後で部屋の敷居をまたぎ、「いつ出発する？わたしも同行する」と同行の意志を示すという流れになっている。敷居をまたいで部屋に入る事で、「承太郎たちの仲間に加わる」という意味を込めた演出となっている。

この回では他にもアニメオリジナルの演出や原作のくだりのアレンジが加えられている。空条ホリィが肉の芽を摘出した痕の手当てをして花京院に今夜は泊まっていくように促し、原作ではこのくだりの後の回に出る「ホリィがそのうち昏睡状態になって50日後に死ぬ」という話を、ハエの種類を図鑑で調べているアヴドゥルの場面で話す事で、花京院の登場の違和感のなさと、ホリィのやさしさに触れて旅への同行の動機に上手く紐づけられるように演出されている。