ノクナレア(Fate)とは、スマホゲーム『Fate/Grand Order』に登場するキャラクターである。英語表記はCnoc na Riabh(クノック・ナ・リアブ)。本項ではヤラアーンドゥについても記載する。
キャメロットを落として、モルガンを倒して、人間どもを全員、島から追放して!
北の妖精の末裔、偉大なるマヴの娘として、ブリテンを正しいカタチに戻してみせる!
2021年に配信されたメインストーリー第2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』にて初登場。汎人類史から剪定され、ありえざる歴史を辿った行き止まりの世界「ブリテン異聞帯」が内包する妖精國の住民である。ブリテン6氏族の一つ「王の氏族」の氏族長、北部の街エディンバラの領主である北の妖精にして、女王モルガンへの反逆心を隠さない野心家。妖精の中でも屈指の美貌と気品を持ち、その美しさたるやランスロットにナンパされるほど。一人称は「私」。
その姿は汎人類史におけるコノートの女王メイヴ(Fate)にそっくり。実はノクナレアの存在は『アヴァロン・ル・フェ』配信の1年前から示唆されており、2020年8月10日に先行実装の形で登場したアルトリア・キャスターの台詞に「メイヴそっくりの妖精がいる」との情報が含まれていた。この頃にはもうキャラクターとして完成していたのだろう。
マスター曰く声まで同じとの事だが、あくまで彼女は異聞帯の存在なので、完全な別人である(そもそも人間と妖精なので生物の枠組みさえも違う)。故にクー・フーリンと引き合わせても「私、あなたに因縁とかあるのかしら?」と何の関心も示さない。メイヴという汎人類史の因縁に左右されず、ノクナレア自身の人生を送って逆に運命を振り回すさまは、因縁に縛られている賢人グリム(キャスタークー・フーリン)と実に対照的と言える。ただしノクナレアの名はメイヴの墓所があるアイルランド・スコイド県の地名から取られているため完全に無関係…という訳ではなさそうである。またメイヴに対しては興味津々ではあるものの自ら会いに行く事はせず一定の距離を置いている模様。振る舞いは女王というより苛烈な戦士寄りで、友人のアルトリア・キャスター曰く「ノクナレアはもっとこう、まずは手斧で交渉のテーブルをたたき割るタイプでしょ……?」と蛮族扱いを受ける始末。
アルトリア・キャスターとはライバル兼友人関係。似た者同士だからか波長が合うようだ。またノクナレアは始まりの六人とは無関係の、ブリテン外部からやってきた妖精であるため、楽園の妖精に対する潜在的な憎悪が無く、キャストリアにとっても心を許せる数少ない存在だった。
とある事情から人間を嫌っており、それは妖精の天敵モースとの戦いにおいても人間を雇用しないなど徹底的したもの。人間を追放して妖精だけの世界を築くべくモルガンを倒してブリテンの王になる野望を抱き、「あなたがうろちょろしているだけでモルガンの勢力は揺さぶられる」として予言の子を敢えて泳がせ、勝てない戦いはしない策略家。利用出来るものは何でも利用しようと考えている。ただ「人間が心を入れ替えるのならブリテンに自治区を用意してあげてもいいわ」と言う辺り完全に人間憎しという訳ではなさそうだ。
女王としての手腕はまさに感嘆の一語に尽きる。元々北の妖精は遊牧民のようなもので一つの場所に留まらない生態なのだが、短い期間でノクナレアは岩山の上に一大都市エディンバラを築き、100年間に渡って北の妖精に教育と規律を教え込み、軍隊を設立して妖精國における一つの勢力に数えられるまで育て上げた。
女王軍にも円卓軍にも無い特徴として、ノクナレア軍は妖精國で唯一巨人兵団の実用化に成功した点が挙げられる。戦闘グラは北欧異聞帯にいた霜の巨人の使い回し。故にノクナレアの領土へ女王軍が侵入してくる事は殆ど無く、また牙の氏族長ウッドワスにとってもノクナレア軍は脅威だったようで、迂闊に女王軍を出兵すればその隙にキャメロットが落とされると危惧する一幕もあった。数の上でも女王軍と拮抗するほどの規模がある(ムリアン曰くかろうじて女王軍が上との事)。
モルガンと違って上級下級の区分を廃し、貢献や奉仕する妖精であれば誰でも受け入れ、モース病を患っていても治療を施すという、妖精國では見捨てられるような命も極力救おうとしており、珍しく理想的な運営がなされている。また直感も鋭く、彼女の勘は外れた事が殆ど無いという。村正は「外見はド派手だが中身は努力家なノクナレア」、キャストリアも「ブリテンでいちばんの努力家」と語っている事から努力家なのは間違いないようだ。後の『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』で天才的なバイオリンの演奏技術と絵の才能を持つ芸術家肌、先代女王マヴの記憶を引き継いでいる事が判明した。
エディンバラでは国策でチョコレートの栽培(?)が行われている。北部の土地はモースの出現率が低くて昔から農業に向いているとされ、都市周辺には板チョコが直接栽培出来るチョコレート畑が視界いっぱいに広がる。チョコの栽培・加工は主要産業として女王モルガンからも認知されている程。レッドラ・ビットが板チョコを「超高級板きれ」と評していた所を察するに滅多に食べられない嗜好品のようだ。
しかしガレス曰く麻痺と魅了が成分に含まれているらしく「(食べると)死ぬまでノクナレアに従わざるを得なくなってしまうのです!」との事。無断で食べようものなら100年間チョコレートを箱に詰める仕事に就かされ、労働に見合った年金を支給されてエディンバラでの生活を強いられるという、身の毛もよだつ恐ろしい罰を背負わなければならない。罰にしてはやけに福利厚生が充実している。意外にも女王の身分ながらノクナレアも率先してチョコレートの刈り込みを行ったり、郊外の畑の巡回をしているため愛着を感じられる。チョコレート畑の中には軍の野営地が配置されており、モースや女王軍の侵入、チョコの盗み食いを行う不届き者に対して素早く迎撃が出来るよう体制が築かれている。
予言の子として無力だった頃のキャストリアと出会い、彼女の才能を見抜くとともにライバル関係となって激励したり、物語終盤では予言の子や円卓軍と同盟を結んでカルデア軍団と一緒に女王軍の本拠地キャメロットを攻めるなど、『アヴァロン・ル・フェ』における重要ポジション。女王として傲慢ながらもちゃんと約束を守って協力してくれる姉御肌、悲劇的な最期を遂げた事からNPCながら絶大な人気を誇り、実装を待ち望むマスターも多かった。
王の氏族は、南の妖精によって滅ぼされた北の妖精が全ての命を注ぎ込んで生み出した究極の一であり、妖精國ブリテンにおける女王モルガン相当の大妖精。ただでさえ強大な存在だが、先代女王マヴは更に強力な後継者を生み出すべく、1500年間に渡って妖精の死体を栄養として活用。こうしてマヴ以上の実力を持って誕生したのが二代目女王ノクナレアだった。
星の内海から使命を帯びて現れた亜鈴、あるいはそれに準ずる存在ではないにも関わらず、力のある上級妖精だけが持つ大神秘――自分だけのルールを適用出来る「妖精領域」を司る。6つの氏族長の中で妖精領域を持ち、なおかつそのルールを他人に強制出来るのはムリアンとノクナレアのみ。他にも妖精領域を扱える上級妖精はかつて存在したが、扱いの難しさから自滅して妖精亡主化してしまったり、同じ氏族の妖精から排撃されたりしてまず生き残れない。まさに彼女は例外中の例外と言える。妖精の天敵たるモースもノクナレアの前では脅威となりえず、人間同様モース毒を物ともしない。
彼女の妖精領域は島全体を覆い、異界常識の強さもトップクラス。ノクナレアは単独で北の妖精及び王の氏族を体現する一人軍隊とも言うべき常識外れの存在なのだ。
特筆すべき点は彼女が持つ「支配と繁栄」の力。これは忠誠を誓った相手に血を分け与える事で富と力を与えるもので、特殊な生まれから本来たった一人しかいない王の氏族を群体たらしめる反則的能力。彼女に忠誠を誓えば誰でも王の氏族になる事が出来るため、エディンバラは各地を追われた妖精が最後に身を寄せる場所として機能している上、ノクナレアへの揺るがない忠誠にも繋がっている。故に王の氏族は連合軍のような様相となっており、単一の種族でほぼ占められている他の氏族と比べて毛色が大きく異なる。
力を切り売りしているので王の氏族が増えれば増えるほど、女王のノクナレアは弱体化していくが、その欠点を把握していた先代女王マヴの妖精領域により「力を与えた妖精が王の氏族である限り、氏族全体の力が女王の力になる」というルールが敷かれた。これに伴って女王の力は決して減少しない永久機関と化し、いくら王の氏族が増えても無理なく力を与え、規模を拡充し続ける事が可能となった。無論妖精領域はブリテン全域に適用されるため何処で力を与えても問題ない。力が悪用されるのを防ぐためかノクナレアが与えた力は彼女への忠誠心が無くなると自動的に失われる。また効力を発揮するには彼女自身が近くにいなければならず、戦闘の際は陣頭指揮が基本となる。このためか指揮が執りやすい高い所へ上るのが好きらしい。
『アヴァロン・ル・フェ』では戦う機会が無かったため実力は未知数。ただレッドラ・ビットは「まさに超級の大妖精……戦闘能力は妖精騎士には及びませんが、異界常識の強さ、妖精領域の広さは、妖精國で並ぶ者はいないのでは……」と高評価を下している。ハベトロットの魂の色を見抜く描写があるため低ランクながら妖精眼も持っている可能性がある。
このように規格外の大妖精だが、「妖精に職を与えるのにはさすがに魔術が必要よね…」と呟いている所を見るに魔術は使えない模様。ただ元々妖精は魔術を介さずに神秘を成す存在なので魔術を必要としていない。逆に妖精でありながら魔術を使える者は「わざわざ面倒な手順で神秘を成す変わり者」と見なされるため、実のところ使えなくても問題無かったりする。ちなみに立ち絵では左手に鞭を持っているのが確認出来るものの、戦闘では一切使用しない事からお仕置き用や采配代わりに使っていると思われる。
ノクナレアの名は、アイルランド西部のスコイド州スコイド町西方にある高さ327mの大きな丘の名称から取られている。大西洋を見下ろす海沿いの場所にあるため非常によく目立つという。
頂上にはチーズをぶつけられて壮烈なる戦死を遂げた女王メイヴを埋葬した全高12mの石塚ミオスガン・メイヴがあり、その遺体はアルスターの敵に向かって睨みつけるように直立しているとされるが、ロスコモン州ラスクロハンにある彼女の自宅も埋葬地の候補になっている(実際はノクナレア説が濃厚らしい)。他にも小さな墓が数ヵ所あり、これらを含めた丘全体がアイルランド政府によって国定記念物に指定されている。およそ紀元前3000年(新石器時代)の縁石や、石器製造の際に出た大量の破片が頂上で見つかっている事から、丘の上で原始人が生活していた様子が窺える。しかし近年に入って丘を登って来た一般人によって勝手に石を動かしたり取り除くといった損壊行為が行われ、内部の墓をも暴かれていると考古学者が警鐘を鳴らす。
ノクは丘を意味するが、ナレアの部分は未だ意味が特定されておらず、学者によって数々の仮説が立てられた。有力説は英語版ノクナレアの名称であるCnoc na Riabh(縞模様の丘)らしい。他にも「処刑の丘」「王の丘」「月の丘」とする説がある。
以下、2部6章のネタバレが大量に含まれているため、折り畳む。
妖精國ブリテンにモルガンが現れる前の妖精歴。アルビオンの遺骸を中心に出来た陸地と森林には穏やかな北の妖精が住んでいた。しかし妖精歴6000年、死体を土木にして拡大を続けていたブリテンと陸地が繋がった事で南の妖精から侵略戦争を受け(春の戦争)、次代が生まれないほど徹底的な虐殺をされて全滅。妖精なのでいずれ甦る運命にあるのだが、北の妖精は自分たちの命を全て使って1人の王を生み出そうとし、死体の山から先代女王マヴが誕生した。彼女はたった1人で北の妖精、ひいては王の氏族を体現する大妖精であった。「支配と繁栄」の力を持ったマヴは自分に忠誠を誓う妖精に血を分け与えて『力』を与える事が出来、西の島と呼ばれる生存圏を作って新たな国を築く。北の妖精は人間との共存にいち早く成功。この頃に人間の伴侶も作ってこの世の春と言わんばかりにイチャイチャしていたらしい。
妖精歴2000年、鉄で武装した人間と北の妖精を率いた先代女王マヴがブリテンに侵攻、ブリテンに住む南の妖精との間で夏の戦争が勃発する。マヴは南の妖精を蹴散らし各氏族を壊滅寸前にまで追い詰めたものの、勝利を目前にして恋人兼右腕の人間に裏切られ、その隙を突かれて救世主トネリコに敗北。トネリコの仲裁により戦争は終結した。この時に結んだ条約により北の妖精を「王の氏族」に迎え入れる代わりにブリテンへの攻撃を禁じられる。加えて既に滅亡していた雨の氏族に代わりオークニーにある巡礼の鐘の管理を義務付けられた。
女王歴400年にマヴが都市エディンバラになる形で死去。しばらく指導者不在の状態が続いていたが、マヴは遺言で「いずれ次代の『王の氏族』が誕生する。その時までモルガンに従うがよい」と遺していたため混乱は起こらなかった。オークニーは既に滅んだのでエディンバラが最北の都市となり、時折雪化粧をするなど肌寒い気温だったり、南部の妖精は滅多にエディンバラを訪れなかったりとブリテンの中でも異様な存在感を放つ。
女王歴1900年、エディンバラにマヴの力を受け継いだ二代目女王ノクナレアが誕生。しかしいきなり権力を振るえた訳ではなく、女王として認められるまでは長老たちに従わざるを得なかったようで小娘扱いされ、また自由が無い雌伏の日々を送っていたらしい。それでも先代女王の遺言に従ってモルガンとの対決姿勢を示し、100年かけて北の妖精たちに規律と教育を施して軍隊に仕立て上げ、エディンバラを発展させる。その軍事力は女王軍、円卓軍に匹敵する第三の勢力と呼べるものだった。ノクナレアの領土は本拠地エディンバラ、キャメロット北部、北岸のオークニー。主にブリテン北部が中心である。一方で勢力が及ばない南部への浸透も行っており、ニューダーリントンの領主妖精騎士トリスタンの悪逆非道によりプレストンの街が離反した時には王の氏族に加えている。
モルガンはノクナレア率いる北の妖精に備えてシェフィールドに軍備を許可。しかし領主ボガードは反女王の旗印を掲げて反目し、意見が一致しているからかノクナレアもボガードと積極的に交流。商談を成立させてボガード軍に武器と鎧を供与し、女王軍の背後を撹乱するかのようにノクナレア軍が南下、そこにボガードが迫り来る女王軍に対して勝機を見出すなど半ば同盟関係にあった。彼の脳裏にはいずれノクナレア軍や円卓軍と結託して女王軍に匹敵する戦力を作り出すプランがあった模様。そしてシェフィールドに戦火が及んだ時はノクナレアに増援要請を出すなどアテにされていたのが分かる。しかしたった一夜で陥落してしまったため結局間に合わなかった。せめてもの情けかシェフィールドからの難民をエディンバラに受け入れる措置を取った。
女王歴2012年、北部妖精女王ノクナレアの名を知らしめるべく、グロスターで行われた100年に一度のプリンセスコンテストに参加。見事優勝してトロフィーと栄誉を得た。だがその実態は政治的アピールの一環や先代女王マヴの生まれ変わりとして箔をつけるためのパフォーマンスであり、長老たちに言われて無理やり参加させられたものだった。彼女自身も「そもそも審査員の評価する“美しさ”とか、笑っちゃうわ」「誰かのためじゃなく、自分で自分を誇れる生き方が美しさってものでしょ」との持論から優勝とは裏腹に不満を露わにする。そんな彼女にも収穫とも言うべき出会いがあった。予選時に同じく参加に乗り気でなかったキャストリアを見かけ、彼女の才能を見抜く。しかしキャストリアは本選に来なかった。
大会後、たそがれるキャストリアを発見して「なんで本選に来なかったの!?最後に残るのはあなただと思ったのに!」と一喝。戦うに足る好敵手を発見したノクナレアは本当の決勝戦と称してキャストリアの服を部下に破かせて自身のドレスを着させ、正しく評価しなかった愚かな民衆に真の美しさを分からせようともう一度ステージへ上げたが、キャストリアは予選落ちしていた事が判明。本選に来ないのは当然だった。しかしノクナレアは彼女を高く評価。「私の勘、外れた事ないのよ?あなたを見た瞬間、背筋に稲妻が走ったの」「こいつ、やばい。他の妖精とは違う。本気で世界をひっくり返せるヤツだ、って」と。これがノクナレアとキャストリアの初めての出会いで、キャストリアにとって初めて友人と呼べる存在が出来た瞬間だった。「ひとの話をまったく聞かない困った方なので、印象悪いんですよね……」とはキャストリアの言。
前編では第4節「グロスター(Ⅰ)」にて存在を示唆する形で先行登場。モルガンが鎮座する玉座の間にて各氏族長を交えた会議が行われたのだが対立姿勢を貫くノクナレアは当然のように欠席。この時明らかになったのは彼女のシルエット及び王の氏族長という立場、そして名前だけであり、当時は「異聞帯出身のメイヴがいるのでは?」と正体についての考察が盛んに行われた。
ストーリー上で初登場したのは後編に入ってからの第10節「キャメロット」。ノリッジの厄災を祓ったカルデア軍団が女王モルガンの本拠地キャメロットへ招待された際、キャメロットの眼前20kmまで軍勢3万を率いて進出し、砦のような馬車の上から「大厄災に備えての軍事訓練」と称した挑発行為の指揮を執っていた。先日シェフィールドが陥落したのを機に挑発が過激となり、千子村正から「ありゃあもう威圧じゃねぇ、戦争の準備だぞ」と言われるほどの一触即発ぶりだったが、幸い開戦には発展せず。妖精騎士ガウェイン曰く「北の妖精たちはことあるごとに、感情的に女王陛下に反発してきた」「そのたびに痛い目にあって北部に逃げ帰っていく。今回もその一つになるだろう」との事なので一度や二度の出来事ではないらしい。どういう訳か、ノクナレアは20km離れた先からマスターを睨みつけていた。
第11節「ロンディニウム」にて、女王軍の追撃から逃れるためエディンバラの領土へ入ったカルデア軍団の前に姿を現す。図らずもここで5年ぶりにキャストリアとの再会を果たすも、あまり変わっていない彼女に失望したノクナレアは試練を与えるべく、自分の兵隊とキャストリアの仲間、どちらが優れているか賭けを申し込む。もしキャストリア側が勝てば国家の資産たるチョコレートを無断で食べた罪を見逃し、逆にノクナレアが勝った場合はマスターを貰い受けるという条件を付けて。
勝負の結果はキャストリアの勝利。見事無罪放免を勝ち取った。そして予言の子とカルデア軍団に巡礼の鐘2つを鳴らせば後は全部私が平らげると遠回しに同盟を組む条件を提示するのだった。また自身が寛大である事を示すため人間嫌いにも関わらずマスターにのみ発言を許可。マスターをよく見ると傷だらけなのに何処も損なっておらず、むしろこちらが励まされそうになるという不思議な魅力を感じ取り、「行くところに困ったら私の城にいらっしゃい」「南部の妖精たちの奴隷にするのは惜しいわ。あなたなら、私の人間嫌いも治るかも」と勧誘している。
ちなみにここの選択肢で「なんでハートが散ってるんですか?」を選ぶとノクナレアの背後で散っている謎のハートマークの正体が分かる。どうやら彼女からこぼれ出る抑えきれない魔力らしいが、本人には見えないという。
第20節「チョコエンパイア・エディンバラ」では、4つの鐘を鳴らして王たる威厳を身につけたキャストリアとカルデア軍団がノクナレア軍と同盟を結ぶためエディンバラに来訪。賢人グリムやハベトロットは小さな集落に住んでいた昔の北の妖精しか知らず、巨大な都市で繁栄を極めている今の北の妖精を見て驚嘆。「ソールズベリーより栄えてるじゃん!女王歴になってから、いったい何があったんだ!?」とはハベトロットの言。それから程なくしてノクナレア軍の兵士がカルデア軍団を取り囲む。一時は戦闘生起かと思われたが、レッドラ・ビットの根回しで大聖堂に通され、ノクナレアとの謁見が実現。久しぶりにマスターと再会したノクナレアはキャストリアに振り回されている苦労を鑑み、高級エステサロンの予約を入れようとするなど端々に優しさを見せながらも、戦況は予断を許さないところまで進展していた。
王の氏族は雨の氏族からオークニーの鐘を引き継いでおりそれをキャストリアが鳴らした事は「王の氏族は予言の子を認めた」事に他ならなかった。早速モルガンから最後通告が届き、灰の海岸で予言の子を抹殺しなければ先代女王マヴとの条約を破棄――つまり戦争状態に突入する。以前から開戦に向けての準備を進めていた上、キャストリアが約束通り鐘を鳴らしてきたため、ノクナレアは予言の子との同盟を決断。ここに円卓軍・カルデア軍団・ノクナレア軍・予言の子からなる反女王連合軍が結成された。
しかし人間嫌いな彼女は円卓軍は真っ先に死ぬ役立たずと言い放ち、蜂に変えてチョコレート工場で働かせようとし、また指揮権をキャストリアから奪おうとする横暴を見せたため憤りに駆られたマスターだったが、それをキャストリアが制止。自らの意見を通すべくノクナレアに挑戦状を叩きつけ、ノクナレアもそれに応じた事で連合軍の指揮権を明確にするため、マスターを伴侶として召し抱える権利を巡って決闘「バレンタイン・マヴマッチ」が開催された。先代女王マヴが残した遺言「誰よりも美味しそうなチョコを作ったものが女王」という法に則ったもので、早速ノクナレア&妖精兵士vsキャストリア&マシュの陣容でチョコレート作りを始める。
その夜、マスターの部屋にノクナレアの部下であるエイケン・ドラムが来訪、ノクナレアが休憩中のリフレッシュとして話し相手を求めていると言われ、彼女のもとへ向かう。モルガンの言う汎人類史に興味こそ無いけれど北の妖精を統べる女王として知っておく必要があったため、マスターにその説明をするよう持ち掛けたところ、1時間近く懇切丁寧に説明されて面食らうノクナレア。あまりの情報量に頭がパンクしそうになるも女王の名において礼を述べた。そしてブリテンを支配した後は汎人類史への侵略戦争も企図し、北米大陸に島ごと侵攻するという途方もない計画を打ち明けるが、汎人類史の自分自身であるメイヴが嫌いな人間に殺された事を知り、それがきっかけで先代女王マヴの事を語り始める。伝承では人間の恋人に裏切られて敗北したとされているマヴ。しかし恋人はマヴを裏切ったのではなく、勝利まであと一押しのところで息絶えてしまったのである。「一緒にいる」という約束を守れなかった=裏切られたというのが真実だったのだ。最愛の戦士の死に動揺したマヴは戦意喪失、その隙をトネリコに突かれて敗北した。ノクナレアが人間嫌いなのは戦で役に立たないから、マヴの二の舞は嫌だから、というのが理由だった。マスターとの密会で胸の内を明かしたノクナレアはすっきりとした面持ちでチョコ作りの作業に戻っていった。
そしてバレンタイン・マヴマッチ当日。会場の大聖堂には多くの観客が押しかけていた。制限時間は1時間、最後の仕上げにかかるノクナレアとキャストリア。そしてノクナレアはエディンバラ城を19層の特殊コーティングで再現した芸術品にも等しいチョコレートを提出。対するキャストリアはハートマーク形のチョコを提出した。北の妖精にとってハートマークは「汝、最強を証明せよ」を意味するシンボルマークであり、それをチョコの形にするというブッ飛んだ発想は観客から好評で、対峙するノクナレアも驚きを隠せない代物だった。審判役のデビルカレンはキャストリアの勝利を宣言。ところがその直後ハートチョコが謎の脈動を始める。キャストリアが材料を全部ぶち込んでしまったがために新たな生命が誕生してしまい、観客の妖精をチョコにしながら大聖堂を破壊していく。チョコから放たれた即死弾がノクナレアに当たりそうになった時、キャストリアが身を呈してかばい間一髪難を逃れたが、その時キャストリアの脳裏に過去の記憶が甦る。5年前、ノクナレアと交わした会話の断片が。
魂レベルでビビッと来た相手と、国が傾くくらいの、すっっっごい恋をするの!
くるってるの? っていうか、それ夢じゃないじゃん。現実じゃん。恋人、とっくにいるんでしょ?
まあ、そこが問題なんだけど。いないのよね。
いま心の底から笑ったわね?笑ったでしょう!?
違うから、モテないワケじゃないから。エディンバラに戻れば候補は山ほどいるから。
何とかマスターやカルデア軍団の活躍でチョコを倒した後、ノクナレアも指揮権をキャストリアに渡す事で同意し、指揮系統の問題は取り除かれた。そしてすぐさまウッドワスがいなくなったオックスフォードの鐘を鳴らし、円卓軍をノクナレア軍の野営地まで連れて来るようキャストリアに命じる。人間嫌いのノクナレアが初めて人間の組織である円卓軍と歩調を合わせた瞬間だった。これはマスターやキャストリアとの会話で「人間はそこまでヤワじゃない」と知ったのと、人間であるマスターと昨晩の会話で親密になったためであった。キャストリア「いつのまにか仲良しですね?こっちは徹夜でチョコ修業でしたけど?(半ギレ)」
第23節「決戦前夜(Ⅱ)」にて、ノクナレアは空鏡を通して玉座のモルガンに自分たちの正当性を主張しつつ宣戦布告。この時点で戦争は不可避となった。続いて彼女はカルデア軍団と円卓軍の野営地に顔を出して作戦会議に参加。女王軍は北部平原に軍を展開させておらずキャメロットに籠城するつもりのようだった。ノクナレアは自分のものになる予定の王城と玉座を無傷で手に入れようとし、賢人グリムの「王城を落としてから城下町を制圧する」案を一蹴。また彼女は「モルガンは真っ先にマスターとキャストリアを殺しにくる」として2人を後方に下げるべきと提案、円卓軍のリーダーであるパーシヴァルも一理あると理解を示すが、キャメロットの正門を突破するには2人の力が不可欠であると今度は賢人グリムから一蹴された。するとノクナレアは不満げに、そして意味深な溜め息をつくのだった。
そして第24節「モルガン」では反女王連合軍相手に演説を行い、「新女王軍」と名称を新たにした。「なんの捻りもない」なんて顔をするマスターにツッコミを入れながら。ついに始まる新女王軍によるキャメロット攻防戦。ノクナレアは巨人兵団を指揮して正門の突破に成功、カルデア軍団の調略で妖精騎士ガウェインが寝返り、キャメロット城下を6割占領するなど戦況は新女王軍有利に進む。出撃したモルガンの分身魔術で一時は戦況を覆されそうになるも、オーロラの内部告発により玉座の間で反乱が発生、モルガンが討たれた事でノクナレア軍は玉座に到達。モルガンに仕えていた官司を片端から拘束し、勝利の証として鐘をキャメロット中に鳴り響かせた。
キャメロット攻防戦はノクナレア軍と円卓軍による新女王軍の勝利に終わった。寝返った妖精騎士ガウェインはノクナレアの名代で上級妖精との折衝を行い、パーシヴァルはキャメロットに備え付けられたロンゴミニアドの取り外し作業の指揮、そしてノクナレアと北の妖精は戴冠式に向けての準備を行っていた。モルガン亡き後の改革はパーシヴァルとノクナレアの部下主導で行われるとの事だが、旧体制にしがみ付く頑迷な大使や官司がいるため妖精騎士ガウェインが間に入って折衝している訳である。ガウェインはキャメロットの妖精を熟知し、統治のために不可欠な存在である事からノクナレアは投獄を却下するどころか自身の右腕にするだろうとグリムは推測していた。
本来であれば予言の子であるキャストリアが新たな女王に就くべきだが、「ブリテンの未来を考えるならノクナレアが女王になった方が一番良い」「円卓軍はパーシヴァルのお手柄、北の妖精軍はノクナレアの努力。自分は美味しい所を持っていこうとしたけど惨敗した」という彼女の考えにより王位の座をノクナレアに譲り、自身は故郷のティンタジェルへ帰る事を決意する。予言の子がそう言ったため各氏族は受け入れるしかなく、こうしてノクナレアが新女王に内定した。この事について土の氏族長スプリガンと風の氏族長オーロラは「新女王に従う」との意思表示をし、翅の氏族長ムリアンは即答こそ控えたが直前に迫った大厄災を乗り切るにはノクナレアが必要だと確信、彼女との同盟を決断する。だが、ノクナレアが女王になった時にはキャメロットから円卓軍の排除を依頼し、カルデア軍団をグロスターに招いて叩き潰そうと画策するなど新たな火種も見え隠れしていた。
北の妖精の準備を手伝うためノクナレアの前に賢人グリムが顔を出す。どうやら彼女はキャストリアが王位の座から勝手に退いた事に怒っており、伝言役のグリムを通してお祝いの言葉を受けても「あっそう。土壇場で逃げ出した根性なしにお祝いされても、嬉しくともなんともないわ」と辛辣に対応。だがグリムに「アルトリアはおまえさんとの戦いから逃げたわけじゃない」「むしろ逆だ。おまえを『楽園の妖精』の使命に巻き込まないために、自分から身を退いたんだ」と諭される。それはノクナレアにも分かっていた。だからこそ余計に怒りを抱いていたのである。「私のために表舞台から消える?」「それで、誰も知らないところで凄いコトやって、こっそり世界を救って勝ち逃げ?」「あぁもう、信じられない、許せない!それじゃモルガンと同じじゃない!」「見てなさい。私がキャメロットの玉座についたら。真っ先に『予言の子』狩りを始めるから!」「どこにいようと必ず見つけ出して、ついでに『楽園』とやらに攻め込んでやるわ!」と今後の抱負を叫ぶ。突拍子もないノクナレアの主張に、「『楽園』の使命を阻むってコトは、汎人類史と戦うってコトだ」「ようやく平和になったブリテンに、違う戦火を呼び寄せる事になる」とグリムが慌てて諫めるが、「いいじゃない。上等よ。もともと汎人類史と仲良くする気はありません」と彼の心配をよそに主張を続け、気圧されたのか「そこまで言うなら止めねえよ」と諦観混じりに呟いた。しかし妖精國を立て直している間にカルデア軍団は任務を達成して外へ出ていく。それは愛するマスターがいなくなる事を意味していたが、ノクナレアは汎人類史を侵略する過程でまた会えると確信していた。
キャメロットを攻めた時、ノクナレアは玉座だけは無傷で手に入れようとしていた。その事を疑問に思ったグリムに彼女は隠された真実を明かす。モルガンが座っていた冬の玉座は救世主トネリコが作ったもので、妖精の生死のサイクルを回す歯車だった。女王歴元年に発生した大厄災でブリテンに住む妖精の9割が死滅。荒れ果てた土地だけが広がる発展性の無い行き止まりの世界と化す。それをモルガンが空想樹セイファートを枯らすほどの大魔術を行使して妖精を蘇らせたのだが、その際に妖精たちを玉座と結び付ける。こうして妖精は死亡してもモルガンが再召喚する形で「誕生」するようになった。死んでも次代が発生するのはこの玉座があったからこそ。モルガンは一人で必死に妖精を召喚し続けて生き長らえさせていたが、それは同時に妖精の生殺与奪を握って従わせるための服従装置としても機能していた。ただし大厄災で落命を免れたマヴや一部の上級妖精は、モルガンの手で生き返っていないため生殺与奪を握られておらず、従う理由が無かった事からブリテンの覇権を巡って何度も干戈を交える事となる。
そして女王歴400年、マヴとモルガンが最後の一騎打ちをした時、マヴにも玉座の仕組みが明かされる。身を削ってまで妖精國を存続させようとするモルガンの姿勢と覚悟を知ってこれ以上戦えなくなったマヴは彼女と密約を交わす。「もしモルガンが衰え、力尽きた時は、王の氏族がその後を継ぐものとする」と。これは「後の事はマヴに任せて今は好きにしろ」という意味が込められていた。ノクナレアは2人の間に友情があったと考えている。モルガンが衰える頃に強力な後継者を生み出せるようマヴはエディンバラで女王を引退。新たに誕生した二代目女王がモルガンの代わりに妖精國を統治する――それが先代より引き継がれたノクナレアの使命だった。この密約はノクナレアが新女王となるに相応しい存在である事を如実に物語る。戴冠式を終えて彼女が玉座に座った時、妖精たちの生死を回す役目と厄災を祓う義務も負う。そんな大任を担える霊基を持つのはブリテン中を探してもやはりノクナレアしかいなかった。汎人類史と異聞帯、敵対する間柄ではあるものの、今はそれを忘れてグリムは彼女の行く末を見届けようと思った。
……戴冠式で国中の妖精が浮かれる中、人知れずモースが増殖を続け、いつしか妖精の数を上回った。
第25節「おしまい ~戴冠式~」にて、王位を譲ったキャストリアの代わりにノクナレアが女王に即位。ソールズベリーの大聖堂で戴冠式が行われる事になった。しかしモルガンを倒してもなお予言の歌はまだ終わっていなかったのである。
玉座につくは真の王。
血染めの冠おひとつどうぞ。
高名な妖精が列席する大聖堂。モルガン打倒の立役者である予言の子やカルデア軍団も招かれていたが、無用な混乱を招かないよう目立たない一番後ろの席に移す配慮をしている。間もなく純白のドレスに身を包んだノクナレアが現れ、スプリガンの進行のもと、妖精國の新たな女王になるべく戴冠式に臨む。その間、「歓びを分かち合うもの」として大聖堂の衛士が参列者に酒の入った盃を配って回る。ただマスターは酒を飲める年齢ではなかったのでマシュやロリンチ、グリム、村正、パーシヴァルは飲むふりだけをして済ませる事にした。
スプリガンに促されて宣言を行おうとしたその時、オーロラの息がかかった王の氏族が反逆。スパイとして忍び込んだ妖精が、エディンバラで行われていたモース病の治療の実態(治療のため余命幾ばくもない妖精にモース病を転写した後、巨人兵にしていた)を暴露してきたのである。だがモース病の転写に関しては被験体となる妖精の同意を得ていたし、報償もしっかり与えていたため、実際今の今まで反乱は起きていなかった。続いて反逆者たちは先代女王マヴがエディンバラに変じて未だ生きている事を暴露、強い妖精を生み出すために1500年間妖精を食い物にしていたと主張し、土木になるはずだった妖精を貪り続けてブリテンの拡張を阻んだ裏切り者だと弾劾する。マヴの気持ちを踏みにじるような反逆者の横暴にノクナレアは激怒。モルガンから受け継がれたブリテンの真実を話そうとしたところで――喀血した。配られた盃に毒が入っていたのだ。毒酒は北の妖精にも配られていて同様に吐血する。
実はノクナレアは毒の酒を飲まされた事にすぐ気づいており、キャストリアとマスターを気にかけたが、幸い彼らは盃に口を付けていないと分かり安堵。しかし王の氏族が反逆した事で全体の総数が減り、本来なら毒に耐えられたはずのノクナレアや王の氏族の力が弱まって徐々に命を蝕んでいく。反逆が起きたのは大聖堂だけではない。ブリテン中で、ごっそりと半分が離反したようだった。言わば忠誠心は王の氏族最大の強みにして弱点。ノクナレアを中心に結束している間は強いが、一斉に裏切られると瓦解してしまう。その弱点が最悪な形で表出した。衛士の槍がトドメを刺すかのようにノクナレアの腹を貫く。力なく床に倒れた彼女をキャストリアが抱きかかえる。ここに来るまでにノクナレアは魔力も奇蹟も、そして知性さえも反逆した妖精に分け与えており、死に直面した事で霊基が縮小して幼児退行し、キャストリアの顔さえも思い出せないほど何もかも失っていた。
女王になったら恋をするんでしょ!?まだスタートさえしてないじゃん!
――ううん。そっちもわたしの、かちよ、よぞらのきみ。
こいなら、ちょっとあじわったわ。とても――
とてもすてきな、きもち、なの。このしきが、おわったら――
ぜったい、ものにして、やるんだから。ふふ。じょおうになるより、むずかしそう。
間もなく腕の中で息絶えるノクナレア。そしてついでと言わんばかりにキャストリアも始末しようとする反逆者たちであったが、普段の冷静さを失うほど怒り狂っていた賢人グリムによって外へと叩き出された。彼は「ブリテンを……いや、『ブリテンの妖精』を救えたのはノクナレアだけだ」「そいつはいま、自分から最後の希望を踏みにじったのさ。自覚はないだろうがな」と評した。それを証明するかのようにブリテンには厄災が次々と降りかかり、妖精もろとも滅びの道を転がり落ちていくのだった。
ノクナレアの存在は絶望的な巡礼の旅に彩りを添え、キャストリアの良き理解者として心の支えにもなるなど、彼女抜きでは決して旅は成らなかったと言える。やべーやつが多い妖精の中では間違いなく善良の存在であった。『アヴァロン・ル・フェ』クリア後に獲得出来る遺影礼装「2018年のグロスター」ではガレスも交えて幸せそうな2人の姿が見られる。
ノクナレアの台詞はマスターの性別によって一部変化する仕様がある。
男性マスターの場合、キャメロット前での軍事訓練中に偶然マスターを見かけ、ビビッと来て一目惚れ。第23節「決戦前夜(Ⅱ)」でマスターとキャストリアを後方へ下げようとしたのは好きな人と大切な友人を傷つけたくないためであったが、そんな事情を知る由もない賢人グリムに拒否され、むなしく溜め息をつくしかなかった。だが妖精眼を持つキャストリアには筒抜けだったようで「ここで良いこと言っておかないと、ただのチョコ女王で印象、終わっちゃうよ?」と茶化され、顔を赤らめながら「余計なコト言わないで!私の誓い、知ってるでしょ!?」「今はいいの!モルガンを倒して玉座を手に入れたら、速攻で勝負キメに行くから!」と叫んだ。戴冠式直前の幕間ではグリムの「〇〇(マスター名)は出て行っちまうが、いいのか?」という問いかけに対し、「ええ。しばしのお別れね。……でも、これって運命じゃない?」「汎人類史に侵略する時、私はモルガンを凌ぐ女王になっているんだもの」「地上最高峰の妖精になった私を見れば、もう付き合うしかないじゃない?」と答え、第25節「おしまい ~戴冠式~」におけるキャストリアの「女王になったら~」という問いかけは男性マスターだと上記の「――ううん。そっちもわたしの、かちよ」となる。
一方、女性マスターだと第23節の「ここで良いこと言っておかないと~」の後に続く台詞が「ふ。言いたい事なんて特にないわ。明日の私の勇姿がすべてよ」「アルトリアより私を見ていなさい、〇〇(マスター名)」「どちらの妖精がブリテンの王に相応しいか、あなたの目で確かめるといいわ」と得意げに言い放つものになる。戴冠式直前の幕間におけるグリムの「〇〇(マスター名)は出て行っちまうが~」の後の台詞が「そうね。あの子には私の参謀になってほしかったけど、仕方ないわ」「残念だけど今回は見逃しましょう。でも、きっと再会できる」「だって私、めっちゃ悪の女王になって汎人類史に侵略を開始するから」「〇〇(マスター名)の方から、私に会いに来るわ。ライバルとしてね!」に、第25節の「女王になったら~」に対する今際の台詞は「いいの。べつのせかいだと、わたしは、たくさんこいをするん、だって」「――おっかしいの。なまえはなんていうの、かしら」「じょおうのはか、なんて、なまえじゃなくて――」「きっと、はなのような、なまえでしょう」に変わる。
数百年以上生きる長命な上級妖精が多数を占める中、ノクナレアは僅か100年程度で生涯を終えてしまったため、ぶっちぎりの短命だったりする。
エディンバラ工場直送!
ノクナレアをイメージした、ビターなココアに甘いホイップクリームをトッピングしたアイスココア。キュートなハート型チョコをたくさん振りかけました。
2022年7月30日と31日にかけて幕張メッセ国際展示場で行われた7周年記念リアルイベントにて、ノクナレアを模したアイスココアがフードエリア(カルデアキッチン)で提供された。それに伴って会場内には彼女のパネルも立てられていたとか。
同じくリアルイベントで公開された朗読劇「FGO THE DRAMALOGUE -アヴァロン・ル・フェ-」にて初めてノクナレアに声が充てられ、佐倉綾音氏が演じた。既に2部6章でメイヴと同じ声だと明かされていたため当然のキャスティングと言えよう。メイヴと比較すると若干落ち着いた声色になっており、プロの演じ分けが光る。
2023年8月11日より開催された水着イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』で登場したフォーリナークラスの水着ノクナレア(?)。通常霊基より先に水着霊基が実装されるのは非常に珍しい形態である。英語表記はCnoc na Riabh Yaraandoo。ちなみに本来ノクナレアを実装する予定は無かったようだが、竹箒日記によると2022年5月に武内社長が「ノクナレアほしい。ノクナレア配布にしよう。6章アフターやってやって」とおねだりした事で急遽実装が決定した背景がある。
イベント開始前の告知では「ノクナレア」名義だったのだが、いざイベントが開催されると突然「ヤラアーンドゥ」名義に変わり、ナニモンナンデスと多くのマスターが首をかしげた。ちなみに「ヤラアーンドゥ」はアボリジニ(オーストラリア大陸の先住民)の伝承における「南十字星」を指す言語。
見た目そのものはノクナレアにそっくりであり、バーサーカーと化した水着アルトリア・キャスターやバーゲストからもノクナレアと呼ばれ、戦い方もチョコレートを使ったものだったりとノクナレアを想起させる要素が多く占めるが、当の本人はヤラアーンドゥと言い張る。オベロンから「真っ白に洗浄されるのも考え物だ。後で思い出した時、自分の発言で恥死するなよ?」と言われているが…?
エディンバラでチョコレート栽培を国策にしていただけに、チョコで模した刀、パラソル、バイオリンなど攻撃技の多くがチョコを使った奇抜なもの。声色、ハートマーク、湧き出るチョコといった見ているだけで糖分過多な要素が画面を満たす。一方で肉弾戦も可能なようで、エネミーに強烈なかかと落としや鉄拳、ひじ打ち、蹴りを見舞う事もある。この辺りはマヴから引き継いだのだろうか。日差しが厳しい荒野でも平然と活動出来る体力を持っているので運動もお手の物。また音楽系の精霊を名乗るだけあってバイオリンの演奏技術が究極の域に至っており、彼女の腕前を以ってすれば音符を飛ばして鈍器代わりに使ったり、味方にも悪影響を与えるほどの音色で敵を気絶させるといった音響兵器と化す。ただし決して下手という訳ではないので普通に演奏する事も可能。
何気に対魔力:Aを持っているので現代の魔術師が傷を負わせるのは困難、保有クラススキルは全てAランクと高水準でまとまっているところはさすが大妖精と言ったところか。同時にヤラアーンドゥの名を冠した事で「地球から見える南十字星の化身」となっており、これが要因でフォーリナークラスに分類された。ただノクナレア自身は宇宙から来た生命体ではないためあくまで疑似的なフォーリナーらしい。事実フォーリナーの大半が持つクラススキル「領域外の生命」を持っていない(現在実装されているフォーリナー12騎中、「領域外の生命」を持たないのはノクナレアとククルカン(fate)の2騎のみ)。一方で妖精としての神秘も健在である事からフォーリナー化で純粋にパワーアップしたと言える。
実装に伴ってノクナレアのパラメータが明確になった。汎人類史におけるそっくりさんことメイヴと比較すると陣頭指揮や戦闘をこなすからか筋力、耐久、魔力は凌駕、特に魔力は大きく上回っているのが分かる。クラススキルの対魔力もメイヴがBなのに対しノクナレアはAと一つ上。人間と妖精の差だろうか。逆に敏捷と幸運はメイヴに劣っている他、保有スキル数も追い抜かれている。身長と体重は同一。
『サバフェス2023』では、ハワトリアと化したルルハワにて正常化委員会の委員長を務めており、「アルトリア」の題材に従わない同人誌やサークルを過激に摘発・取り締まった結果、正常化委員会の横暴に反発する反サバフェス同盟が結成されている。同盟を「危険思想の集まり」と敵視しているが、お手伝いなだけで正規の構成員ではないマスターとマシュには憎悪抜きで対応したり、礼節には礼節で応じ、同盟から提示された「コード(題材)自由化」をちゃんと検討して上位サークルになれば認める条件を出すなど公平であろうとする。また同人誌製作に必要な資材を売るアンテナショップの店員も務めている。
マスターの事は「前回のサバフェスで奇跡の12冊マラソンをやり遂げたサークルのキャプテン」と黒髭から聞かされた事で一目置くように。マイルームボイスでは魔術師とはいえ人間の脆弱さに嘆息し、強い者が弱い者に従っている現状に不満こそ無いけれど違和感を覚えたりする一方、脆弱なのに積極的に前線へ出ようとするマスターを慌てて諫める優しさも併せ持つ。絆Lv5になるとマスターの顔を見るたびに、むずかゆくて嬉しくてよく分からない変な気持ちになるようで、この理解出来ない感情を「風邪をひいた」と表現している。
ヤラアーンドゥはアボリジニの言語で「南十字星」を意味する。オーストラリアのニューサウスウェールズ州にはヤラアーンドゥという地名もある。アボリジニの人々は「南十字星を見て、初めて人が死ぬ事の意義が分かる」という言葉を残し、オーストラリアに生息する大型鳥類エミューに例えるなど、生活に密着していた事が窺える。
以下、南十字星の詳しい解説だが、直接はノクナレアに関係ないので折り畳む
空の王が赤土から2人の男と1人の女を作った。しかし男の1人が餓死してしまったため死の精霊が死体をユーカリの木のホコラに押し込んだ。すると落雷が発生して精霊と男の死体ごと木を引き抜く。木は銀河の近くまで吹っ飛び、そこで根を下ろしたのち木が消滅。残った精霊の目2つと死んだ男の目2つが光る事で南十字星が誕生した……というのがアボリジニ神話における南十字星の誕生である。異説では空の神様ビアミが増えすぎたアボリジニを一度に全部見守るのが難しくなったため、ミラブカという助手を雇う。ビアミは永遠の命を与える約束を結び、ミラブカの両手両足に明かりを点け、彼を天空の星の間に張り付けた。これが南十字星となり地上の人々はミラブカに見守られていると安堵した。しかし1788年1月26日にイギリス艦隊がシドニーコーブへ到着、アボリジニから土地を奪ってミラブカをサザン・クロスに改名した。
今でこそ南半球でしか見られない南十字星だが紀元前4千年紀の頃までは北半球のイギリスでもギリギリ観測出来た。西暦400年頃にはもう南十字星を含む様々な星座が地平線の下へ行ってしまって観測不能となり、いつしかヨーロッパ人の記憶と記録から消え去ってしまう。南十字星が再びヨーロッパ人の前に現れたのは1455年。ヴェネツィアの航海士アルヴィーゼ・カダモストがガンビア川を出る際に南十字星をメモして記録し「Carrodell'ostro(南の戦車)」と名付けた。ノクナレアが自前の戦車を持っているのはこの事に由来すると思われる。続いて探検家アメリゴ・ヴェスプッチは1501年と1502年にそれぞれ南十字星を発見。みなみじゅうじ座という星座が作られたのは16世紀の終わり頃(異説ではシュメール時代には認知されていたとする)。星座を構成するアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ星の対角線が十字に見える事から南十字星と名付けられた。16世紀と言えばヨーロッパ人が新大陸やアジアを目指して世界中の海を冒険した大航海時代。彼らは北極星を目印に天測航法を行っていたが、南半球に入ると北極星が水平線下に沈んでしまって見えなくなり、代わりとなりうる南極星も見えづらくて不便という有り様だった。このため船乗りたちは北極星の代わりになる夜空の目印を求め、白羽の矢が立てられたのが南半球で最も目立つ南十字星だった訳である。元々はケンタウルス座の一部扱いだったが、1624年にドイツの天文学者ヤコブス・バルチウスによって独立した星座として描かれるようになった。ただ南十字星は全天の星座88個の中で最も小さな星座なので見つけるのは意外と容易ではない。日本国内では波照間島で観測出来る。
オーストラリアの国旗には南十字星の意匠も取り入れられている。国旗の右側に十字に配置されている星がそれ。イギリスの植民地時代からオーストラリアそのものを表す象徴として南十字星が扱われていた。ニュージーランドの国旗にも(星一つに省略されているとはいえ)南十字星の意匠が使われている他、ブラジルの国旗にも使用されるなど南半球の国々に人気。
| 筋力:C | 耐久:B | 敏捷:C | 魔力:A+ | 幸運:C | 宝具:EX |
永久機関・妖精帝国(クイーンズ・メルティハート)
ランク:EX / 種別:対軍宝具 / レンジ:1~50 / 最大捕捉:50人
それまで酷使してきた体を捨て、新しい体に新生する転生儀式。大妖精マヴが行った事を簡易的に行ったもの。古い肉体はそのまま女王都市を護る魔力として大地に宿り、新生したノクナレアはそれまで受けた傷や呪いをリセットし、万全の状態に戻る。転生の際、心臓(新生体)に魔力を圧縮するが、その余波で周囲に魔力嵐が吹き荒れるのはご愛嬌。
「女王都市に住む皆さまにおかれましては、ノクナレアさま新生の際は厳重な戸締まりと、室内待機を徹底していただければ」
ナーサリーライムの宝具「永久機関・少女帝国(クイーンズ・グラスゲーム)」と似た名称、リセット系効果である。
新たな体に生まれ変わるからか、自身のHPを回復(5000~1万5000)させ、弱体解除もこなせるという攻撃と回復が一体となった宝具。後述のスキルにも回復手段があるためバーサーカーが相手でも長時間前線に居座れる。ちなみに新生する際のノクナレアは全裸。家族の目がある時は気を付けよう!
イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』にて実装。イベント報酬の星4フォーリナー(謎のアイドルX〔オルタ〕以来二騎目の降クラス配布)。巡霊の祝祭で謎のアイドルX〔オルタ〕が早期入手可能になったとはいえ、未だフォーリナーは星5限定サーヴァントで占められた最も入手困難なクラスであり、ノクナレアの配布は初心者にも中級者にも嬉しい。
「巡霊の祝祭 第10弾」にて恒常入手が可能になった。
かなり尖った性能を持っており、使いこなすにはコツが必要。だがしっかりと使いこなせた時は配布とは思えないぶっ壊れ性能と化す。まず起点となるのがスキル2「女王の契約」。味方全体にマイフェアソルジャーと呼ばれる特殊なスキル封印状態を付与するのだが、このマイフェアソルジャー状態の味方にのみ強力なバフをかけられるというのがノクナレアの強み。他にも味方全体の宝具威力アップ、マイフェアソルジャーの味方に攻撃力アップと防御力アップを与えられる。ところが注意点として、このマイフェアソルジャーは弱体化扱いのため、対魔力といった弱体耐性アップがあると弾かれて失敗してしまう恐れがあり、彼女の恩恵を受けられるサーヴァントは自ずと限られる。相性が悪いと全く支援出来ない状態に陥るのでここが難しいポイント。その一方、アヴェンジャークラスが持つスキル「復讐者」には自身を除く味方全体の弱体耐性を低下させるデメリットがあるのだが、ノクナレアと組ませる場合はそのデメリットがメリットに転じる。このためノクナレアとアヴェンジャーを組み合わせるパーティーが新たに考案されるようになった。本来メリットのはずの対魔力が障害物となり、逆にデメリットの復讐者がマイフェアソルジャー付与の助けになるという、全く新しい要素をノクナレアがもたらしたと言える。ちなみに対魔力がAだとほぼ弾かれて失敗し、Bだとアヴェンジャーを入れていても稀に失敗してしまう。
スキル1「女王の墓」は自分自身には弱化無効+毎ターンHP回復+毎ターンNP獲得を、マイフェアソルジャーにはNPをチャージする効果が得られる。マイフェアソルジャーに使用しない場合でも自己バフとして運用可能で、スキルレベルを最大まで上げると毎ターン24%獲得出来るので宝具回転率アップに繋がる。またキャストリアシステムにも対応していて宝具連打も可能。スキル3「VVV(バイオレンス・バイオリン・ボルテージ)」は自身のアーツ性能をアップ、敵全体にスタン+防御力低下を与えられる強力な効果を持つ代わりに、自身とアルトリア・キャスター以外のアーツを1ターン封印するデメリットがある。こればかりはマイフェアソルジャー状態であろうと防げないためスキルレベル上げの優先度は他より下がるだろう。実質運任せではあるが、アーツカードが配られていない時に使用するとデメリットを一応回避出来る。
ちなみにノクナレア本人にはマイフェアソルジャーを付与出来ないので、NPチャージや攻撃力・防御力アップを受けられない。一方で毎ターンHP回復があり、フォーリナーのクラス相性も合わさってバーサーカーに殴られてもある程度は耐久出来る。ただ等倍になるクラスが多い影響で火力が出にくいのがちょっと悩みどころ。
| HP | (Lv1/Lv80/Lv100) 2000/12500/15156 |
| ATK | (Lv1/Lv80/Lv100) 1537/9225/11170 |
| COST | 12 |
| コマンドカード | Quick/Arts/Arts/Arts/Buster |
| 所持属性 | サーヴァント、地属性、混沌属性、悪属性、人型、女性 王、妖精、夏モード |
| 保有スキル | |
|---|---|
| 女王の墓:A (CT8→6) |
自身に弱体無効状態を付与(1回・3T) &毎ターンHP回復状態を付与[Lv.](3T・500→1000) &毎ターンNP獲得状態を付与[Lv.](3T・10→20%) +〔マイフェアソルジャー〕状態の味方全体のNPを増やす[Lv.](20→30%) |
| 女王の契約:A (CT8→6) |
味方全体の宝具威力をアップ(3T) +自身を除く味方全体に〔マイフェアソルジャー〕状態<特殊なスキル封印状態>を付与(3T)【デメリット】 &〔マイフェアソルジャー〕状態の間、攻撃力をアップ[Lv.](3T) &〔マイフェアソルジャー〕状態の間、防御力をアップ[Lv.](3T) |
| VVV:A (CT8→6) |
自身のArtsカード性能をアップ[Lv.](3T) +敵全体に確率[Lv.]でスタン状態を付与(1T) &防御力をダウン[Lv.](3T) +自身と〔アルトリア・キャスター〕を除く味方全体にArtsカード封印状態を付与(1T)【デメリット】 |
| クラススキル | |
| 対魔力:A | 自身の弱体耐性をアップ |
| メルティ・ハート:A | 自身がフィールドにいる間、味方全体のスター発生率をアップ |
| 南天の星:EX | 自身に毎ターンスター4個獲得状態を付与 &毎ターンNP獲得状態を付与(4%) |
| アペンドスキル3 | |
| 対ランサー攻撃適性 | |
| 永久機関・妖精帝国(クイーンズ・メルティハート) | |
|---|---|
| カード種別:Arts | ランク:EX |
| 敵全体に強力な攻撃[Lv.] &防御力をダウン(3T) +自身のHPを回復(5000→15000)<OCで効果アップ> &弱体状態を解除 |
|
使命を忘れがちな予言の子……恐るべき三つの災害……スケールでかすぎ地球超伝説……
そう……かつてないハチャメチャが押し寄せようとしています……
事態を収められるのは貴方しかいません……。目覚めるのです……目覚めて……目覚め……。
「2. クエスチョンが多すぎる」より登場。
もはや夏恒例となったBBによるサーヴァント・サマー・フェスティバル。常夏の島ルルハワを舞台に行われる同人誌即売会に例年以上のサーヴァントが熱気を帯びる中、何の前触れも無く異常事態が発生する。何者かの介入によってBBは特異点の管理権を奪われた挙句、未来観測レンズシバで行く末を覗いて見ると、放置すれば激ヤバ級の特異点に育つ事が判明したのである。そしていつもと毛色が違うルルハワに漂う異様な雰囲気、先にレイシフトしたはずのサーヴァントが軒並みいない静まり返った街中、何故かハワトリアという変な名前に改名されているかつてのルルハワ。そこへ追い討ちをかけるかのように炎上祭神モエルンノスとその巫女ケット・クー・ミコケルの襲来、それに伴う突然のサバフェスの中止、謎の光によるリセット。次々に襲い来る謎にマスターたちはただただ翻弄されるしかなかった。
リセットによりワイキキのホテルの一室に飛ばされ、何が何だか分からないマスター、アルトリア・キャスター、クロエの3人は情報収集のためホテルのロビーへ赴く。そこではモエルンノスと巫女の対策を練るアビー、刑部姫、ネロ、マリー、フラン、マルタといった水着サーヴァントたちが集まっていたが、彼ら集合中のサーヴァントに解散を促す声が響く。
なにを集まっているの、あなたたち!ホテルのロビーといってもここは公共の場です!
サバフェス正常化規則、第6条!
『30騎以上のサーヴァントが一箇所に集合する場合、委員会に届け出が必要である』
セクト活動と思われたくなければ速やかに解散なさい!
その姿は見忘れようがない。かつて妖精國ブリテンにて戴冠式の最中に毒殺された王の氏族ノクナレア。その彼女が現れたのである。一喝された名だたる強豪サーヴァントたちは、まるで彼女を恐れているかのようにそそくさと退散。しかし彼女はノクナレアではなくサバフェス正常化委員会の委員長ヤラアーンドゥと名乗り、困惑するアルキャスをよそに由緒正しいハワトリアの精霊だと主張する。彼女が所属する正常化委員会は「サークルのスタッフは宿泊施設と食費が無料、必要な食料や材料も申請すれば届けてくれる」「一般参加者のため有名店で使えるクーポンや観光バスのパス配布」「医療施設の増強、夜の治安パトロールの強化、ぼったくり店への圧力」等々、これまでのサバフェスとは比較にならないほど丁寧で優しいサービスを提供していた。これだけなら正常化委員会は善い組織なのだが、彼らは「同人誌の題材はアルトリアのみ」というサバフェスを全否定するような規制を敷いてきたのである。これに反発したサーヴァント及び違法サークルの取り締まりも委員会の業務だった。他にも委員会が定めたルールに従わなければ謎の光でリセットされて初日にまで時間を戻されてしまうため、実質この正常化委員会がルルハワ改めハワトリアを支配しているような状況。
自由を愛するサーヴァントたちは最初こそ抗議したが謎の光で容赦なくリセットされ続け、加えて記憶そのものはリセットされず実際の時間はしっかり進んでいる事から無限ループと化し、やがて大部分が戦意を挫かれてしまった。一部の反骨精神旺盛なサーヴァントは反サバフェス同盟を結成して地下活動を行うも、繰り返されるリセットを前に精神が擦り切れて瓦解寸前と化す。ハワトリアで強権を振るう委員会とヤラアーンドゥであったが、あくまでサバフェスを正常化するために動いているため悪意は無く、マスターたちの事は一般参加だと認識して軽く挨拶をする程度で引き揚げていった。ヤラアーンドゥを名乗るノクナレアそっくりな委員長。苦労を嘲笑うかのように更なる謎がマスターたちに降りかかる。
以下、イベントのネタバレが大量に含まれているため、折り畳む。
「3. 同盟の逆襲(Ⅰ) 1/4」では、ナンパがてらボディーガード役を売り込んできたMr.サムワン…ことランスロットを引き連れて反サバフェス同盟の本拠地となっているちゅんちゅん亭を襲撃。バイオリンで葬送曲を奏でたあと一斉摘発を行う。同盟の黒髭とジャンヌ・オルタは牙を抜かれていてもサバフェスをメチャクチャにしようと企んでおり、策を実行へと移される前に先手を打った訳である。しかし同盟の抵抗と現場に居合わせたマスターの妨害を受けて失敗、思わずヤラアーンドゥが怒りを露わにするが、同盟の面々は見捨てられない友人だと説明されると「そう。友人だったの。それなら助けに入るのも当然ね」と抵抗した事を不問に付し、改めて自身がヤラアーンドゥだと名乗ってマスターやアルキャスと自己紹介を交えた。ランスロットが護衛についていたとはいえヤラアーンドゥ自体かなりの実力者であり、少数で同盟の本拠地に殴り込んで来たのも自分一人で蹴散らせると判断したからだった(実際戦う気力を削がれていた同盟の面々は酒に溺れて骨抜きになっている有り様)。ただ彼女は一斉摘発の他にもう一つ用件があってちゅんちゅん亭を訪れていた。それは同盟から出されていたコード(題材)自由化の意見を委員会で検討し、人気投票で同盟に参加しているサークルの同人誌が上位に入賞すれば民意を得たと判断、徹底したジャンル規制の撤廃を約束すると伝えるためであった。ただし上位10位内に入らなければ同盟は即解散、今後はボランティアとして運営スタッフにされるという処刑宣告も兼ねている。そしてこれまで行われた人気投票では1~10位まで委員会の同人誌が占める。圧倒的に委員会有利の状況の中、マスターという伝説のアシスタントがいる同盟は反撃の機会が与えられたのもあって戦意を滾らせ、「アルトリア」を題材にした同人誌作りに着手。こうして同盟傘下のサークルvs委員会の構図で同人誌バトルが始まったのだった。ちなみにアルトリアを題材にするという提案はヤラアーンドゥが(無意識のうちに頭に浮かんで)提案し、それを会長が認可した事で敷かれたとの事だが…。
「3. 同盟の逆襲(I) 4/4」では、マスターの差し入れもあってフィナーレ前日のDAY 6に反サバフェス同盟は同人誌を完成させる。そこへバイオリンで雅な音を奏でながら再びちゅんちゅん亭に姿を現すヤラアーンドゥ。ちゃんとアルトリア規制に従っているかの検閲を行い、問題が無かった事で遂にフィナーレへの出展を認めた。このフィナーレを無事に終わらせる事が出来れば特異点も解決するはずだったが…。翌日のサバフェス会場、そこには新刊が無い旨の悲壮な看板が立ち並ぶおぞましい光景が広がっていた。どのサークルも何故か新刊を出せなかったのである。ジャンヌ・オルタがすかさず委員会の嫌がらせだと思ったその矢先、ヤラアーンドゥも「どうなってるの!?なんでどのサークルも新刊を落としているのよ!?」と驚愕の声を上げて取り乱す。この事態は委員会にとっても予想外の光景だったらしい。そこへ町外れの印刷所から「紙不足」の報告が入り、これが新刊を出せなかった原因だと判明するが、何故紙不足になったのかを考える時間すら与えられないままサバフェス会場を狙って炎上祭神モエルンノスが襲来。ヤラアーンドゥはマスターとアルキャスに参加者の避難を託し、自身は王の使命と称して単身モエルンノス対処に向かう。2人は避難誘導をクロエ、黒髭、ジャンヌ・オルタに任せてヤラアーンドゥに加勢。燃え盛る炎の海で巫女ケット・クー・ミコケルが乗り回すモエルンノスと対峙する。しかしモエルンノスの力には敵わず敗北させられ、謎の光によってリセットが実行されてしまう。リセットされると離れ離れになってしまう危険性があるためマスターを中心に集まる中、戦闘中に負傷したヤラアーンドゥはうずくまっていて動けない。その様子を見たアルキャスが手を伸ばしたところで光に包まれ――。
「4. ハワトリアのひみつ(そのいち)」にて、ワイキキのホテルで目を覚ましたマスター。隣にはアルキャスとマシュとランスロットと…ヤラアーンドゥ。リセットの際にアルキャスがヤラアーンドゥの手を掴んだ事で一緒にホテルまで飛ばされたようだった。ちゅんちゅん亭には同盟の面々も集まっていて彼らも無事だった模様。だがこれで累計6回のリセット、せっかく作った同人誌も水の泡となり、マネジメントを担当していたクロエは大きなショックを受けて落胆。同盟も慣れているとはいえショックを隠し切れておらず各々心に大きな爪痕を残した。聞けば2回目のリセットの時も紙不足が原因で新刊が落ちていたらしい。そして始まるヤラアーンドゥも交えた対策会議。クロエは自給自足が基本の特異点において紙が不足するという事は材料の樹木が無いのでは、と推測。これにより情報収集で浮かび上がっていた北西部の森林火災が原因ではないかと見解が一致し、モエルンノスによって引き起こされていると思われる火災を調査するべくマスター、アルキャス、ランスロット、委員会のお目付け役ヤラアーンドゥが現地へ向かう。
「4.ハワトリアのひみつ(そのに)」で、日差しがきつい荒野を進むカルデア軍団。およそ生命の存在を許さない過酷な環境に弱音を吐くアルキャスやランスロットとは対照的にヤラアーンドゥは「失礼ね、ちゃんと水場もあるし、過ごしやすい岩陰も沢山あるわ!」「これだから都市の生活に慣れたサーヴァントはイヤなのよ、軟弱で」と言えるほど余裕を持っていた。一方で暑さ対策をしっかり取り、この荒野を好きだと言ってくれたマスターには「辛くなったら遠慮なく言いなさい。休憩にして、私の曲を聴かせてあげるから」と優しく接する。彼女曰く反サバフェス同盟は危険思想の集まりだが、マスターやアルキャスは人が良いから巻き込まれているだけの人物という事で優しくしてあげたくなるらしい。問題の森林に到着すると、強い日差しと乾燥であちこちの樹木がひとりでに燃えているのが見え、山火事が頻発するのもやむなしな状況だった。そして森の脅威は火勢だけではなかった。ここには凶暴な野生動物も住み着いており、委員会はここを自然保護区に定めて許可無しでは入れないようにしていた。突然襲ってきた野生動物を迎撃するカルデア軍団とヤラアーンドゥだったが、交戦しているうちに徐々に周りの炎の勢いが強くなっていき、本格的な山火事へと発展してしまう。止める術など持ち合わせない窮地のカルデア軍団のもとへ環境保護団体UDKのリーダーバーゲストが駆け付け、逆巻く炎を放水で鎮火してくれた事で焼かれずに済む。バーゲストもアルキャス同様ヤラアーンドゥを見てノクナレアだと言うが、当の彼女は「またその言葉?なに、そっちだと南十字星の意味なの?」と首をかしげるだけだった。また凄まじい消火を見てヤラアーンドゥはUDKごと委員会に雇い入れようとしたもののバーゲストは西部の森から出るつもりはないと拒絶、代わりにミコケルもといバーヴァン・シーが潜んでいるのは森林の深部にある夜の森だと貴重な情報を提供し、同時に動物たちに崇められている「世界の破壊者」と動物たちに畏れられている「闇の精霊王」が幅を利かせているから入れば命は無いとも警告する。そもそも夜の森はモルガンの結界が張られていて今は入る事すら困難らしい。実際ワイキキでマーリン、太公望、スカディ、キルケー、メディアといった腕利きの魔術師に声をかけてみたものの、誰一人として破るのは無理だった。せっかくモエルンノスとミコケルの居場所を特定出来ても突入出来ないのであれば八方ふさがりと言う他なかった。レストランではタマモキャットをスカウトしようとしているがこちらも失敗している。ただ反サバフェス同盟の正式なメンバーではないマスターを排除対象から外している公平さをタマモキャットに気に入られ、「妖精のことは妖精に聞け!」とアドバイスを授けられた。
「5.夜の森に雨の降る」にて、別行動中だったマスターやアルキャスとワイキキの街中で合流。彼らの活躍により妖精の粉をふりかける事で結界を突破出来る事が判明したが、「自分が何であるかを隠すのって、嘘ついてるってコトじゃない」「正常化委員会の実行委員長である私がそんな小癪なマネ、できると思う?」「私、嘘も誤魔化しも嫌いなの。他人がするのはいいけど、自分がするのだけはイヤ」「もしそんなコトをするのなら、自分から消えてもいい、と思うくらいに」だとして夜の森へ向かうマスターたちに同行せず、治安維持のため街に残った。そして「無理はせず、祭神と戦おうなんて考えないで。ミコケルの居場所さえ判明すれば上出来よ」と気遣いの言葉を贈るのだった。
「6.同盟の逆襲(Ⅱ)」では、最終日のサバフェス会場にて登場。開始まで30分前、ミコケルとの対話でモエルンノスの出現が無くなり、無事紙不足が解消されて各サークルが新刊の販売準備に追われているのを見て、いよいよフィナーレを迎えられるとカルデア軍団も同盟も安堵していた。ところが海上に風速120m、時速100km/hのトンデモ台風が発生して接近。希望を粉砕する展開にヤラアーンドゥが「あなたたち、ミコケルとは話をつけたんじゃなかったの!?」と愕然となるが、マスター曰くこれは2つ目の災害。夜の森の洞窟には島を襲う3つの災害が壁画として残されており、1つ目はモエルンノスだったが、今回2つ目の災害が出現して襲い掛かってきたのだという。何とかしないとまたリセットされてしまうため、マスター、アルキャス、黒髭、ヤラアーンドゥ、マシュが荒天下の外に出て迎撃を試みるも、突風に飛ばされて早くも黒髭が脱落。風には魔力が含まれていて明確にサバフェス会場を破壊しようとしていた。そんな中、マスターはとある人影を認める。ヴォーティガーン形態の黒オベロンが嵐の中で立っていた。漆黒に染まった黒オベロンを指して「あいつ、あなたたちの知り合い!?友人関係を見直したら!?」「だって真っ黒よ、真っ黒!外見も心もあんなにムラがないヤツ、そういないわ!」と思わず叫ぶヤラアーンドゥに対し、彼は「言うねぇ。アンタと俺、前は似たもの同士だったのに」「真っ白に洗浄されるのも考え物だ。後で思い出した時、自分の発言で恥死するなよ?」と意味深な返しをする。続いて黒オベロンは第2の災害、嵐の祭神ウミヌンノスが上陸するとし、マスターたちに避難を促す。しかし無慈悲にも流れるリセットを伝えるアナウンス。今回もまた苦労を水泡に帰すリセットが行われ、嵐のせいでアルキャスとヤラアーンドゥに近づけなかったマスターは単身何処かへと飛ばされてしまうのだった。
ハワトリアの西部では世界規模で中継される一大イベント、山岳・溶岩・海上を走破するアースマンレース本選が開催されようとしていた。水妃モルガン主催の本イベントの優勝賞金は1億QP、優勝賞品は「マスターと1週間二人っきりでいられる権利」であった。前回のリセット以来マスターがワイキキから消えて行方不明となっていたが、UDKの団員から西部のブリスティンホテルで休養しているとの情報が入り、その翌日アースマンレースの内容が報道されてマスターが優勝賞品になっているのが分かり同盟と相談してみたところ、ヤラアーンドゥとアルキャスの2人が代表してレースに参加する運びとなる。西部のコース場へ来るまでの4日間、2人は買い物や曲合わせ等をして仲を深めていたようで、いつしかノクナレア呼びを許容。アルキャスにも新しく購入した服を強引に着せるなど気心の知れた関係となっていた。彼女が車代わりに用意した戦車は応援されるほど速く強くなる女王の権力をカタチにしたものらしく、これを使って予選を突破。本選でもモルガンの息がかかった選手を抜き去ろうと息巻く。また彼女はQPを全額渡す代わりに賞品は貰おうとしていたが、そこへ前回のリセット以来行方不明になっていたマスターが登場。思わぬ再会に「…………なんでここにいるの、あなた?もしかして私たちの応援に来た?」と呆気に取られる。レース本選では他ライバルチームとバトルする流れ…にも関わらず何故かヤラアーンドゥは登場しなかった(相方のアルキャスは登場していた)。レースの最中でウミヌンノスは水妃モルガンが作り出した災害という衝撃の事実が判明、また自分の名代として参加させたメリュジーヌが妨害工作を受けて優勝を逃した事を受け、レースを無かった事にしようとウミヌンノスを出撃させる。しかし前回出現した時と違って迎撃する戦力が充実していたため滅多打ちにされて粉砕。第2の災害はあっさりと片付けられた。
レースを終えてワイキキに戻って見ると何故か街が炎の海に沈んでいた。原因は編集の災害と化した巨大クロエの暴走で、逃げ惑う人々は「締め切りを守らない作家やエアプ評論家に対する怒りと憎しみに囚われた」と評する中、ヤラアーンドゥは「そんなワケないでしょうっ!」「怒りと悲しみだけで、あんな悲しそうな声出すものですか!」「あの娘、精霊に取り憑かれてる!心が落ち込んでいる時、精霊の感情と同調したのよ!」「はやく取り除かないと大変な事になる!」と真実を見抜いている。
「9.同盟の逆襲(Ⅲ)」では、ちゅんちゅん亭で行われた対策会議に遅れて参加。精霊に詳しいのかクロエから精霊を引き剥がせる方法を提案出来るのだという。しかしマスターにその方法を先に言われて固まってしまった。クロエは神格化されて神の如き存在となっているが、これを逆手に取って心のこもった同人誌を奉納して読ませ、クロエの編集の仕事がどれだけ素晴らしかったのか理解させる事で精霊を引き剥がせるという。クロエを元に戻すべくランスロットの提案で反サバフェス同盟はジャンル・アルトリアに縛られない自由な創作を行う事とし、ヤラアーンドゥもこれを認めたためサバフェスの自由を縛り続けてきたアルトリア規制が一時的に撤廃された。「10.魔法編集 ヌンノス☆クロエ」にて心のこもった同人誌をイリヤ達が奉納した事で精霊が取り除かれ、クロエも元の姿に戻った。
いよいよ終盤に差し掛かった「11.死の企業ブース」。フィナーレ前日のDAY 6、続々と脱稿する同人誌を読んで心打たれたヤラアーンドゥは委員会が推し進めるアルトリア規制に疑念を抱き、遂に上へかけあって規制の撤回を前向きに検討し始める。既に3つの災害も取り除かれ、あとはもう明日のフィナーレに備えるのみ。ようやく掴んだ特異点終結の希望を、ちゅんちゅん亭に踏み込んできた暴徒たちが蹴散らす。アルポンドを求めて強盗に押し入った暴徒であったが、マシュ、ジャンヌ・オルタ、ヤラアーンドゥ等の強豪サーヴァントが集うちゅんちゅん亭だったのが運の尽き、あっと言う間に無力化される。預金残高があるにも関わらず暴徒たちがアルポンドを求める理由。それはテスカトリ・コーポレーションという企業が1日だけの限定販売を行っていたからだった。しかも現金でしか受け付けない事から全員が全員こぞって銀行からアルポンドを下ろした結果、銀行に紙幣が無くなってしまう事態が発生。これにより預金残高はあるのにアルポンドを下ろせなくなり、まだアルポンドが残っているであろう店、特に飲食店を狙って強盗に踏み切ったのだという。アコギな商売を止めるためカルデア軍団は企業ブースへ移動。警備員やマーケティング主任を撃破するも責任者テスカトリポカは全く動揺を見せない。むしろ「明日のフィエスタでこの島が終わる」とし、そうならないうちに自分の手で今日中に終わらせようとする。3つの災害を撃破した今、島を脅かす存在はいないはず。しかしテスカリトポカは自らの権能で過去と未来を入れ替え、明日起こりうる惨状をカルデア軍団に見せつける。無残にも炎上するブース、暴徒と化した参加者、「この島の未来は決定してしまいました」「サバフェス正常化委員会は現時刻を以て消滅。――第三の災害が、出現します」という不穏なアナウンス、そして最後に「ヤラアーンドゥがリセットを行う光景」が映った。驚きのあまり微動だに出来ないカルデア軍団。しかし誰よりも驚いていたのはリセットを行った当人のヤラアーンドゥだった。「そんなはずがない。私が、私がそんな事をする筈がない!」「それに――そう!アルトリア!前のリセットの時、そばにあなたがいた」「近くにいたのなら、私がそうなんだって知ってたはず」と弁解し、島のリセットと自分はあくまで無関係と主張するが、アルキャスはリセットの元凶がヤラアーンドゥだと知っていた。その事を伝えなければ、知らないままなら、ヤラアーンドゥでいられると敢えて黙っていたのである。いらぬ情けに激昂しかけたその瞬間、ヤラアーンドゥの表情が苦悶に歪み、異形の怪物へと変じていく。それと同時に上空には地上を睥睨する巨大な瞳が現れる。この瞳こそ第3の災害、全ての争いや諍いを偏見を以って祭りを炎上させる愛瞳祭神ヤメルンノス。編集の災害クロエはイレギュラーで発生しただけの正規の災害ではなかった。ヤメルンノスの出現に伴ってリセットが行われて時計の針はDAY 1へと戻された。
「12.夏のはじまり 1/3」では、災害に転じたヤラアーンドゥの姿は既に無く、彼女は消えてしまったと嘆くアルキャス。そこへひょっこりと姿を現した黒オベロンが「まだ消えてないんじゃない?リセットで消えたヤツ、今までひとりもいなかったでしょ」「島が崩壊するまでヤラアーンドゥは消えない」「あれは『第三の災害』にして、この島の精霊の代理だからな」「助ける方法はいくらでもある。その方法をおまえたちはもう手に入れている」と希望をもたらす。一方で「だが時間はない。さっきのリセットはヤラアーンドゥの最後の力だ」「この7日間が最後の『返答』だ。心してかかるんだな」とも言い、もう後がない事を伝えた。カルデア軍団は姿を隠し続けている正常化委員会の会長であるアルトリア・アヴァロンと会って真相を問いただす。ここハワトリアはハワイ諸島とオーストラリアが合体したものでハワトリアの名称もハワイとオーストラリアを組み合わせた造語であった。オーストラリアを組み込んだ事で同地に伝承として伝わる大気の大精霊ワンジナが目覚めてしまい、「もう誰も自分を見ていない」「もう誰も自分を必要としていない」という悲しみから島に異変をもたらし、消滅へと導いてしまう。その事に気付いていなかった前管理者BBからアルトリア・アヴァロンが管理権と島を奪い取り、問題解決のため正常化委員会を設立、数少ない伝承からワンジナが争いを嫌うと知ったためジャンルアルトリア縛りを敷いて無用な争いを回避するよう仕向けた。
そしてヤラアーンドゥとは、アルトリア・アヴァロンが用意したワンジナの代行者。ワンジナとの会話を試みてはみたものの、地球外の存在である彼女には人類の言語が通じず、それでも「人間を分かりたい」という切実な願いを宿していたため、アルトリア・アヴァロンは器となる存在を再現・召喚。その人物こそがノクナレアだった。何故彼女だったのかと言うと「人の価値観で島を見て回れる」「できるだけ精霊との親和性の高い霊基」、この2つの条件を満たしていたから。マシュ曰く妖精という出自から人間の英霊より精霊と同調しやすいとの事。召喚されたノクナレアはこの役割を快諾して自分の意識を封じ込め、空っぽになった霊基ワンジナが入ってヤラアーンドゥと名乗った。つまりワンジナはノクナレアの体を使ってカルデア軍団と一緒に行動していたのである。ただ言動や性格そのものはワンジナではなくノクナレアのものだったらしい。だがテスカトリポカに未来を見させられ、自身が架空の精霊である事を思い出した結果、ワンジナの意志そのものとなってしまい、第3の災害にして最大の災害であるヤメルンノスに変貌してしまった。もしヤメルンノスを倒す事が出来れば一時的にノクナレアは元に戻るが根本的な解決には至らない。真に解決させるにはワンジナの願いである「みんな仲良く」を達成・証明する必要があり、サバフェスはそのための舞台装置に過ぎない。謎の光によるリセットはもし出来なかった時の緊急措置。ところが「みんな仲良く」など人間にはまず不可能な話。そこでマスターたちが取った行動は…。
「13.サーヴァント・サマー・フェスティバル!」にて、正真正銘最後のフィナーレ、サバフェス当日が来た。ここで失敗すれば島は消滅してしまう。万全の迎撃体勢を整えるカルデア軍団の前に炎上祭神モエルンノス、嵐の祭神ウミヌンノス、愛瞳祭神ヤメルンノスが同時出現。会場に集っていた妖精騎士やサーヴァントを中心に迎撃が行われ、マスターたちは遅れて出現するヤメルンノスの迎撃に回る。ヤメルンノスの正体がヤラアーンドゥだとしても助けるために一切の手加減はしない。友人として彼女と付き合ってきたアルキャスが静かに覚悟を決める。そして上空に現れるヤメルンノス。島と友人を救うための戦いが幕を開けた。フェスに参加したサーヴァントやマスターの活躍により陸海空の災害は全て撃破され、フェス会場にはヤメルンノスから解放されたヤラアーンドゥがアルキャスに抱えられる。意識を取り戻すと「私の正体、みんなに知られるワケにはいかないんだけど!?」と言うが時既に遅し、解放された場所がマスターたちの眼前であったため、バッチリとバレてしまう。それに彼女はヤメルンノスから解放された事でヤラアーンドゥではなくノクナレア本人へと戻っていた。
「お帰り、ノクナレア」
マスターから声をかけられて全てを思い出す。ハワトリアの出来事だけでなく、妖精國での出来事も。かつて恋をした相手が目の前にいると分かり、思わず良い雰囲気なりかけるも、アルキャスに水を差されてシリアスモードを続行。ノクナレア曰く陸海空のヌンノスは倒しただけではすぐ復活してしまうため、そうなる前に夜の森の洞窟に行って倒されたヌンノスの霊基が集まって再生する時にワンジナと接触し、「みんな仲良し」である事を証明しなければならない。洞窟へ急行してみると壁画の前に青い光が集まっているのが見えた。この光こそがワンジナであり、「みんな仲良し」だと証明するために作った仲間の寄せ書きに反応を示している様子。今までヤメルンノスと化していて寄せ書きする機会を失っていたノクナレアもすかさず自身の顔とヤメルンノスを壁画へと書き入れ、いよいよ壁画という名の合同誌が完成。最後の一押しとしてノクナレアとアルキャスが演奏を行いワンジナとの接触に成功。「みんな仲良し」だと伝えられた事で満足気に空へと戻っていった。もう悲しむ事はないだろう。
「エピローグ 夏は続く」にてサバフェスは無事終了。無限ループの迷宮から見事脱出した瞬間であった。ワンジナが消えた事でノクナレアも消滅したと落胆するバーヴァン・シーの前に、「いるけど?なに、消えたと思った?あなた、妖精國にいた頃と違うのね」と言いながらしれっと登場。そしてマスターたちが作った、妖精國を題材にした同人誌「妖精國の夏休み」を手に取って一読した。本来ノクナレアは異聞帯の存在なので汎人類史には存在出来ない妖精。だが彼女を召喚したアルトリア・アヴァロンに、先代女王マヴと浅からぬ因縁があったモルガンが協力した事で、しばらくは消えずに済む霊基を得たのだという。ヤラアーンドゥとして活動していた時の記憶も残っているノクナレアは、マスターたちのこれまでの努力に報いるため汎人類史に協力する事を約束、「あなたがどんなにへばっても、この私が必ず、最後のゴールまで引きずっていってあげましょう」と宣言した。このエピローグをクリアする事でノクナレアが正式加入する。
イベント終了後のアンテナショップにも登場。「持っていても厄いだけ」だとして余った感情のステーキ、本能のエナドリ、知識のカレーのQP交換を促してくるが、美味しそうに見えるのか少し食べたそうにしていた。ノクナレアの台詞の最後にアルキャスが割り込んできて言いたい事だけ言って消えるという、これまでに無い演出が追加されている。
『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』クリアでノクナレアのボイスが解禁、マイルームボイスや他のサーヴァントに対する反応ボイスが追加される。
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11 削除しました
削除しました ID: HPEO+EOHWy
削除しました
12 ななしのよっしん
2023/08/23(水) 22:34:19 ID: cXS6OLaPea
>>5 間違えました。
正確な編集はこちらでお願いします。
一般会員記事作成記事編集依頼スレ
13 ななしのよっしん
2023/08/24(木) 00:09:34 ID: 64fCeccEzT
>>12
ネタバレ配慮した編集が加えられたようなのでとりあえず様子見します
ネタバレ配慮修正してくださった方ありがとうございます
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/11(木) 13:00
最終更新:2025/12/11(木) 13:00
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