千利休(Fate) 単語

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千利休(Fate)とは、スマホゲームFate/Grand Order』に登場するサーヴァントの一騎である。

CV園崎未恵
イラスト:色素

サーヴァントについてはサーヴァント(聖杯戦争)の記事を参照。

概要

2022年9月14日から10月5日にかけて行われたイベントぶっちぎり茶の湯バトル ぐだぐだ邪馬台国 地獄から帰ってきた男』にて新規実装されたサーヴァント5のバーサーカー。担当絵師の色素氏は『カルデアボーイコレクション2021』の礼装「ドリーム」でFGOデビューし、千利休で初めてサーヴァントを描いた新人さん。

ノッブによると生前は大柄の男性であったとのことだが、サーヴァントとしての千利休は何故か小柄な少女として現界していた。体こそ少女のものだが人格は利休そのものであり、過去実装された馬琴や北斎のような「女性の体に男性の人格が宿っている」タイプである。何故男なんだ。生気のこもっていない双、両肩を押さえつける謎の手不自然重い体重、特定の条件を満たさないと解放されない第三再臨など不穏な要素で占められており、彼女(彼)の不気味さを醸し出す。その内側には一体何が潜んでいるのだろうか。

サーヴァントになった後も商人らしく新しいものを取り入れることにも余念がなく、自らの自動販売機で売ったり、秀吉の移動式黄金茶室を発展させた銭を燃料にを飛ぶ茶室「GO」を開発界の地に落ちてきていた怪生物ちびノブお茶を与えたところ、知が発達して喋れるようになり、お茶ノッブとなったちびノブ軍団を雇って働かせていた。彼女(彼)が淹れるお茶には空気中のを中和する効果があり、見えないで満たされている界の地においては彼女(彼)の助力しでは敵も味方も活動すらままならない。

バーサーカーでありながら地作成スキルを持つ非常にしい存在。利休以外だとモルガンのみ。

ちなみに利休についての初言及は「カルデアエースvol.2」に収録されたルポ漫画「三蔵ちゃんと行く京都日本サーヴァントぐり」。ここで「利休はバーサーカー」とぐだ子が冗談めいて言及しているが真実となった。(なおシルエットはどうみても「へうげもの」の利休である。納得のバーサーカー。)

第2部7章『ナウイミクトラン』にて、実は浮遊している事が判明。浮遊属性を持っているため特定戦闘で敵のデバフを受けず優位に戦える。サーヴァントの中には再臨の状態によって浮遊の有が事細かに決められている者もいるが、利休は全ての形態で浮遊を持っている。第一再臨はともかく、第二と第三はどう見ても浮いているようには見えないが…。

2023年9月17日から10月10日まで、京都利休園とのコラボ蘆屋道満(fate)イメージした「暗陰陽葛飾北斎(fate)イメージした「渾身一筆」、モルガン(fate)イメージした「妖精林檎」を利休がプロデュースしたという設定で限定販売された。遂にリアルコラボ進出である。

ステータス

  • クラスバーサーカー
  • 真名千利休
  • 身長/体重:132cm132kg
  • 出典:史実
  • 地域:日本
  • 属性:混沌・悪  副属性:人
  • 性別:女性
  • パラメータ
    筋力:C+ 耐久:C 敏捷:C 魔力:B 幸運:B- 宝具:C
  • スキル
    侘びの極み:A-
    利休が生涯をかけ追いめ、いまだ到達し得ぬ侘びの極み。侘びの怪物である利休の深淵よりみ上げられしけき茶の湯
    一輪:B
    世に一輪あれば良い。己が見出す価値以外を一顧だにせぬ利休の傲な意志の発露。
    玄たる:A
    利休が至高とした。この世の全てを塗り込みけき世をもたらさんとする利休の妄執と狂気
    融通:B
    茶の湯に作法なしとした利休の自由な創意。己の価値が全てとする傲慢さと闊達さを併せ持つ。

    「すなわち茶の湯とは、ただ湯をわかし、を点て、
     ただ飲むばかりにございますれば」
  • 宝具

    一期一会いちごいちえ)
    ランク:C / 種別:結界宝具 / レンジ:1 / 最大捕捉:1人

    利休が設ける一客一亭の席。その生涯の全てをかけて完成させた茶の湯の極致であり、茶室という極狭の間として展開される固有結界。相対したものはそのに込められた利休のに心を穿たれ、感し、を屈する事となる。この宝具に取り込まれたものは、その本来の力を制限され、強制的に利休の茶の湯の理に従わされる。貧弱な霊基であれば磨り潰されてもおかしくない程の強な圧こそは、侘びの怪物、利休のが持つ重力

    「───これこそが利休の『』にてございます」

    ちなみに最大補足が1人となっているが、多人数を同時にもてなす事も可玄にして夢幻なる界。
     
    第三再臨時に宝具を発動した場合は描写が異なる。利休の内に潜む一人の少女彼女の血で満たされた碗の中に敵を沈め、巨大化した彼女が微笑みを浮かべながら宝具封印と呪いを付与する。碗の中に入れる都合上、大エネミーだと顔がはみ出てしまってシュールな図となる。シャンタク系のような宙に浮いているエネミーは血に浸かっていなかったり、玩の相手だと首しかい事が判明して演出の裏側を垣間見れたりと面白スクショ向けの宝具となっている。ケルヌンノスを入れたら一体どうなるのか…。ちなみにレア演出として巨大化時に血涙を流しているバージョンもある。

ゲーム内性能

イベントぶっちぎり茶の湯バトル ぐだぐだ邪馬台国 地獄から帰ってきた男』にて実装された限定バーサーカーバーカー、千利Q。バーサーカーとしてはかなり異色の存在であり、抹茶イメージしたのかクイックが3枚もある一方、逆にバスターは1枚しかない。いわゆるクリティカルに属するバーサーカーで、自身や味方全体のクイックを上げて強な一撃を見舞う事を戦法とする。また味方にNP配布と無敵付与が出来るというバーサーカーにしてはしいスキルも持つ。自分に使えば場持ちも若干良くなる。宝具一期一会」は対人特攻があるため、全エネミーのうち約1/3が持つ人属性に刺さる上、宝具封印で1ターン猶予を作れるのが強み。スカディシステムにも対応しており特攻が刺されば宝具連発で驚愕ダメージ叩き出す。弱点はスター集中を持っていないせいでクリティカル戦法がやりづらい点、対人特攻が刺さらない相手だと宝具の威力が弱い点か。

セイングラフが第三再臨以降が封印されており、イベントクリア後に開放されるクエストにより解放される。イベント終了後は無条件クエストに挑めるようになるので安心。

史実

史実については「千利休」を参照。

1522年に和泉(現大阪府)で誕生。を扱う商人に倉庫を貸す問屋であった。彼は大柄な人物だったようで180cm長身だったと伝わる。17歳の時に茶の湯を学び始め、見事才が開。政財界においても一際存在感を放つ人として知られるようになる。

一時は資金難に陥って業が傾きかけるも、有力な三好氏の御用商人になった事で立て直しに成功。しかし1568年に織田信長に武力侵攻。三好三人衆と組んで抵抗したが、圧倒的な戦力差を前に敗れ去った。その翌年、の新たな支配者となった信長によって利休は召し抱えられ、茶の湯る役職・頭に就任。1573年と1575年に行われた信長催の会を成功させた。信長茶の湯政治利用を積極的に推し進めており、利休はそれを献身的に支えて地位を高めていく。

1582年に本能寺の変が起きて信長半ばで死亡。次は豊臣秀吉に乞われて頭となる。豊臣政権内においても茶道南役として確固たる地位を築き、また商人由来の天才的な利きで董品の商いに携わり、茶道芸術性を見出した「わび」を生み出すなど、時の権力者秀吉でさえも感嘆するほどの才覚を発揮。俸として3000石を与えられた。多くの著名人や大名が利休に師事し、その中には前田利家細川忠興などもいた。

1585年10月正親町天皇から利休の居士号を勅賜される。利休とは「鋭さを休めよ」という意味。

日本文化人として最大級の力と権威を持つに至った利休。ところが、何らかの事情で秀吉の怒りを買い、1591年4月21日切腹享年70歳。その首は一条戻橋にてされた。

ぐだぐだ新邪馬台国

プロローグにて初登場。

死んだ者の黄泉へと向かう――その途上にある生と死の狭間、界(さかい)の地にて人知れず召喚される。界の地は歴史の敗者となったや未練を残したが落ちる届かぬ暗の地で、にはい人たゆたい、通行が困難い泥によって陸地はのように寸断されている特異点。そこへ現れた石田三成は特異点発生の原因となっている聖杯のリソースを使い、掟を敷いて貨幣を流通させ、クコチヒコ率いる狗の生き残りと同盟を結び、暗の地に秩序をもたらして新邪馬台国という亡者たちのを形成していた。この地には前回の『ぐだぐだ邪馬台国』で倒されたつ神の破片が降り注ぎ、現地の環境に適応するためちびノブ変身して各地に生息。このうちの何匹かに利休が戯れでを与えてみたところ、喋れるお茶ノッブ進化。従業員として雇った。

観測された特異点の修正とSOS信号を確認するべくカルデアよりレイシフトしてきたマスターノッブ、総沖田オルタの4人。到着して間もなく謎の男シュシャに助けをめられ、ことクコチヒコと交戦する壱与に加勢して獣人の群れを撃退する。戦闘後、沖田オルタ自販機で購入した団子を食べていた事で付近にがあるのに気付き、ひとまず休憩する。そこへたる千利休が現れて室内へと案内する。何故か少女の姿をしている利休を見て、ノッブから「あの利休が女のわけないじゃろうが!」と突っ込まれるも、「これはにはまらぬ信長とは思えぬお言葉、形など英霊にとっては細な事」と受け流した。この特異点では空気そのものがであり、仮にサーヴァントであっても半日持たずに身動きが取れなくなる異常なる地。利休は人らしくお茶を淹れてカルデア軍団に振る舞いを中和させた。どうやら彼女(彼)のお茶はこの特異点における防マスク。一度飲めば一日は活動できる必須の物のようだ。召喚されたら死ぬ土地とか無理ゲーすぎるじゃろ。後にロリンチが解析したところ、霊基を侵食して魔力を喰らう粒子が飛び交っているとの事。

利休もこの地に召喚されたサーヴァントであった。空気中のに対抗するため自身の固有結界である茶室を作って対魔力を備えたを調合したところまでは良かったが、外はクコチヒコの部下がうろついていて闊に動けず。飛び地を駆け抜けるために必要な「GO」は金子を燃料にしているが自販機を設置しても鳴かず飛ばずの現状では資金を稼げず、北西のわびさびの里で立ち往生しているところだった。このためカルデア軍団茶室の営業をしてもらい燃料たる金子を集め、またちびノブに奪われた器の奪還も並行して行われた。

イベントではエネミーを倒すと器と葉が手に入り、器は素材との交換に、葉はお茶を点てるのに使用。お茶を点てると茶の湯ポイント(すなわち金子)が手に入り、一定以上貯まると「GO」による移動が可となって物語が進行する仕組みとなっている。

以下、イベントの終盤までのネタバレが記述されているので折りむ。

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順調に資金集めが進んでいるかのように見えたその時、新邪馬台国こと石田三成を付けられ、たった一晩で茶室の前に石田屋を開店して露に営業妨を図る。石田屋は味と価格で勝負して茶室から客を奪い取り、「私どもの店より安く出されては商売あがったりでございまするな」と利休も困り顔を浮かべる。しかしノッブの提案で商品に付加価値を付ける事になり、これが見事に功を奏して逆転。焦った獣人茶室へ殴り込んできて暴れようとしたため利休怒りの鉄拳によって遠くまで吹っ飛ばされた。その後の戦闘サポートの利休を選ぶと「利休、激おこ」という自己強化を自動的に使用してバスターの威力を上げる。石田屋を退けて売上金を得た後、「GO」に乗って虚ろなる地へ移動。

第三「君の心にズキューン」ではカルデア軍団濃霧まれている頃、利休は材料集めの名で単独行動しており、として仕掛けられていた狗の秘術に巻き込まれずに済んだ。

第四「待ち人来たり来なかったり」で、狗の秘術を抜け出したカルデア軍団の前に使者のクコチヒコが現れて三成との会談を持ち掛ける。当初会談場所は敵の拠点となっていたがノッブの機転で場所は利休の茶室に変更。しかし、利休は生前豊臣秀吉や部下の三成によって謂れなき罪を着せられて処刑されている過去があるので、もし三成をにすれば会談をぶち壊してしまうとしての準備だけ行って自ら席を外した。ノッブは利休の考えに肯定するも「三成との不仲なんぞ、どう考えてもただの言い訳じゃ」と怪しみ、総に彼を見らせる。会談では敵の総大将である三成と謁見。彼から「特異点から手を引け」と言われるも当然要は飲めず交渉は決裂。武力にて雌雄を決する事となった。そして第四の最後には正体不明の少女が姿を現していた――。

第六決戦!暗関ヶ原」では南東の暗関ヶ原に移動。三成率いる西軍は獣人力とし、右翼山南敬助左翼クコチヒコ、中央に三成が布して既に軍の展開を了。三成は一軍に相当するノッブの実力を警し、圧倒的優勢にも関わらずを敷いて警を怠らなかった。対するカルデア軍団は少数のお茶ノッブがいる程度で力はサーヴァントに頼らざるを得ない厳しい状況と言える。ノッブの采配で沖田オルタクコチヒコの部隊に、マスター、総壱与はこちらに寝返るよう調略している山南の部隊にぶつける事となったものの、何故か総が不在。利休から「調子がすぐれぬとかで少し休んでからいらっしゃるとのことです」と言われ、ただでさえ少ない戦力が更に減じてしまう。戦闘に向かない利休は兵力となりえるお茶ノッブノッブに供出して後方へ退却。戦勝の際は盛大に祝うと約束した。

先に西軍が動いた事で、なし崩し的に戦闘が始まり、暗関ヶ原にて一大決戦が始まる。しかし寝返るはずの山南は寝返らず、沖田オルタクコチヒコは一進一退の攻防を続け、中央ではノッブ数の暴力によって押され気味になるなど徐々に旗色が悪くなっていく。山南隊の攻勢で左側から戦線が崩壊。撤退を決断したノッブの前にい野望を胸中に秘めた利休が現れる。

 

流石にそれはがよろしいかと。

 

商人である利休は三成営にも肩入れしておりどちらが勝っても利が得られるようにしていた。カルデア軍団の敗色が濃くなった事で彼は西軍へと寝返りノッブを「商品」にするべくき泥へと沈めて捕縛。マスター壱与は奮闘むなしく山南に捕まった上、沖田オルタクコチヒコの一太刀を浴びて倒れた事でカルデア軍団敗北。西軍本へと連行されたカルデア軍団は三成から新邪馬台国千年の繁栄のため、新たな豊臣の世をすための「餌」にすると宣告され、地下に投。利休の暗躍は続き、カルデアとの通信に割り込んで山南敬助とともにマスターが囚われの身である事を伝え、増援を要請する。その際に森長可から「利休居士がこんな小のわけねぇだろ。冗談も休み休み言えや」と突っ込まれたが、利休の手引きで借金までして入手した沢という彼本人しか知り得ない情報を提示されて一で納得した。利休が現状の情報と座標を伝えたところで通信が途絶えた。

第七」において、カルデアに対する通信は茶々を誘き出すための三成の策略である事が明かされる。利休だけでは信用されないと思い、かつての仲間だった山南も加えて信用度も補強していた。「生前の如くを切らされたくなくば貴様もわかっておろうな?」と脅しをかける三成に対し「相変わらず人の癇に障ることにかけては石田様の下に並ぶものはございませぬな」と返した。また山南が三成営に付かざるを得なくしたのは、利休がこの地で彷徨っている明里の霊を見つけて三成に引き渡したからだと判明。全て三成営の思うように事が進んでいた。その後、利休は投したカルデア軍団や明里が死なないよう最低限のを点てて与える。そんな彼らの会話を聞きを立てて盗み聞きした人が一つ。

佐和山の地下に入れられたマスターの不足から生死のを彷徨い、垣間見たの中で少女邂逅を浮かべる彼女は何も語らず、ノッブが慌ててお茶を飲ませた事でマスターの意識は現実へと引き戻された。クコチヒコが持つりつけられた沖田オルタ死体のように動かない。壱与は狗に伝わる宝で、人の身体を侵食しての病を植え付ける呪具なのだという。仮に地下から脱獄しても利休のお茶しでは長く活動できないため、三成営は大した監視を置かずにカルデア軍団を放置。その八方ふさがりっぷりはノッブにして「全く面倒な特異点じゃ」と言わしめた。だが総が出発前に自販機お茶を買い込み、シュシャに渡していた事で逆転のが出る。その直後、地下クコチヒコが現れ、壱与とシュシャを常闇のへと連行。豊臣の世の再来のため最後の総仕上げにかかる。三成、クコチヒコ、山南が儀式の準備をしている頃、利休は明里が囚われている屋を訪れてを補給。彼女の飲みっぷりを気に入って積極的にを振る舞っていたようだった。

壱与とシュシャは三成営に連れられて狗に伝わる神が封印された祖なる岩屋へ引き出されていた。死の気配が色濃く漂う常闇のは暗に包まれており、そのクコチヒコにすら分からない不可視の領域。神代の残滓すら宿す過去の遺物が眠っている。壱与とシュシャは祖の復活させるための生け贄であった。特にシュシャは生け贄の素養を持つらしく、クコチヒコに命じられて利休が探しめていた子だったという。そこへカルデアからレイシフトしてきた茶々が登場するが、これも計算済み。茶々こそが最後の生け贄だったのだ。三成にとって茶々は協力を断った憎き相手、豊臣の疫病神に過ぎなかった。しかしこれはカルデアのだった。茶々が三成の気を引いているうちに斎藤一がシュシャを救助、閉されていた明里を総が奪還した事で山南が離反し、追い詰められた三成はクコチヒコに命じて壱与だけでも生け贄にげて儀式の強行を論むが、一重卑弥呼が間に合って壱与を救出する。形勢を覆された三成は昂しながらクコチヒコと利休にカルデア軍団の始末を命じるも、利休は不気味な笑みを浮かべて「いやはや、これは拙いですな、治部少様。この騙されようは哀れを通り越して、笑いすら誘いまするぞ」と嘲笑。挑発を続ける利休に三成は抜してりかかったが、その身は利休の体を切り裂く事なく取り込まれてゆく。機は熟した。利休はこの時のために権謀術数をり巡らしてきたのである。仲間割れを起こした三成営を見てカルデア軍団が離脱を図ろうとしたその矢先、い泥が広がって足に絡みつき、離脱を妨げる。つ闇よりも重く暗いき泥のは利休だった。

 

せっかくですので私が用意した席の余、是非、お楽しみになってくださいませ

 

豊臣五奉行筆頭、治部少石田三成の処刑を

 

 

生前、利休は秀吉によって切腹を言い渡されて生涯を終えた。これまでカルデア軍団にも三成営にも肩入れしていたのは憎き豊臣の関係者である三成をこの手で処刑するためだった。しかし利休が切腹に追いやられたのは私を肥やしていた悪行に因るものであり、三成は自業自得で逆恨みだと。処刑する権利などいと言い放つ。そんな彼にほとほと呆れながらも利休はもう一つの姿を見せる。秀吉の横暴によって何の罪もかったにも関わらず斬首された出羽の駒姫の姿を。

 
 
※ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いかがです、
 

この顔を見ても


 
 

 

まだお分かりになりませぬか?
 
 

 

駒姫の姿を見て、さすがの三成も狽えた。彼女こそが豊臣の罪の徴とも言うべき存在だったからだ。

第八「祖の」にて、利休が持つもう一つの姿、駒姫の来歴が語られた。関白豊臣秀次に見初められて側室にと望まれ、はるばる出羽からへとぎに来た彼女は「謀反の疑いがある秀次、その側室補」という理由だけで連座して斬首された。彼女自身に何の罪もなく、秀次とは言葉一つ交わしていない。あまりにも残酷で理不尽な最期を遂げさせられた豊臣政権の犠牲者、それが駒姫であった。三成を処刑する理由には十分すぎる。

秀吉への忠心を揺るがす駒姫の登場に三成は焦燥。秀頼と秀次、二人いればどちらを立てるかで豊臣が二分されてしまう。秀吉とて苦渋の選択だったと弁解する。しかし利休は「あの関白殿下が苦渋の決断などなさるわけがございません」「殿下の決断は全て本心、己がめるままに生き、めるままに下を貪る、まさに人の悪徳の極みにあるお方」と弱き者を虐げる下人秀吉に恨み節をぶつけ、一両断。「であればこそ、弱き者が強き者を貪るのも、許されてしかるべきこと」と言い放つと、利休は隠していた力を解放し、禍々しいオーラを身にう。彼はこの時に備え、長い年をかけて弱きたちをその身にじわりじわりと塗り込み、こねりこねりと練り上げてきた。今の利休は数多のによって熟成されたモンスターであり、壱与は「その小さな体に一体、どれだけの数のを……!」と驚愕するしかなかった。そしてたちから濾し取って得た『は祖のらせるには十分な贄となる。常闇のに潜む祖のは利休が放つ『』の力を感じ取って既に覚めており、じわじわと地表へ向けて這い出ようとしていた。勝ち誇ったように「いかがですかな?石田様に代わり望みをかなえて差し上げたこの利休の心づくしともてなし」「楽しんでいただければ幸いにございます」と三成を挑発する利休。

崖っぷちに追いやられた三成にトドメの一撃となる追い討ちが掛けられた。最後まで残っていたクコチヒコをも彼を裏切って利休側に付き、とうとう三成は一人きりとなる。利休はクコチヒコと祖の復活させるまで協力関係を結んでおり、裏切りはその協力に基づくものだった。ここに全ての計略は成功。三成は孤立し祖の復活読み段階に入る。最初から方様の味方などこの世のどこを探してもおりませぬ」「枯れ山で栄を誇るがごときその虚しさ様、正直、私、笑いが堪えきれませんでした」と三成を嘲笑してみせる。クコチヒコによって壱与とシュシャが再度生け贄に差し出され、両者とも苦に顔をめる。利休は次なる標的を茶々に定め、シュシャの正体が秀吉茶々の第一子であり、折しただと明かす。生け贄にシュシャを選んだのも、秀吉血縁者を犠牲にすれば一番堪えるだろうとの考えに基づくものだった。怒りや憎悪をぶつける茶々と三成の姿も彼にとっては計略のうち。秀吉の臣下や最の妻が苦しむところを見たかったのだから。日輪が届かぬ界の地では秀吉であろうと手出しが出来ない。この地で豊臣血縁者や関係者をり続ける事で人の心を知らない秀吉に奪われた痛みを味わわせる。これこそ利休のき野望であり復讐であった。

長講釈の末にノッブ復活した沖田オルタ乱入サル(秀吉)の行いは自業自得だと若干利休の復讐に理解を示しつつも作戦を開始。まず沖田オルタの炎で足元の泥を吹き飛ばしてカルデア軍団行動自由を与えると、ノッブの後退命に従って斎藤と山南が退路を確保、卑弥呼壱与を救助しようとするが祖との同化が進んでいた壱与は逃亡出来ず、卑弥呼が身代わりになる事で彼女を脱出させた。論利休が黙ってカルデア軍団を逃がすはずがなく、重力とも言うべき重圧を周囲一帯に放って行動を制限。そんな中、茶々が命を燃やして利休との連れを図り、その隙にカルデア軍団は離脱に成功した。

カルデア軍団が去った後、利休は捕縛した卑弥呼を尋問していた。彼女からカルデア軍団が数多の特異点を修復してきた事実を聞かされて降められても利休は石のように動じない。生け贄が変わっても儀式は恙く進み、卑弥呼の力と生け贄を通して祖が顕現。代わりの哮を上げて常闇の底から姿を現す。「これは……、なんという『』にございましょう」「これぞ私がにまで見た『』にございます!」と祖のの誕生を祝う利休に、が突き立てられる。利休とクコチヒコが結んだ約定は「祖の復活するまでは協力する事」。祖の復活した以上、もはや協力する理由がくなりクコチヒコはカルデア側に寝返ったのだ。『ぐだぐだ邪馬台国』で犯した罪を償うため祖の連れにする、それがクコチヒコの的であったが、利休は彼の裏切りを事前に見抜いており、『』の力で体内へ取り込んで力化。祖一の弱点であるクコチヒコをまとめて始末してしまった。こうして祖のを従えた利休は界の地と現世を静寂なる『』に塗り潰すべく行動を開始する。

ちなみに利休が本性を現すとショップから姿を消し、代わりにお茶ノッブが接客するようになる。

第九ぶっちぎり茶の湯バトル」にてカルデア軍団との最終決戦が幕を開ける。利休の前に姿を現したのはマスターノッブの二人のみ。手始めにノッブ宝具を展開するが、人にられた事がい祖のには効果が薄く、また常闇のから尽蔵に溢れ出るき血ので全くダメージが入らない。次に壱与が飛び出して祖のへ向かうのを利休が妨しようとするが、山南、斎藤、総からなる新撰組が行く手を遮り、「一介の人に武士が三人がかりとは、いささか礼に欠けるかと」と苦を嚙み潰したような表情を見せる。その間に壱与宝具を展開しながら祖のの口に飛び込んだ。壱与は常闇の力を持つ滅びの巫女、存在するだけで周りを破滅させる疫病神のような力を祖に適用させ、一気に神性が剥がされた事で余裕の態度を取り続けていた利休に初めて焦りの色が滲んだ。間入れずカルデア軍団は次なる手を打つ。沖田オルタ宝具マスター令呪で強化して地面に穿ち、カルデア軍団の計略は成った。ぽっかりと開けられたから緑色の液体――抹茶がとめどなく流れ始めた。利休が作ったは特異点の…もとい祖の血を浄化する働きがあり、祖にとって猛のようなものと言える。そんなものを大量に頭からぶっかけられた祖は大幅に弱体化して動きが緩慢に。まさかの奇策に、そして己のとなった事実に利休は言葉を荒げる事しか出来なかった。更に利休の拘束から抜け出したクコチヒコが参戦。壱与卑弥呼宝具を放ってさしもの祖のも苦痛にむ。祖のを護るため前に出た利休と、カルデア軍団との最後の戦いが始まった。

ラスボス戦では利休(姿は駒姫)と祖のを同時に相手する事になる。戦闘BGMテーマ曲『陸劫輪廻』のアレンジだが、出だしの部分がカットされている。駒姫状態では利休のボイスが設定されていないようで一切喋らない仕様。毎ターン茶の湯の中和効果と死番・で両者に弱体化が掛かるが、同時に利休が宝具耐性強化(3回)のバフを使用する。祖のバーサーカー火力で全体攻撃という『オリュンポス』のタロスを彷彿させるようなトンデモ火力で攻め立て、利休は単体攻撃のみだが「侘びの極み」でクイック、チャージアップクリティカル発生率を上げる。ブレイクすると「けき世へ至れ」を発動し、自身が倒された時に威力アップ・対サーヴァントを祖に付与。数ターンおきにクコチヒコの援護攻撃か卑弥呼宝具が入ってカルデア軍団支援してくれる。

闘の末、壱与キックを受けて祖がよろめき、その隙に沖田オルタの助力で常闇のへ放り投げられた茶々がシュシャを救出した事で核を失った祖は遂に力尽きて消滅。元を倒したためかクコチヒコと明里の退去が始まり、特異点もじきに崩壊する兆が見られる中、カルデア軍団も帰路につこうとしたその刹那。野望の要を失ってもなお執念で利休が立ち上がり、ニライカナイへ向かおうとするシュシャを捕まえて取り込む。

逃がしませぬぞ、様……!が怒り、憤怒関白秀吉……!
 
いや、この世の全ての強気を貪る者達よ……!
 
弱き虐げられる者の叫びを、慟哭を……!
 
さぁ、殿下息子はこちらですぞ茶々様、石田様、私から奪えるものなら奪ってみせよ。
 
関白殿下が、私からを奪ったように!
 
狂気にも近い執念を前にしてノッブ、総、山南が止めに入ろうとするも、利休によって一せられた。祖は消え去ったにも関わらず利休からはき血が流れ続けており、もはや利休の血液として循環して計り知れない力を与えている。卑弥呼にして「人一人の身体に一体どれだけのを取り込めばこれほどの想念と嗟を……!」と言わしめた。「が怒りは彷徨える名もなき亡者達の怒り!人の理に与するでもなく、己の力に寄り添えるわけでもなく、ただただ、踏みつけられる、全ての者の怒り!」と告白界の地は歴史敗北者や未練を残した霊が落ちる「掃き溜め」、差し詰め彼は特異点一つ分のを身に宿した連合軍であり、それ故にカルデア軍団ですら圧倒する程の力を得ていたのである。利休を突き動かすのは霊たちの念の怒り。生きて死ぬだけの世界を間違いだと叫び、全てをに還し静寂のもとで下万民が心安らかに暮らせる世界を実現しようと、未だ尽きぬ戦意を滾らせる。カルデア軍団に思想が理解されないのを見て和解不可能と見た利休は力ずくで理解させるべく宝具を展開し…。

第十サヨナラニライカナイ」ではが還るニライカナイの地にてマスターと接触。その身に不相応の過酷なる運命を背負うマスターに同情し、苦行から解き放つべお茶を点てて差し出す。彼にとってマスターもまた虐げられし者。護の対だったのである。利休は豊臣のような強者には復讐心を持っていたが、弱き者に対しては力を貸す優しい一面も持っていたと言える。しかしマスターから「……それはともかく。『けき世』って、楽しいの?」と問われて「が理想は、楽しゅうない、と……?」と驚愕。一時は困惑しつつもすぐに元の威勢を取り戻す利休。そんな彼の前に「利休様……もうよろしゅうございます……」と自制をめる少女、本物の駒姫が現れる。虐げられし弱き者たちのために怒らなければならぬと憤怒する利休とは対照的に、駒姫は「わたくしはこの世を恨んでなどおりません」「わたくしはただ生まれ、ただ死んだ」「とても楽しいひと時だったのです」と答える。利休が怒りや復讐心の権化であるならば、駒姫理性や良心と呼べるほど穏やかであった。そして利休を止めるために力を尽くし、彼の怒りを払いのけず、思いやり、心づくしの言葉を投げたマスター感謝の意を伝えた。

カルデア軍団には止める事が出来なかった烈火の如き利休の復讐心を、駒姫は見る見るうちに静めてしまった。年端のいかぬ少女に諭された利休はとうとう戦意を喪失。野望を捨ててこれからは彷徨えるニライカナイへ導くと決意する。マスターに「結局は度、私の癇癪にお付き合いさせただけにございました」と謝罪し、捕まえていたシュシャと借り受けていた駒姫の体を返して消滅していった。

利休が消滅した後、駒姫は「斯様に弱きわたしくに、すべてのなき弱き者の代わりに、怒ってくださったのだと思うのです」と彼に謝意を示す。利休の消滅に伴って宝具が止まった。間もなく三成と茶々が合流、『』やお茶溺死しかけていたノッブ新撰組の面々も合流した。そしていよいよ駒姫は自身を死へと追いやった豊臣関係者の三成や茶々と相対する。駒姫の件は全に豊臣が悪いため二人は秀次事件で命を奪った事を正式に謝罪したが、「お二人ともおやめください、もうよろしいのです」「石田様も茶々様も度、充分に辛い思いをなされました」「どうか、お二人とも自分をお許しになってくださいませ」と彼らを許した。ノッブえ?なにこの子天使?」

シュシャがニライカナイへ還った事でカルデア軍団の退去が始まり、駒姫も利休の後を追うように消えた。

 

「というわけで、わたくしお茶を点ててみたのでお飲みいただけますか、マスター様」

 

…のだが、余談「ぐだぐだ茶の湯譚」にて再登場。ニライカナイで退去したかのように見えた駒姫であったが、利休の視覚を通じて見ていたカルデア軍団の面々がとても楽しそうで少しだけ羨ましく思っていた。しかし引っ込み思案故にをかける事が出来ず、そのまま消滅する機会を逸してしまい、レイシフトに紛れる形でカルデアまで来てしまったのだという。その後は地作成のスキルを使って黄金茶室を作り、マスターのためにお茶を点てていた。見回り中にただならぬ気配を感じたマシュに発見され、マスターノッブ、総の3人が駆け付ける。駒姫は手土産と言わんばかりに回収し忘れていた聖杯を献上し、あまりのご都合展開にノッブから「て、適当!かつてないほど適当!カルデアのセキュリティガバガバなんじゃけど!」と突っ込まれた。喉が渇いたノッブ駒姫が点ててたお茶を飲もうとするが、大量の砂糖が入れられてスライム状になっており、甘党ノッブですら気を失うレベルであった。駒姫く「わたくし、利休様のお茶、常々苦すぎると思っておりましたので、甘くしたらどうかと」との事。

これは拙い……、いかに融通茶の湯の極意とは言え、この点前は頂けませぬ。

一度は駒姫の体を返して退去したはずの利休も何故か彼女の体へ戻っており、彼もまたカルデアに来ていた。界の地で散々暴れた黒幕がしれっとカルデアに来た事に対し「流石にこれはないじゃろ、ふざけんな利休!どの面下げて来てんのお前」とノッブ昂するも、彼は涼しい顔をしながらカルデアに非礼を詫びたい気持ちから駒姫に一杯お茶を点てさせたと語る。だが彼女が点てたのは砂糖まみれのスライムだったため、「斯様に残念すぎる点前の、この利休、慢がなりませぬ」「このようなを野放しにしたまま去りまするは、この利休、死んでも死に切れませぬ」と痛罵し、駒姫は「それはあまりの言いようにございますよ、利休様」「駒はマスター様に甘くておいしいおを飲んで頂こうと……」と反論するも、駒姫マスターが飲むに足るを点てられるようになるまで厳しく導する事が決まる。「ありがた迷惑にございます、利休様。それでは駒はカルデアを満喫できな…」窮した駒姫マスターに助けをめるも、利休の肩を持ってしまったため「け、けっぱるしかないのでございましょうか」と諦観混じりに覚悟を決めた。

今度は森長可が現れ、茶々を虐げた事からで一突きされかけるも「その御言葉、に筋が通っておりまする」「であればその、この利休に遠慮のう賜り下さいませ」と甘んじて受け入れる。肝の据わった言動に長可は感、実は彼もまた茶々を突き立てていて、利休を処罰するなら自身も処罰されなければ筋が通らないとマスター茶々に自分の顔に免じて利休を大に見てくれと懇願した。利休が刺されると駒姫にも突き刺さってしまうが。次に駒姫が来ていると聞いた壱与挨拶するため来訪。マスターから許され、非礼を詫びる姿勢を見せてもノッブから終始疑いのを向けられており、壱与の力で利休だけ消し去ろうと提案するが、壱与から「極悪茶の湯女子も要は使いよう」とフォローされて事なきを得た。

怒りの沸点ギリギリバトル ぐだぐだ大茶の湯武道会 ~掴め!栄光の聖茶碗~

こちらは『新邪馬台国』のストーリーパートをすべてクリアしたのちに現れるぐだぐだイベントに付き物の後日談ストーリー

当然『新邪馬台国』のネタバレを盛大に含んでいるので、記述のほとんどを折りむ。

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『新邪馬台国』の後、利休の手ほどきを受けて茶道の鍛錬を受けていた駒姫。金の茶室にて自身が点てたお茶マスター達に振る舞うも、マスターは口を閉ざし、ノッブからは「うーん、不味い!」とド直球に言われてしまう。「この方を地獄送りにしてもよろしいでしょうか?」と静かにブチギレる駒姫であったが、ノッブく「逆にどうしたらここまで不味く点てられるんじゃってレベルじゃぞ、これ」と追撃を受ける。材料器は利休が見立てた一級品を使用し、ちゃんと彼の南通りに点てているはずなのに、駒姫が点てると何故か非常に不味くなるようだ。これにはさすがの利休も「いかに駒姫様が茶の湯下手とはいえ、そこまでまずうなるはずがないのですが」と首を傾げた。諦めた駒姫自販機から「えお茶」を購入しようとした矢先、山南から「一度は崩壊したはずの新邪馬台国今日になって再度観測された」と急報がもたらされる。

モニターに映し出された映像は確かに新邪馬台国であった。何故かい泥がお茶になっていて霊基を侵食するは検出されなかったが…。困惑するカルデアの面々の前に、人Xを名乗る人物から通信が入り、最強人を決める北野武道会の開催を宣言。北野湯は安土桃山時代京都北野天満宮で行われた大規模な会の事だが、武道会の部分はマシュを以ってしても分からなかった。ともあれ人Xから挑戦状を叩きつけられる格好となったカルデア軍団。しかし彼らの意欲は総じて低く、一時は参加を見送ろうとするも、優勝賞品に聖杯お茶に漬けた碗を提示された事でやむなく参加を決める。

利休北野武道会とは北野天満宮の地下にある茶の湯武道会場にて「日の本一の最強人」を決めるための大会らしい。人同士の戦いでありながら生命に危機が及ぶほどの闘に発展、10日間行われるはずの日程がケガ人続出で2日に短縮されたという。参加するにあたって利休が適任と思われる中、当の本人は「私は既に現役を引退した身、度、新たに開かれる茶の湯武道会においては、若き人達に新たな茶の湯未来を切り開いてほしゅうございます」と拒絶し、彼はマスター名する。だがさすがにマスター単身で特異点へ向かわせる事は出来ないと山南が摘。マスターには利休が推薦した若き人を同伴させる事とした。その若き人とは――なんと駒姫だった。まさかの名を受けて困惑する駒姫をよそにロリンチレイシフトの準備を整え、有を言わさず飛ばされた。こうしてお茶修行がてらカルデア軍団駒姫は新邪馬台国へ向かったのだった…。

続編にあたる『ぐだぐだ茶の湯武道会』は差し詰め駒姫役のイベントと言えるほど出番が多い。名上は茶の湯修行としながらも、ぐだぐだイベントだけあってハチャメチャに進行する。

「達人と達人」では、わびさびの里にある隠れにて利休と李書文が相対していた。を打ったような静けさの中、両者は微動だにせず睨み合う。先に動いたのは利休だった。差し出された碗を手に取って味わう文書。と謳われた利休の腕前はサーヴァントになった後も全く衰えず、「……旨い。これほど旨いであれば、たとえでも構わんというものよ」と高評価を引き出した。旨いを振る舞って貰った礼として文書も一手馳走すると言い、利休から「駒姫様、存分にかの御仁の拳、ご堪下さい」と暗殺拳を駆使する李書文バトルする羽。これには「駒はか弱い女子にございますれば、というか拳て」「ま、マスター様!こ、駒はこういう荒事は専門外でございましてですね!」と決死に反論する駒姫であったが、「ええ、この一手、茶の湯のみならず、必ずやマスター様のサーヴァントとして、駒姫様の血になりますゆえ」と強引に押し切られて理やり戦わさせられる。サーヴァントとはいえと暗殺のプロを戦わせる鬼畜の所業である。一応マスター支援もあって何とか勝つ事は出来、サーヴァントとして重な体験を得た。

「帰ってきてオルタちゃん」では、いつの間にか沖田オルタの精神世界なる間に閉じ込められる。代わりに人格となっている煉オルタく、碗の力の沖田オルタが心の底に隠れてしまい、ここから脱出するには彼女覚醒してもらうしかいとの事。茶々食べ物で気を引こうとするが効果なし。ノッブの提案で楽しげな事をやって興味を誘う事とし、とりあえず駒姫水着ノッブダンサー壱与で即席アイドルユニットKAMAIYO是非もないバンド」を結成。しかしギターがまるで合っていないせいで不協和音となり沖田オルタの自己防衛システム暴走を招いてしまう。やむなく自己防衛システムを倒してリソースを削り、沖田オルタを外へ引っり出す事に。強引な展開に「ところでこれでよろしかったのでしょうか?」と疑問符を浮かべる駒姫に、壱与は「ぐだぐだ、というやつです!」と説明するのだった。6体の沖田オルタから一斉に襲われる異常事態に見舞われたが彼女叩き起こす事には成功している。

お茶漬け鉄人」では、虚ろな荒野で「お茶漬けにはたくあんだ」だと叫ぶ土方歳三と遭遇。総が呆れる一方、駒姫は「わたくしの時代は湯漬けといえば湯をかけるだけでしたが、今は湯漬けにもいろいろな種類があるのですね」と率直に感想を述べるが、碗にたくあんを積み重ねていく彼に「さすがに載せ過ぎではありませんか?ほら、塩分過多でお々が」と諫める。しかし土方はまったく聞くを持たず、むしろ「こそが、たくあんだ!」と暴走の度合いを強めていく。あまりの異常さに山南が様子がおかしいと思い、駒姫も「これはまさか碗の力で、狂戦士ならぬ狂人になっておられるのではないでしょうか?」「お顔が明らかにやぼうございますし」と暴走の原因を推察。たくあん新撰組なるちびノブを率いて襲ってきた土方をどうにか撃破して事態を終息させる。

「仁義なき茶の湯」では、暗佐和山に開店していた才谷屋界支店に来訪して坂本龍馬&おさんのコンビと出会う。を薦めるおさんに丁寧な応対をする駒姫。何故か物理的に浮いているおさんに「こちらの方、浮かれておりますが一体?」と問いかけ、「さんだからな。そういうおまえもなんかいのが下にいるな」と返された。どうやら『新邪馬台国』終盤で三成が工面した大量のの力添えによるものだったらしい。三成の善政により輸送に多くの住民が協力してくれたらしく、三成もまた祖撃破に貢献していたと言えるだろう。続いて借金のカタに強制労働させられていた岡田以蔵と遭遇。三成がいなくなった後、密売を売りさばいて得た金で遊びまくっていた。「こちらの見るからにダメダメそうなオーラわれたお方は知り合いの方でしょうか?」と痛感想を述べた。以蔵は人Xから碗の力を与えられており、労働環境の過酷さから反逆するも、あえなく駒姫らに取り押さえられた。

「邪お茶屋敷」では、山で死にかけて界の地に落ちていた出雲阿国と出会う。生きていた時代が重なっているためか「方様がかの用命な阿国歌舞伎出雲阿国様……、」「そのお噂は宮中にもいておられたとか」「駒も是非一度、阿国様の歌舞伎、拝見しとうございました」と最初から知っている様子だった。その阿国に「そういう方様!阿国さんピーン! ときました!」「方様には類まれなるスターの片鱗が見えます!」と突如スウカトされ舞台へ上がる事に。しかし与えられた役は「バナナの皮で足を滑らせて井戸に身を投げたお駒が、最大最強霊となって山南を呪う」というホラーテイストなものだった。阿国から「まさにはまり役でございますよ!」と絶賛されるも、本人は悲のお様役をやりたかったらしく「わたくしがやりたかったのはこういうのではなくてですね……!」と不満を述べた。その割には何だかんだで最後まで役を貫き通している。

今回のバトルと化した駒姫と(お芝居の中で)戦う事に。山南を呪っている設定からか「山南敬助特攻」というピンポイントスキルを持っている他、戦闘開始時に何故かいるお茶ノッブを取り込んで最大HPアップとチャージ2増加を行う。サポートの山南を入れると駒姫火力の高さから殴り倒される場合が多いが、かと言って山南がいないと最初のターン恐怖と攻撃力ダウン約30を付与してくるため厄介ブレイク後は攻撃時にHP1000減少(永続/解除不可)を掛けてくるので、長期戦になるとジリ貧に追い込まれる。阿国の見立て通り、駒姫サーヴァントですら震え上がらせる程の高い演技力を持っていた。

流星からのお客様」では、何故かノッブ壱与マスターとともに降る砂漠を彷徨う羽に。の装飾が多い駒姫にとっては堪える環境である。暑さから自販機で購入しておいたお茶を飲む事になったその間、「様にお茶を用意するのはこの蘭丸の役!」と突如として蘭丸Xが登場し、「おや、こちらの……、こちらの……、この形容しがたくも可らしいお方は?」と評する。駒姫が生まれた翌年に本能寺の変が発生しているため面識がいようだ。蘭丸Xはノッブのために遠い宇宙の果てから流星抹茶なる飲み物を買い込んで来たようだった。しかしその直後、からる物が音とともに落下し、マスターにかばわれる形で駒姫は地面にす。蘭丸Xく落ちてきた緑色巨人太古の昔にサウザンド利休を滅ぼしたと伝わる伝説流星らしく、どうやら蘭丸Xが携えていた流星抹茶に釣られて追って来たようだ。ぐだぐだに加えてユニヴァース案件も混ざるカオスな状況ながら「カルデアの皆さまは本当に愉快でございますね」と楽しそうな表情を見せ、ノッブから「意外と肝が据わっとるネ!」と評価される。部分的とはいえユニヴァースにも片足を突っ込んだ駒姫であった。


ぐだぐだ茶の湯日和」では、ついに全ての試練を乗り越えて北野武道会場に辿り着いた駒姫一行。そこで待ち構えるは挑戦状を叩きつけてきた人X。「方様はいったい何者なのですか?」という駒姫の問いを受け、人Xは正体を現す――黒幕は初代大武道会王者スーパー千利休。今まで各地で戦ってきた刺客はスーパー利休が送り込んだものだった。彼は碗の力を使って己の体を手にしており、駒姫と利休は同じ体を使っているという先入観を逆手に取って舞台裏で暗躍していた訳である。駒姫の脆弱な体は用済みと言わんばかりに新しい身体でエセ人を一掃する野望を宣言する。…カルデアにはごひ抹茶ラテを始末するために。駒姫毎日のように飲んでいる抹茶ラテをどうしても受け入れる事が出来ず、このような暴挙に至ったのだと言う。「と、とにかく利休様を地獄送りに……、するとわたくしも死んでしまうかもしれないので、」「死なない程度にお止めしましょう!」と最後の戦いに挑む。

ラスボスはまたしても千利休BGMも『陸劫輪廻』のアレンジ、ただ祖戦ではカットされていた出だしの部分がちゃんと流れるようになっている。戦闘開始時に「茶の湯とは、斯くあるべし」を使用してコマンドカードチェンジをかけ、自身には特殊耐性アップ[Arts]特殊耐性アップ[Buster]をかける。永続バフとしてアンチ抹茶ラテフィールドがあり、クイック向上及びクリティカル攻撃を受けると相手のスター発生率と集中度をダウンさせる。スーパーだけに祖戦の時よりもHPも倍増。一度ブレイクすると「守破離とはいえ、地ほど離れすぎにございます」と抹茶ラテへの恨み節を言いながら自身に無敵(3ターン持続、3回)と毎ターンチャージプラスを付与。二度ブレイクでは「おのれ……、抹茶ラテ!!」ともはや隠す気もい怒りを見せながら強化解除を仕掛け、自身にはガッツと弱体解除を付与する。

ぐだぐだバトルの末にスーパー千利休は倒され、敗れた彼は「方様の世界をお護りくだされ」と駒姫を点てる事を望む。言われるがまま彼女お茶を点て、そして見事にカルデア軍団や利休を唸らせるほどの美味しいお茶を用意してみせた。どうやら駒姫は美味しいお茶を点てようとするばかりに身も心も固まっており、それが不味さに繋がっていた様子。今回のハチャメチャ修行で肩の力が抜けて一人前の人へと昇するに至った。北野武道会というのも利休が仕組んだ方便だった。

とはいえ散々振り回されて怖い思いをした駒姫怒り心頭。「やっていいことと悪いことがございます」「覚悟はよろしいですね、利休様?」と殺意を滾らせ、その様相は利休ですらマスターに助けをめる程だったが、マスターにも冷たく拒絶される。皮にも彼は凄絶な体験を経て鍛えられた駒姫の力をその身を以って味わうとなった。

最後は関係者全員でカルデア大湯を開く事に。宴会騒ぎをしている中、駒姫は離れた場所で一人佇み…。
 

本来、わたくしサーヴァントとして成立しえない、か弱い霊基のサーヴァント

そのわたくしがこのように楽しく心安らかな日を送れる日が来ようとは……。

駒姫様、に良いお顔にございます。このひと時こそが、まこと一期一会。どうかその笑顔末永く心に留め置かれませ。
 
…………。ああ、そういう事でございましたか。くに世を去ったわたくしを楽しませようとこのようなもてなしを。
 
これは拙い……、見透かされては茶の湯名人などと片腹痛うございますな。似非人などと人を笑う前に、未熟な己を見つめなおしましょう。
 
上、上……。を出てから辛い事、悲しい事……。いろいろと……、そう、いろいろとありましたが、――駒は元気にやっておりまする。

利休の内に潜む少女

この項では利休の内に潜んでいる少女について解説する。が、イベントネタバレが多数含まれる上に、ゲーム内でもこの少女が表に出てくる第三再臨が最初は封印されているという扱いのため、この項も記述のほとんどを折りむ。

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で、罪をる!

利休の内側に潜むモノ、その名は駒姫。言うなれば利休と駒姫は二人で一人の仮面ライダーサーヴァントであった。言うなれば女性の体に男女が入り込んでいる状態。何かと暴走しがちな利休を抑えるブレーキ役を務める駒姫だが、自分がはっちゃける事もある。

本来であれば逸話も武勇も持ち合わせていない駒姫は単独ではサーヴァントと成り得ず、利休の力によって何とか貧弱な霊基を保っている状態。その割には「元気そう」とマスターに突っ込まれているが。カルデアへ来た事で霊基グラフに登録され、英霊の座から知識のインストールもされた模様。ちなみに聖杯のリソースを使用すれば利休と駒姫の霊基を分離する事も可のようだ。宝具を使用すると利休と駒姫でそれぞれ違う専用BGMが流れる特別仕様

ぐだぐだ邪馬台国クリア解放される霊基解放クエストクリアすると封印されていた第三再臨が可となる(イベント終了後はクエストに挑む必要はない)。第一と第二再臨は利休が人格であったが、第三再臨では駒姫人格となって心身が一致する。再臨ごとに力強い姿となっていくサーヴァント特性上、駒姫の形態が最も霊基が強くなっているとされる。

利休も駒姫身長132cm/体重132kgとドラえもんみたいな体格をしている。その低身長幼女と言われるイリヤスフィール(133cm)、ジャック・ザ・リッパー(134cm)、ナーサリーライム(137cm)よりも低く、逆に体重はバーゲスト(120kg)やイスカンダル(130kg)といった大柄な人物より重い不自然な体重については諸説あり、秀次事件で斬首された者たち39名分の首の重さの総計、または取り込んだ念の総計などが挙げられている。ただ駒姫は下半身が異形化しているため壱与より0.5頭身ほど高く、壱与155cmなのを加味すると異形化した姿の身長は約160170cmほどになると推測できる。


『新邪馬台国』にて長い年をかけて数の亡者のを利休の体に塗り込み練り上げてきたため、界の地の全てを混ぜ合わせた『』の力を有する。この『』は神代の生き残りである祖のを呼ぶ贄になる他、一介の人に過ぎない利休に戦えるだけの力を与えた。壱与く『』の力は祖から流れ出る血でもあり、亡者のを凝縮した「死の穢れ」という概念そのもの。その実力たるや沖田斎藤、山南の三人を同時に相手出来るほどで、斎藤は「にしたって、ら三人がかりで足止めが手一杯とは無敵が泣きますよ」と実力差を嘆き、ノッブは「あの利休の……、っていた魔力……。見た感じ今まで戦ったの中でも、かなりやばそうな雰囲気じゃぞ」と評した。

利休と霊基を共有している駒姫も同様に『』の力を自在に扱える。戦闘時に現れる巨大な謎の手は差し詰め『』の力の具現。巨を誇っている割には高く跳躍出来たり、素く動けたりと意外な機動力を発揮する。ビームを撃ったり、弥を振り回したりとサーヴァントなのに明らかに生前より強くなっている気が…。

クラスアヴェンジャーではなくバーサーカーになったのは、人とという戦闘に向いていない彼らの力を底上げする必要があったからと思われる。2人には狂化(寂)が掛かっており、ランクは計測不能を示すEX。通常の狂化とは異なる仕様のためか生前の知を維持したまま戦闘力の向上に成功している。

狂化+界の地で彷徨っていたほぼ全ての霊+神代の産物たる祖き血という底的に強化を重ねた結果、非戦闘員ながらサーヴァントに匹敵する強さと霊基を獲得した。キャスターでもないのに地作成(侘):Aも持っており、どこでも自身のを作り上げる事が可。『新邪馬台国』では利休の手で臨時の活動拠点として「GO」を拵えて空気中のから身を守っている。宝具使用時にも使用され、利休の場合はエネミーを茶室に閉じ込め、駒姫の場合は自身を巨大化してエネミーを碗に沈める。

悲惨な最期を遂げた事から駒姫バトルグラや立ち絵は悉くホラー足元には血だまりが広がり、着物が「死人合わせ」を意味する左前宝具レア演出では血涙を流す、部の帯にある切腹傷跡らしきものから流血、死に装束を意味する縦結び、自身の首を落とした弥武器とし、首元には斬首の跡と思われる傷、宝具使用時には首元から流れ出た血を碗に溜めて敵を沈める、全に異形と化した下半身、振り袖の先が椿の木に変じているなど「死」や「不吉」を思わせる要素の集合体。まるで椿の木と一体化してしまったかのような容姿をしているが、かつて最上領があった宮城県では庭に椿を植える事を縁起が悪いとして忌避する習があり、同じく旧最上領の山形県では女に化けた椿の木の怪談(椿女)が残っているなど接点らしきものが確認できる。出るゲーム間違えてませんか?ただ同じく宝具レア演出に顔をらめている可らしいものがあったり、台詞の端々も少女らしさを秘めた可さがあったりと全な念の具現ではない様子。

駒姫の下にはき巨大な両手が控え、彼女の手の動きに合わせて駆動し敵を打ちのめす。デコピン百人一首の札を取る手ビターンのように可愛い攻撃を行う一方、首絞めで鮮血を撒き散らす彼女が持つを引きならすと敵が切り刻まれて血が飛ぶといったグロい攻撃もある。やっぱりホラーじゃないか!

攻撃技の一つである百人一首の「」は平安時代歌人僧正遍昭が詠んだ歌「 の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめぬ」(に吹くよ、吹いての通りを閉ざしておくれ。女の姿をしばらく地上に留めたいから)が元ネタ。もう一つの「ちはやぶる」は「千早振る 神代も聞かず 龍田 からくれなゐに くくるとは」(神代の昔でも聞いた事がい。龍田の流れを深紅にくくり染めにするとは)が由来となっている。


一の美女として最上に生まれ、大切にされて育ってきた駒姫。その彼女豊臣秀次が見初めて側室に迎えたいと要請を出した事で彼女は生まれ故郷の出羽を出て上京するが、そこで待っていたのは斬首というあまりにも惨い最期であった。未練を残した死去した彼女界の地へ落ち、あてもなく彷徨う、消滅を待つだけのに成り果ててしまった。

しかし幸か不幸か、同じく豊臣政権の横暴で命を落とした千利休と出会い、融合した事で英霊としての霊基を持つに至った。利休が駒姫融合したのは彼女自身が豊臣の罪の徴であり、秀吉に対する強な当てつけをするため容姿を利用したい的があったと考えられる。こうして駒姫の容姿を獲得した利休はされたき者のために豊臣政権の関係者を陥れようと活動を開始、ニライカナイの地にて駒姫と体を分けた。

三成営に協力するふりをして近づき、クコチヒコと祖の復活させるまで協力関係となる密約を結ぶ一方、界の地を彷徨っていた明里のを捕まえて人質にする事で山南敬助理やり三成営へ引き込み、カルデア軍団にも「GO」とお茶提供してその動向を制御、カルデアに通信を入れて茶々が来るように仕向け、加えてクコチヒコの裏切りを予測して祖のを倒す手段となりうるを彼ごと体内に取り込むなどバーサーカーとは思えない智謀を以って全ての人物を振り回す。

彼の最終標は神代の生き残りである祖のを入手して静寂とが支配する『けき世』を現世まで拡げ、争いを根絶する事だった。ただ豊臣関係者に対する念を全には隠し切れていなかったようで、三成営にはわざと不味い提供していた模様。駒姫は新邪馬台国の中心地ニライカナイにて待機していたが、彼の視覚を通じてカルデア軍団や三成営の戦いを全て見ており、憐の念を抱いてかを流した。

利休に関しては「き自分の代わりに怒ってくれた」と感謝する一方、豊臣復讐の妄執に囚われる彼を憐れに思ったり、茶の湯導を若干疎ましく考えていたり、マスターと出羽へ里帰りする時は利休に旅費を払わせようとするなど、そのやり取りは孫と義理の祖のよう。二人で一つの霊基を共有しているため頻繁に姿が変わる。ちなみに駒姫人格になっている時も彼女の視覚を通して利休も見ているらしい(逆も然り)。彼女く利休に抱えて貰わないと移動できないという。体重が132kgもあるため駒姫の筋力だけでは身動きが取れないからと推測される。とはいえ一日中を弾き続けるだけの体力はあるようで、何だかんだで常人よりスタミナがある。


一人称は「駒」、もしくは「わたくし」。14歳若さで刑死した事からカルデアでの出来事は全て新鮮に見え、巨乳のような大人の魅力に憧れている。同じ『ぐだぐだ邪馬台国』で初登場した壱与とは気が合うようだ。箱入り娘として育てられた経緯から上品さと、理不尽な最期を遂げたにも関わらず豊臣政権を赦す立かつ寛大な心を持っており、まさしく人間の鑑。一時的に聖杯を手にしていながら私利私欲や復讐に駆られない辺り、見た異形怪物でも中身は心優しきだと言える。

その一方、戦国乱世の生まれだけあって強かさや図太さも持ち合わる。温厚で優しい性格ながら怒らせると非常に怖く、いつもは導権を握っている利休がマスターに助けをめる程。ただ若さ故に権謀術数の域にまでは到達していない。

またおの都合で婚姻を強要される戦国時代の習わしを不に思っているらしく、現代では自由恋愛が出来る事に喜びを感じている。史実では秀次の側室に迎えられるも、彼女上京した頃には既にし首になっていて一度も言葉を交わした事がく、それ故にマイルームボイス等で秀次に言及する台詞も一切い。むしろおの都合で結ばされる婚姻を不に思っている辺り秀次との婚姻も不本意なものだったと考えられる。彼女が持つには最上家紋が描かれている。豊臣入りに行く前に修業を行っており、その中にでの演奏も含まれていた。サーヴァントになった後も演奏の腕には覚えがあるようだ。

生前は付けていないが、サーヴァントになった後は頭に椿の花飾りを付けている。言葉は「控えめな素らしさ」「謙虚な美徳」。しかし「罪を犯す女」という言葉もあり、また椿の花が散る時はごと首からポトッと落ちる。一方で椿の一種である侘助(わびすけ)は茶室に飾られるために栽培されている駒姫が身に付けている椿の花もこの侘助と思われる。

マスターの事は「マスター様」と呼ぶ。レベルが低いうちは(ひ弱な見たという事もあり)「あまり駒を見ないでくださいませ」とやんわり拒絶するが、を深めていくと次第に本当の自分を見せるようになる。Lv5に達するとマスターと過ごす何気ない日々が幸せだと言い、いつまでも傍に置いて欲しいと願うように。その際マスターの名称が「あなた様」になって顔をらめる。『新邪馬台国』終了後の限定ボイスでは「わたくしにとっては、この地にてマスター様とお会いした事が何よりの宝にございますので」と語る。リア充爆発しろまた誕生日ボイスではマスターのためにを一日かけて弾いてくれる。

ちなみにLv5までの要ポイントは最多の5万で、推移は6000-24000-15000-2500-2500とスカサハカルナエドモン・ダンテスニコラ・テスラ等が属するグループLv23に大きながあるが、それを越えると心を許すのか一気に上がりやすくなる。

ファンアートでは作画カロリーが高めだからか、はたまた動かしづらいからか、異形化した下半身は描かれず人になっている、あるいは簡略化されている事が多い。一方『コミックマーケット102』にてFGO公式が出したグッズの中に駒姫の描き下ろしイラストがあり、そのイラストでは異形化していない、人間と同じ姿で描かれていた。どうやら人間の姿にもなれるらしい。

駒姫の武装


  • 1595年8月2日三条河原での処刑の際に使用された介錯用の駒姫が「罪をる弥」と称した。サーヴァントになった後は因縁のあるそのを自らの武器とする。介錯用の物とは思えない、駒姫の背丈の約2倍ほどもある長と化しているが、念動力で苦もく取り回して今度はマスターの敵をる。使用する時は金色のオーラう。これは如来の色が「金」とされているからと思われる。
     
  • 謎の手
    駒姫の下に広がるき両手。その正体は『新邪馬台国』で利休が取り込んだ数のからなる『』の力であり祖き血。祖自体、神代の存在のため色濃く神秘もっていると思われる。駒姫の両手と動きが連動しており、お手玉まで再現する器用さと、首を絞めた敵から噴水のように血が噴き出す程のパワーを誇る。また先からは駒ビームなる飛び道具も撃てる。攻撃の他に移動にも使用され、巨体ながらも機敏に動ける便利な乗り物スキル「侘びの」を使うと謎の手から碗を手渡される。
     

  • 駒姫は生前から演奏を得意としていた。彼女を弾き鳴らすと、敵はで切り刻まれたかのように血を噴き出す。その音色は弥を操作する事にも使えるが、スキル玄の」では音色で味方にNP増加や無敵の恩恵を与えている。穏な時はを楽しませる楽器として使用。
     
  • 血液
    駒姫から際限なく流れ出る血。部から流れた血は異形化した下半身を伝って地面に落ち、血だまりを作る。駒姫の移動に合わせて血だまりものように移動する事から何かしらの魔力は宿っていそうである。宝具発動時には首元から流血、碗に血を溜めて大小関係なくエネミーを鮮血のに沈める。その際に呪いを付与するため念も多分に含まれていると思われる。

史実

詳しくは「駒姫」の項を参照。

安土桃山時代1581年(正9年)東北地方を治める大名の一人最上義光と正室の大崎殿との間に生まれる。戚には伊達政宗がおり、は虎将と呼ばれる猛将、方の大崎の祖先はあの源氏、義で政宗の実でもある義姫座り込み抗議伊達最上を停戦させる胆なエピソードを持つなど、身内はやべーやつの陳列棚。もはや血筋だけでバーサーカーになれるレベル最上義光の生涯を記した軍記『最上記』では何故か一切触れられていないものの、『成実記』や『会津合考』、『奥羽永慶軍記』、『最上物音』、『義物語』には登場しているため実在の人物と見て間違いないだろう。年齢については数えで15歳16歳、19歳と諸説あるが、『奥羽永慶軍記』や尊記録では15歳としているため15歳(14歳)説が濃厚である。

奥羽永慶軍記』によると、彼女が誕生した日に戚関係にある少年時代伊達政宗と義千歳古屋を題材に和歌を贈答していた。義は「しくば尋ね来よかし千年山 あこやのに木隠るる」と、政宗は「しさはぞまされる千とせ山の あこやのに木隠れの」と詠んだ。大崎殿は政宗から贈答された和歌の中から「千年」の単語を取って名付けようとしたが、義安部貞任の千年はを滅ぼしたという事で縁起が悪いとし、現在宮城県にある「御駒山のように美しく育って欲しい」と願いを込めてお駒と名付けた。義駒姫誕生を祝った連歌会の開催を決めるも、山形には連歌の出来る者がおらず、町人でも良いから身分を問わず連れてこいと奉行所に命じたが、それでも集まらず中止となった。ちなみにその翌年に本能寺の変が起きており、ギリギリながらノッブと同じ時代を生きていた事になる。の寵を受けて駒姫はスクスクと育ち、そして名前に込められた願い通り美少女に成長。いつしか「東一の美女」「双なき美人」と呼ばれるようになった。

1590年7月26日小田原征伐に参加しなかったとして葛西大崎豊臣秀吉から領地の収を受け、秀吉の側近こと木村吉清が取り上げた領地の統治を始めるが、成り上がり故に臣団をしきれず、領民に対する非法も相次いだ。これが遺恨となって臣団の強い反発を買い、10月16日に一が発生(葛西大崎)。吉清がいる佐沼を包囲した。一を討伐するため京都から豊臣秀次率いる討伐軍が遠征。現地の伊達政宗蒲生氏郷最上も協力して翌1591年7月4日に一を鎮めるのだが、その際にの生まれである大崎が旧領復帰に失敗して衰亡する不幸に見舞われた。一討伐の最中、秀次が「最上義光美しい」との情報を得た。一説によると九戸政実の乱を鎮圧した後に秀次が山形城へ立ち寄った際、義駒姫に接待させた事で彼女を見初めたとしているが、山形城に立ち寄ったとする一次資料はく、福島県福島市にある常寺で祝宴を開いたとの伝承が残っているため伝聞だけで見初めた可性が高い。ともあれ秀次は美人コレクターであり、大小名、百姓、寺社など身分の差別なく召し集めるノンケの鑑だったため、是非とも側室に欲しいと最上駒姫がせるよう要請。本来であれば最大勢力の豊臣と縁が出来るので喜ばしい出来事。しかし駒姫を溺するあまり手放す事が出来ず、また美人を囲ってハーレムを築いている秀次のもとへ送っても駒姫幸せになれるかは甚だ疑問であった。故に秀次の要を一度は断ったが、彼から執拗に使者が送られてきたため「14歳になったら側室に送る」と条件を付けて遂に折れる。

余談だが、当時の記録である『成実記』と1662年に編纂された『会津合考』では秀次の強要ではなく義から献上したとしている。かつて義京都へ赴いた際に秀次から厚意を受け、その恩返しとして良を贈った。駒姫もその恩返しの一環で贈られたのではないかと推測されている。一方、1700年代初頭に成立した『羽永慶記』では駒姫に魅了された秀次が執拗に側室へ寄越すよう迫ったとし、後年の『羽記』と『羽陽軍記』が引用した事で現代においては強要説が通説となっている。つまり秀次が駒姫にしつこく言い寄った事は後付けの可性がある。

残された短い年数、義豊臣に出しても恥ずかしくないよう、駒姫に教養を叩き込んだ。この時、実大崎殿は人質として豊臣へ出向いており、義もまた1592年から朝鮮出兵の準備に追われ、両に代わって和歌、芸、作法、仏教茶道など様々な学問を教えたのが伊達から戻って来たばかりの義姫であった。叔母から手ほどきを受けて教養を身に付けていく駒姫義姫下人秀吉にまで知れ渡るほどと音曲に優れており、その駒姫演奏にて才覚を表している。そして彼女14歳になった1595年(文4年)6月、いよいよ出立の時が来た。義は当時大変重だったや金糸で編まれた最高品質の打掛を駒姫に贈り、名残惜しそうに出羽から出ていくを見送ったのだった。1ヶ後の7月初旬、駒姫は出羽を出て京都へ到着した。上京してからは「満の前(おいのまえ)」と呼ばれ、聚楽第にある最上屋敷で長旅の疲れを癒やしていたのだが…。

ところがそこでは悲惨な最期が待っていた。秀吉に実子である秀頼が誕生した事で養子の秀次が疎ましい存在となり、謀反の疑いという適当な理由を付けて7月12日に彼を切腹へ追いやってしまったのである。更に彼の妻子や関係者にも粛清の魔手が迫り、まだ一度も秀次に会っていない側室補の駒姫ですら例外ではなかった。駒姫突然処刑を言い渡され、8月1日に他の側室の女性と遺書を書いたり、形見の品を整理したり、浴して身を清めた後に装束へと着替えた。駒姫山形から付き従っていた2人の女を呼び、が贈ってくれた打掛を形見として託した。この打掛は山形まで持ち帰られたようで山形市の皆寺で保管されている。翌、7台あるの2番に乗せられて中を引き回され、刑場の三条河原へと移動。たまたま上京していた岡崎上宮寺の住職円光院尊撃して「最上殿御子 おいま様 十五」「一条よりの町を引き回し、三条河原にて御成敗され」と記録している。

三条河原の刑場には大院の和尚が持ってきた秀次の首がされ、石田三成増田長盛が見届け人として三条大橋の西の土手に立っていた。立を過ぎて一ヶが経つと言うのに、この日の京都は厳しい残暑に見舞われている。やがて駒姫たちを乗せたの列が近づいてくると「若君たちをし奉れ」と下知。から降ろされた側室たちはされている秀次の首と対面してを流し、つられて見物人や太刀取り、守護の武士までした。だが生前の秀次と一度も顔を合わせていない駒姫は泣くに泣けなかったと思われる。その様子を見て三成と長盛は「見苦しいぞ、方々、々に手を下せ」と急かして太刀取りが動き始める。処刑の時は刻々と迫っていた。

正午頃、まず処刑は秀次の子供から始まった。首根っこを掴まれて乱暴に引きずられた若君や君がで刺し貫かれてゆく。その惨たらしさは見物人さえしたという。続いて最初の側室が斬首され、10人の側室が殺された後、いよいよ駒姫の番が回ってきた。処刑前にも関わらず駒姫は常に冷静で居続け、西の果てにいるとされる極楽如来に合した後、「罪をる 弥に かかる身の なにか五つの 障りあるべき(人は五つの罪を生まれ持っていると言うけれど、罪を様のにかかる私は一体どのような罪を持っているの?)」(瑞泉寺縁起)、あるいは「うつつとも とも知らぬ 世の中に すまでぞかへる 白川(これはなのか現実なのか…それさえもよく分からない世の中に長く住む事はく、私はあの世に還るでしょう。白川のように)」(太記)と辞世の句を詠んで斬首された。時に1595年8月2日享年14歳とした最期は「幼い少女だが最期の時も落ち着いていた。さすがは大名のだ」「つぼめるの如き君で、未だ幼かったけれども、最後の際も大人しやかであった(『出羽太平記』)」と記録されている。

を覆いたくなるような処刑は16時頃まで続き、流れた血によって鴨川赤色に染まった。彼女死体は他の死体とともにへ投げ捨てられ、その上に「畜生」の石碑を立てられるという死体蹴りを喰らう。雑に処分されてしまった事で遺すら義の手元に届かなかったが、専称寺の供養に遺が納められているため遺だけは戻って来たようだ。こうして子供5名、継室や側室34名が処刑となった。その日の情にも命を奪われた者たちを見てが嘆いたのか、10日ぶりにの町にが降りしきった…。あまりの凄惨さに見物に来た人が「見なけりゃ良かった」と日記ったり、「憐れなるかな、悲しいかな。かくも痛ましいと知っていたなら見物には来なかったものを」と後悔するほどだった。『太記』によると「今日藉は法窮まる。行く末めでたき政にあらず。ああ、因果のほど御用心」と記したのうちに々に貼られたという。当時の武社会では男子はともかく女子は助命されるのが通例なのだが、秀吉はその通例を無視して妻子全員を処刑し、遺体の処理も考えられないほど不当かつ残なものだったため、見物に来た人は論、周辺諸にもショッキングな事件として伝わったのは容易に想像できる。遺恨による秀次の決起を防ぐために底的な根絶やしを行ったように見えるが、実のところ古くから秀次の正室だった若政所と3人の子供は助命されて実家に返されており、殲滅したにしても中途半端である。石田三成増田長盛前田玄以ら奉行衆は「度の処刑は全て秀次の謀反が原因」と説明した。

淀殿や他方からの助命嘆願を無視できず、秀吉が「鎌倉にて尼をさせよ」とを出すも、ほんの一町(約1km)の差で間に合わず処刑されてしまったとするエピソードがあるが、これは後世の創作だとされる。あまりにも救いが駒姫の最期を憐れんだ人々が付け足したものと思われる。1615年以前に成立した作者不明の読み物『恨の介』に「おこぼ」という仮名で駒姫の最期が紹介されており、当時の人々にも駒姫の最期が知れ渡っていたと言えるだろう。

一方、故郷の出羽では義と政宗も秀次に関わった事から嫌疑をかけられ、秀頼に忠を誓う血判書を書いた後、閉門居(へいもんちっきょ。いわゆる自宅謹慎)をさせられていた。どうにかして処刑を中止させたい義は「幼い上、まだ秀次とも見参していない」として寝食も取らずに関係者の邸宅を尋ね歩いて必死に助命嘆願を訴えた。を乱してを浮かべる彼の姿にもが同情の念を示すも、「太には逆らえない」と答えて成果は上がらず、心身ともに追い詰められた義は持堂へこもって一心不乱に読経。もはや神助にすがるしかかったのである。時間を忘れてひたすら読経する義であったが、いよいよ睡魔に負けて意識がと現の間を彷徨う。するとの中に助けをめる駒姫の姿が現れて一気に覚醒し、読経を再開。また睡魔が襲ってくるも、の中で駒姫を見るたびに意識が現実へ引き戻される。このような苦しいループまで続いた。義の血を吐くような助命嘆願を最も身に聞いたのは徳川家康であった。彼は義の想いを携えて京都に向かい、秀吉と謁見して処刑の中止を訴えたが、秀吉は「確かにそのに罪はい。だがな、の地位身分で刑罰が左右するなら下の政は成り立たない」と拒絶。更に「駒姫のような美少女がいるなら何故ワシがせんのだ。よりにもよって秀次めにやるとは、とんだ阿呆め。それにワシは出羽が憎くてたまらん。あのたわけ(義)はを統べているのか分からんと見える。の心配をしている場合か、次は最上一族を皆殺しにしても良いんじゃぞ?」と憎々しげに語った。それでも家康はしぶとく食い下がって「小(駒姫)の命一つで出羽の諸侯を飼い慣らせるなら安いもの。それに罪人とて係累の女子は助命するものではないですか。どうかご再考くだされ」と駒姫の助命をめたが、「何度考えても同じ事。出羽のは殺す」「出羽が泣きわめくほど楽しいわい」と聞くを持たなかった。せめての最期を知りたい義来を京都へ送り、そしての死を知ると「過去の業にこそ(前世の行いによる罰か)」と一言だけいたという。このように義が助命嘆願を行った説もあるが、自宅謹慎していたため実際に出来たかどうかは怪しいとするもある。

ともあれ駒姫の死という残酷な現実を知った彼は数日間すら喉を通らなかった。大崎殿ショックのあまり2週間後に落命。不幸中の幸いだったのは間もなく嫌疑が晴れて閉門居が解けた事くらいだった。後日、秀吉からの使者が来て「を死罪に行ったことを、きっと不快に思うだろうが、秀次が反逆を企てた以上は、やむを得ない事と思うべきである。こうなったからには、の罪科も許してやろう」と言い、義は「有難き御上意」とだけ答えた。伊達政宗も「誕生の祝儀連歌の止むも不吉なり」と弔意を示した。伊達一門の伊達成実った『成実記』においては、駒姫処刑の責任は義自身にあるとして「自分からを献上するという大名に見合わないやり方で世間を騒がした挙句この有り様、下の嘲笑、尋常ならず(意訳)」と書き残しており、秀次からの強要がかった根拠の一つに挙げられている。この一件で最上豊臣に大きな恨みを持つようになり、関ヶ原の戦いでは迷わず家康率いる東軍に付き、侵攻してきた上杉軍と交戦している。また義駒姫の死後に仏教へ帰依して専称寺を駒姫大崎殿の菩提寺とし、駒姫が使用していた部屋山形城内から内に移築して度々一人で訪れていたという。部屋戸に描かれたの絵に駒姫を重ねていたのだろうか。内には参詣する時に義を繋いだ「義つなぎ」が残されている。

駒姫情の死を遂げた翌年の1596年9月朝鮮出兵に起因する回復を行うべく明からの使者が伏見に訪れて秀吉と謁見。の席で医者の施院全宗(やくいんぜんそう)が点前に出ていたが、その様子を見ていた富田一白が「をもてなすにしても、小督の御方かお万の御方(駒姫の別称)の御点前なら、より一層の趣があっただろうに」と評している。小督の御方とは『平家物語』に登場する宮中一の美人で、琴の演奏にも長けた人物であった。駒姫の気品さや容姿の美しさは往年の美人に並ぶ程だった訳である。処刑から16年後の1611年、高瀬の掘削工事を行っていた倉了以が荒れ放題だった秀次と関係者の塚を憐れみ、浄土宗瑞泉寺を建立して供養するとともに改めて墓を作った。このため駒姫の墓は京都瑞泉寺山形市の専称寺の二ヵ所に存在しているが、遺が納められているのは瑞泉寺の方で、専称寺では遺埋葬されている。戒名は「諦殿誓聴大」。

専称寺にある駒姫の墓は聖域扱いになっていたらしく、参詣者はおろか寺の僧侶すら立ち入らず荒れ放題となっていたという。少なくとも第二次世界大戦っただ中の1940年頃まではがボーボーだった模様。そのため数万羽のムクドリが墓所のケヤキに住み着いて騒音を撒き散らした事もあった。現在は綺麗に整備されてお参り可

他作品での駒姫

の身でありながら処刑されるという悲劇の運命を辿った駒姫だったが、その短い人生が祟ってかゲームドラマに出演する事は少なく、知名度が高いとは言えない。

大河ドラマでは1987年製作独眼竜政宗』にのみ登場し、当時12歳坂上香織が演じた。また本作は駒姫が11歳の時に山形城を訪れた秀次を接待し、体を撫で回されるセクハラシーンを挿み、13歳で上京して秀次の側室となり、15歳で処刑された設定となっている。原作となった山岡壮著『伊達政宗』ではちゃんと史実をなぞっているにも関わらず何故か改変された。異聞帯か何か?子役演技力に問題があるのか、駒姫が喋るシーンが口パクだった場面も。余談だが『独眼竜政宗』の最上義光極悪人のように描かれており、某ホモレベルの深刻な風評被害が広まって山形県民から抗議が上がった。

映画関ヶ原』では処刑を知った義忍者を雇って処刑を失敗させようとするも、その忍者が取り押さえられてしまう。しかし処刑の描写はいため駒姫が逃亡に成功したとも解釈出来る。書籍『駒姫 -三条河原異聞-』は駒姫役に据えたしい作品。本作の駒姫は清廉潔として描かれている一方、自身を死へ追いやらんとする者たちと世の中の理不尽を憎み、強引に山形から引き出した秀次の事を「不憫ではあるが憎くもある」と怒りを抱くなど人間味ある部分も描写されている。

その他イベントでの活躍

バレンタインイベント

バレンタインを数日後に控えたある日、敬するマスターチョコレートを贈るべく利休とともにバレンタインデーの重要性を再確認する駒姫マスターの事を「意中の人」と喩えられて顔をらめる駒姫だが、バレンタインを戦の如き苛なものと捉えている利休に終始気圧され、箱入り娘ゆえ販品のチョコで済ませようとすると心底失望されながら「やはり話になりませぬな、駒姫様。古来よりチョコレート手作り、これに限りまする」と利休に諭される始末。チョコ作りを面倒がる駒姫は何かと言い訳をして逃れようとするが、チョコを作り上げるまで茶室から出られないよう利休に結界を仕組まれたため、「マスター様のため」と一念発起。利休を巻き込んでのチョコレート作りが始まった。

バレンタイン当日。茶室に呼び出されたマスターの前には手作りチョコではなく、何故か駒姫お手製の抹茶ラテが置かれていた。話を聞いてみると駒姫は確かに手作りチョコ完成させていたという。その味は利休さえも感させるほどの奇跡的な出来栄えだった。

しかし、そのチョコレートを巡って「抹茶を添えて出すべき」とする利休と「抹茶ラテにすべき」とする駒姫、二人の意見が見事に対立してしまい、己の正しさを明するべく実際に試食してみる運びとなるが、勢いのまま食してしまったらしい。代わりのチョコを用意しようにも既にバレンタイン当日、そこでやむを得ずいつも駒姫が飲んでいる手製の抹茶ラテチョコを散りばめただけの即席スイーツを出したのだという。いつも抹茶ラテ飲しているだけあって駒姫の点前は見事なもので、普段抹茶ラテを嫌っている利休でさえも「正直、抹茶ラテの点前に関しては、私も駒姫様に子入りせねばならぬほどにございます」と彼女の実力を認めている。利休も自身の失態を認めてふの焼きにチョコを塗ったスイーツを用意していた。何とも締まらないバレンタインとなったがマスターに喜んで貰うべく予定通り贈られた。

その後、利休は「それでは私はこの辺りで失礼いたします」「後はお若いお二人でお楽しみくださいませ」と自ら身を引き、駒姫の深層に意識を断って姿を消そうとするが、最後に利休はマスター駒姫のために用意したプレゼントを見せた。それは『ぐだぐだ邪馬台国』のラストで見た美しい風景――利休の心風景を具現化したその風景を二人に贈ったのである。

マスターと二人きりになった駒姫は、当初は恥ずかしさと喜んで貰えるか分からない不安からバレンタインチョコを贈るつもりはく、またの機会にと日和っていたところを利休に「野に咲くなどいつでもでられるとお思いでしょうが、そうではございませぬ」「今日開いたでられるのは、今、このひと時だけにございます」「今の駒姫様のお気持ちマスター様にお伝えくださいませ」「想いとは伝えるからこそ、想いとなるのです」と諭された事を明かした。利休はマスター駒姫をくっつけようと背中を押してくれていたのである。その言葉に従い、幸せなカルデアでの生活を与えてくれたマスター感謝の言葉を伝える。が、「やはりこれはあまり良いやり様ではございませんね」と利休を呼び戻し、「わたくしと利休様は、一心同体にございます」「であれば、マスター様とのこのひと時、わたくしと利休様が共にあってこそのひと時……」ともう一つの想いを伝えた。駒姫行動は利休にとっても予想外だったようで少々困惑しながらも輪に加わって三人で特別なバレンタインを楽しむのだった。

ふふ……、今日という日は駒にとってかけがえのない大切な一日となりました。

本当に素敵な、楽しきひと時……。

はい……、――『一期一会』にございます。

利休&駒姫から贈られたバレンタイン礼装は「野に咲く」。抹茶ラテを作る事に関しては利休も舌を巻くほどの才を発揮する駒姫の、その腕前を遺憾く発揮して作られた手製抹茶ラテ。横に添えられるは利休が作ったチョコを塗ったぬの焼き。二人からのもてなしである。

ミスティックアイズシンフォニー

2023年7月5日より開催されたイベントミスティックアイズシンフォニー』にて巨大樹15階のイベントに登場。『ぐだぐだ邪馬台国』から実に約10ヵぶりの登場である。どうやらを踏破して巨大樹の中にまで入ってきたようだ。一面に広がる花畑からしいを摘んで茶の湯に活かそうとする利休に対し、それはだとして全力で止めようとする駒姫のやり取りが見られる。また本イベントでは駒姫茶室モニターを置いてインターネットを嗜んでいる事が判明した。

駒姫く帰りたがっている所を見るに、彼女暴走したシミュレーター室へ入るのに反対していた(あるいは室内からの期脱出を望んでいた)と思われる。

ぐだぐだ超五稜郭

走!中島24時 ぐだぐだ五稜郭 殺しのサインM51』にてチョイ役として登場。レイドイベント時のマップ上に利休のちびキャラがおり、五稜郭が落下する中島へ向かうため今魔軍と交戦するカルデア軍団武田軍を支援していた模様。

おまけイベント『実録!ぐだぐだ今川埋蔵金甲斐フィーバー777』では「山ガタガール」で登場。

ネットキャンプ動画を見た駒姫が「実際にやってみたい」と言った事がきっかけで、特異点へ行く事になった利休と駒姫。そこでのんびりキャンプを楽しむはずが、利休によって本格的なサバイバルと化してしまい、登山の途中で疲れ果てた駒姫はたまらず音を上げてしまう。そんな中、偶然通りがかったマスターが2人を発見。疲労で一歩を動けないと訴える駒姫、その駒姫を急かして動かそうとする利休だったが、その際に思わず埋蔵金を探しているとウッカリ口を滑らせてしまう。特異点には今魔軍が遺したとされる埋蔵金地図が出回っていたのだ。

利休の的を知って駒姫激怒。霊基を共有している関係上、利休を攻撃すれば駒姫にもダメージが行ってしまうも、それを承知の上でマスターに利休のお仕置き依頼。疲れ果てた体を使って戦闘開始時に1ターンのみ利休をスタンさせてくれる。こうしてマスター率いるサーヴァントによって利休はお仕置きされるのだった。

小話・豆知識

ネタバレになる部分はスクロールすれば読める。

  • 利休と駒姫の接点は豊臣の横暴で落命した事のみ。存命中に顔を合わせた事は一度もい。強引に接点を見出すのであれば、1590年に一鎮圧のため州へ派遣され最上と共闘した蒲生氏郷が利休に師事していた事くらいか。

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  • 22 ななしのよっしん

    2022/10/18(火) 17:08:26 ID: g0P2EFUqkT

    個人的にはかなり読みごたえがあって好きだがいかんのか?

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  • 23 ななしのよっしん

    2022/10/20(木) 21:51:09 ID: VVQ17kHJFZ

    確かに大百科の名にたがわぬ詳細をつらつら書いてて凄いと思うよ
    もうFGOやらなくてもいいくらいだもの

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  • 24 ななしのよっしん

    2022/11/19(土) 01:04:50 ID: u7TvrifBNJ

    >>16以降で要望があったので、とりあえず折りみ導入
    あと、最初は上の方にあったステータスなどが下に追いやられてて構成がおかしくなっていた(『史実』の項の中に入ってた)ので、上の方に復帰。
    折りみの中身は削ってないけど、普通に(Fate)なしの記事に書けばいいのではと思える部分も確かに多かった
    そのままコピペと言うわけにはいかないので調整は必要だろうけど、(Fate)なしの記事に移動してこの記事からは消してもいいかもね

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