ザク・デザートタイプ(MS-06D)とは、メカニックデザイン企画『MSV』に登場するモビルスーツ(MS)である。
改修機であるディザート・ザクについてもこの記事で解説する。
初出は劇場版ガンダムアニメブック用に描かれたザク・バリエーション画。後にこのザクを含むバリエーションがMSVに認定。今日の日まで続くMSVの走りとなった。
概要
ZAKU DESERT TYPE 砂漠戦用ザク |
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型番 | MS-06D |
頭頂高 | 17.5m |
重量 | 61.3t(本体) |
出力 | 951kw |
推力 | 66,000kg |
搭乗者 | ロイ・グリンウッド カーミック・ロム 他 |
装甲 | 超硬スチール合金 |
兵装 | 120mmマシンガン |
頭部バルカン砲×2 | |
クラッカー・ポッド | |
ラッツリバー 3連装ミサイル・ポッド | |
ラッツリバーP-3 2連装ミサイル・ポッド | |
ヒート・ホーク | |
G92 |
キャリフォルニアベースで開発された地上用ザクⅡのバリエーション。
砂漠戦用ザク、デザート・ザクとも呼ばれる熱帯・砂漠環境下仕様の地上用ザク改修機で、北アフリカ戦線で活躍した機体である。
当時、前線では地球上の過酷な熱帯・砂漠環境下に適応した機体が渇望されていた。ザクⅡJ型からグフへの移行真っ最中の時期だったが、前線は新型機の完成を待つ余裕などない。連邦軍の地上部隊の数を前に、戦略レベルで電撃戦を行う地上部隊には早急な戦力増強が必用だった。
こうした切羽詰まった現場の状況が生んだのが、MS-06D 砂漠戦用ザクである。
D型はJ型からの軽量化や出力・移動力の向上を図り、さらに実戦データに基づいた増加装甲を部分的に装着。兵装は軽量化・着脱自在なオプション化が為されたりと加重を極力抑える方向で纏まっている。腰部と脚部に補助推進器を増設し、ランドセルに冷却用ラジエーターを搭載、関節やインテークには砂に配慮して防塵処理も施された。
武装は軽量化した携行マシンガンと腕部シールドのラッツリバー3連装ミサイル・ポッドのほか、腰部マウント・ラッチにラッツリバーP-3・2連ミサイルポッドを装着(ミサイルポッドは手榴弾や信号弾を搭載したSA-712クラッカー・ポッドとの選択式)。
G92という4機の運用(移送)を前提とした組み立て式の砲座もあり、航空部隊の火力支援などに役立ったと言われる。
本来アフリカ方面での砂漠戦を想定したD型だが、徹底した軽量化によって砂漠環境化以外でも充分性能を発揮できたのではないかと思われる。
ピンクパンサーやカラカル隊、ロンメル、青の部隊、スコルピオ隊の機体が特に有名。
生産機数と後期型
114機が製造。 主力やドム等の数合わせでも重宝したといわれる。
生産時期から前期型と後期型に分けられ、形状も一部が異なった。全機共通で通信能力を有したアンテナを頭部に装備しているが、このアンテナは頭上1本のシングルタイプと頭部左右のダブルタイプの2種がある。
前機生産型のシングルタイプとダブルタイプはそれぞれ43機ずつ作られた。
後期生産型の28機は頭部アンテナがシングルタイプに統一されているほか、ランドセルのラジエーターの改良と推進機の追加、装甲材をより軽量化したものへ変更、関節カバーの再設計が行われた。また、ザクマシンガンもより軽量化したタイプになっている。
後期型はMSV時点でアンテナの違いのみ指摘があった。後年MSV-Rになって形状が異なると設定された。
実は前期生産型の配備数にも諸説あり「全て」「殆ど」「70機」とも言われ、はっきりしていない。
少なくとも配備されたピンクパンサーの機体は連邦に接収、グリプス戦役期まで運用された事は確定している。
ロイ・グリンウッド(カラカル隊)
アフリカ方面で本機を駆るエースはいずれも連邦部隊から恐れられる程の戦果をあげた。中でもデザートタイプを愛機とし、勇名を馳せたカラカル隊の隊長「ロイ・グリンウッド少佐」とセットで語られる事が多い。
ロイ・グリンウッドはサイド4出身のドイツ系ゲルマン民族の血を引く軍人で、0067年にムーア分校を卒業し、ケイティを伴侶とした。妻・ケイティとの間には「アマリア」と「リミア」の二人の娘が生まれたが、0078年に妻を宇宙船の事故で失い、リミアとアメリアを連れてジオン公国に移住し、軍に入隊する。
パイロット訓練後に突撃機動軍第一歩兵師団に配属されたが、ブリティッシュ作戦で左目を負傷し、戦線を一時離脱。失明こそしなかったが以後ロイは眼帯を着用している。
戦線復帰後は部隊改編に伴い、地球方面軍第5地上師団へ配備され、3月11日の第二次降下作戦を以て地球に降り、地上部隊に従事した。カラカル隊は第5地上師団の第1MS大隊のA小隊のことである。
グリンウッドは後年のゲームや漫画で「いかにも強そうな軍人」的に描かれているが、MSV設定でも軍神さながらの戦い振りで周囲や部下からの信頼を集めたという。
0090年のジョニー・ライデンやサングレ・アスルを巡る戦いの折、元カラカル隊のクリンストバルはロイの娘(リミア・グリンウッド)が戦いに巻き込まれていると知り、「隊長…ご恩は必ずお返ししますよ」と発言している。この発言からも、ロイの人となりが伺える。
一説にトーマス・クルツのキマイラ入り(ジオン入り)も彼が関わったとか(こちらは信憑性は薄い)。
先に触れたが息女のリミア・グリンウッド(画像・右)は、MSV調査機関「F.S.S」に所属しており、U.C.0090年時点で第二次MSV調査に関わっている。画像・左は同機関所属のレッド・ウェイライン(仮)である。
リミアは第一次MSVの代表的パイロット、ジョニー・ライデンを巡る騒動に深く関わっているようだが…。
出典:
「MSV」「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」「ガンダムパイロット列伝 蒼穹の勇者達」
デザート・ザク・ロンメルカスタム
D型にはもう1人、有名な搭乗者がいる。
一年戦争中にD型やドワッジを駆り、「砂漠のロンメル」と恐れられたロンメル中佐である。ロンメル中佐が搭乗したとされるタイプは、形状がJ型に近かったようだ。型番もMS-06DRCとなっている。
右腕部のシールドクローは先端が鋭利に尖ったタイプで主に打突に用いられた。射撃武装にドラムマガジン式のロングレンジライフルを装備した。
出典:
「ΖΖ-MSV」
ディザート・ザク
DESERT ZAKU ディザート・ザク |
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---|---|
型番 | MS-06D |
頭頂高 | 18.5m |
重量 | 44.7t(本体) 69.5t(全備) |
出力 | 1,440kw |
推力 | 8,4000kg(EB版) 8,400kg(大全集) |
装甲 | 超硬スチール合金 |
兵装 | 改造マシンガン |
頭部バルカン砲×2 | |
クラッカー・ポッド | |
ラッツリバー 3連装ミサイル・ポッド | |
ビーム・ライフル | |
ヒート・ホーク | |
ロケットランチャー |
ロンメル中佐達は一年戦争後もアフリカ方面のジオン残党部隊と共に8年間反抗を続け、主力機のD型も連邦の資材などを使って改修が施された。
ネオ・ジオン地球降下に呼応してアフリカ解放作戦を決起するも、最新鋭機を使ったガンダムチームの前に敗れている。
なぜか微妙に発音が異なるが、区別されるだけはあって性能面でかなり向上していることがわかる。
ランドセルにプロペラント・タンク、脚部にスラスターを増設、砂漠地帯の走破性を高めるため脚部モジュールも装備していた。これはジェット・スキーというスキッドで、脚部にワイヤーで固定し、滑走に使われた。
後部ノズルがベクタードスラスターとなっており、方向転換も容易。エア・インテークには砂漠地帯の移動を考慮してカバーが設けられている。
武装はロケットランチャーのほかビームライフルを装備した機体もあった。
公式作品では青の部隊(※ただしレプリカである)やネオ・ジオン、ガランシェール隊のD型ザクを確認。
短くともラプラス戦争の0096までは現役だったようだ。UCでは影薄い。
出典:
「機動戦士ガンダムΖΖ」「機動戦士ガンダムUC」
関連動画
関連静画
ザク・デザートタイプ
ディザート・ザク
関連項目
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