エターナルアルカディア(英題『Skies of Arcadia』)は、株式会社セガが販売するRPGゲームソフトである。
2000年10月5日、ドリームキャストにて発売。@baraiという販売方式が採用された。
なおプレイステーション2の移植版を製作中だったが、レジェンドの開発に専念するために中止している。
2002年12月26日にサブシナリオやイベントなどを追加した『エターナルアルカディアレジェンド』をニンテンドーゲームキューブにて発売した。
概要
プロデューサーは小玉理恵子。
開発にはサクラ大戦などを担当したオーバーワークスをはじめ、ナイツやバーニングレンジャーなどを担当したソニックチームのスタッフが携わっている。
楽曲担当はウェーブマスター。サウンドクリエイターに蓑部雄崇(Yutaka Minobe)、前田龍之を迎える。
大空が広がる世界に暮らす、海賊ならぬ「空賊」ヴァイスの冒険を描く海洋冒険ロマンRPG。
シナリオを進めるにつれ仲間が増えて団結力も増していき、果たして一国一城の主となっていくなど、分かりやすい形で主人公の『成長』を実感できる。
特に自分がたどってきた足跡が実績として残る発見物システムがストーリーとも良く絡み合い、『探索する』『開拓する』ことの楽しさを強く押し出したゲーム性や、時に巨大な戦艦や兵器相手にドンパチやらかす戦闘システムなど、ドリームキャスト発RPGの超大作として特に北米・ヨーロッパで高い人気を獲得している。
RPGによくある剣と魔法のファンタジーとは大きく趣を変えた世界観で、中世の大航海時代を大本のモチーフに、それらに海洋文学の古典作品を多く元ネタに取り入れられている。
元ネタを知っていればそれだけ面白みも増すため、本作に触れるのをきっかけに文学を読んだり、世界史の勉強をしていくのも面白いだろう。
@barai
通常販売されるフルパッケージ版に加え、ゲームの序盤までが収録され、体験版感覚でプレイした後に残りのデータを追加購入できる販売方式がとられた。また、この@barai版はファミ通618号にも付録した。
現在で言うダウンロードコンテンツのような販売方法だが、採用されたのは本作と『ハンドレッドソード』の2作のみである。
ゲームシステム
ベースは一般的なRPGとほぼ同じ。
船での移動が特徴で、特にワールドマップの移動は全編にわたり船を用いる。
後述の砲撃戦のみ、相手のザコ艦と接触して戦闘するシンボルエンカウント方式が取られた。
- 男気システム
主人公ヴァイスの空賊としての評価レベル。内部的な数値は見られないが、キャンプメニュー中のヴァイスのステータス画面から二つ名という形で確認ができる。
的確に状況を判断できたり、名前通り男気ある言動でアップし、逆の事を言えば下がる。また戦闘で逃走を繰り返すことでもダウンしてしまう。
主人公の成長要素としてストーリーにわかりやすく絡んでおり、男気を上げればそれだけ名も通り、周囲からの反応も変わってくる。また、一部クルーメンバーの加入条件にもなる。
基本的にはシナリオの進行につれ上がっていくものだが、実は男気が下がるほど逃走が成功しやすくなる。 - ガッツ
パーティ全員で共有する能力ゲージ。必殺技や煌術の使用時に、砲撃戦ではさらに攻撃やクルー技にも用いられる。
ターンごとにメンバーのガッツ基本値の合計が払い出され、「ガッツ」コマンドを使ったキャラの基本値分がさらに追加。全員のガッツ最大値の合計まで溜めることが可能。
本作の状態異常に、ガッツを増やせなくなる「疲労」というものがあり、これか戦闘不能のキャラは治療するまでガッツ溜めに干渉できない。強力な技・煌術ほど多くのガッツを消費するため、上手くやりくりする事で大技の連発や防御効率を高めることができる。 -
属性
月の力を象徴した色 緑 赤 紫 青 黄 銀 の6属性。それぞれに対応する月煌石の入手によって使用できる。[1]
攻撃ではキャラ毎に属性をあてがい、武器が対応する色に変化。戦闘終了時に使用していた属性の煌術経験値が全員に配分される。
敵キャラは各自が耐性を兼ねて属性を有しており、有効倍率のようなものが割り振られている。有効な属性を突けば、固い敵相手でも大ダメージを叩き出すことが可能。
-
通常バトル
戦闘開始時は味方サイドと敵サイドで分かれているが、ターンの経過によって次第に陣形が変わっていく。
技や煌術の中には、陣形により複数の敵を巻き込めるものがある。 通常攻撃時に敵に接近するために移動することで陣形が変わることが多い。煌術や一部の技はその場から撃たれるが、通常攻撃でもその場から動かずに遠隔攻撃することがある(ただしこの場合はクリティカルが出ない)。
陣形はどうなってるか行動選択時に視認できるが、プレイヤーが直接干渉することはできない。 - 砲撃戦
武装船や巨大モンスターを相手に、船の兵器を用いて戦闘をする。
メンバー一人ずつ行動を取ることで1ターンとカウントされ、この1回分の行動をフェイズと区切られる。ガッツの溜まり方は通常バトルと同様だが、砲撃戦では攻撃を含め多くの行動でガッツを必要とする。
敵側も1フェイズごとに行動し、自艦との位置関係などから予測された攻撃の具合をあらかじめ確認できる。自分の攻撃が当たるかどうかも結構左右されるのでフェイズの情報は無駄にしないように。
本作の華とも言える要素で、白兵戦とはひと味違った駆け引きはもちろん、戦闘フィールドの広大さ、景色など、開発側のものすごい力の入れようが見える。
キャラクター
ヴァイス
本作の主人公。オーシャンを拠点に活動する青の空賊「ダイン一家」の一員。
世界中の、未だ誰も知らない場所を駆け巡り、この世に果てがあるのならそれを見てみたいと願う、旺盛な探求心の持ち主。また、どんな苦境に立たされようとも決して諦めず、状況を打破しようとする行動力を持つ。
空賊稼業の傍らで日頃から勉強を欠かさず、計器類の見方や船の操縦についても充分に知識を蓄えている。努力家だが遅刻が多く、まだ舵取りも任せてもらえない下っぱで、実力が芽吹く機会に恵まれずにいた。
しかしファイナとの出逢い、そしてそれを契機に始まったバルア帝国との戦いをきっかけに、世界を股にかける彼のサクセスストーリーが始まる。
前向きで、常に最良の行動を考えることができる熱血漢。ただし彼の性格および周囲からの評価は、先述した男気システムと連動してある程度変化し、プレイヤーの行動次第では逆にヘタレにもむっつりスケベにもなる。
設定通りの性格を維持してやれば評価が上がりいろんな面で優遇されていくが、評価を下げてもそれはそれで変化があるので、たまには設定に逆らうプレイをしても面白いかもしれない。
右目のゴーグルは望遠にも使える彼のトレードマーク。特に『レジェンド』ではムーンフィッシュ集めの必需品である。
武器は空賊らしくカトラスを愛用。父のお下がりである短い一振りが特にお気に入り。[2]
高い攻撃力に加え強力な必殺技を習得する切り込み隊長役で、ボス戦ではヴァイスの必殺技にガッツを上手く割くのが基本。特に「カトラスダンス」は長くお世話になる。
アイカ
ヒロインの一人。ダイン一家の一員で、ヴァイスの幼なじみにして相棒でもある。
幼い頃に孤児となり、ヴァイスの両親が親代わりとなって一緒に育った。昔からヴァイスの傍にいて彼の夢を応援する最大の理解者である。
お宝と食べ物が大好きという分かりやすいキャラで、ヴァイスと比べ現金で卑しい面がある。が、地の性格は明朗快活で、曲がったことを許さない正義感を持つ。
ほぼ水平に広げるように結んだお下げ髪がチャームポイント。ドーラおばさんの若い頃ではない。大股広げて飛び降りたり色気はないが、黒パンはいつも全開。
身の丈ほどもある巨大なブーメランが武器。投擲はもちろん、剣のように斬りつけて使うことも。必殺技が高性能で、煌術を無効化する「デルタシールド」は特にボス戦における生命線。
またスピードの高さを活かして、全体対象の必殺技で先制を取ってザコを殲滅すると楽っつーかただでさえエンカウントが多いこのゲームではこうしないとダレやすい。
ファイナ
バルア帝国に身柄を狙われており、ストーリー開始間もなくアルマダの艦に拉致されてしまったが、乗り込んできたヴァイスに救出される。
当初は自らのことについて一切のことを語ろうとしなかったが、得体の知れない存在である自分を受け入れ、再度アルマダに囚われた際にも命を賭けて救出してくれたヴァイス達に心を開き、自らの出生と目的を打ち明ける。
正体は古代文明”銀の文明の民”の末裔で、古代文明の負の遺産”月晶”の回収を使命としている。世俗と断絶された場所で生まれ育ったために一般常識に乏しく、空賊の存在を知らなかったことでヴァイスらを驚かせた。
以後もストーリーのところどころでアイカのツッコミを受けるが、古代文明に関しての知識は豊富。
おっとりとした性格で、世間知らずで天然ボケを連発するが、尋問を受けても毅然として振る舞えるほど芯は強い。
煌術の習得スピードが早い。またメンバーで唯一、味方を回復・治療する必殺技を習得できる。消費ガッツは多めだが、先制で発動できることもあり窮地に強い。アイテムで役が足りるとか言っちゃいけない。
もとのスピードも優れているので、アイテムを使ったりガッツを溜めたりとサポート能力のエキスパートである。ただし見た目通り守備力が低いので、敵の大技一発で倒れることもしばしば。
- キュピル
ファイナの子供のころからの友達。銀の文明の生き物で、銀飛類ミュミュ科属の人工生物…だそうだ。
普段は腕輪の形をしているが、戦闘時にはファイナの武器として活躍する。 大好物のチャムと、ベリグリチャムとの食べ合わせで上位の武器へ進化していく。
進化次第ではかなり攻撃力が上がり、非力なファイナを充分カバーでき、補助攻撃として優秀。
パーティメンバー
ストーリーの進行に応じて交代で加入する3人の仲間キャラクター。ラストダンジョン攻略の際には任意のメンバーを同行させることができる。
ドラクマ
通称「モービス追いのドラクマ」。二つ名通り、巨鯨「モービス」を討つことに執念を燃やす老人。
モービスに襲撃されたヴァイスとアイカを保護し、その後何だかんだで彼らの旅に利用される同行することに。
隻腕で隻眼のいかつい風貌、性格も無愛想ときており、他者を寄せ付けない雰囲気を放つ人物。ヴァイスを小僧と呼び、当初は疎ましく思い非協力的だったが、共に行動する内に情が芽生え、ヴァイスを空の男として評価するようになる。
ネタバレ→かつてはノースオーシャンを拠点にする漁師だった。乗っていた船がモービスの襲撃に遭い、片目と片腕、多くの仲間、そして最愛の息子をも奪われたことで復讐を誓う。以後、一切の他者と関わることを避け、孤独にモービスを追い続けていた。
戦闘では巨大な義手を武器に戦う。鈍重なイメージに違わぬパワー型。ヴァイスを上回る攻撃力を持ち、これを存分に活かした必殺技を振るうが、彼と旅をする序盤は効率的なガッツの運用を求められるため、使いどころが難しい。[3]
それよりも通常の倍のガッツを溜められる「怒!」が攻防一体の技として非常に便利。こいつを使ってヴァイスへ燃料を与えてやるのがグッド。
宿敵のモービス共々、キャラクターおよびストーリーは文学「白鯨」をモチーフとする。
- リトルジャック
漁船を戦闘用に改良したドラクマの船。旧式ながら手入れが行き届いており、並の戦艦相手とも存分にやりあえる程度の性能を誇る。
ストーリーが進むと、船首の衝角(ラム)を発射し敵を穿つ「ラムキャノン」を装備、これが本船の必殺砲となる。以後エンジンを改装するなどして強化していき、サウスオーシャン越えを果たしたりなどの活躍をしていく。
ネタバレ→亡きドラクマの息子・ジャックから名付けられた。後にモービスの最期を看取るきっかけを作るなど、まさに主人と一心同体の船。
ギルダー
無人島で遭難していたヴァイスを救助し、たちまち意気投合して仲間探しに同行する。
ノリの軽い性格で、自由気ままな空賊稼業をしながら、胸を躍らせるものを追い求める風来坊。本質的に同類のヴァイスとは非常にウマが合い、旅行く先々で空賊の先輩として力強いアドバイスを贈る、頼れる兄貴分である。
頭の回転が早い切れ者で、部下との絆は強い。その信頼関係は、ギルダーの気まぐれで急に船を任せたり、深刻な事態に陥ってもつぶさに対策を打ったりできるほど。
弱点はクローネで、追い掛けられては逃げ続けている。自ら求めるタイプの彼にとっては「一人の女にしばられるなんてまっぴらゴメン」らしい。
エンリック在籍前後の2回パーティに同行。期間は他の二人と比べると短いが、二度目のガルガンチュア突破、銀の文明との邂逅、アルマダとの決戦など、ストーリー上かなり重大なポイントに立ち会うことになる。
2丁拳銃を華麗に捌く戦法を用いる。ドラクマ同様のパワータイプだが、複数敵をターゲットとする必殺技を習得できるため殲滅力が高い。
アイカの性能をテクニカルにした感じ[4]で、「効かねえなあ」は強力な煌術(ジェダ系とか)には通用しない一方で、味方に有利な効果を妨げることがない点で利がある。
葉巻を用いる愛煙家だが「レジェンド」で修正されてしまった。空賊旗にもなってるトレードマークなのに残念である。
- クラウディア
ギルダーが船長を務める空賊船。華奢なボディだがそこはバルアも恐れる空賊ギルダーの船、必殺技「俺がギルダーだ!」ではそのパワーを遺憾なく発揮する。
イタリア語圏の女性名が船名の由来。女好きのギルダーのセンスが光る。
エンリック
他国と友好な関係を築く外交をすべきと主張し、現在帝国が進める侵略行為に異を唱え続けている。しかし一向に聞き入られることがないまま勢力が拡大し、他国の犠牲が拡大していくことに強く心痛していた。
そんな折、アルマダに捕らえられた空賊ヴァイスに興味を抱き、脱獄の手ほどきをするという思いきった行動を起こす。そして「内からではなく、外からバルアを変える」ことを誓い、故郷にひとときの別れを告げた。
誠実かつ高潔な人物として貧民層からの支持も篤いが、優しすぎる性格が祟って帝政に強く打って出る事が出来なかった。
しかし弱気では決してあらず、自らの正義を貫徹しようとする行動力を持ち合わせている。この際に月晶をちゃっかり奪い返す抜け目のなさも見せつけており、ギルダーから「皇子様のくせに空賊顔負けなことをやる」と皮肉交じりの称賛を受けた。
かくしてエンリックはヴァイスに船を入手させ、仲間としてその後の長い航海を共にすることになる。一味の知的参謀として、豊富な知識を活かしてメンバーの進むべき道を示すことに貢献。
エンリック自身も、それまでできなかった多くの経験を積み、立場に関係なく、多面的な見方・感想でもって学習していく。
初めは船酔いするほど苦手だった船旅にも慣れていき、将来を誓う最愛の人とも巡り合い、好漢へと成長を遂げていく。
戦闘には剣術を用いるが、攻撃役としては今ひとつでヴァイスの下位互換といったところ。
しかし全員に防御と同等の効果をもたらす必殺技「エスクード」が非常に強力で、これがあるだけでパーティメンバーの生存率が段違いに変わる。
- デルフィナス
エンリックの座乗艦として開発された戦艦だが、彼の手によってヴァイスの手に渡り、ガルガンチュアの鉄壁に穴を穿つ豪快な進水式を経て一味の空賊船となる。
アルマダの持てる技術の粋を集めて建造された戦艦。船首に内蔵された、ギガスの攻撃を解析して生み出された必殺砲「月煌砲」は、古代兵器にも打ち勝てるほどの絶大な攻撃力を誇る人類の切り札である。
入手段階では未完成の部分もあったが、改修と強化を重ねることで行動範囲がどんどん拡大。また船体のアクセントカラーも紫から青に塗り替えられた。
名称の由来はいるか座。帆船じゃないと風情がないと嘆くなかれ。世界のために戦うヴァイス達にとっては本船もかけがえのない仲間なのだ。
サブキャラクター
青の空賊
武装船や軍艦を相手に略奪行為を繰り広げる空賊の総称。奪うことよりも強敵や困難に立ち向かうことを是とするものが多く、義賊的な一面を持つ。
- ダイン
ヴァイスの実父。
「ダイン一家」の頭目で、本拠地である空賊島の代表を兼任。オーシャンを拠点とし、バルア相手に戦いを繰り広げ多くの民衆に支持されている。
公私を切り分けており、仕事中にヴァイスからオヤジ呼ばわりされる度にたしなめている。
保護したファイナに対し当初は冷徹に対応するが、すぐに打ち解けているように実際は度量の大きい人物。
若かりし頃に愛用していたカトラスをヴァイスに譲り、現在は銃を持って白兵戦に臨む。昔は息子同様無茶もする熱血漢だったとか。 - サンチーム
空賊稼業の傍らで孤児を育てる「サンチーム一家」の頭目。
機械技術に優れ「技術空賊サンチーム」の二つ名を持つ。その技術を引き取った子ども達に叩き込み、やがて独立させていく。
モンテスマに滞在し、原住民と懇意にしていたが、アルマダの侵攻が影響して関係に亀裂が生じていた。 - クローネ
ギルダーを追いかけ続ける空賊。
恋に生きる女性で、行く道を邪魔する者には容赦ない猛攻撃を浴びせることから、ついた二つ名が「カラミティ・クローネ」。素行が黒の空賊なんですがそれは
ギルダーによるヴァイス救出と時を同じくしてアイカ・ファイナを保護していた。
黒の空賊
青の空賊と異なり、民間の船舶などの非武装船からも略奪行為を行う危険な盗賊集団。砲撃船のエネミーとして現れる空賊も総じて黒の空賊に属する。
- バルボア
オーシャン付近で活動する「バルボア一家」の頭目。「黒ひげのバルボア」の異名を持ち、外見、行動、台詞等々まったく自重しないステレオタイプの海賊野郎。
ナスルの商船を襲撃する際、護衛としてついていたヴァイスらに敗れたことで彼を宿敵として追うようになる。嬉しくないツンデレ。
「レジェンド」ではお尋ね者の一人になっている。 - ドブラ
ノースオーシャンを拠点とする空賊。
通称「美食空賊ドブラ」。正装からだらしねぇ腹肉が露出したデブ。
食物をターゲットとし、食べ物がたっぷり積まれていそうな船を襲撃する。無差別な略奪をしていない分マイルドそうだが、長期航行において食糧が尽きるのはかなり危険な事であるため、そういう意味ではバルボアよりはるかに凶悪かもしれない。
リトルジャックを襲うが返り討ちに遭い、その後更正してレストランを開業した。
ヤフトマー
- ダイゴ
ヤフトマーの皇子。ヴァイスらが到着した時点では流刑に処され、都から姿を消している。
臣下の悪だくみで謀反の罪に問われているが、当人はあまり気にしておらず、流刑先を本拠地とするテンコウを破り、新たな頭目に収まっていた。
次期皇帝としての自覚が薄く、度々城下町で遊び歩いては皇帝ミカドの悩みのタネとなる。その上、濡れ衣を着せられてる状況にも関わらず自由を得たと捉えて空賊とケンカしたり、挙げ句そのボスになっちゃったりする問題児。
しかしどんな状況でも常に家族や国家のことを案じており、度量が広く、統率者としての才気に満ちた人物である。 - ジャオ/マオ
ヤフトマー近辺を活動区域とし、「千の武器を狩り集める」ことを目標に武装船相手に略奪行為を繰り広げる空賊「テンコウ」の副頭目。サルガッソーを突破したヴァイス達に手荒い歓迎を施した。
姿がうり二つで、セリフも共有してしゃべる双子。
もとはテンコウの頭目だったが、流刑されたダイゴを襲撃して返り討ちに遭ったことで、頭目の座を献上した。
バルア帝国
世界征服のため侵略行為を繰り広げるバルア中枢部の人物達。皇帝が最高位で、側近のガルシアンを筆頭にアルマダ艦隊が組織される。
アルマダは6隊[5]で編成され、指揮官である提督の直上に総司令のガルシアンがいる、わりとシンプルな構成。
基本的には敵なのだが、単なる敵対関係では割り切れないドラマが綴られる。
- テオドーラ
CV:小宮和枝
バルア帝国皇帝。
支配欲と独占欲にまみれ、典型的な恐怖政治により帝国を動かす。バルアが侵略国家となったのもだいたいこいつのせい。
人の話を聞かない上、ヒステリックですぐに癇癪を起こす。人を見る目もなく、ガルシアンの本性を知らず全幅の信頼を置くなど、施政者としての能力は皆無に等しい。 - ガルシアン
CV:有本欽隆
バルア帝国の護国卿にして、アルマダ艦隊の総司令官。
クセ者ぞろいのアルマダ提督を一手にまとめ上げる優れた指揮官。本人も卓越した技量を誇る軍人で、巨大な剣を武器に戦う。
テオドーラから絶大な信頼を受ける一方、近隣諸国にとってはとてつもない脅威としてその名を馳せる。
帝国への忠誠心は微塵も持ち合わせておらず、腹の底に大いなる野心を秘め、腹心のラミレスを除き他者を一切信用せず行動する。
本作の黒幕。 - アルフォンソ
CV:置鮎龍太郎
アルマダ第一艦隊提督。ストーリーで一番最初に戦う相手である。
バルア帝国屈指の名門貴族出身で、コネ一つで提督まで成り上がった。肝心の実力は軍人としても指揮官としても皆無だが、本人はむしろ自らが帝国一の実力者であるとさえ思い込んでいる。
高慢ちきでガルシアンに対し並々ならぬ敵愾心を抱く。くわえ甚だしい差別主義者で、相手の立場や地位が下と見ればものすごく強気だが、少しでも戦意を向けられると途端に委縮してしまうヘタレである。
褒めるところが何一つ存在しないが、家柄の良さも後押ししてか同類のテオドーラからは厚遇されている。 - グレゴリオ
CV:小山武宏
アルマダ第二艦隊提督。エンリックの教育係を兼任し、互いを「若」「じい」と呼び合う間柄。
先代の皇帝から仕えるバルア随一の忠臣だが、平和を重んじる穏健派でもあり、テオドーラが推し進める徹底的な侵略行為に対し複雑な思いを抱いている。
巨大な盾を携え、守りの戦いが得意。砲撃戦においてもその防御力を発揮する。 - ビゴロ
CV:菅原正志
ウホッ!いい提督…
アルマダ第三艦隊を指揮するいい男。見上げるほどの長身を歪みねぇ筋肉で武装し、制服のボトムスに取り付けられたファールカップがすごく・・・大きいです・・・。
「男の強さは抱いた女の数で決まる」[6]を座右の銘(当人は家訓と自称)とするノンケ。ナスラードで拘束されたアイカを一目見て気に入り、インナー姿で夜這いを仕掛けるといういかん…いかん! 危ない危ない危ない…(表現規制的な意味で)なシーンを演出した[7]が、返り討ちに遭いだらしねぇ姿を晒した。以来ヴァイスを恋敵と認識し、戦いを挑んでくる。
実力は高いが別段帝国に対する忠義は持たず、敵には違いないが他の提督とは一風変わった形で関わることが多い。
火力にモノ♂を言わせる攻撃主体の戦いを好み、白兵戦でも手に抱えられる程度のキャノン砲~!を携えて臨む。 - ベレーザ
CV:天野由梨
アルマダ第四艦隊提督。アルマダの紅一点で、情報戦を駆使して流血なく勝利することを重んじる、バルアきっての知将。
第三艦隊と共同で行動する機会が多く、真反対のタイプであるビゴロとの慣れたやりとりは面白い。
実父が戦死した経験から戦争を嫌悪しており、戦わず勝つスタイルも、開戦を避けるために確立したもの。
バルアにより世界を統一させ、戦火をなくすために侵略を推し進める。皇帝の性格見たらとてもそんな未来は望めないが、作中の言動からエンリックに君主として明を見出し、次代に託しているのではないかと見られる。
行動にブレがなく、曲がりなりに自分の正義を持っていることから、ヴァイス達にとっても他の提督とは一線を画した認識を受ける。かなり本気で殺しにかかってきたことは忘れてもらったようだ - デ・ロッコ
CV:二又一成
アルマダ第五艦隊提督。兵器開発も担当するバルアの技術屋でもある。
自分以外を一切信用しない孤高な性格。また自らの技術と発明に高いプライドを持ち、それを扱き下ろしたり傷つける者は、どこまでも執拗に追いかけ息の根を止める陰湿さを持つ。
怒り過ぎて気絶するなどどこかコミカルなキャラだが、実際はアルマダ随一の危険人物といえよう。
ネタバレ?→しかしその正体は戦闘アイテムや砲撃戦用アイテムを多数開発し、戦闘の円滑化に全力で貢献してくれる本作きってのサポートキャラクターだったらよかったのになあ。実際のところ、設定上彼が開発したとされるアイテムは実用的なものばかりで、陰の功労者と言っても過言ではない気がする。 - ラミレス
CV:緑川光
上官であるガルシアンに盲目的と言えるほどの忠誠を誓い、刃向かうものを容赦なく斬り捨てる冷徹な剣士。
ガルシアンにとっても唯一、全幅の信頼を寄せる腹心の部下であり、護国卿副官という要職に就かせ、のちにアルマダ第六艦隊の提督に抜てきされた。
寡黙な上に感情を表に出さず、張り付いた仮面のように表情を変えることもない、妖しく不気味な雰囲気の青年。
ファイナのことを個人的に知っているようだが…?
ネタバレ→銀の月の民の末裔で、ファイナの幼なじみ。彼女より先に下界に降り立ち、月晶の捜索を行っていた。
かつては優しい兄のような存在だったと言い、その豹変ぶりにファイナも驚きを隠せなかった。
彼が変貌した経緯については「レジェンド」にて語られている。
クルー
デルフィナス入手後、艦の乗組員としてヴァイスに助力してくれるキャラクター達。
従事する職務ごとに二人おり、一方が搭乗。それぞれがデルフィナスの能力を強化するか、クルー技を使えるようになる効果を持っている。人気者とかそれ職業なのだろうか
その他
- モービス
島ほどもある巨体の鯨。世界中の海で暴れ回り、多くの船を沈めてきたことから船乗りたちに畏れられている。
周囲に濃霧をまとい付かせる生態が特徴で、これの発生が出現の前兆とされる。ドラクマもこの生態を利用してモービスを追っていた。 - ベレナ
マランバの街で評判の踊り子で、ヴァイスが見とれるほどの美女。アッシーに逃げられて立ち往生するヴァイス達に自分の船を貸与し、ピュラミス神殿へ案内した。
父親が戦死した経験から戦争を嫌悪している。
ネタバレ→正体はアルマダ第四艦隊提督ベレーザで、月晶を求めるヴァイス達を利用するために接近。変装までして直接敵に接触するアクティブなリーダー。
一時限りのちょい役ポジションにも関わらず立ち絵が用意されている、随分と優遇されたキャラクター。 - 長老/大長老
ファイナの育ての親。首長にあたる大長老を筆頭に8人の長老がいて、全員が古代文明の生き残りである。
銀の月の神殿で永きにわたり静かに過ごしてきたが、地上の異変を察知し、月晶を持ち帰らせるようラミレスとファイナを地上に遣わせた。
ネタバレ→実は銀のギガスを生み出し、地上に滅びの雨を降らせた張本人である。事後、起動に6つの月晶を要するほどの封印を施した上で銀の月の文明の大陸ごとギガスを沈めたが、今また滅びの雨を降らせるため月晶を欲した。派遣した二人にはその事実と真意を告げていない。 - 盗掘者シモン
希少なお宝を狙う盗掘家の一門。お宝のためならガルガンチュアだってサルガッソーだって潜り込む仕事人。
ギガス
かつて六大文明が地上制覇の為に生み出した破壊兵器。起動には“月晶”と呼ばれる、高純度の月煌石の結晶が必要。
いわゆる負の遺産であり、人の手に余る力が再び使われる事がないよう、月晶ともども封印されていた。
起動した人物を主と認識し命令に従うが、気絶したりして命令が出せない状況に陥ると暴走を起こす。
レドキュラム - 猛き赤の月晶(たけき-)
ナスルの砂漠に建立されたピュラミス神殿に封印されていたが、広場にある埴輪の頭のようなオブジェクトがギガスの本体だった。ベレーザによって開放され、生身のヴァイス達を本気で殺しにかかってくる。
大きな胴から4つの首を生やし、四本足で移動する何とも形容しがたい不気味な外見を持つ。
最初に戦うギガスで、レッドレイの薙ぎ払え!と言わんばかりの甚大な威力、ラムキャノンの一撃をものともしない装甲と、ここまでの砲撃戦の相手と比較にならない、規格外の強さを誇る。
撃破は不可能で、何とか攻撃を避けるよりほかない。
グリデ・ガルデ - 麗しき緑の月晶(うるわしき-)
緑の月の文明が生み出したギガス。エヴァンゲリオンみたいな巨人の姿をしている。
バルアを追い払いたい一心でモンテスマ王が繰り出したが、強大すぎる力を手に余らせ、暴走させる結果となる。
殴ったり踏んづけたり岩を投げたりなど、人型らしい攻撃を得意とする。
レドキュラム同様撃破はできず、知略によって勝利を収める必要がある。
ブリュウホウ - 魁し青の月晶(さきがけし-)
青の月の文明が生み出したギガス。
ヤフトマーの霊峰フガクに封印され、現地では悪しき者を払う神の風「武龍鵬」として言い伝えられていた。
巨大な鳥のような姿で、国家乗っ取りを企てたバルアの内通者カンガンが起動させ、翼一振りでアルマダ艦隊を撤退に追い込む。
デルフィナスで初めてのギガス戦で、これまで無力化を誘うことでしか対策出来なかったギガスに漸く真正面から挑むことができるようになった。 火力はそこまでではないが、次ターンのフェイズ進行を大幅に不利な状況へと追い込む「神の大風」に警戒が必要。
パプニール - 澄みし紫の月晶(すみし-)
ネタバレ→その正体はモービス。紫の文明の民が生きたクジラに月晶を埋め込み、ギガスとして生み出した。いわば巨大な生体兵器である。
時を経てその生みの親がこの世から消え去り、命令者を失った一頭のクジラは悠久の時を孤独に過ごし、その身に余る力に苦しめられている。
イェラーガ - 捷き黄の月晶(はやき-)
黄の月の文明が生み出したギガス。
バルア大陸の中心、タルタスの穴と呼ばれる巨大な空洞で眠っていた。ドラゴンを彷彿とさせる外見が特徴だが見ようによってはサソリとかカメっぽくも見える。
電気のパワーを自在に操り、激しいパワーをもたらして攻撃する。
あまりの獰猛さゆえに古代文明をもってしても応戦すらままならず、結局月晶も回収できないままに封印とは名ばかりのフタの下に閉じ込めるしか手立てがなかった。覚醒して間もない状態であっさりと封印を破り、デルフィナスにその牙を剥く。
有り余る電気の力を放出し、きわめて高火力の攻撃を間髪入れずに繰り出してくる。でもゲーム的には強化されたデルフィナスのかませになっちゃってるのは内緒だぞ
ジェロス
銀の月の文明と共に封印されていたギガス。地上人を粛清するべく銀の月の民が生み出した兵器で、古の時代において滅びの雨を降らせた元凶。
起動には銀の月晶に加えて他の5つの月晶も必要で、6つ揃えて重力を操作するなど限定的な動作が出来る。完全な起動にはさらにもう一つ銀の月晶を必要とする。
銀の月晶は、銀の文明の民が体内に秘めている。生命と共有しており、月晶の抽出すなわち死となる。
作中では、ラミレスが大長老を殺害して月晶を一つ確保した。
GC版追加キャラクター
エターナルアルカディアレジェンドでは新要素が多く登場しており、それにかかわるキャラクターも追加された。
- ピアストル
通称「死神のピアストル」。
大鎌を武器に、お尋ね者を次々と抹殺する賞金稼ぎ。ターゲットにはギルドを通じ斬奸状ブラックボックスを送りつける。
ヴァイスに個人的な恨みがあるようで、執拗にその命を狙う。
銀の煌術と、大鎌を使っての連続攻撃ワイルドダンスが脅威。いいケツしてる - マリア
ドクが引き取り、育てている少女。
実父はバルアの軍人[12]で、父と家族を喪ったことがトラウマとなり、表情と言葉を失ってしまった。
ピッコロだけには心を開いており、成長の度に感情を取り戻していく。 - ドク
フリーの医師として船乗り島付近で行動する男性。かつてはバルア帝国で軍医を務めていた。
ピッコロのエサとなるムーンフィッシュを各地で採取するようヴァイスに依頼。 - ピッコロ
マリアと仲良しのハマチョウで、エサはムーンフィッシュ。一匹食べるごとにアイテム入りの卵を吐き出す。電子ジャーで封印できたりはしない
お尋ね者
新システムの一つ。以下の6組+バルボアを含めた7つの賞金首情報がギルドで確認できる。全員かなりの強さを持ち、ヘタなボスより苦戦しやすい。
- ルピー・レイス/バーツ
「剛腕のルピー・レイス」の異名で知られるが、その剛腕のいい男はバーツというただの付き人で、傍らでビクビクしてる少年がルピー・レイスその人である。
ナスル王国で活動する由緒ある空賊「レイス一家」の跡取りで、代々の従者バーツに担ぎ上げられ、無理やり空賊家業に手を染めさせられている。
が、実は猛烈に裏表がある危険人物でもあり、戦い方を間違えるとプッツンされて痛い目に遭う。 - ラッペン
サンチームが育てた孤児の一人だが、非行に走って養父と断絶。「暴走族ラッペン」の異名通りの外見で、自ら開発した愛機ガンナームを駆り、「明日なき暴走」を繰り広げていた。
サンチーム譲りの技術力で生み出したマシンの威力は半端ではなく、即死武器まで仕込んだ強敵である。 - タラ/リラ/プラ
モンテスマの発見物の一つに「モンテスネスの村」がある。そこを出身とする三姉妹で、村の風習にのっとり婿探しを続けている。
しかしその風習というのが要するに拉致監禁で、婿候補が多数被害に遭い、また候補に漏れたお前らに精神的被害を与える悪質さから首に賞金がかかった。
「モンテスネスの三つ子魔女」の二つ名のとおり巧みな煌術を駆使し、3人の連携技「チャックモール」に強い警戒が必要。 - バイス/アニタ/フィーラ
ヴァイス一行を騙り荒事の限りを尽くしたことで、(本物の)ヴァイス達の評価を落とし「地に堕ちた空賊ヴァイス」と呼ばせるまでになる。
もとはそっくりさんを売りとする大道芸人。正直似てない。フィーラなんか似せる気ゼロ
実力だけは本物に迫り、「カトラスブギ」や「アニタシールド」など性能までそっくりコピーされた必殺技は驚異。 - ダイコクヤ
通りがかりの船を襲っては金品を巻き上げる「黄金空賊ダイコクヤ」。質屋はたぶん関係ない
もとは商人で、典型的な拝金主義者。 空賊行為で暴利をむさぼり、得た金で用心棒を雇ってさらに活発化するという、並の黒の空賊をはるかに超えるたちの悪さから賞金首になった。
「黄金乱舞」で攻撃にまで用いるなどとにかく金づくめで、用心棒は倒しても倒しても矢継ぎ早に召喚してくる。被雇用者を使い捨てるブラックな雇い主なので黒の空賊って言われても別に何も間違ってない - 盗掘王シモン
「盗掘者シモン」一派の頭目で最後のお尋ね者。その潜伏先は…?
地理
本作の世界には海が存在しない。広大な空を魚が泳ぎ、飛び交う船と浮遊する大陸・島で人々の生活が営まれている。
その世界の広さはRPG史上でも屈指で、現実世界の地理や歴史をモデルにした様々な文明・文化が登場。
ゲーム開始時の地図には拠点のあるオーシャン周辺くらいしかないが、未踏の地へ訪れる事で地図に載る場所もだんだんと広がって行く。
完全な世界地図を描き、不可能破りの男となった時にはさらなる挑戦が待っていることだろう。
ワールドマップの音楽は3曲ある。いずれも訪れる地域の特色に応じたパートが追加され、その場所の特性を肌で感じることができる。
オーシャン
世界の中心部で、物語が始まる場所。
銀の月[13]を仰ぐ、晴れ渡った大空にまばらに島が点在する空域。空賊島の付近ではハープによる副旋律のアレンジが加わる。
- 空賊島
ダイン一家が本拠地とする島。地名が忍ぶ気ゼロ
地上にはのどかな村があり、アルバトロスのドックを兼ねた本部が地下に隠されている。 - 神殿島
謎の遺跡がそびえる無人島。周囲の人は、気味悪がってわざわざ近付こうとしない。
この島に墜落した、銀の月煌石を回収しにいく事が冒険の始まりとなった。 - 船乗り島
北にバルア、東にナスラードを臨む交易の要所で、名の通り船乗りが絶えず集う賑やかな島。
ナスル王国
オーシャンの東の大陸を国土とする国。
火と熱の力をつかさどる赤い月の影響下にある高温の乾燥地で、国土のほぼ全域が砂漠となっている。
商業国家で、軍事力はバルアに匹敵。国防に余念がないバルアと比して攻めに偏重した軍事主義を持ち、両者間で幾度か戦争が勃発している。
アラブ世界を広くモデルとした雰囲気の場所で、周辺空域ではシタール(インド音楽でよく聴くアレ)の旋律が流れる。
- ナスラード
船乗り島と空峡で結ばれた位置にある、ナスルの王都。
城壁と、豊かな水で彩られた都で、玄関口となる南ダネル空峡では警備隊が入国を取り締まっている。
さらに王都裏の北ダネル空峡は不用意な船を飲み込むほどの激しい気流が渦を巻き、この2点で強固な国防を成立させている。 - マランバ
ナスラードとは岩礁で分けられた場所にある街。
交易の中継地で、激しい流砂に隔てられたところをクルルという動物に乗って移動する。
ピュラミス神殿に近いこの場所に降り立ったが、ドラクマに置いて行かれてしまい…。 - ピュラミス神殿
赤の月晶が封印された、大陸の奥に鎮座する遺跡。内部はそこかしこに溶岩が流れる灼熱地獄で、多数のトラップが行く手を阻む。
エジプトのピラミッドがモチーフ。
モンテスマ
サウスオーシャンを抜けた先に広がる大陸。気流と断崖によって南北が隔てられており、交易に不利な地理であるため文明の発達が遅れている。
生命力をつかさどる緑の月を仰ぐ地域で、大陸全土を覆う大森林と、風に舞う木の葉が印象的。
アステカやインカの文明を生み出したメソアメリカをモデルとしており、コンガの軽快なパーカッションが奏でられる。
- ホルテカ
モンテスマ原住民が暮らす集落。木をくり抜いた倉庫や滑り台など、地形地理を利用した作りになっている。
バルアにより男手がすべてさらわれており、王は処刑を逃れ、集落から離れた小屋に避難している。 - ドラド
モンテスマの伝説に伝わる神殿で、緑の月晶が封印された場所。
高空域に突き出た高台の上に鎮座し、麓にある門から上っていく。道程にはいくつものクレーターがあり、滅びの雨の激しさを今も鮮明に物語っている。
中南米のピラミッドがモチーフ。名称はアンデス地方の黄金郷伝説エル・ドラードから。
- ノースオーシャン
バルア大陸西から広がる空域。モンテスマとつながっており、バルアはここを経由してモンテスマに侵攻した。
黄の月の影響か、全体的に薄暗く、どんよりしている。良漁場で知られるが、怪物の存在も噂されているとか。
バルア帝国
もっとも進歩した文明を持つ国。
発達した技術を軍事に注ぎ続けた結果、世界最強の勢力を有するアルマダ艦隊が生み出された。
世界全体を支配するべく強硬な侵略行為を展開しており、近隣諸国との衝突が絶えない。
地理的にはオーシャン北部の大陸を領有。電気のエネルギーをつかさどる黄の月の影響により、大陸全土を分厚い雷雲が覆っている。
植民地主義時代の欧州諸国がモデル。アルマダという名称も、もとはスペイン・ポルトガル語で海軍を示す単語である。
付近ではマーチ調のドラムパーカッションが追加される。
- 帝都
大陸南部、オーシャンを臨む位置に築かれた都市。
周囲の地形は円形にくり抜かれ、断崖絶壁に覆われる。さらに正面に鎮座するガルガンチュア要塞により、まさに鉄壁の国防を有する。
宮殿を中心に、向かって左手に貴族の住む上級地区、右手にスラムである下級地区で構成され、宮殿とガルガンチュアは列車で接続されている。
激しい貧富の差があり、毎日遊んで暮らす貴族がいる一方、下級市民は食うにも困る生活を強いられ、唯一の娯楽は公開処刑のみ。 - ガルガンチュア要塞
バルア帝都の門扉を兼ねた要塞。毎日正午のみ、商船等の出入りのために開かれる。
ナスラード軍の集中砲火を喰らってもびくともしない防御力と、その裏にびっしりと配備された要塞砲の火力により攻防一体の性能を誇る。
内部にはアルマダの本拠地がある。受刑者はここに収容され、閉じ込められた者は死体になってようやく要塞を出られると言われる。 - タルタスの穴/タルタスの神殿
大陸の内部にぽっかりと空いた大穴。ここに黄のギガスが封じられている。
封印の際にフタとして用いられた石版が大陸中央の盆地にあり、神殿として奉られる。このフタが分厚く移動させるのはきわめて困難で、神殿から穴の内部に侵入することは不可能。後に大陸底部の亀裂から侵入することになる。
神殿の形状はストーンヘンジがモチーフとなっている。
- エスペランザ
ナスル大陸最南端の岬にバルアが建設した街。
南西の未開空域を攻略するための中継地として築かれ、まだ見ぬ空域への到達を夢見る船乗りによって名付けられた、希望の街である。しかし南西空域サルガッソーを越えられず、船の難破も後を絶たなかったことから空域越えの計画が頓挫。
街は打ち棄てられ、希望を奪われた人々が酒浸りの日々を送っている。 - サルガッソー
猛烈な気流が渦を巻く空域。ここを中心に、分厚い気流の壁が四方へ伸び、世界を分断している。
数多の船舶を飲み込み、空域越えを志す船乗りの夢を破ってきた魔の空域である。
気流の切れ目から内部へ侵入できる。内部の気流は穏やかで、そこかしこに苔むした難破船が眠り、それを包むように巨大植物が絡まった異様な空間が広がる。
暗く不気味な雰囲気とBGM(サントラ未収録)から、本作屈指のトラウマスポットと名高い。
モデルは魔の海伝説で知られるサルガッソー海。現実のサルガッソー海も、4つの海流が大きな渦巻きを作り、そこに海藻が滞留する海域で知られる。
ヤフトマー
サルガッソーを突破した先にある、水と風の波動をつかさどる青の月を仰ぐ国。
他の国家と分断された地理により、独自の文明を築き上げた。
風の力を造船技術に利用し、他国の船では到達できないさらに高い空域や、大雲海に近い低空域を航行する船を流通させている。
日本を含めた東洋文化圏がモデルの地域で、和楽器の打ち鳴らしで異国の雰囲気が醸し出される。
- フガク
ヤフトマーの北部に鎮座する山。風光明媚な姿から霊峰として崇められている。
高空域に突き出た山頂からは広大な火山湖が広がり、その深部に青の月晶が封印されている。
言うまでもなく、モチーフは富士山。名称は富嶽三十六景から。
氷の大陸
氷と冷気をつかさどる紫の月を仰ぐ、名前通り大陸全土が氷床に覆われた大陸。
険しい気流に囲まれ完全に遮断された場所にあり、閉ざされた世界としてその存在を知る者はいなかった。
極圏、とりわけ南極をモデルとした地域。タンバリンの鈴音をはじめとしたクリスマスソング風のアレンジが上空のオーロラと良くマッチし、優美な雰囲気を醸し出す。
- グラシア
氷の大陸でひっそりと眠りにつく、紫の文明の遺跡。
地底部から雲海を仰ぐように建物が突き出た大きな街。地上が氷床に守られているため、滅びの雨による被害を受けることなく、その美しい姿を保ち続けていた。
原住民は太古の時代に忽然と姿を消してしまい、街に残るは氷の力を持つモンスターのみ。
名称は氷を意味するラテン語glaciaから。優美さを表すスペイン語「gracia」もおそらくは含まれている。
- 低空域
空域下部の雲の層を突き抜けたさらに下、大雲海すれすれのわずかな標高を指す空域。
多くの大陸の地底部がここに突き出ており、陸と雲に遮られて光が少ない。気流の壁もあるので見通しが悪いが、モンスターは出てこない。 - ダングラール基地
大雲海攻略の拠点として、神殿島付近の低空域に建造されたアルマダの基地。 - 大雲海
低空域よりさらに低い場所。
名前通り、どす黒い雷雲に覆われた暗闇の世界で、きわめて気圧が高いため装甲を強化して潜入する必要がある。
- 銀の月の神殿
銀の月の民が定住する神殿。ファイナはここからやってきた。
地上人の生活圏のはるか高空に位置しており、地上の船でここまで到達することは不可能。[14]神殿内部には上下の概念がない不思議な空間が広がる。 - アトランティア大陸
太古の時代に銀の月の民が栄えた大陸。
オーシャンの中心に存在していた大陸で、滅びの雨を降らせた後、銀のギガスともども大雲海に沈められた。その際に残った大陸のかけらが現在の神殿島である。
悠久の歳月にわたり眠りについていたが、ギガスを御する力を手に入れたガルシアンの手に渡る。
浮上した大陸は、銀の文明のテクノロジーが結集したまがまがしい姿を持ち、世界中の気流の壁を消滅させてしまうほどの変化をもたらした。
どんな兵器も受け付けないバリアを発動し、滅びの雨をちらつかせながら各国を支配するガルシアンの本拠地と化す。
伝説の超古代文明アトランティスがモデルとなった場所で、本作のラストダンジョン。
発見物
本作のやりこみ要素の一つ。
世界中に存在する珍しいもの・場所をギルドに情報提供することで報酬を入手できる。
発見物の情報には鮮度があり、他の冒険者に先駆けて得た情報には高額な報酬がもたらされる。
実在する史跡や事象も多いが、本作の世界観にマッチしたようなおもしろい発見物も。
GC版では発見物の種類が増えた。 以下は発見物の一部である。
- だんご岩
絶対に最大価格で売れない唯一の発見物。[15] - 水先案内の碑
いわゆる案内標識。こんなのでも自分が見つけたと言い張れば金になる。 - ピュラミス神殿
- 氷の大陸
旅の目的地が発見物になる例。 - 黄金像
シナリオ上、発見を必須とする発見物の例。 - ダスカの地上絵
名前をヒネる気ゼロの発見物の例。 - クラーケンの巣
- 幽霊船
海洋文学の人気者。 - 黒い月煌石[16]
回収される気配のない続編フラグ。 - ギョクモン関
- 鋼鉄の星
絶対だれかが見つけてそうなものでも自分が見つけたと言い張ればry - 嘆きの皇子像
輪っかを吐いたりはしない。 - 世界一周航路
おそらくもっとも誉れ高い、記念碑的な発見物。 - ペンギン
- さかさウサギ
かわいい。 - 月煌石の滝の水源
すごくいい眺めだけど一回しか見られない。かなしい。 - ワタリチョウ
探索に苦労する発見物の筆頭。 - 地獄の煙突
夜トイレに行くのが怖くなる発見物の例。 - 古代魚
発見後は獲れる。[17] - 紙の翼
最大の敵はエンカウント。 - 幻の船乗り島
誰が間違えるんだよ…。 - ツキミハマチョウ
正体はピッコロ。
客演作品
- 戦場のヴァルキュリア
旧オーバーワークスのスタッフが開発した本作、および続編の3にメインキャラ3人が参戦。新たにミドルネームが振られており、兵種は“突撃兵”ヴァイス・イングルバード、“偵察兵”アイカ・トンプソン、“衛生兵”ファイナ・セラーズ。 - ソニック&オールスターレーシング
主人公ヴァイスが、ブラバム開発のマシンに乗り参戦。ホームステージは青の空賊島で、途中アルマダ艦隊の砲撃がステージギミックに登場。ヒュドラまで出すとか本気すぎる
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関連項目
脚注
- *ゲーム開始時は緑と赤の月煌石しか持っていないが、順番に取得していき、ファイナ加入と同時に6属性が揃う。
- *装備を付け替えても、こちらの一振りは固定でずっと使い続けている。
- *具体的に、彼の最初の必殺技「憤!」の消費ガッツは10。状況によっては3ターンかけてようやく溜められるだけの量を一気に消費するのは決して良策とは言えない。
- *最初にギルダーと合流する時点では、ストーリー上ヴァイスとアイカが別行動を取っており、そのための調整と思われる。
- *ゲーム開始時点では5隊だが、間もなく第六艦隊が新設される。
- *これを聞いたギルダーは深く感銘を受けていた。
- *なんと上半身に何も着ていない。さすがにヤバかったようで『レジェンド』では黒のタンクトップを着ているように修正された。
- *当時リトルジャックには未登載の装備で、この戦闘に勝利することでリンクスから奪い取り、使えるようになる。
- *部下/仲間のキャラが2人追従する。
- *「水夫=クルー(crew)」なのだが、本作では雑用係くらいの意味合いで使われている模様。
- *貴重なアイテムが入手できるビジュアルメモリ用ミニゲーム「VM探検隊」の案内係を兼用。『レジェンド』では削除され、追加敵キャラクターからのドロップで入手する。
- *ガルシアンの先代の護国卿で、ドクとラミレスが当初仕えていたのもこの人物。
- *「有/無の力をつかさどる」という大まかなこと以外が判明しておらず、謎が多い月とされる。
- *現実世界で言えばほぼ宇宙空間に相当する高さにあると思われる。確かに船では行けない
- *該当箇所を訪れる時点で既にギルドに情報が流れてくるため、どうやっても最高値で売ることが出来ないのである。
- *「正=負」の力を操作する特性が判明しており、サルガッソー付近に、この月煌石の影響で天地が逆転した「逆さ島」という発見物が別に存在する。
- *現実のシーラカンスは非常に不味い上、肉に大量のロウを含んでいるため食べると下痢を起こす。
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