任天堂株式会社(Nintendo Co., Ltd.)とは、京都に本社を置く、日本を代表する世界的玩具メーカーである。代表取締役社長は古川俊太郎(2018年6月28日~)。
概要
1889年(明治22年)に「任天堂骨牌」として創業。現在は自社独自のハード・ソフト一体化型のビデオゲームを開発・発売するメーカーとして有名であるが、元々は花札やトランプなどのカードゲームを生産する会社として創業しており、こちらの分野でも今なお日本最大のシェアを誇るメーカーとして商業を続けている。
黎明期の有名な逸話としては戦前、花札とタバコの箱のサイズが一緒である事に気づき、日本専売公社(現JT)と組んで全国の流通網にカードゲームである花札を浸透させる事に成功。後に世界で初めてプラスチック製のトランプを製造、これが世界で受け入れられ、現在のスタンダードとなった。
社名は創業者である山内房治郎氏(中興の祖である山内溥氏の曾祖父)が命名したが由来は不明。「運を天に任せる」という言葉が由来という説もあり。ほか「株式会社丸福」「任天堂かるた株式会社」「任天堂骨牌株式会社」などの社名変更を経て1963年に「任天堂株式会社」に改められ現在に至る。
経営指針
任天堂は古くから「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神に基づき、オリジナリティの高い独自の娯楽製品を生み出す事を重視している。
ニンテンドーDSが同社のメインプラットフォームとなった2005年以降は、ゲームをプレイするまでの心理的障壁や抵抗感を撤廃し、年齢・性別・過去のゲーム経験を問わず誰にでもゲームをプレイしてもらえる環境の構築を目指す「ゲーム人口の拡大」を基本戦略としてゲーム事業を進めてきた。君島達己が社長に就任した2015年以降はそこから更に「任天堂IPに触れる人口を拡大する」方向に進み、自社が保有する世界的に有名なIPの数々を活用して、異業種との提携・コラボレーションやキャラクターグッズ販売、イベント開催といった展開を積極的に推し進めるなど、新たな動きを見せている。
1980年代から現在に至るまで、ハード・ソフト一体型のビデオゲーム販売がビジネスの中核となっているが、同社のメインプラットフォームがスーパーファミコンからNINTENDO64へ移ろうとしていた時代、64本体の度重なる発売延期、3Dの導入による開発環境の複雑化、当時の任天堂のサードパーティ軽視の体制、近代ではサードパーティ製ゲームライブラリへの貧弱なサポートなどといった数々の要因が重なり、プレイステーションを始めとする競合ハードにシェアを大きく奪われる事になる。これによって長い期間に渡って任天堂の懸念とされていたいわゆる「サード離れ」を起こすきっかけとなってしまった。
これ以降、任天堂は自社で一定の販売タイトル数を確保する戦略を取るようになり、外部開発会社等を金銭的・技術的に支援したり子会社化(レトロスタジオ、モノリスソフトなどがこれに該当)するなどして、開発ラインの大幅な拡充を図っている。Nintendo Switch時代になると、デベロッパーに対し独自開発したゲームエンジンとライブラリを提供する体制から一転、UnityやUnreal Engineといったサードパーティ製エンジンにも対応。さらには開発キットを低価格で提供し、サードパーティの取り込み・拡充を行っている。
経歴
〜1990年代
1950~60年代は育児関連用品やタクシー事業やホテル経営、文具販売やら多角経営に乗り出そうとした時期があったが失敗した為、即座に切り上げている。社会情勢的にはこれ以降に多角経営が流行りはじめ、バブル崩壊まであらゆる大企業が手を出していた中、敢えて玩具専業を突き進んだ。
1966年に『ウルトラハンド』を生み出した後は『ラブテスター』『光線銃』などといった電気電子技術を利用したオリジナル玩具も開発製造するようになった。これらの商品の発展系が後に1980年発売の『ゲーム&ウオッチ』へと繋がる。
1983年にほとんど伝説と化した『ファミリーコンピュータ』を発売、1989年に『ゲームボーイ』、1990年には『スーパーファミコン』を世に送り出し、ゲーム業界の発展に大きく携わり、地位を確立する。
しかし1990年代半ば、スーパーファミコンのソフトが高騰を続ける一方、1994年に発売されたセガのセガサターンとSCEのプレイステーションが、本体の価格競争を繰り広げつつ急激に販売台数を伸ばす。任天堂も1996年に次世代機のNINTENDO64を投入するが、開発の難しさからソフトが揃わなかったこともあって任天堂は国内でのシェアを喪失してしまった。ただし、国内では低迷するNINTENDO64も北米では好調であり、世界的なハードシェアで負けている時期もしっかり利益を上げていた。
2000年代
2001年に次世代機のニンテンドーゲームキューブを発売。しかし本ハードはNINTENDO64の低迷をさらに上回る任天堂始まって以来の販売不振となり、確保していた北米でのシェアすらも失う形となる。またマイクロソフトがXboxで家庭用ゲーム機市場に参入し、世界シェアでも3位に陥落した。経常利益も500億を割ったが、それ以外の年はほとんどが1000億前後である。一方で『ポケットモンスター』の記録的な成功により携帯ハード事業は極めて好調で、この時期の任天堂を支える事となる。またこの時代ですら、無借金経営という夢物語みたいな磐石態勢まで確保しており、手持ちのキャッシュだけで向こう10年全社員の給料を賄えたとかなんとかでとにかく強固。
2002年に山内溥が直々に指名した岩田聡に社長が交代。2004年、ニンテンドーDSとWiiを発売。これにより市場シェアNo.1の座を取り戻すことに成功。売上高が急速に伸び、連結で1兆円を突破することとなる。これはSFC時代の3倍以上の数字である。この2つのハードはこれまでのゲームハードとは違い、直感的に入力できるデバイスをコントローラーにすること、および日常生活に直結する分野に関わるソフトを導入することにより、これまでゲームに手を出すことのなかった人たちにも受け入れられ、ゲーム機という存在そのものの寿命を延ばしたとも言われている。
2010年代
2011年、ニンテンドー3DSを発売するも発売直後に苦戦。発売わずか5ヵ月で1万円の値下げに踏み切りざるを得なくなる。大幅値下げにより価格も逆ザヤ状態となり、2011年度決算では株式上場以来初の最終赤字を計上することになった。しかし値下げは結果的に功を奏し、その後の3DSの健闘によって翌年には黒字復帰を果たす。しかし2012年に発売したWii Uもまた低調な販売となり、2013年度には再度赤字に転落。
2014年、新規事業領域としてQOL(Quality of Life)向上プラットフォームビジネスへの参入が発表された。既存のゲームビジネスのノウハウ活用や相乗効果を狙ったもので、2015年4月以降の事業開始を予定していると発表されていたものの、2018年現在その後の情報はない。
2015年、DeNAとの業務・資本提携に合意。任天堂IPを活用したスマートデバイス向けゲームアプリおよび様々なデバイスに対応した新たな会員制サービスの共同開発を行うことを発表した。同時に、新たなゲーム機として「NX」を開発中であることも明らかにした(2016年、正式名称を「Nintendo Switch」とすることが発表)。この資本提携で任天堂はDeNAの株を10%取得し、第2位の大株主となった(DeNAは任天堂の株を1.24%取得)。
同年7月11日、岩田が、代表取締役社長在任のまま逝去。2014年6月に胆管腫瘍を患っていたこととその手術を受けたことを公表していた。順調に社長業に復帰したかに見え、2015年6月には株主総会で続投が決定されたばかりだったが、容態が急変したという。その後、常務取締役であった君島達己が同年9月16日より代表取締役社長に就任することが発表され、同時に代表取締役専務である竹田玄洋と宮本茂はフェロー(簡単に言えば専門知識に関して社長にサポートする役割)と言う役職に就任することになった。
2017年3月にはNintendo Switchを発売。据え置き機と携帯機を融合させた新たなコンセプトの元設計され、発売直後からキラーソフトを揃えたことなどから国内では生産が追い付かないほどの好評を得る。本体がプレミア価格となる事態が解消された後も順調に販売が進み、発売僅か10ヵ月で1400万台以上という記録を達成(推定)。これは歴代ゲームハードの最速ペースである。同年4月に総合卸業のジェスネットを子会社化、ならびにジェスネットが同じく総合卸業であるアジオカのビデオゲーム卸事業を買収し、任天堂の国内の販売事業を強化することになった(ちなみに現状では任天堂の商品を仕入れる際には大抵ジェスネットかアジオカ経由となっている)。
2018年3月期、前年に発売したNintendo Switchとその主力タイトルの世界的大ヒットにより、連結売上高が7年ぶりに1兆円を超え、営業利益が1775億円となる等、DS・Wii時代と比較すると低迷気味だった業績が大きくV字回復。また、2015年に岩田聡の急逝を受けて中継ぎの社長として任命された君島達己が今期を以て社長の座から退き、代わりに現取締役常務執行役員である古川俊太郎が新社長に就任する事が発表された。
ソフトについて
任天堂はハードホルダーであると同時に、世界最大クラスのソフトメーカーでもあり、自社(もしくは直轄の子会社)で制作されるソフトの本数が非常に多い。
同社の看板である『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』、各種メディアと連動した一大ジャンルと化した『ポケットモンスター』といった代表的なメガヒットタイトルを柱に、『メトロイド』、『ファイアーエムブレム』等に見られる主にコアなユーザーが好むシリーズ、そして『脳トレ』や『WiiSports』といった今までゲームに関心を持たなかった(ライト)層をターゲットにした物まで、ジャンル・ユーザー層共に非常に幅広い範囲を網羅している。
ただ、任天堂の指針としてはどのようなタイトルであっても、ただ単純にコア層向け=複雑で難しい、ライト層向け=シンプルで簡単という風に切り分けてしまう訳ではなく、誰しもが楽しめる設計の「万人向け」を目指しているようだ。実際にコア層向けと言われているシリーズも、多くはゲームを進めていけば自然に操作に慣れるような作りになっているし、かの『スーパーマリオブラザーズ』もルールや操作はシンプルながら難易度に関しては高めである。
ゲーム市場の中心が海外に移った現在でもその地位と人気は健在。全世界市場で歴代ソフト販売本数のランキングを見ると、史上ベスト30(PCマルチまで含む)の内20本近くが任天堂発売のソフトとなっている。
このように任天堂が扱うシリーズタイトルには人気・知名度が圧倒的な物もある為、近年では外部のソフトメーカーに『マリオ』や『ゼルダ』等の自社IPのライセンスを供与し、サードパーティが任天堂キャラの登場するタイトルの開発・販売を行うケースも増えている。それとは別に数十年前の時代、任天堂も自社タイトルのライセンス供与に協力的だった時期があり、かつてコレコビジョンの日本での販売権獲得のために『ドンキーコング』のライセンスを供与している。これはファミリーコンピュータ発売の前年の話であり、『ドンキーコング』の家庭用移植は実はコレコビジョンが最初だったのである(このコレコビジョンの販売権を得る為の交渉が破談した結果、ファミリーコンピュータの開発がスタートしたとか)。また、ファミリーベーシックの開発を依頼するなど交流のあったハドソンに、パソコンへの自社ソフト移植の許可を出したりもしている。他にも、幻に終わったスーパーファミコン専用外付けCD-ROMドライブ開発の見返りとして、フィリップス社のCD-i向けに『ゼルダ』のライセンスを供与しているのだが・・・ これがとんでもない問題作なのは一部の層の間では有名であろう。
ちなみに、世界的に高い支持を受けている優良企業でありながら、ブラックユーモアや隠語をゲーム内のテキストに堂々と入れていたり、一歩間違えばR指定に繋がるショッキングな描写や、一定のプレイヤーにとってはトラウマになるレベルの恐怖感を煽る演出・設定が用意されているタイトルもあり、ニコニコ動画では「黒い任天堂」としてその片鱗を見ることが出来る。
ハードの特徴
まず、何よりも頑丈に作られている。この設計は、小さな子供が乱暴に扱っても壊れないようにするためだといわれる。そのためかハードの寿命が驚くほど長く、長期(20年以上)経過したものでも通常通りに稼動する場合が多い。また、携帯機にいたっては「爆撃されても稼動する」という“伝説”を持っている。
参考記事:湾岸戦争で爆撃を受けて、ボロボロになったゲームボーイのムービー(GIGAZINE)
また、海外で耐久度をテストした動画が多数登場したためか、ゲームキューブの異常な頑丈さは有名である。下の3つの動画が有名だろう。
ニンテンドーDSでは、水没させても数日乾かせば再び電源が入るといった驚くべき事例も存在する。(もちろん防水仕様ではないので、壊れる確率の方が高い)
ちなみに、最も頑丈なのはおそらく家庭用版スペースフィーバー(148000円)だろう。もっとも、家庭用といってもいわゆる実機嫁ニーズに対応しただけで外見も中身もアーケード版そのものであるが…
頑丈さにばかり目が行きがちだが、ハードの設計・構造が同時期の他社のゲーム機で比べシンプルである。故・横井軍平氏により提唱された「枯れた技術の水平思考」という思想が、任天堂のモノづくりの原点にある。それが毎年1千億以上の利益を出す任天堂の秘密でもある。例えば、DSではタッチパネル、Wiiでは加速度センサがそれに当たる。現在は様々な携帯機器に搭載されているタッチパネルだが、DSが出る前は、携帯機器での搭載例はPDAぐらいだった。ある意味DSによってタッチパネルがより注目されるようになったとも言える。他に、徹底した(品質に影響しない)コストダウン志向でも知られる。例えば、共通部品であるACアダプタを後継機では別売り化するなど(カラーTVゲーム6/15→カラーTVゲームレーシング112→カラーTVゲームブロック崩し、ファミコン→スーファミ→N64)。
「枯れた技術の水平思考」というフレーズは、2chの携帯ゲーソフト板のデフォルト名無し(枯れた名無しの水平思考)にも採用されている。
バーチャルボーイや64DDの大不振で任天堂が潰れるのではないかと思われたが、その年も順調に儲けていた。
なお、2009年度3月期決算は(100年に1度の不況とも言われているような状況でありながら)純利益2790億円、前年比8.5%増と(リンク先)不況とはまったく関係無く、苦戦と言われていた時期も結果としては順調に利益を上げていたが、赤字を記録する年もあり、利益を確保するのに苦戦していた時期も存在していた。
修理対応の伝説
一般的に、電気製品を修理・交換に発送するとなれば修理代と送料は購入者の負担というのが普通の発想である(一応修理料金の目安はある)が、任天堂に発送した場合、原則として修理代0円、送料無料で帰ってくる、という話が都市伝説のようにまことしやかに語られている。有名な具体例では、
- 「保証書はあるものの既に保障期間切れになった故障本体を送ったら、無料で新品が送られてきた」
- 「明らかに本体ごと新品に交換した様子なのに、子どもが旧本体に貼ってあったステッカーが寸分の狂いも剥がし跡もなく新本体に貼り直されていた」
- 「ゲーム自体に疎い母に修理に出してくれと頼んだところ、あろうことか母が京都本社まで直接行ってしまったが、門前払いどころか社長室に通され社長自らが修理依頼の応対に出た」 etc...
参考:Google検索結果 任天堂 修理 伝説 に一致する日本語のページ 約 1,300,000 件
普及数の影響かニンテンドーDS/DSLiteの件数が際立って目立つ。あまりに出来すぎた美談ばかりなので今もなお「ネタ乙」「都市伝説だろ」と言われるが、筆者の場合もチュンソフトのオンライン対応RPG「ホームランド」のマッチングサーバー用に約半年間電源入れっぱなしにした結果、遂に本体ディスクドライブが擦り切れ、認識不良に陥ったゲームキューブを発送してみたところ、本当に無料でドライブが交換されて帰ってきた経験が実際にあり(2005年当時)、実話であることを認めざるを得なくなった…。
痛DS、痛PSPクラスのデコレーションをしてあってもステッカーの範疇であれば余裕で貼り替えてもらえるが、流石に直に塗装を施した場合や、ガワを開けて配線やハンダ自体を弄るようなサポート対象外の改造を行った場合は、無料交換でのフォローをしてもらえるかどうかは怪しい。特に、特殊ネジを外した形跡があったり、マジコンチェックに引っかかって本体BAN(起動禁止措置)を喰らっていたりしたら対応はいきなり厳しくなるという声もある。
何よりこれらの伝説は稀にある現象を取り上げただけであり、本来は保証期間内でない限り修理代金を支払うのが当たり前である(それでも修理申し込みページに記載されている見積もり金額よりはるかに低額で修理をしてくれる事もあるが)。一応注意しておこう。
遊技用具メーカーとして
遊技用具メーカーとしても大手である任天堂は、様々な伝統的遊技用具を製造販売している(その多くは「奥野かるた店」にて入手可能)。
トランプ
プラスチック製トランプを開発したメーカーとしても有名であり、かつては証券取引所においてトランプを繰る動作で「任天堂」を意味した。当時、ディズニーやポパイなどの版権トランプを多く製造してもいる(これらの版権はゲーム事業参入初期、ゲーム&ウオッチなどでも使用された)。ポケモンセンターなどで販売されている「ポケモントランプ(紙製)」も自社生産である。ただ、価格は消費税導入前(トランプ類税が課税されていた頃)から変わらず価格帯的に「高級品」であり、安価な他社製品に押され気味である(花札は製造業者が少ないため今でもトップシェアを維持している)。プラスチック製トランプはシャッフルがしやすく、ある程度までは乱暴なシャッフルにも耐えてくれる(限度を超えると折れてしまう)優れものである。
顧客デザインによるオリジナルトランプの受注生産も行っている。もちろん同人グッズとして発注することも可能。紙製かプラスチック製が選べる。また、顧客持ち込みできるなら他の素材も可能で、実際に三菱マテリアルが純金製のトランプを実現している。トランプ普及にも力を入れており、特にゴニンカン(津軽トランプ)の普及活動として公式サイトの立ち上げ(現在は独立しているが、リンクは設けられている)などを行っている。ただ、記載されている内容が古いのが難点で、特にポーカーに関してはもはや日本独自ルールとしか言いようのないルール(例:同ランク役同士の決着にスート比較を用いるのはカジノではもはや採用されない古いルールである)がトランプに同封されている解説書や、任天堂サイトに記載されている。このため、カジノ文化のない日本で、現在の世界標準ルールであるテキサスホールデムの普及が大幅に遅れる原因ともなっている。
花札
かつての主力商品だった花札は、現在も業界最大手である。「丸福」ブランドの花札「大統領」はコンビニでも入手可能。
21世紀以降はキャラクター花札も展開。かつてはクラブニンテンドーの景品限定であったマリオの花札っも、現在は市販化しており、玩具店や家電量販店などで購入が可能である。自社キャラクターを用いたものではほかにポケモン花札がある。
キャラクター花札は下請けとしても製造を行っている。スクエニショップで入手可能なドラクエ花札や、「こいこいシンデレラ」現物版の製造は任天堂の担当である。
小倉百人一首
かつての社名「任天堂骨牌」の名の通り、骨牌(かるた)=小倉百人一首の製造も行っており、小倉百人一首の普及にも熱心である。山内溥氏が資金全額負担し、宮本茂氏がプロデュースした「時雨殿」は任天堂DSを使ったフロアビジョンやかるた五番勝負などのデジタル体験施設で有名であったが、残念ながら2012年3月のリニューアルにて無くなってしまった…。
関西で使用される地方札である「株札」を製造している2メーカーのうちのひとつでもある。こちらもコンビニで入手可能。その他にも、様々な地方札の原版を保有しており、受注生産が可能である。
トレーディングカードゲーム
ポケモンカードの製造も行っており、そのクオリティは折り紙付き。製造開始時にトランプの開発ラインが有用出来ると気付いたなどの逸話もある。
ポケモンカードについては、原作(正確には同時開発であり、単なる版権モノではないがあえてこう書く)の権利者の一人であり、製造者でもある任天堂が何故か販売元になっていないのは、『ポケモン』が発売前の段階ではここまで売れるとは誰も思っていなかったからである(ソフトもほぼ発売されなくなり、終息を待つだけだったゲームボーイ用のソフトで、新しい要素は入っているが基本的に古いスタイルを踏襲したJRPGの完全新作ということで、大ヒットする要素は殆ど無かった点に注意)。ちなみに『ポケモン赤緑』の初回出荷本数は約22万本。目標としていた100万本には遠く及ばない数字だった。その為、任天堂は売上に責任を持つ立場になるのを嫌った形である(当初の販売元は国内がメディアファクトリー、海外がウィザーズ・オブ・ザ・コースト社。現在は販売元がポケモン版権統括会社である株式会社ポケモンに統一されている)。
他に任天堂がリリースしたトレーディングカードゲームは「カードヒーロー」と「ドンキーコングカード」だが、どちらも短期間で展開終了している(特に低年齢層向けのドンキーコングカードはムシキング同様のジャンケンをベースにした稚拙なシステムであった)。
その他
麻雀牌製造メーカーでは珍しく全自動麻雀卓の製造を行っていない。
また、上述したように昭和中頃の低迷期にはラブホテル経営・タクシー事業・インスタントライス製造・ベビーカー製造などに手を出していた。そのうち、タクシー事業のみが独立して存続している(1960年=昭和35年ダイヤタクシー設立→多角化路線撤廃により名鉄グループに譲渡→更にヤサカグループに譲渡され現在は南ヤサカ交通として存続)。当時の教訓から、現在でも任天堂には「娯楽産業以外への進出は行わない」という不文律がある。2014年のQOL事業参入は一部これに反するものだったが、その後音沙汰がなく、結局その後も守られている。
情報発信・プレゼンテーションの取り組み
任天堂の岩田聡前社長によるマスメディアや株主向けのカンファレンス・説明会では、難しい用語が出てきたらその用語の説明を入れたり、見やすいグラフや表を多用したりと、ビジネスに疎い一般の人が聞いても分かるように工夫されていた。流暢で聞き取りやすい喋り方と意味が伝わりやすい巧みな解説を両立させた岩田前社長のプレゼン能力は現在でも高く評価されている。
2006年のWii発売以降は、岩田前社長が現場の開発者達が進めてきた各種プロジェクトの開発プロセスやゲームの特徴を、開発者自身の口からコアなゲームファンに分かりやすく伝えていく事を目的に「社長が訊く」というインタビュー企画の不定期連載が行われた。
2011年以降は任天堂が公表した情報が各種メディアによって歪められた形で伝えられ、拡散されてしまうのを防止する目的で、任天堂が新たなゲーム関連情報をユーザーへ直接発信するのを目的とした「ニンテンドーダイレクト」というプレゼンテーション映像の配信を開始。
2014年からは「ニャニャニャ!ネコマリオタイム」という、主にキッズ層を対象にしたゲーム情報番組も定期配信されている。
これらの内、「社長が訊く」と「ニンテンドーダイレクト」は岩田前社長が自ら企画し、本人が中心的役割を担って発信されていたコンテンツであった為、2015年に氏が逝去・退任してからは、前者は事実上更新終了状態となっており、後者に関しては開催の頻度が減少すると同時に進行・案内役も2016年までは森本英機、2017年以降は小泉歓晃に交代している。より詳しい情報はそれぞれの当該記事を参照されたし。
また、現在では公式HP上で「トピックス」という名称で新着情報に関する記事をブログ形式で掲載する形式も取られている。
ハード一覧
任天堂が発売した家庭用ゲーム機および玩具類については、個別記事「任天堂ハードの一覧」を参照。
主なシリーズタイトル一覧
スマートフォンアプリ
配信予定のもの、サービス終了した物を含む。
- Miitomo
- Pokémon Go(Niantic.inc、(株)ポケモンとの共同開発)
- SUPER MARIO RUN
- ファイアーエムブレム ヒーローズ
- Nintendo みまもり Switch
- どうぶつの森 ポケットキャンプ
- ドラガリアロスト(Cygamesとの共同開発・運営)
- ドクターマリオ ワールド
- マリオカート ツアー
- Pikmin Bloom
- Nintendo Music
関連人物
主要関連人物
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- 山内溥
- 1949年~2002年まで半世紀以上に渡り社長を務め、一代で任天堂の現在を築き上げた傑物。いろいろな意味で親分肌ゆえ「組長」の愛称で親しまれていた。
- 岩田聡
- 山内溥の後を継いだ元代表取締役社長。元はHAL研究所社長でソフト開発に携わっていた。
- 君島達己
- 早世した岩田聡の後任の代表取締役社長。
- 古川俊太郎
- 2018年6月より6代目社長として就任。山内社長以来初の任天堂生え抜きの社長。
- 宮本茂
- 代表取締役専務およびクリエイティブフェロー。『マリオ』『ゼルダの伝説』『ピクミン』の生みの親。
- 竹田玄洋
- 代表取締役専務および技術フェロー。任天堂のハードウェア製作の責任者。
- 近藤浩治
- 『マリオ』などの音楽を手がける作曲家。
- 青沼英二
- 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』からのゼルダシリーズのディレクター・プロデューサー。
- 手塚卓志
- 『スーパーマリオ(2Dシリーズ)』『どうぶつの森』などを手がけるディレクター・プロデューサー。
- 清水隆雄
- 『スーパーマリオギャラクシー』などを手がけるプロデューサー。
- 小泉歓晃
- 『スーパーマリオ(3Dシリーズ)』『うごくメモ帳』などを手がけるディレクター・プロデューサー。
- 田邊賢輔
- 『メトロイドプライム』『MOTHER3』『大乱闘スマッシュブラザーズX』などを手がけるプロデューサー。
- 坂本賀勇
- 『メトロイド』『メイドインワリオ』などを手がけるゲームデザイナー、プロデューサー。
- 今村孝矢
- 『F-ZERO』『スターフォックス』などを手がけるゲームデザイナー、プロデューサー。
- 紺野秀樹
- 『マリオカート(DS以降のシリーズ)』などを手掛けるプロデューサー。
- 戸高一生
- 『どうぶつの森』などの音楽を手がける作曲家。ヨッシー・とたけけなどの声優。とたけけのモデル。
- 上村雅之
- アドバイザー。『ファミコン』『ディスクシステム』『スーパーファミコン』などのハードウェア設計を担当した。
- 森本英機
- 任天堂広報室所属。岩田聡元社長からニンテンドーダイレクトのプレゼンの後継者に指名された。
- レジナルド・フィサメィ
- 元・米国任天堂(NOA)の最高執行責任者(COO)。愛称はレジー、レジーコングなど。
- ダグ・バウザー
- 現・米国任天堂の最高執行責任者。愛称はクッパ社長(名前の"Bowser"から)。
- 野上恒
- 『どうぶつの森』『Splatoon』などを手がけるプロデューサー、ディレクター、デザイナー。通称「イカ研究員」。
その他の関連人物
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- 横井軍平
- かつて在籍した、任天堂成長の立役者のひとり。故人。偉大なる発明『十字キー』の発明者。
- 荒川實
- 元米国任天堂(NOA)社長。米国にNOAの橋頭堡を築いた他、アタリショック後の業界再建にも尽力した。
- 小田部羊一
- かつて任天堂に在籍していた、『マリオ』シリーズのキャラクターデザイナー。
- 田中宏和
- 元任天堂社員で、『ドクターマリオ』などのゲームBGMや「めざせポケモンマスター」などのポケモン関連曲をてがけた作曲家。現株式会社クリーチャーズの代表取締役社長。
- 田尻智
- 株式会社ゲームフリークの代表取締役社長。『ポケモン』の生みの親。
- 桜井政博
- 元HAL研究所社員、現有限会社ソラ代表のゲームクリエイター。『星のカービィ』『スマブラ』の生みの親。
- 石川淳
- HAL研究所サウンドチームの作曲家。
- 安藤浩和
- 同じくHAL研究所サウンドチームの作曲家。
- 加賀昭三
- 『ファイアーエムブレム』シリーズの生みの親。
- 亀岡慎一
- 『マジカルバケーション』シリーズの生みの親。元ブラウニーブラウン社長、現ブラウニーズ社長。
- 糸井重里
- 『MOTHER』シリーズの生みの親として知られるコピーライター。
- 川島隆太
- 『脳トレ』シリーズの監修を務める東北大学加齢医学研究所の教授。
- ジョン・カービィ
- ユニバーサルとのドンキーコング裁判時に活躍し任天堂に勝利をもたらした弁護士。
関連会社
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- HAL研究所
- 『星のカービィ』『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどの開発。
- インテリジェントシステムズ
- 『ファイアーエムブレム』『ペーパーマリオ』シリーズの開発。開発ツールの提供。
- ゲームフリーク
- 『ポケットモンスター』シリーズなどの開発。
- ポケモン
- 『ポケットモンスター』シリーズの製作・発売。元々はポケモンセンター運営会社。
- アルファドリーム
- 『マリオ&ルイージRPG』『とっとこハム太郎(4以降)』シリーズを開発。かつて『スーパーマリオRPG』の開発に携わった元スクウェアの社員が独立して誕生した会社。
- キャメロット
- 『マリオテニス』『マリオゴルフ』『黄金の太陽』シリーズを開発。
- ブラウニーブラウン
- 『マジカルバケーション』『MOTHER3』などを開発。
- ブラウニーズ
- 上記のブラウニーブラウンから分離する形で起業した会社。資本関係や業務委託などはない。
- 1-UPスタジオ
- ブラウニーブラウンから社名を変更。『マリオ』『ゼルダ』など、任天堂の主力タイトルを開発。
- エヌディーキューブ
- 『マリオパーティ』シリーズ、『Wii Party』シリーズなどの開発。
- ジニアス・ソノリティ
- 『ポケットモンスター』の対戦系ゲームなどの開発。
- グレッゾ
- 『ゼルダの伝説』シリーズなどの開発。
- モノリスソフト
- 『バテン・カイトス』シリーズ、『ゼノブレイド』などを開発。2007年に子会社化。
- レトロスタジオ
- 『メトロイドプライム』シリーズ、『ドンキーコングリターンズ』などを開発。2002年に子会社化。
- Next Level Games
- 『ルイージマンション』シリーズ、『マリオストライカーズ』シリーズなどを開発。2021年に子会社化。
- パックスソフトニカ
- 『ふぁみこんむかし話』『とっとこハム太郎(3まで)』シリーズなどを開発。ファミコン初期からゲームボーイアドバンス初期の2002年頃まで主に任天堂の下請会社として活動していた。
- DeNA
- スマートデバイス向けゲームアプリの開発。2015年に業務・資本提携。
- マリーガルマネジメント
- 1996年にリクルートとの合弁で設立した出資会社。『ピカチュウげんきでちゅう』『カスタムロボ』『巨人のドシン』などに出資。
- レア社
- 『スーパードンキーコング』シリーズなどを開発した元セカンドパーティー。マイクロソフトが買収。
- 任天堂販売
- 日本での任天堂関連商品の販売を目的として設立された会社。
関連動画
ソフトカタログ
関連チャンネル
外部リンク
関連項目
ニコニコ関連
- 任天堂ゲーム配信
- 任天堂起動音シリーズ
- 手描き任天堂シリーズ
- 任天堂メドレーリンク
- 任天堂のピコカキコ一覧
- 任天堂最大の誤算
- 公式が病気シリーズ
- 動画を削除した権利者一覧(削除状況をGoogleで検索)
パロディ
- HOTTENDO(松岡修造)
- HATTENDO(レスリングシリーズ)
- Nikkendo(必須アモト酸)
- ZUNTENDO / 東方×任天堂シリーズ(東方Project)
- TINTONDO(チャージマン研!)
- Excitendo(バトルドーム)
- Nippendo(真夏の夜の淫夢)
- NINTENDOOR(ブロリー / ドラゴンボール)
- ニン・ゴジラ(マイニンテンドーストア / シン・ゴジラ)
脚注
- *ニコニコ超会議3の「超音楽祭2014」で行われたイベントのひとつ
- *テレビ画面上でミサイルが正確に目標を破壊する映像が多く流されたことから、欧米のメディアでは「Nintendo War(任天堂戦争 / ファミコン戦争、意訳:テレビゲーム的な戦争)」と評された
親記事
子記事
- 大合奏!バンドブラザーズ
- MOTHER
- 大合奏!バンドブラザーズDX
- ドンキーコング
- 街へいこうよ どうぶつの森
- アイスクライマー
- 任天堂メドレーリンク
- 黒い任天堂
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