ケンガンアシュラとは、裏サンデーで連載中のサンドロビッチ・ヤバ子原作、だろめおん作画の格闘漫画である。
概要? 寝言抜かしてねーで死ぬ気でかかってこいや、デカブツ♪
ケンガンアシュラ | |
漫画 | |
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原作 | サンドロビッチ・ヤバ子 |
作画 | だろめおん |
出版社 | 小学館 |
レーベル | 裏少年サンデーコミックス |
掲載 | 裏サンデー マンガワン |
掲載期間 | 2012年4月 - 2018年8月 |
巻数 | 全27巻 |
漫画:ケンガンオメガ | |
掲載期間 | 2019年1月 - |
巻数 | 既刊22巻 (2024年6月時点) |
漫画テンプレート |
企業、商人たちが巨額の利益を賭け、雇った闘技者によって素手による格闘仕合を行い、勝った方が全てを得るという拳願仕合。商人たちの争いを収める手段として、江戸中期に発祥したと言われているそれは現代にまで継承されており、今、己の最強を証明せんとする謎の闘技者、十鬼蛇王馬が拳願仕合の舞台に足を踏み入れようとしていた。その内に野望を秘めたる乃木グループ会長、乃木秀樹がその男と出会ったとき、拳願仕合にて大きな渦が巻き起ころうとしていた。
「求道の拳」などのweb漫画を代表作とするサンドロビッチ・ヤバ子による「企業」や「裏格闘技」に焦点を当てた本格格闘漫画であり、ニコニコ動画でも極めて高い画力で有名なだろめおん氏の迫力ある作画と相まって、裏サンデーの作品内でもかなり人気の高いweb漫画となっている。
同じく裏サンデー連載の漫画「ダンベル何キロ持てる?」やそれ以前から新都社で公開されていた「求道の拳」とは世界観を共有している。
第一部が2012年4月18日~2015年6月25日まで、第二部は2015年10月15日~2018年8月9日まで連載された。
2019年1月より、続編として、トーナメントから2年後の世界を描いた「ケンガンオメガ」が連載開始。[1]
主な登場企業とその関係者
山下商事
乃木グループ傘下の企業。拳願絶命トーナメント開催にあたって(乃木の口車に乗せられて)設立された企業。そのため企業としての成果は無く、突如現れた新進気鋭の企業として(山下の意思とは関係なく)一目を置かれている。
企業序列:なし
「阿修羅」十鬼蛇王馬 (乃木グループ→山下商事闘技者:3勝0敗)声(鈴木達央/前野智昭)
本作の主人公。出自、流儀も一切不明の闘技者。獣のような目とワカメヘアーがトレードマークのイケメン。古代のギリシャ像のような、美の観点から見ても最高レベルの肉体を有している。性格は傲岸不遜で、己の最強を信じて疑わない。人の名前をカタカナフルネームで呼ぶ癖がある。なぜか廃墟に住んでおり、いのししなどの野生動物を仕留めたり、ゴミの埋立地から使えるものを拾ったりして生活している。そのため、あまり社会常識はない様子。
戦闘スタイイルは特に型などは感じさせないが、突き、蹴りともにバランスの良いキックボクシング風の構えを取り、単純な殴り合いでも他の闘技者を圧倒するパワーとスピード、そしてテクニックを誇る。相手の力の流れを見極め、タイミングを見計らってほんの少しだけその力に加重し、力の流れを乱し、暴走させるという、力の潮流を己の支配下に置く技を得意とする。また、エンジンのような音と共に、体色を赤く変化させた獣じみた状態となり、スピードを急上昇させる謎の技も持っている。作中では一代で途絶えたはずの「二虎流」ではないかという言及がなされているが、二虎流が何であるかも不明であるため、十鬼蛇王馬に関してはまだわかっていることのほうが少ないのが現状である。
徐々に記憶と眠っていた力を呼び覚まし、決勝までこぎつけるが黒木玄斎を前には力及ばず、無理を承知で発動した鬼鏖も読み切られ敗戦。これまでに使ってきた憑神の反動が祟り絶命した。かに見えたが実は生きており、ケンガンオメガで復活する。
・主な技
力の流れを捻じ曲げ、相手の攻撃を逸らす柔の技。集団戦では敵の攻撃を逸らし、別の敵と同士討ちさせることも可能。
攻撃のインパクトの瞬間に当たる部位の筋肉を締め、あらゆる攻撃に耐える剛の技。極めればコンクリート片を投げつけられてもビクともせず、ナイフすら刺さらなくなる。衝撃の際に地面に根を張るイメージをすることで、少々体格の勝る相手からの打撃にも力負けしなくなる。肉を締めたまま相手を迎え撃つことにより、防御だけでなく攻めに転じることも可能。王馬自身は「ダサいから」「性に合わない」という理由で、あまりこの技を使いたがらない。
憑神
二虎流ではない技。自らの活動能力を大幅に向上させる技で、呉一族の「外し」に対抗するために編み出された技。「本物の二虎」を名乗る男からこの技を授かっているがこの男についての詳細は未だ不明。弱点はパワーは大幅に向上するが動きの精細が失われ二虎流の一部の技が使えなくなることと、その異常な血流による脳へのダメージによって記憶障害はもとより自らの寿命すら危うくなる点。記憶が戻る前の王馬はこの技を「前借り」と呼んでいた。最大出力でなければ動きの精細も改善されるようで決勝戦ではある程度この技のコントロールもできるようになり、二虎流もフルに扱えるようになった。
二虎流奥義。水流、操流、火天、金剛の4つの型の極致。その実態は全ての型を極めた形でのカウンター。どれか一つの型が崩れるだけでもダメージが自身にも返ってくる極めて危険な技であるが、カウンター自体は決まった形で発動されるわけではないため相手の挙動を読まれにくいという利点がある。
年齢56歳。うだつの上がらないサラリーマンであり、妻とは別居中、長男は引きこもりで同じ家にいながら3年もの間姿を見ておらず、次男は暴走族所属の不良。これ以上ないほどオッサンらしいオッサンのようなオッサンでありながら、ケンガンアシュラの公式ヒロイン。おそらくヒロイン史上最年長と思われる。
王馬と駒田のストリートファイトを偶然目撃したことからその平凡な人生が狂い始め、その後日、突如として乃木グループ会長直々に十鬼蛇王馬の世話係に任命される。王馬の破天荒ぶりに振り回され、今まで培ってきた常識が全く通用しない拳願仕合に圧倒されながらも、本人の意思とは無関係に、拳願仕合の世界へと急速に巻き込まれていく。
王馬の拳願絶命トーナメント出場のために、「山下商事社長」として拳願会会員になるハメになってしまい、会員獲得の非公式仕合への挑戦料、トーナメント出場料と合わせて計51億の借金を背負うことになってしまう。当初は返済しようもない額の借金に心底慄いていたが、王馬への絶対の信頼もあり、ヤケクソ気味に腹をくくった様子。海千山千のトーナメント参加企業の中ではまるでオオカミの群れに迷い込んだヒヨコ並の場違いっぷりだが、周囲の拳願会員からの評価は軒並み高く、本人の心情とは裏腹に、遣り手の新鋭経営者と認知されている。絶命トーナメント終了後は拳願会直下の運営企業として活動している。
拳願絶命トーナメント予選の際、勝ち抜く5人の闘技者を全員的中させるという驚異の眼力を見せるが、どうやら遠い祖先が闘技者だったようでその片鱗が現れていた模様。
拳願絶命トーナメントにあたり、乃木から直々に山下の元へ送られた謎の秘書。「~ッス」という語尾が口癖のフランクそうな美女だが、乃木から任せられた仕事が、トーナメント水面下で権謀渦巻く企業間の不正から山下を守ることであるだけはあり、普段見せる顔とは裏腹に、相当のキレ者である様子。ときおり見せる真面目な顔の目つきはなかなかに鋭い。なおアニメは未登場。役割が秋山楓と被ってしまうからだろう。
その実態は滅堂直属のスパイ。…だったのだがもともと「中」の出身ということから表の世界で生きてきた山下の人柄に触れ、絶命トーナメント戦後は危うくて見ていられないと滅堂と袂を分かち正式に山下商事に入社した。
乃木グループ
慶安二年創業。乃木商事を中心とした企業グループ。運送業・出版業などを展開する、拳願会最古参企業の一つ。主人公たちの属していた企業であり、物語の中心を担う。
企業序列:第6位
拳願仕合通算成績:1857勝453敗
不動産から出版、運送業に到るまで幅広い業種にて成功を収めている大企業、乃木グループの会長。壮年ながらもカリスマ性を感じさせる男性であり、まだ全貌は明らかになっていないものの、何らかの大きな野望を秘めており、そのために十鬼蛇王馬を始めとして、優秀な闘技者を何人か擁する。確かな経営手段は持つものの、意外と自由人なところがあり、拳願仕合でトイレに飾るためのゴッホの絵画を賭けたり、クラブのお気に入りの女の子とのデート券を賭けたこともある。
拳願絶命トーナメントの発起人であり、彼の代表闘技者が敗北を喫した場合、乃木グループは即時解散するという約定のもとトーナメントに参加している。その目的は古くは300年前の乃木一族と親交のあった闘技者の子孫への恩返しだった。行方をつかめなかったその子孫である一夫へ恩を返すべく、然るべき地位に立たせるためのものであった。乃木グループの正規闘技者であった泉も敗れ、決勝戦で王馬も敗れてしまったが、優勝したモーターヘッドモータスの社長鷹風より会長へ指名され、晴れて拳願会会長となった。
乃木英樹の秘書を務めるクールで知的な面持ちの美女。拳願仕合についても乃木の秘書として深く知っている様子で、まったくの無知である山下に対し助言やサポートを行う。初見泉のことはあまり信頼していない。ナイスバディの持ち主で、コミックス1巻と3巻の裏表紙では大胆なグラビアに挑戦している。
年齢と体重は不詳で、聞くと怒る。ただ結婚適齢期には達しているらしく、そういった願望もあるようだが、周囲に絶望的なほどまともな男がいない。最近は王馬のことが気になっている。
「浮雲」初見泉(乃木グループ闘技者:39勝15敗)声(蓮池龍三)
拳願絶命トーナメント代表闘技者を選ぶにあたり、乃木英樹が十鬼蛇王馬を差し置いて代表に指名した男。それまでどこかで放浪していたが、元々は乃木グループ本来の正闘技者である。初見流合気道の使い手。軟派で女好きな遊び人風の中年で、秋山楓にも隙あらばちょっかいをかけている。勝敗成績は15敗と実力を疑問視される黒星の数だが、その内訳のすべてが寝坊、遅刻、バックレ、ド忘れであり、実力よりも素行に問題がある。
内面は信頼に足るとは言えないが、実力そのものは超一流で、驚異的なスピードと相手の力を逆用しての技が得意な人物。ムラっ気があり、調子が乗らないと格下でも苦戦するが、最高潮の時には若槻や関林といった実力者でさえも一蹴する。手負いとはいえ本気を出した王馬の打撃をすべて防いで見せた。
ちなみに、「求道の拳」に登場する初見良三とは遠い親戚関係にあるという裏設定がある。
義武不動産
飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進している、不動産業界のホープと言われている企業。乃木グループとの拳願仕合に敗北して以来、業績は右肩下がりとなっている。
義武不動産の社長。福耳とオカマ口調が特徴的な男で、乃木会長とは犬猿の仲。100億の利権を賭け、理人を擁して自信満々に乃木グループとの拳願仕合に臨むが、十鬼蛇王馬の予想以上の実力の前に敗北。腹いせに理人を首にするものの、それ以来業績は右肩下がりとなる。
拳願絶命トーナメントの際には呉一族に出場要請を打診したものの、同じく出場を打診したアンダーマウント社のほうが金払いがいいという理由で断られてしまう。
義武哲郎が理人に代わる闘技者としてトーナメント代表闘技者に選出した男。拳願号では金田に引き継いで賭け将棋を受け、その腕前は金田を上回るほどのものだったという。
風貌や言動は他のトーナメント参加者と比べてかなりまともな部類に入るが、奇妙な通り名に加え、「棋士に成ったことがある」という謎の経歴を持つ。義武はこの男を最強の男だと確信している。
その正体は「裏専門の役者」。ありとあらゆる闘技者の技をコピーし、本人さながらの技を繰り出すことができる。しかしながら習得にはかなりの時間を要することや才能による技まではコピーできないようで、初見泉との対戦ではブラフをかけつつ優位に立つが、相手の得意な合気を出してしまったのが運の尽き。技を返され敗北。
SH冷凍
S(すごく)H(冷えてる)冷凍。山下商事同様、乃木の口車に乗せられた理人が社長を務める企業。名前の通り冷凍が必要な物品の管理を行っているが、社員は理人含め3人しか居ない。
企業序列:なし
「超人」理人 (元・義武不動産闘技者 現・SH冷凍社長兼闘技者 5勝1敗)声(金子隼人)
十鬼蛇王馬の拳願仕合デビュー戦の闘技者。王馬より一回り大きな体格で、獰猛な獣を思わせる容姿と性格。頭脳は基本的にバカな模様。特に流儀はなく、天性の格闘センスと身体能力で戦う。キャリアはまだ薄いが、その型にはまらない戦闘スタイルから期待のホープとして名を馳せている。
本名は中田一郎。生まれながらに桁外れのピンチ力(指の力)を持つことから「超人」を自称し、「ヒーローは本名を名乗らない」という理由で自身もヒーローネームとして「理人(人間の理を超えた者)」を名乗っている。
王馬との戦いでは、最初はスピードとテクニックで大きく勝る王馬に圧倒されるも、必殺の「レイザーズ・エッジ(こそぎ落とす十指)」を使用して形勢逆転。逆に追い込んだかに思われたが、技の性質から弱点を早々に看破され、レイザーズエッジを封じられてしまう。さらに力の流れを支配する王馬の技に成す術もなく、そのままタコ殴りにされて完敗。自身初の黒星となる。
その後は闘技者をクビになり、時給がいいとの理由で乃木グループ系列の運送屋でアルバイトをしていたが、ある日理人の前に現れた乃木会長の口車に乗せられ、乃木から譲り受けた会社の社長に就任するとともに、拳願仕合会初の社長兼闘技者として返り咲き、拳願絶命トーナメントに出場する。王馬とはライバル関係となるが割とよく絡んでおり、女性キャラに対して性獣っぷりを発揮している。一方で、最強であることを誰よりも真摯に追求する人物でもあり、イワンも感嘆するほど。
絶命トーナメント戦初戦で黒木玄斎と対峙するが扱う技が一切届かず、かろうじて「こそぎ落とす十指」を掠らせる程度のダメージを与えたところでボコボコにされてしまう。自らの力不足を痛感し、玄斎のところへ押しかけ気味に弟子入りをしている。
・主な技
500円玉を千切るほどの並外れたピンチ力を持つ指先で相手の肉を削り取るという、天性の指の力があってこそできる技。その切れ味はカミソリの如く、動脈を狙われれば大量出血は免れない。また皮膚を攻撃対象にする以上、防御すれば防御した部位の皮膚を切り裂かれることになる。欠点として、切り裂くためには勢いが必要なため、密着する、あるいは手の甲を抑えるなどして距離を殺してしまえばレイザーズエッジは使用できない。しかし拳願絶命トーナメントの予選では弱点を克服しており、密着した状態から相手を切り裂いてみせた。
仁王の駒田(元・乃木グループ闘技者:4勝0敗 現SH冷凍副社長)声(白熊寛嗣)
ケンガンアシュラの第一話を飾る闘技者と同時に、記念すべき最初のかませ犬。
背中に仁王の彫り物を背負った大男であり、仏像のような凄まじく発達した筋肉の持ち主。拳願仕合に出場したい王馬に路地裏で戦いを挑まれ、野仕合を行うことになる。パワーでは圧倒するものの、力の潮流を支配する王馬の技によって腕を破壊されて敗北。闘技者の座を奪われることになる。
闘技者をクビになったあとは、次の就職先も決まらず無職になり、おまけにワカメがトラウマになって眠れない日々を送る。闘技者として返り咲くためにイワン・カラエフと共に修行を行い、驚異的な破壊力を持つ「仁王爆裂掌」を完成させるも、闘技者の座を奪うために襲った相手が関林ジュンであったため、手も足も出ずその場でボロ雑巾にされる。その後、闘技者引退し、真面目に働くことを決意する。
イワン・カラエフ(元・義武不動産闘技者 現SH冷凍副社長)声(阿座上洋平)
最近頭角を現し出したロシア人キックボクサーであり、「死神の鎌」と呼ばれる膝から先のスナップを効かせた強力なハイキックを得意とする。
理人の仕合前に力を計るためのかませとして王馬の元に差し向けられ、一戦を交えることになるが、ハイキックの際に大きく晒すことになる股間を狙われ、ワンパンで敗北。伏してもなお負けを認めなかったものの、最後は理人によってレイザーズ・エッジで頚動脈を裂かれ止めを刺される。その後は山下一夫に救急車を呼んでもらい一命を取り留めるが、救急車に同乗した一夫からサインを書かされたり写真を求められたり、退院後も闘技者をクビになってロシア語講師で食いつなぐなど散々な生活を送る。
仁王の駒田と共に修行に明け暮れ、「冥府のバトルアックス」なる一撃必殺の新技を完成させるが、うっかり襲ってしまった関林ジュンに駒田と共にフルボッコにされる。以後、真面目に働いている模様。
なお、SH冷凍は理人と駒田を含め社員が3人しか居ない。
なお別作品「ダンベル何キロ持てる?」に登場するジーナ・ボイドの叔父である。
(株)湖山マート
「呪術師(メディスンマン)」 蕪木浩二(湖山マート闘技者:7勝10敗)
見た目は小太りなくたびれた中年にしか見えず、勝敗数からわかる通りさほど強くもないが、過去に彼と戦った闘技者は勝敗結果に関わらず全て再起不能になっているという、闘技者殺しの闘技者。湖山マートの正社員でもあり、その店頭売上は5年連続ナンバー1である。
その正体は隠し武器であり、モスキート音による聴覚の阻害、毒を塗りこんだ手での目潰し、手首に仕込んだ針など、あらゆる反則技を使って相手を潰しにかかる。戦った闘技者の傷から凶器による攻撃ということはすでに割れているが、「審判の厳重なチェックをくぐり抜けての反則は、拳願会の信用に関わる」という理由から、仕合中の凶器の使用はすべてなかったことにされてしまう。
王馬との仕合では、モスキート音で隙を作ってからの目打ちによって王馬の目に毒を流し込み、完全に視覚を奪う。目も見えず、モスキート音と周囲の歓声によって聴覚も定まらない王馬に対して圧倒的有利に立って仕合を運び、最後は仕込み針によって止めをさそうとするが、「パーティーカクテル効果」によって音を識別した王馬からの反撃を受け、その凄まじい闘気にたまらずギブアップする。
格闘漫画キャラとは思えない濃いキャラクターから、「カブラギスト」と呼ばれる熱狂的なファンがいる。その声援を受けてか、拳願絶命トーナメントそのものには参戦していないものの、裏で暗躍する形で再登場している。一見して速水のスパイかと見せかけて乃木のダブルスパイを演じ、速水のクーデーターを鎮圧させた。
(株)湖山マートの社長であり、蕪木浩二の雇い主。自身の闘技者に対する信頼は厚く、その反則攻撃にも協力を惜しまない。拳願絶命トーナメントにも参加しているが、単なる観客として乗り込んだのか、用意していた闘技者が予選落ちしたのかは不明。だが、トーナメントにおいて社運を賭けた何らかの裏工作を蕪木と共に行っている。
(株)ガンダイ
企業序列:第13位
「獄天使」関林ジュン(ガンダイ闘技者:57勝1敗)声(稲田徹)
デスマッチから本格プロレスまで何でもこなす「超日本プロレス」の不動のエースであり、表格闘技界でのビックネーム。いかにも悪役プロレスラーといった恐ろしげな風貌をしているが、本質はファンの期待を裏切れないエンターテイナー。
拳願仕合会でも最強クラスの実力者であり、超人的なタフネスとパワーを誇る。裏投げや逆水平チョップなど、豪快で渋いプロレス技を使用し、ときにはダメージをもらったふりをして、相手の隙を誘う演技も披露する。
プロレス以外のすべての格闘技を下に見ており、他の闘技者を「一般人」と称してはばからない。『格闘技者には痛みから逃れる「権利」があるが、プロレスラーには攻撃を受けきる「義務」があるのみ』という持論から、相手の攻撃を一切回避しない。しかし、それを補って余りある耐久力を持ち、王馬の激しい打撃を受けてもほとんどダメージを与えられられなかった。
王馬に対する乃木からの最終試練として対戦が決定。その圧倒的な打たれ強さとパワーで終始王馬を圧倒し、一時は意識を奪うまでに追い詰める。しかし謎の覚醒によってスピードを増した王馬との凄まじい打ち合いの末、気管を潰されることにより脳への酸素の供給を絶たれて失神、敗北する。しかしその直後に、負けを認めつつもさもダメージがなかったかのように立ち上がっており、敗北してもなお、その頑丈さを示す結果となった。
その仕合の勝敗によって開催が決まった拳願絶命トーナメントにも、「お前以上の闘技者に心当たりがない」ということでそのままガンダイ社長に代表闘技者として任命される。
その本質はすべての攻撃を受け続けるという先にある受けの極み。相手の攻撃を受けると同時にフォームをズラし、相手の肉体に負担を与えるというもの。一見すると地味だが、気づいたときには相手は相応のダメージを受けていることになる。
ケンガンオメガでは煉獄との対抗戦に参加する予定だったが、超日本プロレス所属のホセ神崎が煉獄での試合で重症を負いプロレス興行に支障が出たため、春男とともに対抗戦は辞退せざるを得なくなった。
ガンダイの会長。経営者としての貫録と器を感じさせる禿頭の男で、闘技者として関林ジュンを擁する。拳願会会長職争奪戦の開催には不支持の立場だったが、乃木グループとの拳願仕合に敗れたため、乃木の要求を飲む形で賛同側に回り、拳願絶命トーナメント開催に必要な50社目の賛同企業となった。
自身の闘技者である関林には無類の信頼を寄せており、王馬に敗北したにもかかわらず、「プロレスは3本勝負じゃなかったかね」という言葉を掛け、なおも関林に必勝を託し、トーナメントに参加させる。
皇桜学園グループ
明治33年に創立された日本初の女子大学。各界の令嬢たちが集まる名門校として知られており、運営は創設者である奏流院一族が代々取り仕切っている。
企業序列:第16位
拳願仕合通算成績:577勝189敗
「美獣」桐生刹那(皇桜学園グループ闘技者:初出場)声(浪川大輔)
皇桜学園グループの闘技者採用バトルロイヤルに突如として紛れ込んだ謎の美青年。試験官を務める学園最強の闘技者、小津俊夫と戦い、まるで雑巾を絞ったように相手の体を捻ってしまう謎の技で圧勝。底知れぬ強さを見せつけ、皇桜学園グループの闘技者として採用、拳願絶命トーナメントに仕合初出場ながらも参戦する。
元は師匠と共に、「デスファイト」というヤクザが取り仕切る武器使用OKの裏格闘界で闘っていたが、目ぼしい相手をすべて殺してしまい、ついには師匠までその手に掛け退屈していたところ、とある因縁のある王馬が拳願仕合に参加していることを耳にし、王馬を追って自身も拳願仕合に移籍する。
王馬の完成された肉体と鬼気迫る闘争心に触れてからは、彼に対し病的な執着を抱いており、変態じみた奇矯な言動を多々見せるようになる。
3回戦で黒木と当たり、心臓への一撃で死亡したかと思われたが、寸前で自身に羅刹掌を当てて心臓をずらし3回戦後に蘇生する。しかしこの頃より自我を保てなくなり無差別に殺害を繰り返し、王馬との決闘で敗れる。その後は殲滅部隊に捕獲されるが、絶命トーナメント終了後に行方をくらます。
「蛮勇智将(インテリジェンス・バーバリアン)」小津俊夫(皇桜学園グループ闘技者:11勝0敗)
皇桜学園グループ最強の闘技者にして、皇桜女子大学文学部英文学科准教授という裏と表の顔を持ち合わせる闘技者。世間体を気にするタイプらしく、教授として教鞭を振るっているときの物腰はとても穏やか。しかし闘技者として暴れているときこそが素の状態らしい。
ボディビルダー張りに過剰搭載された筋肉による並み外れた「怪力」、それに加え卓越した「格闘術」、大学教授を務められるほどの冷静沈着な「頭脳」の三本柱を併せ持つトータルファイターであり、筋肉隆々の中年男性というドギツい見た目に恥じない、バランスの取れた実力者。
皇桜学園の闘技者採用バトルロイヤルに試験官として参加。小津に一矢報いるレベルの闘技者を期待しての投入だったが、受験生を「選別」するどころか「虐殺」の様相を呈する有様で、束になって襲い掛かる受験生すら紙切れのように吹き飛ばすほど手加減なしの暴れっぷりを見せる。結局すべての受験生をKOしてしまい、隅でただ眺めていたため最後まで残っていた桐生刹那を「評価」しようと襲い掛かる。しかし桐生の謎めいた技により、まったく手も足も出ず返り討ちに。皇桜学園最強闘技者の名を奪われることになる。
晴れて桐生刹那初登場のためのかませ犬となったが、その暑苦しい見た目のインパクトにより、下手をすれば刹那以上に読者の記憶に残るキャラとなった。
ちなみに小津は、世界観を共有する別作品「ダンベル何キロ持てる?」においても登場しており(声‐飛田展男)、筋肉トレーニング講座のDVDなども出している。
皇桜学園グループ理事長を務める拳願会会員。開けたワイシャツから覗く魅力的なバストに、咥えタバコが似合うクールな美女。拳願仕合をかき乱そうとする乃木に危機感を覚え、「圧倒的」な「個」の暴力を持つ闘技者を求めて闘技者採用バトルロイヤルを行う。そこに紛れ込んだ桐生刹那を危険と知りつつも、「毒を食らわば皿まで」の覚悟で、刹那を闘技者として迎え入れる。
乃木グループ闘技者の初美泉と元カレという衝撃の過去を持っている。経緯は不明だが、未だ泉のことは尻に敷いている。
ちなみに、別作品「ダンベル何キロ持てる?」の登場人物、奏流院朱美の姉である。
皇桜学園グループ理事長の新人秘書。当初は血生臭い拳願仕合の光景に恐れおののく、ごく一般的な女性だったが、徐々に腐った本性をあらわにし始め、いまや拳願仕合の光景を、周囲の拳願会員とは異なる目的の熱い眼差しで、なおかつ鼻血を噴きながら見守る腐りきった女。┌(┌^o^)┐ホモォ...
大日本銀行
日本の経済界を牛耳る大日本銀行の総帥にして、最強の闘技者「滅堂の牙」を擁する拳願会会長。 名実ともに拳願会の頂点に立つ男であり、枯木のような老人の姿からは想像もできないほどの圧力を有し、常人ならば彼の前では身動きすら取れない。その一方で、やたらとノリがいいおじいちゃんでもある。企業50社の賛同を受けて、拳願会会長職を賭けた「拳願絶命トーナメント」の開催を宣言した。
拳願仕合史上、最強の闘技者。勝敗成績は前人未到の157戦無敗であり、戦った闘技者のほとんどが再起不能にされている。渡り合える闘技者は拳願会の闘技者の中でもせいぜい一人くらいだと言われている。
非常に鋭い目付きにオールバックの髪型、そしてスーツ越しでもハッキリ形が分かる程の肉体を持ち、いかにも強者といった風貌である。特注(オーダーメイド)という技能によって獲得した他の闘技者の技を複合的に扱う技を持つ。戦闘によってあらゆる闘技者の技を吸収し、戦闘のたびに強くなるという特性を持っており、多くの闘技者の心を折ってきた。準決勝で黒木に敗れ、トーナメント後は牙の座をを降りたのち行方がわからなくなっていた。後に拳願会によって発見され、次代の牙が裏切って煉獄の闘技者に加入したことを知り、煉獄との対抗試合に名乗りを上げた。
護衛者
片桐滅堂の周囲を護衛するスーツ姿の男たちの名称。加納アギトが「滅堂の牙」ならば、護衛者は「盾」となる存在である。だいたい2、30名からなる組織だが、その構成員すべてが並の闘技者を上回る戦闘力を持っており、護衛者の一人であるハゲ淀江により、トーナメント予選通過者であるハサドすら一瞬で葬り去られている。なお、一部の例外を除いて鳥取県の地名から名前が取られている。
片原烈堂
左半面に不思議な紋様のタトゥーを縦に入れた美青年。片原滅堂の息子であり、護衛者を務めるあたり、相当な戦闘力を有すると思われる。トーナメントでは会場外にて、護衛者の別働隊、「殲滅部隊」を率い、想定される何らかの非常時に備えて待機している。隠れシスコンで奔放な鞘香にヤキモキしてる。
拳願会イベント部に所属する、褐色ロン髪に黒のワンピースの、容姿端麗な年若い女性。片原滅堂の愛人の娘であり、何でもこなせる能力は拳願会でも指折りの才女。そして、父親譲りの度量の大きさを持つ。トーナメントでは司会進行役を務める。
アンダーマウント(株)
革新的なサービスを矢継ぎ早に発展させ、起業からわずか10年で急成長を遂げたIT企業。拳願会加入からも5年しか経っていないが、すでに企業序列上位に食い込む実力派企業でもある。
その功績は社長である太田正彦の手腕と言われているが、社内では「替え玉説」が囁かれている。
企業序列:第28位
生粋の戦闘一族、呉一族の1人。数百もの一族の中から代表闘技者として選ばれた。性格はいかにも悪童といった風で、他人を見下した言動が多く、よく煽る。しかしその戦闘力は本物であり、激昂した理人も難なくあしらう程。
王馬戦ではその優れた才能から憑神を用いても一切のダメージを与えられなかったが、外しによる弱点を山下に看破されたことや、一部の記憶が戻ったことで一気に形成が逆転、敗北した。絶命トーナメント後は行方がわからなくなっていたが…?
・主な技
「外し」
呉一族が持つ能力。
「外し」とは普段人間が無意識に掛けている身体能力のリミッターを外す事で、これによって爆発的な戦闘力を得る。
外すと体中に血管が浮き出たような姿になる。
一族の人間は度合いの個人差はあるが全員この技を使え、雷庵はただ一人100%の解放ができる。
アンダーマウント社を裏で牛耳る真の社長であり、何年も引きこもりを続けている山下一夫の長男である。通信販売の配達を受け取る以外は一切外界と接触しないが、そのまま家から一歩も出ないまま日本を掌握することを目的としており、拳願絶命トーナメントに呉一族を送り込むが、その内心を読まれてしまい呉一族総出で山下家を襲撃されてしまう。家を密かに強固にしていたものの長くは持たず、雷庵対王馬戦での取引の材料にされてしまう。
アンダーマウント社の社長。月例報告などのすべての社長業務を行っているが、社員からの評はさほど高くなく、裏に本物の社長がいるのではないかと囁かれている。その噂は的中しており、すべての業務は山下健蔵の指示通りに行っているようだ。彼自身も健蔵のことを「社長」と呼び、心底敬服している様子。呉一族を雇う旨を伝えられた際、大きく取り乱すなど、健蔵と比べると凡小な男。その辺りは一夫に似ているのかもしれない。「求道の拳」に登場する「牙を持った豚」太田正男の兄。
十王通信
日本犯罪史上最悪の2人である、素手による大量殺人の実行者の内の一人。カルト教団「救世界」の狂信的信者であり、対立する宗教団体の幹部、信徒、計56名を殺害している。左半面に「人は裁かれねばならない」と縦一行で書かれたタトゥーを入れている。鉄製の手錠を指先で飴細工のように千切る怪力の持ち主。中腰の姿勢で手を貫手にし、極限まで肘を後方に引き寄せた奇っ怪な構えを見せており、戦闘力は未知数である。
同じく素手の大量殺人者である坂東洋平と、拳願絶命トーナメント出場権を巡って生死を賭けた殺し合いをさせられることになる。拳願絶命トーナメントへの出場と引き換えに得られるという「つかの間の自由」を、「邪教徒を根絶やしにせよとの天命」と受け取り、坂東すらも邪教徒と見なして攻撃を仕掛けるが、坂東に1撃で倒され死亡した。
日本犯罪史上最悪の2人である、素手による大量殺人の実行者の内の一人。元・帝都大学医学部であり、3年次に暴力団対事務所を単身で襲撃。組員17名を殺害し、5名に重軽傷を負わせる。後日、身柄の確保に赴いた警官を2名殺害、4名に重軽傷を負わせた後、あっさりと投降。エリート医学生の突然の凶行として、当時はマスコミを大きく賑わせた。理知的な言動をしているが、その目つきはいかにも殺人者と思えるほど酷薄。自分に嵌められていた両手足の錠を一切破壊することなく外しており、何らかの特異な関節を持つものと思われるが、実力はまったく不明。
快楽殺人者ではないと自称しているが、拳願絶命トーナメント出場によって得られる「人を壊す権利」に興味を示し、未だ道半ばな「研究」のため、権利獲得に挑戦する。自身を邪教徒呼ばわりする永島に対し、『いや、ただのクズさ。「お前」も、「私」も』と答えており、単なる狂人ではない、深遠な知性を垣間見せている。
見るものを震え上がらせるほどの桁外れの強さを秘めており、永島を一撃で仕留めてトーナメント出場権を勝ち取っている。その実力は滅堂の牙にすら届く程、と高田は評している。
初戦で英と対戦し辛くもカウンターで勝利するが、打ち込まれたウイルスによって一時は生命の危機に陥るが、古海製薬の協力で快復。次戦での初見戦に望むが過信による骨折により形成が崩れ脳天から投げられ敗戦。致命傷かと思われたがその異常な柔軟性で一命を取り留める。
高田清介
十王通信社長。表面上は穏やかな老人といった印象だが、その内面では野心を燃やしている。
大量殺人犯2人を戦わせ、勝った方を個人的に連れ出すという事を法務大臣の許可を得て行なっているため、かなりの権力も持っていると思われる。
ベルシイ石油
「アラブの旋風」ハサド(ベルシイ石油闘技者:17勝0敗)声(櫻井孝宏)
拳願絶命トーナメントの予選バトルロイヤルで初登場。目にも止まらぬ神速の突きを武器とし、他の闘技者を瞬く間になぎ倒していき、力の底を見せることなく予選を通過。今後の活躍が期待されるキャラだったが、まさかの退場。一転してネタキャラへと転落する。単行本予告における編集部からの扱いは「非道」の一言。完全に予告におけるお笑い要因と化しており、徹頭徹尾ネタキャラ扱いである。詳細は「ハサドる」の記事参照。
ハサドって終わりかと思われた彼の出番だが、その後海を漂っていた所を蕪木に拾われ、現在は彼と協力関係にあるようだ。またハサドる姿が見られるかもしれないかと思われたが、速水のクーデターの際に以前倒された護衛者の淀江を逆に倒してみせた。
鈴木栄作
ターバンにチョビ髭で浅黒い肌をした小太りの男性。いかにもアラブの石油王な感じの見た目だが、アラブ人ではなくなぜか純正日本人の名前。ハサドの一連の行動は彼にも予想外だったようで、敗北の際にはかなり取り乱していた。
義伊國屋書店
企業序列:第19位
「大物食い(ジャイアントキラー)」金田末吉(義伊國屋書店闘技者:初参加)声(遊佐浩二)
大屋健が将棋センターで意気投合して連れてきた、和服で細目の男。かなりの腕を持つ将棋指しであり、トーナメント前のパーティー会場で賭け将棋を行い、挑戦者をことごとく破っている。このとき大屋に連れて来られた山下も対戦しているが、やはり完敗した。
片原会長からのトーナメント登録のルール説明があった後、大屋健と氷室涼に対して闘技者変更が可能であることを説き、自分に闘技者の座を譲るよう氷室に懇願。当然譲れるはずもなく、氷室との戦いになる。格闘技経験があるのかすら怪しい金田は、序盤は氷室の攻撃にまったく対応できず防戦一方だったが、途中から突然金田の攻撃が当たりはじめ、同時に氷室の攻撃が全く当たらなくなる。追い込んだはずの氷室が逆に追い込まれる形になり、右腕を破壊したうえ、頭ごと床に投げ落とす驚異の投げ技で氷室を完膚なきまでに叩きのめす。
事前に相手の動きを読み、動く前に攻撃を回避するという、演武でしかお目にかかれないような芸当を実戦の場で行っており、その技術は超人の域に達している。氷室を倒したことで大屋から実力を認められ、氷室に代わって義伊國屋代表闘技者となる。
その本質は先読みと体得した紅人流による体術だが、もともと体が弱く闘技者としてはランクが低い。にもかかわらず強者へのあこがれから本音をぶつけガオランに本気を出させることには成功したものの、10手先まで読み切ったところで及ばず敗北。
「氷帝」氷室涼(義伊國屋書店闘技者:4勝0敗)声(水中雅章)
普段は義伊國屋グループ出資のバーでバーテンダーをしている、褐色の美青年。キャリアは4勝0敗と少ないものの、義伊國屋歴代闘技者最強と見込まれ、拳願絶命トーナメント代表闘技者に選ばれる。
截拳道の達人であり、直突きを基点とした高速のコンビネーションを最大の武器とする。最速と言われるミドル級プロボクサーの平均パンチスピードが秒速10mに対し、氷室涼の直突きによる拳速は驚異の秒速15m。敵の攻撃をさばきつつ、矢継ぎ早に繰り出される直突きのコンビネーションは一切の反撃を許さない。
・・・・・・と、紛れもない実力者だったのだが、トーナメント出場権強奪の最初の犠牲者になってしまい、その実力と凄まじい勝利への執念で奮闘を見せるも、最後には徹底的に叩きのめされて退場となる。その後、金田とは和解し、大久保直也、理人などと一緒によくつるんでいる。
王馬とは同じ出自を持つようだ。
義伊國屋書店会長。59歳。常にワンカップ酒で酔っ払っているが、闘技者を見る目は確か。十鬼蛇王馬VS関林ジュンの戦いの際に、自分に絡んできた山下を気に入り、そのまま意気投合する。
27歳のときに拳願会に加入して以来、32年もの間、闘技者同士の戦いを見届けてきており、自身も東西、老若を問わず純粋な強さを持つ闘技者のみを雇ってきた。その中でも最強と見込んだはずの氷室が敗北したときには少なからず動揺していたものの、迷うことなく勝者である金田を代表闘技者に変更している。
ゴールドプレジャーグループ
近年成長を遂げたナイトレジャー会最大手企業。今やその企業規模は拳願会でも上位に食い込みつつある。
企業序列:第25位
「雷神」御雷零(ゴールドプレジャー闘技者:1勝0敗)声(小野大輔)
本編より先に3巻の追加エピソードに登場。暗い目つきのサスケみたいな髪型をした男。ゴールドプレジャーの前闘技者を難なく倒して正闘技者の座を獲得。拳願絶命トーナメントの一か月前にデビュー戦となる拳願仕合を行い、かつて「滅堂の牙」と対戦したこともある強豪闘技者、中国拳法家の洪と戦うが、圧倒的な格の違いを見せつけて完勝しており、まるで力の底が見えないキャラの一人となっている。
1200年の歴史を持つ一子相伝の暗殺拳「雷心流」の当主であるが、本来、雷心流は政争の類に一切関わらないことを代々鉄の掟として守っているはずであった。御雷にその掟を破らせたものこそ、倉吉理乃ではないかと呉一族のホルスに言及されている。
1回戦では瞬殺、2回戦では苦戦しながらも頭部への集中攻撃で辛くも勝利したが、3回戦で黒木と当たり、一切の技が先読みによって潰されてしまい敗北。
ゴールドプレジャーの若き代表。柔らかな顔立ちにグラマラスなスタイルの美女で、どれほど凶暴な相手でもなだめておとなしくさせる特異性を持っており、どんな「超雄」も従わせる「超雌」。「下手な闘技者よりも化け物じみている」とまで言われている。
御雷零には膝枕をしてあげたりと、単なる闘技者と雇用主以上の関係を持っているようである。
路上仕込みの喧嘩術で勝利の山を築いた、ゴールドプレジャーの元・正闘技者。相当な強者だったようだが、ゴールドプレジャーの正闘技者を決める戦いにおいて、御雷に瞬殺されてしまう。その後行方不明となっていたようだが…?
西品治警備保障
企業序列:第26位
「絞殺王(キング・オブ・ストラングラー)」今井コスモ(西品治警備保障闘技者)声(榎田淳弥/花江夏樹)
弱冠19歳の若き闘技者。まだ幼さの残る明るい性格で、拳願絶命トーナメント前のパーティーでは会話中であってもひたすら食べてばかりいた。
体格は他の闘技者と比べて明らかに華奢だが、その実力は史上最年少である14歳で拳願仕合デビューを果たした天才であり、その仕合では身長差20cm、体重差30kgの大男相手に一本勝ちを決めた。格闘スタイルは柔術で、組み技を得意とする。
本編での初戦闘の際では、衝撃のハサド退場から間もない頃でもあったため、「こいつハサドるんじゃないか?」「むしろコスモるんじゃ・・・・・・」と期待心配されていたが、その実力を見せつけて完勝し、ハサドの二の舞になることなく読者もちょっとがっかり安堵した。
その後アダム・ダッドリーとの仕合に臨むが、アダムが前評判を覆す善戦ぶりを見せつけ大苦戦。
最終的には奥の手「ゾーン」により三角絞めで勝負を決めるも、人外の破壊力のパンチを受けた身体には大きなダメージが残っているようだ。
2回戦の阿古谷との対戦では明確な殺意を向ける阿古谷の前に一度は恐怖に震えるもその恐怖を克服し勝利。3回戦で王馬と当たり、ゾーンと速水のクーデターの際に会得した先読みを駆使して読み合いを展開するが、その読みの良さを逆に利用される形で敗北。「求道の拳」に登場する暮石光世は師匠に当たる。
「ケンガンオメガ」では体格も変わり、サブミッションだけではないトータルファイターへと変遷を遂げている。
・主な技
相手の意識が攻撃のみに向くコンマ1秒の隙を突き、死角に回る移動術。
結果として相手の目にはコスモの姿が一瞬で消えたように映り、直後の絞め技を無防備に食らってしまう。
「今井にしかできない戦い方」と若槻が評する、コスモが天才たる所以の技。
西品治警備保障の若き社長。色黒のさわやか系イケメンで、どんな状況でも清々しい笑顔を崩さない。自身の闘技者である今井コスモとは「後輩」と「先輩」と呼び合う間柄で、ただの雇用関係ではない様子。コスモを含めて計7名の闘技者を抱えている。
古海製薬
企業序列:第5位
「猛虎」若槻武士(古海製薬代表闘技者:306勝2敗)声(加瀬康之)
「滅堂の牙」 と唯一渡り合えると噂される闘技者。普段は物静かで謙虚な男だが、現在の拳願仕合においての現役最古参闘技者であり、並びに歴代最多勝利数の記録を持つ、限りなく頂点に近い位置にいる実力者。出場枠強奪のために襲われた際は、相手闘技者をパンチ一発でKOし、そのとき相手が叩きつけられていた壁には等身大の2倍はあろうかというほどのクレーターができていた。
ニ敗のうち一つは加納アギトとの仕合による事が仄めかされている。準決勝で王馬と当たるが、鬼鏖が「形のないカウンター」であるという性質までは見抜けず敗戦。
岩美重工
海洋、航空、宇宙産開発、あらゆる事業を展開する国内有数の大企業。中でも軍事産業、いわゆる兵器の製造にもっとも力を注いでいる。
企業序列:第7位
洪小虎(元・岩美重工闘技者:35勝1敗)
破竹の快進撃を続ける中国拳法家。「極意拳」という流派を修めており、超絶なスピードとテクニックだけでなく、「脳内麻薬のコントロール」こそが最大の奥義。その奥義によって痛覚をシャットアウトできるため、痛みのダメージを無効化し、加減なしの強力な打撃を放つことができる。
その唯一の敗北は「滅堂の牙」との対戦によるものであり、滅堂の牙と対峙し、再起不能を免れた数少ない闘技者の一人でもある。以来、復讐の機会を待ち続けてその腕を磨いてきた。
トーナメント一か月前の拳願仕合において、ゴールドプレジャーから送り込まれた闘技者、御雷零との戦いに臨む。互角と思われたのは序盤だけで、打ち合いの最中に一瞬で五指の爪すべてを剥がされてしまう。脳内麻薬で痛覚をシャットアウトし、更なる速度とパワーを持って零に挑むも、今度は両膝を蹴り砕かれ、痛みに関係なくダウンに追い込まれる。砕けた膝で立ち上がるという驚愕の気概を見せるが、理乃の「おすわり」の一言で脳内麻薬の分泌を止められ、蘇った痛覚により完全にKOされる。
兵器製造に力を注ぎ、「死の商人」「日本経済界の奇人」と称される女性経営者。首から下はなかなかにセクシーなスタイルを誇っているが、顔つきはサイコそのもの。その奇矯な言動から、危険人物と恐れられている。
トーナメント開催の一か月前、当企業最強闘技者である洪小虎を擁してゴールドプレジャーの理乃との拳願仕合に臨むが、思わぬ完敗を喫してしまう。理乃への復讐を誓い、洪を超える闘技者を擁して拳願仕合トーナメントに挑む。
ムデバの無断の試合放棄にキレるポーズを見せ(とはいえ本当に怒ってはいた)、1度だけ無条件で仕事を受けることを約束させている。
「虐殺者(ジェノサイダー)」ムデバ・ギゼンガ(岩美重工闘技者)声(楠大典)
洪小虎を超える闘技者を求めた東郷とまりがついに探し当てた、「最強の殺戮傭兵」と呼ばれる闘技者。全身余すところなくタトゥーを入れた褐色の巨漢であり、いかにも恐ろしげな容貌をしている。トーナメントのことを「戦い」ではなく、一方的な「人間狩り(マンハント)」と称し、自身を人類最強と称して憚らない。とまりからも「テメーに勝てる人間はこの世に居やしねえ」と太鼓判を押されており、トーナメント開催地に向かう拳願号の船室内では、とまりにあてがわれた女たちを食い散らかしていた。
重火器を武装した複数の敵すら素手で皆殺しにする実力の持ち主。戦場における殺戮を生業とする用兵らしく、目潰しや金的などの急所攻撃も一切の迷いなく行い、果てには相手の殺害すらも躊躇わない。ただし相手の命を奪うことに関しては、あくまで「そう依頼された」及び「任務遂行に必要だった」場合の行為だと思える節があり、殺害する必要のない相手に対しては一応降参を促すなど、快楽殺人鬼の類とは一線を画す思考回路の持ち主ではある。全盲ではあるが異常聴覚の持ち主で音だけでも対戦に一切影響なく戦える。
マーベラス・セキ(関林ジュン)との戦いでは相手のプロレスに応じる形で勝利を納める。3回戦の若槻戦では負担の大きい相手を前に比較的優位には立っていたものの、最新鋭の義眼を持っていることを看破されたことや受けたダメージの大きさから本業に差し支えると勝負を棄権した。
「ケンガンオメガ」ではアゼルバイジャンでの紛争中の目撃以降消息不明だったが、休暇中だったようで対抗戦に向けとまりより依頼を受ける…がそれは闘技者としての依頼ではなく…
東洋電
「モンスター」ユリウス・ラインホルト(東洋電力闘技者)声(白熊寛嗣)
人類史上最高筋力の二つ名を持つ、人間山脈とも形容すべき巨大な体躯を持った闘技者。極太の三角筋、異常に発達した僧帽筋など、その名に恥じぬ凄まじい筋肉を有している。優勝候補の一人と謳われたものの、1回戦での若槻戦でカウンターの蹴りを読みきれず敗北。また、クーデターの際に自身も速水の捨て駒でしかないことを知り鎮圧に乗り出している。
「ケンガンオメガ」では東郷とまりからの依頼で煉獄との対抗戦に参戦した。
チャイナドレスのような中国衣装を身にまとう、眉目秀麗な闘技者。中国拳法の達人らしく、拳願号の船内で「武神」武本久安を襲い、傷一つ負うことなく打倒。白夜新聞の出場枠を強奪する。
1回戦で桐生と対戦し敗北するが、速水によるクーデターの実行役で、配下の「天狼隊」とともに世界中のVIPが集まる客席に爆弾を仕掛けるが、自身も捨て駒であることを知り叛逆、仕掛けた爆弾も撤去にのりだしていた。
快楽投殺主義者。戦闘スタイルは柔道。
まるで犬の如く常に舌を出し、類人猿のような前傾姿勢で歩く怪人。
一目見て分かる狂人だが、その戦闘技術はかなり高い。
柔道家の父の下で育った目黒は、少年期は父の道場で他の門下生と共に柔道を学んでいた。
中学生にして既に大人と互角に渡り合える実力を身につけながら、謙虚な性格で皆に好かれていたが・・・
速水勝正の息子として煉獄との対抗戦に参戦した闘技者。その顔はかつて絶命トーナメントで死亡した目黒正樹に似ており…?
大日本銀行に次いで、企業序列第2位である東洋電力の会長。左半面に焼け爛れたかのような無惨な傷跡を持つ、恐ろしげな風貌の男。ただそこにいるだけで他者を圧倒する、片原滅堂にすら匹敵する凄まじい圧力を持つ。何かと黒い噂の絶えない危険人物であり、拳願会の派閥の中でも現状最大の規模を持つ、「百人会」のトップでもある。他のトーナメント出場企業からも、最も警戒されている。
片原滅堂に代わって拳願会会長職を手中に収めんと壮絶な野心を燃やしており、そのためにはあらゆる手段を選ばない。拳願号内で蓮、正樹を始め幾人もの刺客を他企業の闘技者の元に放ち、出場者枠の奪取という不正を働いていた。
準決勝を前にクーデターを働くが、乃木に送られた蕪木の裏工作と前衛で阻止に回った闘技者たちの前に計画は頓挫、拿捕されてしまう。トーナメント後は以前のような圧倒的な権力こそないが、依然として強い影響力を持っており、「ケンガンオメガ」では山下と交渉にも出ている。
トーナメント出場枠を強奪せんとする一派から差し向けられた闘技者。いわゆる裏稼業人であり、「兇悪狂人」「冷酷なる暴力装置」と評される男。依頼されればどんな仕事でもこなす。あくまでも戦いは報酬のための仕事と考えており、強者との戦いなどには興味がない。素手の格闘術もさることながら、目的には手段を選ばないタイプで、闘技者相手にも躊躇なく武器を使用する。今井コスモを標的とし、序盤は互角に渡り合うが、本気になったコスモに組み付かれてしまい、バックチョークを食らって倒されてしまう。
禍の人
若槻を襲った、出場枠強奪一派からの闘技者。全身余すところなく包帯が巻かれており、口元には「禍」と書かれた布が掛けてあるという謎多き闘技者。登場してから一切しゃべることなく、戦闘シーンも全カットされて若槻にワンパンで倒され、素性、戦闘スタイル、変な衣装の理由すべて謎のまま退場。何だったんだお前は。
若桜生命関係者
「処刑人」阿古谷清秋(若桜生命闘技者:39勝0敗)声(小山力也)
鍛え抜かれた強靭な肉体と、いかなるときも鉄仮面のように表情を崩さない、硬質な瞳が印象的な闘技者。その表の顔は警部の肩書きを持つれっきとした警官であり、第44機動隊の隊長を務める、警視庁最強と呼ばれる男。
悪に対して「正義を執行する」という強烈な目的意識を下に行動しているが、その行き過ぎた理念は公職の枠に到底収まらず、警視庁に務めるその裏側では、犯罪者たちの前に防弾仕様のフルアーマーをまとった姿で現れ、、素手による処刑を行うというアメコミのクライムハンター系ヒーローのような活動を行っている。
その正義に対する凄まじい信念はどんなときであろうと些かも揺らぐことはなく、正義のためならばあらゆる努力、行動、手段を選ばない。殺人行為に対しても一切の躊躇を見せないが、己自身が「殺人者」であることは自覚しており、全ての悪を断罪した後は「己自身に正義を執行する」という覚悟をすでに固めている。ただし、その正義が独りよがりのものでしかない事に留意。殺人者の血縁というだけで、何の罪も犯していない人間でさえも始末するなど暴走の域に達している。キチガイキャラには雷庵や目黒といった名前が挙げられるが、上の二人は暴走しつつも目上の命令には従うので、1度切れたら従わなくなる阿古谷は、作中の一番のサイコキャラと目されている。このため、1度戦ったら仲良くなる拳願会の闘技者の中でも、阿古谷だけば誰とも折り合おうとはしない。
雇用主の檜山瞬花とは雇用を超えた協力関係にあり、男女としての繋がりすら伺えるが、それすら正義の前には二の次であり、瞬花がしくじった際には何のためらいもなく切り捨てようとした。
ファイトスタイルは相手を制圧することを目的とした「逮捕術」。いわば戦闘マシーンのような、堅実そのものの戦い方を見せる。闘技者の中でもトップレベルと言われる防御術で徹底的にガードを固め、相手の攻撃に合わせて地道にカウンターを入れていき、瞬花の分析終了と共に一気に畳み掛けるというもの。しかし、その奥には瞬花を必要としない更なる戦闘術があるらしく、それを使えば相手の闘技者は死を免れないという。強敵ぞろいの拳願絶命トーナメント参加者の中でも、頭一つ抜けた闘技者であり、初見泉、御雷零たちですらその実力を警戒している。
2回戦でコスモと対戦。瞬花の分析を含め優位に立つが瞬花の裏工作を読まれ抑え込まれてしまい、殺意が暴走する形で一瞬の隙を衝かれゾーンからのフロントチョークにより失神、敗北する。
「ケンガンオメガ」でも相変わらずのサイコキラーっぷりを隠そうともせず、闘技者に対して敵意を剥き出しにしている。ただ、その中でも山下商事の臥王龍鬼には特別な視線を向けており…?
・主な技
リッパー
相手の突きに合わせ、ひねるようにして拳の角をかすらせ、皮膚を大きく切り裂くカウンター技。理人のレイザーズエッジと似ているが原理は異なり、見た目の出血とは裏腹にダメージも小さい、理人いわく「嫌がらせ技」。しかし、その真髄は阿古谷が攻撃に入ったとき、リッパーで作った傷口を三本貫手によってえぐることにあり、切り傷から指三本を皮膚の内側に差し込まれる激痛とダメージは計り知れない。
大盾
拳を上向きにした前腕を盾の如く突き出し、相手の攻撃をさばく防御術。受け止めるのではなく、攻撃のタイミングに合わせて腕をわずかにずらし、インパクトの軸を外して受け流すことで、どんな威力の打撃でもさばくことができる。受け流すといっても前腕には多少なりともダメージがあるはずだが、阿古谷にダメージの様子は一切見られなかった。この技に合わせてリッパーを放つことで、さらに強固な防御体制となる。
若桜生命社長。
阿古屋の雇用主であり、またその裏で行っている「正義の執行」も知りつつ、黙認している。
恐ろしく正確な体内時計を持ち、その能力でもって人間の呼吸のリズムを読む。
それを阿古屋に伝え、阿古屋の超人的な反射神経との連携によって相手の攻撃を尽く回避する事が可能となる。
阿古屋とは只の雇用関係だけでなく、多少歪んだ異性関係も持っているようだ。
拳願絶命トーナメント出場者
日本有数の大企業経営者たちが「この男こそ最強」と見込んだ闘技者たちが集まっているだけはあり、どのキャラも一回戦で敗退するとはとても思えないような濃いキャラばかりが集まっている。
「皇帝」アダム・ダッドリー(ボスバーガー闘技者:1勝0敗)声(堀井茶渡)
アメリカ最強と言われていた熟練のストリートファイター、パンク・アボットを一撃で打倒し、アメリカ最強ストリートファイターの称号を手にした男。筋肉隆々の体躯、両腕に刻まれた派手なタトゥー、上前歯に描かれた「FUCK」(アニメ版はDAMN)、口を開けば不敵な笑みと共に飛び出す、汚いスラングの数々と、これでもかというほどアメリカン・ギャング要素を詰め込まれた、アメリカ・テキサス州出身の闘技者。1NHLで、乱闘専門のプレーヤーとして、氷の上で幾多のKOを重ねてきた人物。そのあと、ストリートファイトに転身して、闘技者としてスカウトされた。
強靭な肉体もさることながら、その最大の武器は鍛え抜かれた体幹であり、異常な隆起を誇る脊柱起立筋が力の伝導効率を大幅に上げ、腰の入らない手打ちですら相手をKOできるほど、桁違いの打撃力を誇る。
もし全身運動によるパンチを放てば、その威力はパンチの領域を超え、もはや交通事故に匹敵する破壊力に達する。
そのあまりにもわかりやすいファッキンアメリカンなキャラから、前評判における「トーナメント1回戦敗退しそうな闘技者NO.1」だったと思われるが、強豪・今井コスモ相手に驚異の活躍を見せた。
ガードが殆ど意味を成さない破壊力のパンチで大ダメージを与えるものの、最後はコスモの奥の手「ゾーン」によって絞め落とされた。その後はコスモとはなんだかんだ仲良くやっている様子。要はそこらのヤンキーの兄ちゃん。そして、作中でもトップグラスのいい人。
表格闘界最大の格闘技興行団体「アルティメットファイト」の絶対王者。団体の登録選手数217人の頂点に立つ男のはずだが、金田末吉、千葉貴之相手の賭け将棋で大金をスったり、願流島のバカンスで理人と一緒にナンパして無惨にフラれたりと、今のところコミカルな姿ばかりが目立つ。
1回戦の相手は、あの拳願仕合の帝王。お悔やみ申し上げます。
が、蓋を開けてみると金田、氷室、理人の「4バカ」の中では突出して実力が高く、実力に裏打ちされた打撃、投げ、極めの「複合」によって序盤は優位に立っていた…がアギトの圧倒的な「進化」の前には太刀打ちできず敗北。一度は心が折れかけるもののなんとか持ち直し、後にリベンジを申し入れた。
呉一族にも並ぶとされる暗殺拳、因幡流の継承者。裏の世界では名の知れた暗殺者だが、殺しの腕もさることながら、奇行でも有名。昆虫の如く関節を曲げて四足で立ち、長髪を垂らしながら這い回る、その同じ人類とは思えない異常ぶりは、変人だらけのトーナメント参加闘技者の中でも群を抜いている。
「タイの闘神」ガオラン・ウォンサワット(八頭貿易闘技者)声(津田健次郎/平川大輔)
ムエタイからボクシングに転向後、わずか4年で4大団体統一ヘビー級王者に上り詰めた、表世界でも名を知られる正真正銘の化け物。褐色の肌にジト目の闘技者。拳願仕合は初参戦ながら、己の勝利を揺るぎないものと確信している。
ガオランからは一方的にライバル視され、自宅に乱入するなどの過度な行動に対しやや迷惑がってはいるものの実力は認めている。
彼の真の実力はムエタイとボクシングを合わせた「打撃の極み」。その打撃の実力はアギトをして進化だけで凌ぐことはできなかったが、大久保戦で覚えた「複合」によって打撃を流されてしまい敗北。
別作品「ダンベル何キロ持てる?」では、上原彩也香の実家であるボクシングジムに所属選手として写真が飾られている。
「吼える闘魂」鎧塚サーパイン(夜明けの村闘技者)声(檜山修之)
ガオランの顔見知りで、会うなり「男は拳で語るもの」と叫び出す暑苦しい熱血野郎。ガオランをライバル視しているらしく、その実力はヘビー級王者であるガオランと拮抗するものと予想される。
ミャンマーの格闘技「ラウェイ」の使い手で、幼少の頃から徹底的に鍛えられた「骨」によって信じられないほどの頑強さを持っている。ガオランとは過去の試合で判定負けを受けて以降なにかと暑苦しいくらいに突っかかっている。
「デストロイヤー」河野春夫(NENTENDO闘技者)声(水島大宙)
顔と服装はいわゆるキモオタ。
しかし常人の数倍の大きさはあろうかという、巨大な肉塊の如き身体を持つ。
その巨躯にも関わらず後方宙返りを披露するなど、見た目とは裏腹に抜群の運動神経を持つ。
本名は「ハル」。
元々はヒマラヤ山脈の標高5000メートル近くに住む山民族の出身で、幼少期から超人的な身体能力を発揮していた。
10歳にして身長は優に2メートルを超え、11歳でユキヒョウを1人で仕留める程。
その噂を聞き付けたNENTENDO社長の河野秋夫が村を訪れ、拳願試合へと誘われる。
そして日本へ渡り、河野の養子として「河野春夫」となった。
しかし秋夫は春夫をコントロールするために贅の限りを尽くさせ、結果として我が侭放題のキモオタとなってしまった。
1回戦の阿古谷戦では一切の技が通用せず、追い込まれたことで急激に痩せて眠っていた才能を呼び起こしたが時既に遅し、脚を重点的に狙われて倒され、顔面への蹴りで敗北。社長に見捨てられるも、その後の関林の試合を見て感化、超日本プロレスに入団した。
「魔槍」黒木玄斎(モーターヘッドモーターズ闘技者)声(玄田哲章)
裏世界で名の通った暗殺者であり、怪腕流と呼ばれる空手の使い手。ヒゲモジャの中年。拳願号内の鉄製の壁に、銃弾が貫通したかのような無数の穴を空けるという、驚異の指の力を見せている。
桐生刹那の師匠である「平良厳山」とは友人であり、彼を殺した刹那は仇であった。
「滅殺する牧師」茂吉・ロビンソン(セントリー闘技者)声(村瀬克輝)
穏やかな聖職者の顔と、兇悪なシスコン野郎の2つの面を併せ持つ、牧師姿の闘技者。
エレナという美しい妹がおり、彼女の前では常にさわやかかつ理想的な牧師として振る舞っているが、妹に近づく男に対しては殺意ムキ出しの聖職者とは思えない表情を向けるシスコン牧師。
当初は明らかなネタ枠闘技者と思われたが、実は片原会長も認めているほどの強者と判明。
ボクシングと柔術の融合格闘術「バリツ」を用い、雷庵を圧倒するが、雷庵の外しの前には手も足も出ず生死不明の重体に陥る。かろうじて一命をとりとめたがまともに歩ける状態ではなく、闘技者に復帰したのは「ケンガンオメガ」になってからとなった。
「夢の国から来た男」根津マサミ(栃木ディスティニーランド闘技者)
うしろ姿のシルエットのみ登場。拳願絶命トーナメントの参加闘技者の中で、ある意味もっとも危険な男。通り名、名前、所属企業の元ネタがどう考えてもあの夢の国であり、頭にかぶった着ぐるみのシルエットもあからさまに世界一有名なネズミ。すべてがギリギリのラインであり、トーナメントというより作品自体が危ぶまれる恐ろしいキャラ。でもちゃんとアニメにも出ました。
その正体はディスティニーランド大ファンのヤンキー。元は闘技団体「毘沙門」チャンピオン。その背中は痩躯だが無駄のない発達した筋肉を有している。ディスティニーランドが東洋電力との裏取引をしていることを知り、夢の国に対する迷いがあったことや御雷に無視されたことから冷静さを欠いてしまい1回戦で瞬殺されてしまった。
絶命トーナメント後は同じディスティニーランドのキャスト仲間であった美姫と結婚、闘技者を引退している。
相撲界からの参戦。トイレで襲い掛かってきた出場枠強奪目的の闘技者4人を難なく倒しており、その高い実力がうかがい知れる。普段からかなり素行が悪く、横綱である兄二人からすらも疎まれている。1回戦で関林と当たるが、敗戦。その後は真面目に相撲に取り組むようになった。
使用する技ははるか古くからある相撲の原典である古代相撲。現代の相撲では禁じ手である殴る・蹴るも攻撃に含まれる。威力は高いが、現代の相撲のスタイルである短期決戦には向かないという欠点を抱えている。
「測定不能」室淵剛三(ユナイテッドクロージング闘技者)声(一条和也)
陸上競技界からやってきた、十種競技(デカスロン)金メダリストの闘技者。鬼王山が襲われたトイレに偶然居合わせ、その強さにパンツを下ろしたまま胸を躍らせていた。
モデルは言うまでもなく室伏広治。
超人的な身体能力で、陸上競技界の王者として長年君臨していたが、突如引退を発表。
その後表舞台からは姿を消していたが、その裏で闘技者として拳願試合に参加していた。
過去に若槻との対戦で完敗して以来、リベンジを胸に鍛錬を重ね、トーナメントで再び若槻の前に立つ。
全力の若槻のパンチを顔面に受けても耐えてすぐさま極め技に移行したり、そのまま地面に叩き付けられる寸前に脱出、反撃に出るなど、かなりの戦闘力が伺える。
世界最速のクラウチングスタートからの飛び膝蹴りで若槻に血を流させるも、直後に全力のカウンターパンチを受けて力尽きる。
しかしボロボロになっても尚闘志は付きず、再びリベンジを誓いながら気絶する程の気力の持ち主であった。
若槻も「恐ろしく強かった」と語る紛うことなき強者だったが、若槻の怪物ぶりがそれを上回る結果となった。
本業が医者でありながら、そのドブ底のように濁った目が語る通り、内面は狂気に歪んでいる。「この悲劇は癖になるんだよ」と語っており、その悲劇のコレクションとして写真に収められた犠牲者の人数はアルバム数冊分にも及んでいる。自身も狂人であることを理解しつつ、理性は保っている。
所属企業の帝都大学と言えば、史上最悪の素手による大量殺人者、「血染めの象牙」坂東洋平が犯行当時に在学していた大学でもある。一回戦の相手も坂東洋平。どうやら大学総長の太宰もこの対戦は狙っていたものであった。
その正体は日本政府から派遣された始末人。幾度もの死刑をくぐり抜けた坂東を試合で暗殺するつもりで、敗戦こそしたものの、ウイルスを打ち込むことで一度は達成されたかに見えたが…
体つきが一般人と大差ないように思われていたが、コミックス7巻のおまけ漫画で、今井コスモや因幡良程度の筋肉があることが判明した。
ちなみに医者の格闘家といえば、バキシリーズのドクター紅葉が思い起こされるが、それとはまったく別方向の闘技者と思われる。
予選を勝ち抜いて本選進出。テディベアな体型をした禿頭の無口な壮年男性。格闘技らしい動きは見せていないが、その巨体を頼みとしたタフネスと、尋常ではない馬鹿力を誇る。予選では周囲の闘技者を一発KOで葬り去っており、強敵、原田徳次郎をも一撃で沈めている。本業は漁師であり、格闘技自体得手ではないが、漁師生活で培った技術を元に戦う。特に「陸酔い」の状態から解き放たれたバランス感覚と柔軟性はその図体のデカさからは全く想像の出来ないレベルとなっている。
1回戦でサーパインと当たる。東洋電力より八百長するよう圧力をかけられていたが、それを反故にして本気で立ち向かうも敗戦。
「暗黒鳥」沢田慶三郎(マーダーミュージック)声(保志総一朗)
予選を勝ち抜いて本選進出。軌道を読ませない多彩な足技を持ち味とする、やたら歌舞いた髪型をしたオカマ。ホモと呼ばれるとブチ切れるが、ハサドが素顔を晒したときのリアクションはどう見てもホモ。理人とは高校時代からの知り合いだが、犬猿の仲。
1回戦ではユリウスとの対戦のはずだったのだが、速水との裏取引によって棄権を余儀なくされてしまう。1回戦後に会場裏でユリウスに立ち向かうが足をへし折られる。
拳願絶命トーナメント予選敗退者
ジェリー・タイソン(22世紀ファックスコーポレーション闘技者:3勝0敗)声(マシューまさるバロン)
デトロイト出身の面白黒人な闘技者。32歳。王馬をも驚愕させる奇怪な動きのオリジナル拳法「J式象形拳」の使い手。
少年期から抜群の運動神経を誇り、特に短距離走には全国選抜へ抜擢されるほどの秀でた才能を持っていたが、17歳のときに移り住んだ中国にて中国拳法と出会ったことで、格闘家の道を進む。わずか5年で象形拳を極めるが、その頃から「今や武装した人間のほうがはるかに脅威なのに、なぜ人より弱い獣を真似るのか」という疑問に突き当たり、思考の末、「真に模倣すべきは兵器」という考えに至り、5年後に現代兵器を模倣する「J式象形拳」を完成させる。
予選バトルロイヤルでは周囲の闘技者をなぎ倒しながら王馬と対決。格闘技とは思えない奇抜な動きで序盤は王馬を翻弄するも、金剛の型・不壊によってまるで全身兵器となった肉体に歯が立たず、敗北。
トーナメント本戦にも観客として参加しており、面白黒人兼解説役を務めている。絶命トーナメント後は闘技者を引退し、拳願会員として鞘香の補佐に回っている。
・主な技
両の拳を前方に突き出して全力疾走し、相手に全質量を叩き込む、J式象形拳の最高傑作。躱されても全身を連動させて即座に軌道修正し、相手が倒れるまで何度でも向かってくる驚異の剛拳。ジェリーの強靭な体のバネと、短距離走の才能を最も生かせる技で、特に乱戦時にポテンシャルを発揮。バトルロイヤルでは軌道上の闘技者を無差別になぎ倒していた。
スカッドミサイルよりもさらに超前傾姿勢を取り、空気抵抗を極限まで抑えた最速の型。インパクトの瞬間に合わせた両拳を相手に突き出す、防御を捨てた超攻撃特化の技であるが、王馬の不壊には通用しなかった。
手りゅう弾を模倣した頭突き。拳を破壊されたジェリーが、なおも衰えぬ闘志と共に王馬へ放った技だが、逆に肘鉄のカウンターを顔面に食らわされる。どこら辺に手りゅう弾の要素があるのかは不明。
政治団体「晩生会」の行動隊長。刈り上げた右側頭、刀傷と思しき縫い傷で潰れた右目が特徴的な男。根っからの武闘派として対抗組織から恐れられており、猛烈な連打を相手に叩き込む「ハラトクラッシュ」を得意技とする。予選では他の闘技者を紙切れのように吹っ飛ばす賀露吉成に目を留め、戦いを挑むが、自慢のハラトクラッシュも吉成をダウンに追い込むには至らず、吉成の張り手一発で顔面を変形させてKOに追い込まれる。
サブミッションを得意とする闘技者。予選のバトルロイヤル内で、雑魚相手に無双する理人を背後から急襲。全身で手足と首に絡みつくような変則裸締めでKOを狙うが、想定をはるかに超える理人の馬鹿力により、完全に決まった極め技を無理やり解かれ、直後に理人渾身のパンチで一撃の元に沈められる。
前者は蟷螂拳に似た構えを取る小太りの闘技者。後者は立派なアゴにハンチング帽をかぶった闘技者。2人とも音に聞こえた実力者であり、ハサドを2人がかりで前後から襲うが、アキ斉藤は間合いを詰める瞬間すら拝ませないハサドの突きを顎部に受け、アゴを外されて一撃で昏倒。直後に後田武郎が一気呵成に襲い掛かるも、無数の神速突きを全身に浴びて撃沈。両者とも見事にハサドの噛ませ犬となったが、そのハサドがわずか一話後にまさかの噛ませ犬と化すとは、このとき誰一人予想していなかった。
その他の闘技者
拳願絶命トーナメント出場者の一人。「武本流実戦拳法」の開祖である、齢84歳の闘技者。いわゆる達人であり、45歳で今の流派を創立してから実に90回を超える野仕合を行い、そのすべてに勝利。いつしか武神と呼ばれ、拳願仕合には初出場であるものの、経験、実力、ともにトップクラスの闘技者・・・・・・だったのだが、出場枠強奪の憂き目に会い、敵闘技者に敗北。出場枠を奪われ退場となる。
左半面を縦に裂く大きな傷跡、彫りの深い顔立ちと、いかにも猛者といった風貌の闘技者。拳願絶命トーナメント参加者の一人。「泣き男」目黒正樹に出場枠強奪の目的で襲撃され、「不運だな。狙う相手を間違えたぞ、お前」と自信満々に言い放ち、まったく動じることなく迎え撃つが、次の回では目黒にマウントを取られたまま失神させられており、見事にハサドる。どうやら狙う相手は合っていた模様。敢え無く脱落者の一人となった。
パンク・アボット
テキサスのストリートファイターの頂点に立つ、米国最強の喧嘩屋。他のストリートファイターとは一線を画す実力を有しており、熟練した試合運び、痛烈無比な一撃など、その洗練された技術はケンカ殺法の域を超えて、もやは「武術」といえるレベルに達している。過去には日本に渡り、拳願仕合にも出場経験のある実力者。
トーナメント開催2か月前にアダム・ダッドリーとストリートファイトを行い、経験で勝るパンクが序盤の流れを制し、アダムを壁際に追い詰めるも、アダムの放った一撃の元に葬り去られる。ボスバーガー社長のロナルド原口は、もともとパンクをトーナメント闘技者として勧誘する予定だった。
回想に登場。一代で途絶えたとされる王馬の流儀「二虎流」の創始者であると思われる。鋭い目つきを持った、放浪者風のマントを身にまとう長髪の男性。猛獣の如くナイフで襲い掛かってくる少年期の王馬を軽々とあしらい、二虎流を習わないかとしつこく勧誘していた。
すでに刹那の師匠の手によって亡き者とされているが、その流儀である「二虎流」は王馬の中で脈々と受け継がれている。
・主な技
対銃の防御術。銃の向きから弾丸の軌道、入射角度を割り出し、着弾の瞬間に拳の骨部分で弾をわずかに押し出して軌道を逸らすという離れ業。達人ともなれば、たとえ連射されても対応可能。多少弾丸を逸らした拳が出血するものの、うまくやりさえすればかすり傷で済む。
操流の型「転地」
平手打ちに似た打撃だが、受けた相手は螺旋を描きながら宙高く舞い、地面に激突する。防御術が中心の操流の型の中では珍しい攻撃技。
主な用語
拳願仕合
企業、商人がさまざまな利権を賭け、雇った闘技者を闘わせる素手による非合法の格闘仕合。発祥は江戸時代にまでさかのぼり、当時の「幕府御用達」の権利を巡る商人たちの骨肉の争いを治めるため、七代目将軍徳川家継により発案されたとされる。賭けられるものはビルの建設施行の権利だったり、ゴッホの絵画だったりと多岐に渡り、億単位の額が動くことも珍しくない。ルールは武器の使用以外すべてが認められ、一年間における試合数の多さ、闘いの過酷さから、敗北した多くの闘技者が再起不能になっている。
拳願会
拳願仕合を運営し、経済界にも大きな影響を及ぼす団体。会員は雇った闘技者で拳願仕合に挑むことができると同時に、開催された仕合を観覧できる権利を持つ。また、仕合結果による賭博も盛んに行われている。拳願会の会員となること自体が一流の商人である証明になるとされ、会員権を賭けた裏拳願仕合なども存在する。
拳願会内でいくつかのグループが存在し、いずれも上位に食い込む企業が所属している。
拳願会で最も古い派閥。うち1つは明治の中頃に倒産しており、2つの企業しか残っていないが、未だに「三傑」を名乗っている。過去の栄光しか誇れない老害と影で称されている。
三傑に次いで古い派閥。乃木英樹もこの派閥に属する。いずれも強豪闘技者を抱えており、トーナメントでの活躍が期待される。
・百人会(東洋電力、ほか多数)
現在最も勢いのある、拳願会最大の派閥。ほか2つの派閥とは決定的に違い、東洋電力の速水勝正を頂点としたピラミッド組織であり、すでに相当数の会員が「服従」という形で派閥に参加している。
拳願絶命トーナメント
巨額の利益が動く拳願会を統べることができる、拳願会の会長職を賭けた拳願会最大のトーナメント。15年前に一度行われており、その時は片桐滅堂の圧勝だったという。今回は予選を通過した5社と合わせて計28社が出場している。
多数の有力企業が参加し、勝ち抜いた企業が日本経済界に大きな影響を及ぼすことが予想されることがから、凄まじい数の拳願会員、加えて各国の首脳陣までもがトーナメントを見届けるために開催地へやって来ている。
片桐会長から提示された「優勝企業が得られるのは『会長職指名権』である」「トーナメント出場闘技者の登録は仕合会場に到着後に行う」というルールが各企業の不正を行う余地を生んでおり、具体的には、
・得られるのが「会長職指名権」である以上、自分の息のかかった企業を複数出場させれば、トーナメントで有利に立てる
・他企業の経営者を買収、恐喝することで、その企業が優勝した時に、会長職指名権で自分を指名させることができる
・会場への移動中に、あらかじめこちらが雇った闘技者で他企業の代表闘技者を再起不能にしてしまい、勝者である自陣の闘技者をトーナメント出場者として他企業に無理やり登録させることができる
・・・・・・など、特定の企業が他社を飲み込む形で圧倒的有利になる状況を作り出せる。このルールを片桐会長がどのような思惑で作ったのかは未だ不明。
アニメ版では選手ごとに入場テーマが設けられた他、派手なライトアップによる演出もあり、エンタメ色が強くなっている。
企業序列
拳願仕合において、戦績優秀な企業をより上位に置いた、拳願会内での企業格付け。1位を拳願会会長である片原滅堂とし、上位の拳願会員ほど、より優れた闘技者を有している。特に上位28社は目利き中の目利きとされ、拳願絶命トーナメントでも予選を免除されている。
傭兵を生業とする暗殺集団。報酬次第でいかなる仕事も引き受け、条件次第では昨日の雇用主すら殺すと言われており、その力は凄まじいものの、関わること自体が危険とされている。容姿は一般人とさほど変わりないが、唯一目だけが、通常と異なり黒目と白目が逆転したような、不気味な眼を持っている。「ダンベル何キロ持てる?」に登場する教師、呉夜叉も呉の血を引いており一族由来の身体能力と眼を持っている。
例のポーズ
「狂信鬼」永島銀司が戦闘時に見せる特徴的な構えのこと。威嚇からお願いのときまで幅広い用途を持つとされ、単行本を買うときはこのポーズを取ることを公式から推奨されている。
NANBU
作中で王馬が着ているTシャツなどに書いてある、角のようなものが生えた等身のマークの総称。元ネタは原作者のサイトで読めるWeb漫画「求道の拳」の登場人物である南部竜平をデフォルメしたもの。そのやたらインパクトのある容姿から、原作でも半ばマスコットキャラクターのような扱いを受けており、「ケンガンアシュラ」内でも、その姿がたびたび登場している。
アニメーション
もともとは2015年にはマンガワン誌内でのアニメ化権をかけた読者投票でダントツの1位を獲得していたものの、それ以降は全くと言っていいほど音沙汰がなく、ファンからも実現が不安視されたほどであった。そして待つことさらに2年、2017年12月にようやく正式にアニメ化が発表された。
2019年7月31日(水)にNetflix独占配信でパート1全12話(1回戦第7仕合まで)が一斉配信。月頭から放送開始の「ダンベル何キロ持てる?」のTVアニメ版と同じ月に配信された。
2019年10月31日(木)よりNetflixでパート2全12話(13~24話)が配信開始。
アニメーション制作は「モンスターストライク THE MOVIE 始まりの場所」を手掛けたラークスエンタテインメント。監督に岸誠二、シリーズ構成に上江洲誠と「瀬戸の花嫁」「ダンガンロンパ The ANIMATION」を手掛けた2人が中核を務める。
監督曰く原作を見た時から動きのあるアニメにしたいとの事で、3Dアニメとなったとのこと。格闘シーンにはプロ格闘家のモーションも取り入れている。なお、キャラクターの回想といったシーンは手描きのアニメーションで表現されている。
2019年11月1日、2020年1月よりTOKYO MX、MBS、BS日テレにて放送されることがアニメ公式サイトにて発表された。
2022年3月24日に原作最終話までの続編が制作されることが発表された。前回に続きNetflix先行公開予定となる。
スタッフ
主題歌
Netflix版・放送版第1話~12話
放送版第13話~
関連静画
関連動画
描いてみた
以下の動画はすべて、ケンガンアシュラの作画担当である「だろめおん」氏ご本人によるアップロード動画である。
関連項目
- 漫画
- 格闘技
- サンドロビッチ・ヤバ子
- だろめおん
- 漫画作品一覧
- ハサドる
- ダンベル何キロ持てる?(原作者が同じで、世界観を共有している)
- 2019年夏アニメ
- 2019年秋アニメ
- 呉一族
- 鳥取県(登場人物のネーミングのいくつかは、作者の出身地である鳥取県からとられている)
関連リンク
- 裏サンデー | ケンガンアシュラ (公式サイト)
- ケンガンオメガ|裏サンデー
- サンドロビッチ・ヤバ子 (@yabakostardust) | Twitter
- だろめおん (@daromeon) | Twitter
脚注
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