概要
1889年市制。1956年政令指定都市となる。国内では東京に次ぐ巨大都市であり、関西地方かつ西日本の中心都市である。
中心街は主に梅田を中心とした繁華街「キタ」と難波を中心とした繁華街「ミナミ」に分けられており、梅田から天王寺まで南北約7キロ、西は西九条から京橋まで5キロ近くに亘って、業務中心地区が連続している。この都心部、繁華街の規模は単一のものとしては日本一、世界有数のレベルである(尚、参考までに東京は多極的な構造であり、概ね東は隅田川、それ以外は外堀通り沿いを境とした都心+上野・浅草、錦糸町・亀戸、大崎、渋谷、新宿、池袋、臨海の7箇所の副都心、品川、秋葉原、羽田の3箇所の新拠点に分かれている)。
最盛期には人口315万人の都市に上り、1960年代中盤ぐらいまでは、東京を上回って日本一の経済規模を誇る商都として名を馳せた。しかし、その後は東京重視の国策や元々工業都市の一面もあったことから住宅、環境問題などに翻弄され、また名古屋、札仙広福などの台頭によって相対的に地位が低下。更に、ドーナツ化現象の影響で1990年代前半のバブル期直後には人口250万人台まで落ち込んだ。
1990年代後半から2000年代前半にかけて大阪にとっては冬の時代が訪れ、丸紅、住友商事といった巨大商社や藤沢薬品(現アステラス製薬及び第一三共)、大丸などの大手企業が企業再編などを理由に、本社機能を大阪から移転させている。そのため、様々な都市再開発政策を講じ、また、ユニバーサルスタジオ(USJ)を誘致したり、オリンピック誘致などに立候補したのも、グローバル都市として認知度を高め、国際競争力を強める為であった。
2011年以降、大阪市は、アジアからの観光のゲートウェイとして、産業が活性化。政令指定都市の中で3~4番目の転入数となった。2015年以降は、アジアのみならず、欧米や中東、アフリカなどからも多くの外国人が訪れる国際都市となっており、市内全体がテーマパークとまで評価されるほど海外旅行客に人気となっている。また、再開発やマンション化も進んだことで政令指定都市でも1、2を競う増加を見せている[1]。
なお、英国のビジネス専門誌「エコノミスト」による、世界で最も暮らしやすい140の都市で、2018年は3位、2019年は4位と東京を上回っている。その理由として、治安が改善されたこと以外に、交通網が分かりやすい、ラッシュの混雑がひどくなくてしかも乗客マナーが良い、飲食店、マンションなどの物価が安い、近くに自然や文化に恵まれた場所が豊富にある、大衆文化が充実しており、大都市にありがちな人間性、生活に堅苦しさがない、などが挙げられている。凝り固まった先入観でひたすら低評価を続ける大阪ディスりで有名な東洋経済とは大違いである。
また、大阪市は江戸の昔から水運が利くように堀割が設けられるなど、計画的な都市開発が行われているため、自動車交通、地下鉄などにおいて地理情報が非常に明白である。特に大通りは京都市ほどではないが碁盤の目のようになっており、南北の大通りを「筋」、東西の大通りを「通」で分けている。そして、地下鉄路線の名前もこの通、筋に合わせているので、御堂筋線(御堂筋)、四つ橋線(四つ橋筋)、堺筋線(堺筋)、谷町線(谷町筋)、今里筋線(今里筋)、中央線(中央大通)、長堀鶴見緑地線(長堀通)、千日前線(千日前通)となっている。これらを含め代表的な通を北から扇町通、曽根崎通(国道1号・国道2号)、中之島通、土佐堀通、本町通、中央大通、長堀通、千日前通、代表的な筋として西から新なにわ筋、あみだ池筋、なにわ筋、四つ橋筋、御堂筋、堺筋、松屋町筋、谷町筋、上町筋、玉造筋、今里筋がある。道に迷った時はこれらの通、筋を目安にするといいだろう。
基本情報
行政
府市合わせ
※「府市合わせ」も参照
大阪市は、1993年に港区に巨大リゾート施設・オーク200、1995年に住吉区に高層ビル・オスカードリーム、1997年に娯楽施設フェスティバルゲートなどの建物を税金で次々と建設していった。結果、大阪市は、1120億円の負債を抱えることになった。本来、市民サービスに回す予算を、借金の返済に回さなければならない状況となっている。これらは、1988年(昭和63年)から1991年(平成3年)の間に契約された「土地信託事業」によって生み出された負債。大阪市民にのしかかる負の遺産。近年まで、市と銀行は互いに責任をなすりつけ、特に取り決め無かった。
が、2013年になって、負債は600億円にまで減少し、市バス事業は黒字化を達成。後に2018年までに「大阪シティバス」「大阪市高速電気軌道」として民営化された。→産経①、②
水道
- 2011年、大阪市水道局は、水道水を商品化し、3800万円を投じてPRしたが、1500万円の赤字を出した。水道事業は、市民からの水道料金で成り立っているが、大阪市水道局は「赤字を出しても仕方が無い」と言い切った。これに市民が反発。批判の声が上がった。橋下徹市長も、これを問題視[2]。
2013年11月、橋下徹市長は「公と民でしっかり役割分担し、市民の負担を抑えていく。」とし、急務となっていた「高コスト体質」の水道事業の解消に取り組んだ[3]。
歴史
大阪は古くから港町として栄えた。古くは「なにわ」(難波、浪速、浪花などと表記)と呼ばれ、難波長柄豊崎宮や難波京のように、奈良時代以前には都が置かれたこともあった。
太古にはこの地に入り江があり、もっと内陸まで海があった。大阪ミナミの中心街「難波」が比較的内陸にあるのに、海を髣髴とさせる地名なのはこの名残り。
また、湿地帯も多くあった。大阪キタの中心街「梅田」も元々湿地で、整地された際に「埋め田」と呼ばれたのが転じてこの地名になった。
現在の大阪市章が航路標識として使われた「澪標」をデザインしたものなのも、こういう経緯に由来する。
現在の直接のルーツとなるのは、15世紀末に現在の大阪城周辺に浄土真宗の寺院「石山本願寺」が創建され、その寺院の中に寺内町という要塞都市が発生したことに始まる。織田信長がこの勢力を追い出し、その部下だった豊臣秀吉が石山本願寺の跡地に「大坂城」を築城して城下町とした。
徳川家康が豊臣氏を滅ぼした跡、江戸時代にはこの地に蔵屋敷と呼ばれる年貢米の集約・販売の拠点が出来たことから「天下の台所」と呼ばれる経済都市となった。江戸が政治の中心だったのに対し、大坂は経済の中心だったので「商人(あきんど)の街」と呼ばれた。
明治維新後に地名を現在の「大阪」に改めた。現在も関西地方や西日本の中心都市として君臨している。しかし、戦後になると郊外の新興住宅地に多くの人々が移り住んだため、人口は最盛期よりも減少しているが、外国人労働者の流入等で再び増えつつある。
2010年1月10日には、ニコニコ動画(9)の全国ツアー「ニコニコ大会議2009-2010」が大阪市でも開催される。
行政区
政令指定都市としては全国最多の24に上る(東京特別区の23より多い)。なお、少し前までは26区あったが、大淀区が北区に吸収され、東区と南区が合併して中央区となった(市の都心部を担う北区と中央区が順番で最後になっているのはこのため)。
地域・街
都島区
大川を挟んで東側に位置する区。南端には中央区にまたがって京橋がある。
- 京橋・OBP
大阪城の北端に位置する都心地区。京阪、JRが拠点を置き、キタ、ミナミに次ぐ第三の繁華街となっており、通称として「ヒガシ」などとも呼ばれる。といっても商店街は下町要素が強く、京橋はええとこだっせーグランシャトーがおまっせ♪で有名なレジャービルなどが多く、再開発が進んだ天王寺・阿倍野エリアとは対照的である。その繁華街南部には松下主導で旧大阪砲兵工廠跡地を再開発し、高層ビルや読売テレビを始めとした企業ビルが建ち並ぶOBP(大阪ビジネスパーク)があるが、周囲に遊び場が少ないため、近年梅田に押され苦戦しているらしい。
福島区
キタの西側に位置するため、近年開発が進む。一帯はもともと工業地帯だったが病院や文化施設が多く建ち並ぶ文教・福祉エリアへと変貌を遂げている。
- 福島
梅田駅の一つとなり。市内随一のラーメン屋激戦区として知る人ぞ知るエリア。ほかにも飲食店が非常に多く、サラリーマンらの腹を満たしている。また、関西将棋会館の本部があるエリアでもあり、昨今の藤井聡太ブームなどで、多くの将棋ファンが辺りを屯っている。 - 野田
JR環状線・阪神電鉄阪神本線・Osaka Metro千日前線が通る。特に環状線北側の阪神野田駅前は「野田阪神」の通称で知られ、西梅田・甲子園と並ぶ阪神電鉄の重要な拠点となっている。一方で、環状線の南側・安治川沿いには大阪市中央卸売市場が立地しており、そこから仕入れた新鮮な食材を売る商店街が活気づいている。
此花区 konohana
かつては阪神工業地帯の一角を占め工場が建ち並んだエリアだったが、USJがオープンしてから一躍知名度が上がった。また、舞洲・夢洲の再開発計画も進行中。それ以外は相変わらず昔ながらの町並みが残るところが多い。
- 西九条
阪神なんば線とJR大阪環状線が接続、さらに環状線からはUSJに直通している桜島線(ゆめ咲線)が分岐するUSJへの一大アクセスポイント。開発の進んだ弁天町界隈と比較すると昔ながらの下町であり、駅周辺は飲み屋が多い反面、レジャー施設がほぼ皆無のため、遊べない街としても有名。 - 舞洲・夢洲
元々は2008年大阪オリンピック計画で主な会場となる予定だったのだが、北京に負けてしまい計画そのものが頓挫。現在は舞洲は東側は物流倉庫団地、西側は公園となっていて、都市から近場のキャンプ場として近年のブームで盛況となる一方、オリックス・バファローズやセレッソ大阪などのプロスポーツチームが練習拠点を置いている。舞洲は東側はコンテナヤードとなった一方、西側についてはその後も長く計画が定まらなかったが、2025年大阪・関西万博でメイン会場となることが決定。現在、万博に向けての整備が進められている。
西区
ミナミから西側のエリア。特筆すべきエリアは堀江であり、近年非常に人気が高い。京セラドームがあるのはこの区である。
- 阿波座
大阪市街の北西に位置する淀川沿いの地区。阿波座JCTがある自動車交通の拠点であり、渋滞の名所。一帯は大病院や開業医が多い。また、緑地も多く、かつて工業地帯だった名残をとどめている。また、一帯は谷町四丁目付近に次ぐカレー激戦区となっている。 - 堀江
三菱財閥発祥の契機となったかつての港町で北堀江と南堀江一帯を指す。大阪ドーム開業後は関西出身の長戸大幸率いるビーイングが中心となった再開発で、市内有数のファッションとインテリアの街として若者の人気を集め、再開発で大成功した一例としてよく採り上げられる。一方で、一帯は低地のため、何度も大津波を喰らった痕跡があり、市の防災学習拠点にもなっている。大阪市立中央図書館はここに存在する。赤線地帯だったことは黒歴史。 - 九条・千代崎
千代崎にはオリックス・バファローズの本拠地「京セラドーム大阪」がある。当時の市特有の杜撰な経営計画により球団合併後しばらくまでは閑古鳥の鳴く有様だったが、親会社のオリックスが買収した後に再開発されイオンモールなど大規模な商業施設が立ち並ぶようになった。大正駅にほど近いため、大正区民の姿も多く見かける。ドーム開業からほんのしばらくの間は長堀鶴見緑地線が千代崎・大正まで通じていなかったため、その北にある九条駅が地下鉄の最寄だった。この九条は中央大通を境に南北に別れた二本の商店街が貫く、下町情緒あふれるエリア。少し外れると堀江赤線の今日における姿「松島新地」があったりもする。
港区
海沿いの地区。弁天町付近は近年超高層マンションが建ち並ぶ。大阪の港区女子の生息地でもあったりなかったり。
- 弁天町
キタ、ミナミ、ヒガシがあるならニシも作ろうや!という勢いで、近年開発が進むエリア。といっても、増えているのはタワマンばかりであり、ビジネスや商業の中心地には程遠いが、文化施設も数多く建設されており、文化、アートの拠点としての発展の兆しが見られる。かつては交通科学博物館があった。なお、住所としての弁天町は大阪市内に存在しない(「弁天」なら存在する。なお、JR弁天町駅の住所は波除)。 - 天保山
海遊館とハーバービレッジがあるウォーターフロント地区。天保山は日本最低標高の山として有名だった(現在は宮城県にある日和山らしい)。
大正区
木津川を挟んで西側に位置する湾岸エリア。長年構想されている長堀鶴見緑地線の延伸が未だ叶わないため、市営バスがかなり多く運行されているが、公共交通の便は悪い部類に入る。リトル沖縄と呼ばれ、沖縄出身者が10万人はいたといわれている。なお、大正駅は京セラドームの最寄り駅の一つだが、ドームそのものがあるのは西区である。
天王寺区
天王寺公園、四天王寺と市南部随一のターミナルJR天王寺駅を擁し、阿倍野区にまたがって天王寺・阿倍野エリアを形成する。上本町界隈は真田山町や空堀町など立派なお屋敷もある。
- 天王寺・阿倍野(あべの)
大阪市の南端寄りに位置する副都心地区で天王寺区と阿倍野区にまたがる。JRと近鉄が拠点を置くターミナルとなっており、和歌山、奈良方面の利用者が多い。売上面積日本一の巨大百貨店となった近鉄あべの橋本店(併設ビルに、日本一の超高層ビル、あべのハルカスがある)や駅ビルの天王寺MIO、天王寺Hoop、関西初進出となった渋谷109ABENOなどファッション商業施設が集中し、若者の街としても発展している。なお、四天王寺はこの天王寺の北部にある。 - 上本町(うえほんまち)
”うえもとちょう”ではない。谷町筋と大阪環状線が通る玉造筋の間にある通り、上町筋の中枢にあたる場所で、近鉄グループの拠点。正式には上本町六丁目(通称、上六)一帯を差す。かつては今はなき大阪市電のターミナル、そして近鉄電車のターミナル(近鉄難波延伸前までは)としても機能しており、その名残で近鉄百貨店上本町店がある。また、上町筋は鉄道が通らない代わりにバス交通の大動脈となっている関係で周囲に4つも乗り場があるなど、大阪シティバスのターミナルとしても機能している。周囲は高台に位置する閑静な住宅街で、市内屈指の一等住宅地(断層の真上だけど)。また、一帯は高校、短大、大学、予備校や専門学校、学習塾が多い文教地区でもあり、かつてはカラオケ店やゲームセンターが密集していた。パチンコ、雀荘や飲み屋も多いが、文教地区ゆえに性風俗店は厳しく取り締まられている。 - 玉造(たまつくり)
仁丹!…もとい大阪のキリスト教拠点でもあり、ミッションスクールが多い文教地区。大阪環状線の駅にもなっており、玉造筋は大阪環状線が並走する。
浪速区 naniwa
日本橋でんでんタウンに新世界、えべっさんとなんでもありのエリア。ある意味、一番世間がイメージする大阪らしい区である。日本一狭い行政区でもある。
- 日本橋
一丁目と二丁目は中央区、三丁目から五丁目は浪速区に位置し、”にっぽんばし”と読む。略してポンバシ、または”バシ”という。世間では秋葉原に続く、国内第二の電気街として一定の知名度を誇るが、ニノミヤ、マツヤデンキ、和光電気、中川無線などの倒産などにより、往年の勢いは見る影もない。更に難波に出来たビックカメラ、ヤマダRABIの影響もあって、電気街とは名ばかりになりつつある。代わりに立地してきたPCショップ、オタクショップも、栄枯盛衰が激しい状態が続いているが、コロナ禍で激安SSDブランドのサンイーストが実店舗を出してきたり、一昔前の電気街に戻りつつある様子。この地域では置き引きなども頻発しているので特にゲーセンなどで遊ぶ際は荷物から目を離さないように。 - 新今宮・新世界
よく勘違いされるが西成区ではなく浪速区であり、日本橋の南に位置する、戦前からの繁華街。大阪のシンボルの一つ、ビリケンさんや阪田三吉で有名な通天閣がそびえるなど昔から観光客が多い場所であり、娯楽の中心地でもあった(東京でいう浅草みたいな場所)。じゃりン子チエの舞台(厳密には西成区花園北付近)にもなったほど、その周辺は下町色が強く、またDVD専門店や個室ビデオ店など風俗営業の店も見られたが、近年は観光地整備が進み、表通りはやたら串カツ屋ばかりが集まる、いささか没個性的な町並みとなってしまっている。国道を挟んで南側がいわゆるあいりん地区であり、今でこそバックパッカーが多く利用するようになってるが、相変わらず治安は良くはないので、観光客が安易に足を踏み入れるのはやめた方がいいだろう。ここから歩いて、天王寺動物園を挟み、すぐの場所に天王寺・阿倍野エリアがある。 - 今宮戎
新今宮と難波の間にある神社のある最寄り駅で、「えべっさん」のお膝元。毎年、1月10日の十日戎には凄まじいほどの市民で溢れかえり、福娘より渡された福笹を持って帰る光景が見られる。宝恵駕(ほえかご)も知られる。 - 芦原橋
ある意味、大阪で最もディープな地区。かつては大阪市電も走った。江戸時代から今日に至るまで和太鼓の生産や卸売が盛んで、近代には皮革産業が栄えた名残。現在も太鼓ストリートと呼ばれる通りがあり、和太鼓を使った地域振興やPRを行っている。…まあ、多くは語らないでおきまひょ。
ところが、近年は都心回帰と再開発により、駅前には高層マンションが建ったり、小洒落たフリーマーケットが開かれたりと、大きな変化も。
西淀川区
淀川より北側にある市街地外れの住工混在地区。かつては西淀川公害訴訟とか暗いイメージが多く、人口が激減したときもあったが、今は逆に梅田に近いことから増えてきている。渋滞情報でおなじみ塚本や江崎グリコ本社はここにある。また、佃煮由来の佃はかつてこの辺に住んでいた漁師たちが江戸に渡ったものである。
東淀川区
淀川より北側にある、淀川区の東側にある区。上新庄、下新庄という学生街が知られる。
- 上新庄(かみしんじょう)
東淀川区にある大阪市随一の「学生の街」。主に阪急上新庄駅周辺、住所で言えば上新庄、豊新、瑞光、大隅、小松あたりをまとめて上新庄と呼んでいる。周辺に大阪大学(所在は吹田市)、関西大学(同)、大阪経済大学等大学が多数あるため、学生の需要が高く、バブル期にはワンルームマンションが乱立した。バブル崩壊~少子化の影響により、築30年程度のワンルームマンションであれば、驚くほど安い家賃で借りられる。
上記の家賃相場に加え、梅田まで電車1本で12分程度と絶好の場所に位置するため、現在では単身層を中心に大阪都心のベッドタウンとなっている。
20年前は駅前には何もなかったが、現在では整備され、小規模ながら繁華街が形成されている。
学生の街であるので、かつては深夜のマージャンやドンチャン騒ぎ等、騒音に関するトラブルが絶えなかったが、学生数の減少およびそういった娯楽離れの影響により現在ではかなり解消されている。ちなみに、原作の「おじゃまんが山田くん」の東淀川三丁目はこの辺り(下新庄)がモデルとなっている。
東成区
西成に対して東成。玉造駅より東側にあり、今里筋がメイン。地元の人以外は出歩かない場所だが、飲食店が多く、隠れたラーメン激戦区である。文具産業が盛んな地域で、事務用品最大手コクヨの創業地。今里南にある本社ビルは、その近くに建つペットフード会社ドギーマンハヤシのビル共々、周囲の建物の中でも特に目立つ。
- 今里
今里筋線建設の契機にもなったといわれる沿線の交通要衝。今里交差点はかつてロータリーだった関係で、今日では唯一無二の「全車線片道2車線以上の5叉路」という超カオス交差点であり、6つの信号パターンが目まぐるしく変わる。当然、渋滞も事故も多発している。一帯はラーメン屋が多く、飲食店激戦区にもなっている。
生野区 ikuno
日本で最も在日韓国人が多いといわれており、国内最大級のコリアンタウン鶴橋を擁するが、鶴橋駅は天王寺区にある。
- 鶴橋
近鉄とJRの交通結節点。乗り換えが非常に便利で利用者は市内屈指。駅周辺は国内有数のコリアンタウンとなっており、焼肉屋が所狭しと並ぶため、観光客が多く、ホームに降りると焼肉の匂いが漂ってくる。 - 生野コリアンタウン
鶴橋からさらに近鉄線沿いに東に延びたコリアンタウン。一部では近鉄今里駅が最寄り駅のため、今里と呼ぶこともあるが、近鉄線の線路南側にあるため生野区である。新大久保だけでなく鶴橋ですら多少その要素がある観光地的な雰囲気とは無縁の、在日韓国・朝鮮人の暮らしが根付いた独特の雰囲気がある街。
旭区
最も、大阪市街に遠い区。戦時中も戦災を受けなかったため、古い木造住宅が多い。森小路一帯は昔からのお屋敷も見られたりした、知られざる高級住宅街である。
- 千林(せんばやし)
大阪市旭区にある下町で千林商店街はダイエー発祥の地としても有名。観光地とは縁遠い、The 大阪とも呼べるような場所で、大阪のローカル番組ではよく市民インタビューで採り上げられる。言うなら東京の戸越銀座みたいな扱い。
城東区
名の由来は大阪城の東にあるから。都心部に近いことから人口が増加しており、人口密度は大阪市内では唯一、全国でも東京以外で2万人を超えている。少しずつ古い民家が取り壊され中高層マンションがニョキニョキ伸びつつある。一方で、近代大阪の工業地帯の一角であり、今でも牛乳石鹸、タカラスタンダードなどの本社があり、中古車買取のハナテンもここが創業地だった。治安は大阪市で一番いいらしいが関目駅近辺、特に鈴蘭温泉付近はガラが悪い人が多いので注意。自転車の交通量がかなり多い。
おおさか東線北区間開業で淡路・新大阪・千里・久宝寺方面への移動が便利になった。
阿倍野区 abeno
天王寺駅の南にあり、近鉄あべの橋駅とあべのハルカスがこの区にある。また、阪堺電気鉄道上町線沿線には大阪市内を代表する超高級住宅街の帝塚山、北畠、万代があるなど天王寺区、住吉区と並んで文化、教育水準が高い区である。
- 天王寺・阿倍野(あべの)→天王寺区を参照
- 帝塚山(てづかやま)
阿倍野区と住吉区にまたがる市内随一のセレブ街で、成金じゃないホンマモンの金持ちが住む街といわれる(その割に知名度はイマイチな気もする)。クボタ創業者の久保田権四郎や大屋政子などが暮らしていた。そこに、下町の象徴である阪堺電車が通るという何ともミスマッチな風景も。名の由来は帝の陵墓があったことに因む。なお、この近隣の北畠、万代、松虫通などは他の大阪市街とは空気が違う、いわば大阪随一の山の手エリア。
住吉区
住吉大社がある区。帝塚山中といった帝塚山エリアの帝塚山中などのセレブ街もあり、天王寺区、阿倍野区と並ぶ山の手エリアの一つ。大阪市立大学もこの区内の杉本町にキャンパスがある。
- 住吉大社
全国住吉信仰の総本社で、地元では住吉さん(すみよっさん)と呼ばれ親しまれている、国内有数の名社。古くは「すみのえ」と呼ばれており、海沿いに立地していた(和歌で有名な住吉の浜などがあった)。国宝の社殿や太鼓橋などが有名で、また毎年恒例の参拝客トップ10に顔を連ねるなど初詣客が多い(関西では伏見稲荷に次いで二番目)場所である。
東住吉区
住吉区の東側にある区。大阪市南部の中では比較的事情があったことからか、庶民的な雰囲気が強め。難読地名の杭全(くまた)や住道矢田(すんじやた)はこの区。なお、江戸時代に付け替えられた大和川の南側には旧矢田村の村社があり、この部分だけ細長く松原市に食い込んでいる。
- 長居公園(ながいこうえん)
往年の名騎手・河内洋ゆかりの地である地方競馬場の跡地に建てられた市内最大の公園。なお、長居は西側に隣接する住吉区の地名である。公園西側にはセレッソ大阪のホームスタジアム・ヤンマースタジアム長居とヨドコウ桜スタジアムが立地、試合開催日や毎年1月の大阪国際女子マラソンの日はサポーターや陸上ファンで大いに盛り上がる。2007年には世界陸上競技選手権が開催された。公園東側は植物園となっており、こういった熱狂と喧騒からは少し程遠い落ち着いた緑の空間。
西成区
浪速区の南に位置する区。西成暴動、あいりん、飛田新地などといった負のイメージや下町のイメージが強い一方で、天下茶屋、岸ノ里、聖天坂、天神ノ森あたりは邸宅も見られる。大フィルこと大阪フィルハーモニーは天下茶屋駅前が拠点で、有名なりくろーおじさんのチーズケーキは千本発祥。イズミヤの本社もある。
なお、じゃりン子チエの舞台はこの花園北あたりとされ、かつては西萩町といわれていた。
- 西成(あいりん地区・飛田新地)
詳しい記述は個別の記事に譲るが、全国の人が聞いて想像する西成はあくまで「新今宮駅南側のごく狭い地域」である。日雇い労働者の町や飛田新地だけでなく一部界隈で有名な「スポーツメンズクラブ」まである風俗の町であり、さらに指定暴力団の本部事務所なども立地し道端でよく分からないものを売る怪しげな露店が開かれていることもあって治安が悪いなどと言われてきたが、日雇いの地盤沈下や露店や暴力団の摘発、なにより訪日外国人にとっては「日本の古き良き街並みを残していて、それでいて安くて(海外と比べたら)治安が良くて女の子とも遊べちゃう」ということで、近年はそういった外国人に人気の高い街に変貌している。とはいえ他の地域と比べてゴミがやたら落ちてたりホームレスが佇んでたりあまり足を運ぶ場所ではないと思われる。 - 天下茶屋(てんがじゃや)
名前の由来は豊臣秀吉が休息をとった茶屋から。Osaka Metro堺筋線の終点駅であり、かつてあった南海電鉄車庫の再開発で大フィルなどが誘致され駅前の雰囲気は変貌。泉州方面から市街地へ向かう人で賑わう。しかし、少し離れると大阪の下町らしい光景が今も残されている。
淀川区
梅田の北部に位置し、新幹線が停車する新大阪駅や阪急神戸線と京都線、宝塚線の乗り換えが行われる十三駅がある大阪の玄関口。
- 新大阪
淀川区にある東海道山陽新幹線の停車駅で、事実上大阪市のゲートウェイ。しかし、場所は大阪の都心地区から離れており淀川北岸にあたる。市は副都心として周辺の再開発に取り組んでいるが、特殊事情により、思ったより進んでいないのが現状である。なお、新大阪だけを見て、大阪って大したことないなー、という錯覚を抱かせている実態もあるらしい。 - 十三(じゅうそう)
阪急十三駅を中心とした地域。繁華街、住宅街、風俗街の3つの顔を持つ。特に風俗街として著名でキャバレー、ピンサロ、ラブホテルが通学路に建つなど、ある意味市内屈指のカオス地帯。かつてはソープまであったが、大阪万博の際に締め出してしまった。飲食街としても知られ、「がんこ」「ねぎ焼きやまもと」の創業地としても有名。
十三駅すぐ近くの「トミータウン」(通称「ションベン横丁」)は数年前に大火事に遭い、店の大半を失っている。現在は復興しているが、新しい店ができては潰れるの繰り返しで全盛期には至っていない。
阪急十三駅は宝塚線、京都線、神戸線の3線が行き交うターミナル駅となっている。
国内最大手の製薬会社の武田薬品工業の本社工場や大手建設会社の高松建設の本社(二社とも東京、大阪の二本社制)がこの十三にある。
鶴見区
大阪市街から東北東に位置する区。かつて花博が開かれた鶴見緑地はここにあり、三井アウトレットパークの第一号として知られる(なお三井アウトレットパークは2023年3月に閉館し、門真市に移転した)、はなぽーとブロッサム(現三井アウトレットパーク大阪鶴見)は国内アウトレットパークの走りとして知られる。今福鶴見付近は自動車も自転車も交通量が多く、出来れば避けて通りたい所。全体的に道が碁盤の目になっている。
住之江区
- 住之江
閑静な住宅街だが、野中和夫や松井繁ら数々のトップレーサーが本拠地とし、今でも賞金王決定戦などの主要開催地となっている、ボートファンの聖地・ボートレース住之江がある場所。かつてSG開催の日などは特急も停車したことがあった。なお、住之江と住吉は元々同じ”すみのえ”と読み、語源は同じらしい。 - 南港(なんこう)
ウォーターフロント地区で、厳密には大阪南港のことを指すため、最近は咲洲と名指しされることも多い。天保山とごっちゃにされることが多いが、場所はかなり離れている。東京でいう葛西みたいな場所。ATCやWTCといった府(負)の遺産を背負っていた問題エリアだったため、橋下徹がWTCを大阪府庁舎にした。また、西日本最大の国際見本市会場であるインテックス大阪のお膝元。他に海上に投棄放置された巨大な卵とか(「なにわ海の時空館」という斬新なデザインの博物館だったが、あまりに客入りがひどかったため橋下が粛清)もある。なお、USJはここに作る計画もあったとか。
平野区
市街地の南東に位置する住工混在地区。カプコンはここが創業地であったが、今の本社は中央区平野町である。
北区
日本で最も発展している北区。大阪市の中心部の一つ、梅田を擁しており、一帯は高級マンションも建ち並ぶようになっている。なお、近隣には大淀区があったが、北区に吸収されている。
- キタ
新大阪と並ぶ大阪市の北の拠点で、JR、阪急、阪神のターミナル。ミナミと並ぶ二大拠点。名前の由来は大坂城の北に位置しているから、この界隈が昔は北野村という村にあったからという説が有力。 - 梅田
キタの核をなすターミナル地区。巨大なJR駅ビル、阪急百貨店、阪神百貨店を筆頭に、商業施設とオフィスビルが林立する。地上には複雑な七曲りの商店街と巨大な駅ターミナル、そして地下には2層構造で、複数のモールから成る地下街が発展しており、難攻不落のダンジョン(地元民すら迷う人多数、況んや観光客をや…)となっているほど。厳密には梅田のほか、曽根崎や堂山、堂島といった地区に分かれているが、まとめて梅田と呼ばれることも。人が多い分治安はそんなに良くない。 - 中之島
淀川の河畔一帯のエリア。ビル高度規制が緩和された梅田エリアに続いて、超高層ビルが建ち並ぶ。東京でいうならお台場や天王洲、汐留のような場所で、いわゆる川沿いのウォーターフロント地区。古くから船場と並び、商業の中心地となっていた場所であるが、地盤がよくなかったため一部の文化施設を除いて比較的何もない空白地でもあった。そのため、近年のウォーターフロント開発による発展が目覚ましい。そして、その需要を当て込んで敷設したのが京阪中之島線なのだが…(その現状は当該ページを刮目せよ)。全体的に遊歩道があり、休みの日に中之島を一周してみるといいかもしれない。 - 天六
正式名称は天神橋筋六丁目。全長2.6キロの日本一長い商店街(一丁目から六丁目まである)として有名な天神橋筋商店街の中心地で、バスターミナルとしても機能。その南側にある大阪天満宮(天神さん)付近には、国内初の落語専門演芸場「天満天神繁昌亭」のほか2,3の演芸場が集まっているなど、庶民文化の中心地の一つでもある。また周辺には安い飲食店も多いなど地元の人に人気があり、人通りも多く活気に溢れている。逆に、府外からの知名度はそこまで高くなく、とくに外国人観光客は殆どいないという観光の穴場。かつて天六ガス爆発事故が起きた悲劇の地でもあるが、そんな風評などとっくの昔に吹っ飛んでいる。
中央区
難波や本町、淀屋橋を擁した南区と京橋、谷町筋、松屋町筋などを擁した東区の対等合併により誕生。北区とともに大阪の都心を占める区である。
- 心斎橋
大阪市随一の繁華街で、ミナミに含まれる。東京でいう銀座、名古屋でいう栄、福岡でいう天神みたいな場所で、西日本では昔から心斎橋に店を構えれば一人前と言われており、大丸心斎橋本店が拠点を構える。古くからのカフェや菓子店、宝石店から昆布専門店などのほか、今はドラッグストアや百均などインバウンド需要の店も所狭しと並ぶ。なお、商店街は5キロ先の淀屋橋付近まで延びており、北側と南側で趣が変わる。北側、本町以北は船場心斎橋商店街といわれており、呉服屋や繊維問屋などが集中するなど、年輩層向けの店が多くなっている。また、市内屈指の歓楽街、そして大阪屈指の若者の街「アメリカ村」のある西心斎橋や、赤提灯やバーが集まる東心斎橋まで、エリアはかなり広い。詳しくは心斎橋を参照。 - 難波(なんば)
ミナミに含まれ、梅田と並ぶ二大拠点。南海が拠点を置くターミナルとなっており、JR、近鉄、阪神が接続。駅ターミナルには高島屋本社が威風堂々と構える。駅の北部には御堂筋のビル群、駅の東部には繁華街、そして西部にはJR難波、南部にはなんばパークス、そして地下には巨大な地下街と年々エリアの規模が拡大している。キタと比較すると、いわゆる大阪らしい色が見られる場所でもあり、道具屋筋、日本橋、道頓堀、黒門市場などにも近く、近年は海外旅行客でごった返している。また、南海電車で関西国際空港へアクセスでき、またなんばOCATは市内最大の高速バスターミナルが位置していることから、新大阪に次ぐ府外とのゲートウェイになっている。近年南海なんば駅周辺が車道を閉鎖して歩行者天国になった。 - 道頓堀(戎橋)
江戸時代の大阪の発展を下支えした運河。かつてはかなり水質が悪かったが、今では大きく改善された。心斎橋筋の延長線上にある、グリコの巨大なネオンサインと阪神ファンを中心にした騒いだ末の飛び込みと一部不届き者によるナンパで知られる戎橋や、楕円形の観覧車で知られるドン・キホーテ道頓堀店がよく知られるが、川自体も観光資源で、とんぼりリバーウォークという遊歩道が整備されており、リバーウォークにある船着場からは川を巡る観光船が運航されている。近年は阪神がアレした際の警備も強固になっており、戎橋からの飛び込みは0になった(戎橋付近から飛び込んだ人は居たようだが) - 大阪城
OBPのほど近いところにあるビル歴史的建造物で、国内で初めてコンクリート製建造物にもかかわらず国の有形文化財にもなった。言わずとしれた豊臣氏の居城、大阪市のシンボルとして有名だが、大阪は商都として名を馳せたゆえ商人の町に武家の象徴の城というアンバランスな取り合わせに見えないこともない(なお、秀吉のことは太閤さんと呼び親しまれている)。近年は外国人観光客も多く、また数多くの有名人のコンサート会場となっている大阪城ホールがある。近年はそれなりに治安が良くなってきている模様。ジョギングをやるにはうってつけの場所 - 淀屋橋
大阪随一のビジネス街であり、東京でいうなら新橋、名古屋でいうなら伏見のような場所。大企業の本社や支社が林立し、その昼食需要を見込んだ飲食店が非常に多いエリアでもあり、各ビルのテナントにも飲食店が発展しているという、隠れたグルメゾーン。京阪本線の定義上のターミナル駅でもあるが、他のターミナルと違ってシンボルになるターミナルビルがあるわけではない(事実上の京阪のターミナルは京橋である)。 - 大手前
大阪城の大手門の前にあるから大手前。京阪電車のターミナルの1つ・天満橋の南にあり、大阪府庁や国の出先機関、NHK大阪放送局が立ち並ぶ官庁街。一方で、国際がんセンター、国立病院など大阪市内における高度医療の拠点でもあり、また高校も多く立ち並んでいる。ここから中央大通を西に行った森ノ宮には、かつて近鉄バファローズの本拠地の1つだった日本生命球場があり、跡地は球場があったことを意匠したショッピングモールとなっている。一方で、上町台地の先端部にあたるこの場所はかつての難波津の場所であり、飛鳥時代には難波宮が建てられた大阪の始まりの地でもある。NHK大阪跡地は遺跡を保存・一部復元した緑地として利用され、現在の局舎にも隣接して大阪歴史博物館があり、大阪の歴史を辿ることが出来る。 - 本町
心斎橋と淀屋橋の中間に位置するビジネス&商業街。心斎橋商店街はこのエリアまで伸びているが、この一帯は古くから繊維問屋が集まっていたため年配向けの店が多い。 - 北浜
大阪随一の金融街。古くから栄えた問屋街であり、住友グループの創業地でもあることから住友村ともいわれた。東証との統合で、株取引は鳴りを潜めたが、逆に東証子会社からデリバティブ部門を吸収したため、国内最大の先物&FX取引市場となっている。かつては三越大阪店もあった。 - 松屋町筋(まつやまちすじ)
愛称で「まっちゃまち」と呼んでおり、かつては地下鉄松屋町筋線の敷設計画も浮上していたが、立ち消えとなったお陰で、バブル期の乱開発から逃れた貴重な都心エリア。古くからおもちゃ問屋、人形問屋が多く、おもちゃ、人形の街として知られる。堺筋と谷町筋の間にあるため、地下鉄で下車できるのは長堀鶴見緑地線松屋町駅のみ。一方で、千日前から天王寺方面に進むと正規自動車ディーラー、中古車販売店やバイク専門店(バイカーズタウンといわれる)が密集するなど、もう一つの顔を持つ。 - 道修町(どしょうまち)
薬問屋で有名な町で、ここから大きくなった製薬・化学企業が非常に多い(武田薬品、藤沢薬品、大正製薬、田辺製薬、塩野義製薬、小林製薬など)。今日ではアストラゼネカやイーライリリーなど外資系企業の拠点にもなっている。
大阪名物
- たこ焼き
大阪市名物として自他ともに認める筆頭であろう。特に、市外の観光客が多いなんば周辺はたこ焼き屋が非常に多く、「会津屋」「わなか」、CMで有名な「たこ昌」などが知られる。おやつとしては定番で、お昼ごはんに食べることも。昔はよく自前で焼いたりしており、たこ焼き器は家庭の定番器具であった。 - お好み焼き
同じく大阪市名物として知られるとともに、おやつやごはんのおかず(尤も、ごはんと一緒に食べることに抵抗がある人もいる)としても知られる。豚玉とイカ玉がメジャー。チェーン店として「鶴橋風月」「千房」「ゆかり」「ぼてぢゅう」などが有名。 - おこし
昔、某クイズ番組「クイズ◯人に聞きました」によって、大阪の人に「大阪の名物といったら?」というアンケートに対し、たこ焼きやお好み焼きをしのぎ、1位になった名物。東京では浅草の雷おこしが有名だが、それより歴史は古い。非常に密度が高い岩おこしは歯がよほど屈強な人でないと噛み砕けない(舐めていれば軟らかくなる) - 串カツ
新世界界隈の名物で、串に指して肉類や野菜などを揚げた料理。一種のフライで、ソースをどっぷり漬けて食す。「二度漬けは犯罪です厳禁やで!」のキャッチコピー(?)で有名な「だるま」(社長は赤井英和の友人であり、全国的に有名になったのも赤井の影響が強い)や、「八重勝」などが有名だが、新世界周辺には30店以上の串カツ屋があり、近年は外国人も多く訪れるようになってから、ブームに便乗した店舗も多い。 - ホルモン焼
俗にホルモン。牛の内臓料理であり、「じゃりン子チエ」で有名になった。しかし、その知名度の割に店は少なく、まして、西成界隈以外だと「何それ知らんわ」という顔を返されることもあったという。甲子園の味というキャッチコピーで有名な「こてっちゃん」はテッチャン(小腸)を甘辛く味付けたもの。 - スパイスカレー
大阪市は、全国有数のカレー激戦区として知られる(大阪市内だけで1600軒を超えるカレーを提供する店があるという)。そんな大阪の新たな風である。スパイスカレーの具体的な定義として「ルウを作らずにスパイスを調合して作るカレー」であり、スリランカカレーを源流としている。また、大きくわけて3つのタイプがある。だが、多くの店がビジネスマンの昼食需要と夜間経営であり、平日の昼間しかやっていないという、観光客泣かせの名店も多い(ちなみに、府外観光客が多いなんば界隈はほとんどない)。有名な店として「カシミール」、「コロンビア8」、「バビルの塔」があり、この3店が源流にしてブームの火付け役であり、他にも100店以上の専門店がある(しかし、競争の激化などで一部の店舗は姿を消している)。激戦区として、裏谷四といわれる谷町四丁目界隈を筆頭に、阿波座、四ツ橋、本町などのエリアがある。 - ばってら
大阪の名物にしてソウルフードの一つ。酢締めのサバに白板昆布という薄い昆布を乗せ、それを木型にはめた押し寿司。ポルトガル語で舟のこと。もとはサバじゃなくて、コノシロを使っていたらしい。このバッテラは庶民の味として知られる。なお、一部では簀で巻いて作ったサバの棒寿司をばってらと呼ぶことがあるが、これは正確には誤り。 - 二寸六分の懐石
知る人ぞ知る大阪名物で、非常に高価な押し寿司。具材は鯛や海老、錦糸卵、田麩などを使い、彩りを考えながら木型にはめて、テンポよく押していく、まさしく食べる芸術品である。 - うどん
これも大阪名物。もともと河内北部一帯(現在の枚方市あたり)は小麦の産地でもあり、そして昆布だしがよく出る軟水、炒り子や椎茸などから上質のダシが作れることで、ツユへのこだわりを持ったうどん文化が花開いた。そして大阪発祥といわれるうどんは非常に種類が多く、きつねうどん、肉うどんなど枚挙に暇がない。「今井」「うさみ亭マツバヤ」やうどんすきの創始者といわれる「美々卯」など有名店がある。ただ、ダシにこだわりすぎる反面、麺をお座なりにする店も多く、まるで腰のない麺を打つ店が増えてしまい、一時は讃岐うどんに支配されそうになってしまったこともある。時うどん(これは時そばの上方アレンジ版)、風邪うどんなど、うどんに纏わる落語の演目もある。 - 肉吸い
上記のうどんから派出したもので、うどんつゆに薄切りの牛肉と半熟卵を入れたもの。簡単に言えば肉うどんのうどん抜きである。うどん店である「千とせ」が発祥とされる。 - てつ
フグのことであり、てっちりとはふぐ鍋、てっさとはふぐ刺しのことである。なぜ、”てつ”なのかは諸説あるが、当たれば死ぬという意味と、たま(弾)に当たるという意味合いが有力。なお、大阪は日本一のフグ消費地であり、全国のフグの4割以上は大阪で消費される。近年は石川や長崎、浜松で採れたフグを下関に回し、その下関のフグを大阪で消費するという回りくどいことをしている。チェーン店の「づぼらや」が有名。 - 豚まん
他地方では肉まんという(関西で肉といえば牛肉を指すことが多い)。551のあるときー♪で有名な蓬莱、そして古くからなんばの一角で店をかまえる二見が有名。味は二見の方があっさりしている。 - まむし
毒蛇ではない。うなぎを腹開きにして、飯の間にうなぎを詰めて蒸すのでまむしという(漢字で間蒸し)。なお、うなぎは江戸時代には出雲から送られてきており、うなぎ屋のことを「いづもや」と呼び、腹から開く方法も出雲から伝わったとされている。 - 善哉
粒餡を温かくして、その上に餅や煮栗などを乗せた甘味。法善寺横丁の夫婦善哉が有名。 - 塩昆布
隠れた大阪のお土産物。そのままごはんにかけてよし、おかずのアクセントとしても良し。小倉屋山本や神宗、またはスッポンでだしをとった、花錦戸の「まつのはこんぶ」などが有名。
関連動画
関連項目
- 大阪府
- 日本の市町村の一覧
- 政令指定都市
- 六大都市
- 通天閣
- 慈愛丸
- なんばパークス
- 大阪民国
- 西成/あいりん地区/飛田新地
- 府市合わせ
- 大阪市交通局→Osaka Metro/市営モンロー主義
- オリックス・バファローズ
- 大阪市長
- 大阪市役所
- 教育クーポン
関連サイト
大阪市内の主な地名 |
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梅田(大阪府)|中之島|新大阪|京橋|難波|心斎橋|天王寺 日本橋(大阪府)|鶴橋|新世界|あいりん地区| |
脚注
- *NTTデータ コラム・オピニオン 2017年2月1日 盛り上がる大阪~~なぜ大阪市は快調な人口流入が続くのか
- *NEWSポストセブン
- *「前途多難の水道民営化 活路見いだす…大阪」読売新聞2013年11月9日
- *マイナビニュース
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