「MAFIAⅡ」とは、チェコ共和国のゲーム製作会社イリュージョン・ソフトワークス (現・2K Czech)が開発した、オープンワールド型クライムアクションゲーム。Mafia:The City of Lost Heavenの続編。PS3とXBOX360にも対応している。北米では2010年8月24日に発売され、日本では2010年11月18日にPS3とXBOX360で日本語版が発売された。
2020年にはグラフィックを手直ししたリマスター版の Mafia II: コンプリートエディション (Definitive Edition) がPS4、Xbox One、PC向けに発売された[1]。以後は2010年発売のオリジナルPC版はクラシック(Classic)という副名称で区別された。クラシックを既にSteamで購入或いはアクティベートしていた人にはコンプリートエディションが無料配布され、一方でコンプリートエディションを新たに購入した人にもクラシックが無料配布されている。クラシック版単品の新規販売はSteamでは現在行われていない。
この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
概要
開発元 | イリュージョン・ソフトワークス (現・2K Czech) |
販売元 | 2K Game |
ジャンル | アクション 犯罪 オープンワールド アドベンチャー |
対応ハード | 【クラシック】 PS3 / Xbox360 / PC |
【コンプリートエディション】 PS4 / Xbox One / PC |
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発売年 | 【クラシック】 2010年 |
【コンプリートエディション】 2020年 |
犯罪組織のマフィアを題材にしたシリーズの第二弾。時代設定は1943年と1945年~1951年で、前作の10~20年後にあたる。本編に関しては物語を軸にミッションが展開していくという従来の方法を継続しており、GTAのようなフリーロームは取られていない。一方でDLCではフリーローム式となっている。舞台となるのはアメリカ東海岸にある架空の都市であるエンパイア・ベイ市で、サンフランシスコ、ニューヨークシティ、シカゴ、デトロイトがモデル。
ハードウェアの発達を踏まえ、2002年発売の一作目に比べグラフィックが大幅に向上している。新システムを導入により、プレイヤーはある程度自分の裁量で金を稼ぎ、それで自由に車や武装を強化し、好きな服装をする事が出来るようになった。ゲームには約50種類の乗物がゲームに登場する。
2010年版の日本語版を担当したのはTake-Two Interactive Japan。
コンプリートエディションPC版のフリーズバグについて
最初にジュゼッペの店でピッキングツールを購入した際に練習をさせてもらう場面があるが、コンプリートエディションのPC版ではそこでフリーズするというバグが起きている。これは言語設定を日本語にすると必ず起きるもので、記事更新時点ではパッチもない。
回避策としては一度ゲームを終了し、2Kランチャー(デスクトップアイコンやSteamから起動したときに出てくるメニュー画面のようなもの)の「➤プレイ」の横にある「ゲーム内設定」をクリック、Languageの項目をEnglishにすると回避できる。
言語が日本語で発生するフリーズするのはここのみなので、他のシーンは日本語のままで問題ない。
物語
ヴィトリオ・アントニオ・スカレッタ、通称ヴィト。1925年シチリア島生まれ。彼の一家は貧しさから逃れるためにアメリカへ移住し、移民の窓口となっていたエンパイア・ベイ市で暮らし始める。最初は新天地での生活に夢を見ていたが、貧困は豊かな国・アメリカでも彼らを離さなかった。10代の頃、ヴィトは幼馴染のジョー・バルバロと共に宝石店のショーウィンドウから宝石を盗み出す。二人はお宝を抱えて逃げたものの、運悪くヴィトだけが逮捕されてしまう。
ヴィトに取っての一つの転機は戦争だった。彼は徴兵され、ジョージ・パットン率いる第7軍隷下の第504パラシュート歩兵連隊に配属されハスキー作戦に参加する。第7軍はシチリアに上陸するとモンゴトメリー将軍率いるイギリスの第8軍と協調し、島を防衛する枢軸軍を撃破していく。ヴィトはファシストがレジスタンスを拘束している建物に突入し、人質を解放する任務を負う。突入後は次々にイタリア兵を倒していったものの、イタリア軍はドイツから供与された自走砲を使い建物を砲撃。爆音と衝撃で意識が朦朧としていたヴィトは、砲撃後に突入してきたイタリア兵に殺されそうになる。間一髪、米軍のM4シャーマンに乗ったマフィアのドンが現れ、拡声器を使ってイタリア兵に投降を呼びかける。「諸君、私達は解放された。もう戦いをやめよ」と。イタリア兵は呼びかけに従って降伏しヴィトは九死に一生を得た。マフィアは、ドゥーチェであるベニート・ムッソリーニの指示で有無を言わさず逮捕され刑務所に収容されていたものの、チャーリー・"ラッキー"・ルチアーノなど在米マフィアの協力を得ていた米軍が彼ら「政治犯」を刑務所から解放したのだ。この戦いと、続くイタリア戦役で連合国と政治犯は勝利を収めた。
それから2年後の1945年の冬。ヴィトは懐かしきエンパイア・ベイに復員してくる。しかし帰ってみても元の貧しい生活は変わらず、それどころか状況がより悪化しているのを知る。父が2000ドルの借金を残して死んでいたのだ。ヴィトは借金を返すべく、今はマフィアの三下となっているジョーのツテで仕事を始める。母はジョーと関わりを持てば、かつて逮捕されたようにまたトラブルに巻き込まれるのではないかと反対するが、他に金を稼ぐ術もないヴィトはマフィアの仕事をしていくことを決意。
こうして、ヴィトは血の掟の世界へと歩みを進めていくのだった。
登場人物
主人公と仲間
ヴィト・スカレッタ (Vito Scaletta) |
主人公 |
本名はヴィットリオ・アントニオ・スカレッタ (Vittorio Antonio Scaletta)[2]。本作の主人公。シチリアからの移民で、貧困から逃れるためにマフィアの世界へ入っていく。父親はデレクの下で働く港湾労働者(沖仲士)だったが家はずっと貧しく、そのことから既に他界した父を今も軽蔑している。大胆に仕事をこなす一方で慎重な面もあり、派手な作戦を思いつく周囲に辟易することも。中盤でファルコーネ・ファミリーに加入しマフィオーソとなる。 人物としては2002年発売の1作目であるMafia: The City of Lost Heavenに登場しているのだが、その時点ではまだ設定はなく、その続編となる本作で詳細な人物像ができあがった[3]。1作目~3作目まで登場しており、シリーズ前作の登場人物のうち、ジョーと並んで最多出演となる[4]。 |
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ジョー・バルバロ (Joe Barbaro) |
主人公の親友・相棒 |
ヴィトの幼馴染で悪友。主人公の愛すべき相棒。ヴィトのマンマは、息子を悪の道に誘う厄介者だとして見ている。快活な性格で面倒見が良い任侠肌で、ヴィトに仕事を斡旋したり、マーティという弟分を可愛がっている。楽観主義者でもあるが一方で直情的で、単純な判断で行動をとりがちなことも。派手好みでシャツも派手なら、部屋の装飾も派手である。暴力をいとわない割に信号無視や速度違反にうるさい。ヴィトと共にファルコーネ・ファミリーに加入する。DLCの「ジョーの生き様」では主人公をつとめる。 ヴィトと同じく人物としては1作目から3作目まで登場している。 |
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ヘンリー・トマシーノ (Henry Tomasino) |
主人公の先輩・仕事仲間 |
シチリア生まれのマフィオーソ。所属組織は当初はクレメンテ・ファミリーで、後にファルコーネに移る。ヴィトより14歳年上で、若い二人が子供だった頃には既にリトル・イタリーで知られた存在だった。いつも高級スーツをビシっと着ている。基本的に不愛想だが笑顔ではしゃぐこともある、ラブリーなマイフェロー。物語後半ではある疑惑が持ち上がる。 |
犯罪組織・裏社会
カルロ・ファルコーネ (Carlo Falcone) |
ドン |
ファルコーネ・ファミリーのドンであり、名誉ある社会に加入したヴィトとジョーの親分である。新しい世代のマフィオーソで、ヴィンチのような従来的な組織やマフィオーソが手掛けないビジネスにも積極的。禁酒法時代に大儲けした経緯から、裏社会には今後も同程度の利益をもたらすビジネスが必要と考えている。ただそのビジネスによってクレメンテやヴィンチとは対立している。かつてはモレッティ・ファミリーの幹部だった。 マルタの鷹を愛読し、また天文学に興味を持ち基金を設立してプラネタリウム併設の天文台を建設するなど、裏社会の紳士に留まらない教養人としての顔も持つ。 |
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エディ・スカルパ (Eddie Scarpa) |
幹部 |
ファルコーネの手下で幹部。酒と女が大好きでジョーと似たタイプ。機嫌良く酔うとラジオで流れる曲に合わせて歌う。もちろんただの陽気なおじさんではなく、頭が切れて情勢を冷徹に見極める才能も持つ。DLC「ジョーの生き様」では銃を手に勇猛果敢に戦う。 | |
アントニオ・バルサモ (Antonio Barsamo) |
ソルジャー |
通称はトニー・ボールズ。ファルコーネ配下のソルジャーで数々の危険な仕事をこなしてきた。見てくれの通り腕っぷしが強く手荒な仕事が得意。最近は親分の会計士を警護している。DLC「ジョーの生き様」では、ジョーと共に明るく楽しく悪いことをしていく。 | |
マーティ (Marty Santorelli) |
ジョーの弟分 |
ジョーの弟分で元タクシー運転手。ファルコーネの正式な子分ではないが、ジョーが面倒を見ていることからファルコーネの仕事に携わっていく。多くのギャング映画を見た経験からギャングに憧れており、ジョーをロールモデルにしようとしているが、無邪気で純真すぎる性格が危なっかしい。 |
アルベルト・クレメンテ (Alberto Clemente) |
ドン |
クレメンテ・ファミリーのドン。シチリア生まれの移民で、禁酒法時代に大儲けして出世した。エンパイア・アームズ・ホテルを支配下に置いている他、市の外れで食肉加工工場も営んでいる。あるビジネスに絡んでファルコーネを敵視しており、後に決定的な対立へと至る。 | |
ルカ・グリーノ (Luca Gurino) |
幹部 |
クレメンテの子分でファミリーの幹部。上納金を払わない業者を襲う、敵対者を誘拐し拷問にかけるなど手荒な仕事を任されており、ルカはそれに見合った気質の持ち主である。ただ必ずしも成功率は高くないようで、クレメンテの評価は高くない。 |
フランク・ヴィンチ (Frank Vinci) |
ドン |
ヴィンチ・ファミリーを率いるドン。相談役のレオとは昔からの親友。エンパイア・ベイのイタリア系組織では古参の一人であり、名誉ある社会が集うコミッションにおける重鎮である。昔気質のマフィオーソであり、麻薬ビジネスに関しては一貫して否定的。かつてモレッティ・ファミリーと抗争していたが、これに勝利しモレッティを壊滅させたことで、ヴィンチはエンパイア・ベイで絶対的な地位を築いた。 | |
レオ・ガランテ (Leo Galante) |
相談役 |
ファミリーの相談役 (コンシリエーレ)。フランクの親友にして右腕であり、ヴィンチ・ファミリーが今日の地位を築くのに多大な貢献をした戦略家である。エンパイア・ベイのファミオーソの中では最も成功した一人。イタリア系のみならず中国系にも顔が利く。刑務所に収監されている際にヴィトと知己になり、以後は彼の父親代わりとして面倒を見る。 但し昨今は裏社会に嫌気が指しているようでもあり、親友フランクの振る舞いについても「同業者間で保安官のマネをして」と評するなど手厳しい。 |
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フェデリコ・パパラルド (Federico Papalardo) |
幹部 |
通称は「太っちょデレク」。大抵はデレクと呼ばれている[5]。表向きの顔は港湾労働組合の組合長だが[6]、裏の顔はヴィンチ・ファミリーの幹部。組合を通じて港を支配下に置いており、盗難高級車の海外への輸出も彼の主要なビジネスの一つである。ヴィトのマンマは彼が組合の幹部なので真っ当な人だと思っているらしい。 | |
ステファン・コイン (Stephen Coyne) |
デレクの手下 |
通称スティーブ。デレクの手下ではあるが、血筋がオランダとアイルランドなのでマフィオーソにはなれない。ただヴィンチ・ファミリーの中では重要な荒事を任されており、モレッティ・ファミリーとの抗争ではドン・モレッティを暗殺し、ヴィンチに勝利をもたらした。よくデレクの事務室に入り浸ってプレイボーイを読んでいる。 |
トマソ・モレッティ (Tomaso Moretti) |
ドン |
かつて存在したモレッティ・ファミリーのドン。本編開始時点では故人であり組織も壊滅している。 かつてエンパイア・ベイの裏社会をヴィンチと二分する大親分であったが、裏経済に莫大な利益をもたらした禁酒法が廃止となり、ポスト禁酒法の権益を巡りヴィンチと激しく対立。1931年から1933年にかけて、2年にも及ぶ大規模な抗争へと発展した。1933年7月1日付のロストヘブン・クーリエ紙が伝えるところによれば[7]、その前の木曜日に自宅前で彼の車が爆破されモレッティは死亡[8]。大規模な抗争に終止符が打たれた。これはレオの策謀と、モレッティの幹部であったカルロの裏切り、そしてスティーブが仕掛けた爆弾によるものだった。 |
チュウ (Chu) |
首領 |
エンパイア・ベイ・トライアドの首領。レオとは旧知の間柄のようだ。マフィアとトライアドとの対立が発生・激化した際、レオが提案した解決策を受け入れた。 | |
ウォン (Wong) |
レストラン支配人 |
チャイナタウンのレストラン「レッドドラゴン」の支配人が表の顔、裏の顔はトライアドの一員。レッドドラゴン地下にある阿片窟の運営や麻薬密売を取り仕切り、また組織に仇に報復を加えるといった仕事を任されている。ある出来事がきっかけで主人公と敵対することになるが、諸々考えるとトラブルの巻き添えをくらった挙句に主人公から敵視されたともいえる。かわいそう。 |
ドン・カロ (Don Calo) |
シチリアのドン。ヴィトがファシストの兵士に殺されそうになる寸前にM4シャーマン戦車で現れ、ファシストの兵士らに投降を呼びかけた。ファシスト兵は「ドン・カロは義理堅いお方だ」と信頼し投降、ヴィトは九死に一生を得た。 ドン・カロは実在したシチリア・マフィアのボスで、本名はカロジェロ・ヴィッツィーニ。マフィア・シリーズの登場人物のうち、今のところは唯一の実在の人物。ドン・カロはファシストが台頭した時はこれを支援することで無傷で乗り切った一方、アメリカ政府がラッキー・ルチアーノを介して戦争協力を求めた時はこれに応じた。ラッキーとは親しくしたようで、戦後に恩赦で出所し国外追放となったラッキーと共に菓子会社を設立し、これを外国へと輸出し儲けていた(悪い意味のシュガーも売っていたとかいないとか)。 |
マイク・ブルスキー (Mike Bruski) |
スクラップ工場経営者 |
エンパイア・ベイ北東部のリバーサイドで自動車のスクラップ工場を営む整備工…というのは表向きで、裏では盗難車を扱っている。裏社会の人間は彼に良く世話になっているらしい。 | |
ナサニエル・ハロルド・ マースデン三世 (Nathaniel Harold Marsden III) |
銃砲店経営者 |
通称ハリー。キングストンで銃砲店を営む元軍人。彼が扱うのはブラックマーケットで流通する銃器であり、一般的な銃砲店では手に入らない強力な軍用火器が中心。アメリカ製のトミーガンやM1ガーランドは当然として、ドイツのMP40やイタリアのベレッタ38という外国の自動火器もある。ともかく本人がもの凄い兵器ヲタク・ミリヲタであり、ヴィトに従軍経験があると知るや相手の都合も構わず軍隊トークをかましてくる。 | |
ジュゼッペ・パルミンテリ (Giuseppe Palminteri) |
商店主 |
リトルイタリーのアパートの一室で、裏社会の紳士向けに商店を営んでいる。元は金庫破りで物凄い腕利きだった。扱っている商品は偽造や不正作成された書類、ピッキング器具、火炎瓶、マグナム、マガジン増量のM1911など、相応に物騒なものである。本人は穏やかな老人だが仕事が仕事なので、裏社会の情報にも詳しい。本作開発段階では偽造銃器携帯許可証も実装され、ジュゼッペの店で扱われる予定だった。 | |
アンドレアス・ カラファンティス (Andreas Karafantis) |
画家・医師 |
通称エル・グレコ。表向きの仕事は画家で裏の顔は闇医師。サンドイッチやコーラで傷が回復する主人公が世話になることはないが、堅気の病院を頼れない裏社会の紳士向けに医療サービスを提供している。闇医師といっても元々は正規の医師で、ギリシャ大使館付医官だった。だが大使夫人とアレコレして仕事をクビになり、色々あって今の仕事をしている。 本編冒頭のスカレッタ家が移民してくるムービーでは、彼が港で検疫を行っている様子が見て取れる。 |
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ブルーノ・レヴィン (Bruno Levine) |
貸金業 |
サウスポートで高利貸しを営むユダヤ人。彼への出資者は市外に住むコミッションのメンバーだという。そういった経緯から裏社会の金融を担っており、ブルーノの与信さえ通れば即日で多額の融資も受けられるが、その分だけ金利は高くトイチ以上である。取り立てが厳しいことでも有名で、それに関する様々な噂も多い。また出資者が裏社会の人間なので、彼を殺したところで借金は帳消しにならない。金を貸すときは決まって同じ聖句(出エジプト記第22章24節)を引用する[9]。 | |
デバド巡査部長 (Sergeant Devado) |
汚職警官 |
裏社会と通じている警察官で、$500の賄賂と引き換えに服装や車のナンバーにかけられた手配を取り下げてくれる。依頼は電話で行う。 |
市民
フランチェスカ・スカレッタ (Francesca Scaletta) |
お姉ちゃん |
ヴィトの姉。美人でやさしいと近所でも評判だが、父親は多額の借金を残して死亡し、亭主は遊び歩いて浮気するロクでなしであり、弟はヤクザである。かわいそう。 | |
マリア・スカレッタ (Maria Scaletta) |
マンマ |
敬虔なカトリックであるヴィトのマンマ。ヴィトに堅気になってもらいたいのだが、息子の方はそんな気はさらさらない。夫(ヴィトの父)についても、マンマは「お父さんのようにi一生懸命働いたら」などと説得するが、ヴィトはその父親を反面教師にしたいのでむしろ逆効果になっている。結局はヴィトはヤクザの道を歩んで大事件を起こし、連邦刑務所に収監されてしまう。かわいそう。 | |
トミー・アンジェロ (Tomy Angelo) |
グリーンフィールドの住民 |
グリーンフィールドに住んでいる男性。一見すると普通の一市民だが、実は1930年代にロストヘブン市でサリエリ・ファミリーの構成員をしていた。諸般の事情から稼業を引退しエンパイア・ベイに転居した。とある依頼を受けたヴィトとジョーはトミーの自宅を訪れる。 |
各犯罪組織の特徴
エンパイアベイのイタリア系犯罪組織は合同委員会 (コミッション、Commission) を組織しており、各ファミリーが集う会議の場を設け様々な調整を行っていく。「名誉ある社会」へ新たに入会した者の儀式もコミッションにおいて行われる。またエンパイア・ベイのみならず市外の組織も参加しているようだ。
イタリア系以外の組織はいわゆるストリートギャングが中心なのだが、中国系のトライアドはマフィアとは別の文化で高度且つ強力な組織力を持つ。
ファルコーネ (Falcone) |
イタリア系 |
カルロ・ファルコーネがドンを務める、いわゆるマフィアと呼ばれる組織の一つ。ヴィトとジョーもここに加入する。禁酒法時代にカナダからの酒類の密輸で財を成した。元はモレッティ・ファミリーであったが、ヴィンチとの抗争時にカルロがヴィンチと裏で通じモレッティを暗殺、ドン亡き後のファミリーをカルロが乗っ取る形で誕生した[10]。従来は禁忌とされた麻薬ビジネスにも手を出している。また本編では描かれていないが貨幣偽造も行っている。 | |
クレメンテ (Clemente) |
イタリア系 |
マフィアの一つでドン・クレメンテが率いる。クレメンテはシチリア出身で独自のコネがあったことから、禁酒法時代にこれを利用し酒類を密輸し財を成した。他にも食肉加工工場やエンパイア・アームズ・ホテルなど合法ビジネスを有しており、これも利用し勢力を拡大しつつある。 | |
ヴィンチ (Vinci) |
イタリア系 |
ドン・ヴィンチの組織。昔ながらのマフィアであり、主な収入は上納金やみかじめ料の類。その典型がデレクが取り仕切っている港と港湾労働組合となる。その他の合法的ビジネスとしては、ミッドタウンにビルを建設している。 禁酒法時代に大儲けしたが、それが尽きるとモレッティ・ファミリーと抗争状態に突入した。それに勝利したことで、ヴィンチ・ファミリーはエンパイア・ベイの裏社会で絶対的な地位を築いている。 |
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モレッティ (Moretti) |
イタリア系 |
トマソ・モレッティが率いたイタリア系組織。本編開始時点では既に壊滅しており、ファルコーネが実質的な後継組織となっている。禁酒法時代にはカナダからの酒の密輸で組織は発展したものの、禁酒法の終焉と同時にヴィンチ・ファミリーとの対立が激化、大規模な抗争に発展した。2年に及んだ抗争は、モレッティの手下であったカルロ・ファルコーネがドンを裏切り、デレクの手下であるスティーブがモレッティを暗殺したことで終結した。 | |
トライアド (Triad, 三合会) |
中国系 |
中国系の組織。エンパイア・ベイの非イタリア系組織の中では群を抜いて強力な組織であり、チャイナタウンを根城に阿片窟や麻薬密輸を行っている。裏切り者は見せしめとして白昼街中で滅多切りにするなど、西洋の組織とは異なる種類の残忍さを持ち、またその背景となる独自の文化を持つ。 | |
ボンバーズ (Bombers) |
アフリカ系 |
サンドアイランドやハンターズポイントを根城にするアフリカ系ストリートギャング。それほど強力な組織というわけでもなさそうだが、ストリートでの麻薬の密売を手掛けており、相応に潤っていそうではある。 | |
オニール・ギャング (O'Neill Gang) |
アイルランド系 |
エンパイア・ベイでも歴史あるディプトンとキングストンを根城にしている。組織の歴史自体は古く、オニール家は19世紀初頭にはエンパイア・ベイに移民し、19世紀後半~20世紀初頭には大きな勢力を誇っていた[11]。但し近年は街の不良程度の集まりであり、荒っぽい、正確に言えば雑な手口で宝石窃盗を試みるなど、犯罪組織としては洗練とは程遠い。 | |
グリーサーズ (Greasers) |
暴走族系 |
改造した自動車やバイクで暴走することを好む不良が集団化されたもの。名前の由来はグリースで整髪しているからと言われている。白人が中心のようではあるが、これまでに記したような人種・民族による組織とは異なり、暴走行為やパーティなどに明け暮れている。よってマフィアやトライアドのような本格的な犯罪組織とまでは至っていない。 |
登場武器
主人公が使える武器は本作では銃器と投擲武器になっており、打撃武器は用意されていない。打撃系は元々は実装の予定があったそうだが、製品版では看守が警棒を持っている他にはムービーシーンで使用される程度であり、主人公が使う武器からはオミットされている。本作での格闘は素手のみとなっている。
銃を発射すると弾薬が消費され、手持ちの弾薬を撃ち尽くすと使えなくなる。弾薬の補給はその銃を売っている店で購入するほか、敵を倒し落とした銃器から拾うことで行う。
38口径リボルバー (.38 Revolver) |
38口径の銃弾を撃つ6連発の回転式拳銃。一般の銃砲店で最初から売られている。警察官の基本装備であり、裏社会でも多用される小型のもの。威力と集弾性はそれなりだが、ヘッドショットで敵を倒すには十分である。 |
マグナム (.357 Magnum) |
.357マグナム弾を発射する6連発の回転式拳銃。一般の銃砲店でも後から買えるようになるが、ジュゼッペの店では他より早く入手できる。強力な一発は胴体であっても敵に大打撃を与えられるもの。 |
1911セミ (1911 Semi) |
45口径の7連発セミオートマチックピストル。一般の銃砲店で最初から売られているが、必要な場面でジョーから貰えるので積極的に買う必要はあまりない。 いわゆるコルト・ガバンメント。威力がある上に速射性も良く、全般を通じて重要な武器となる。 |
1911スペシャル (1911 Special) |
ジュゼッペの店でのみ扱う特別仕様の1911。弾倉を長くし23連発にしてある。 |
C96ピストル (C96 Pistol) |
モーゼルC96でハリーの店で購入できる。登場自体は第1章からなのだが、これはイタリア軍の装備を拾うもので、エンパイア・ベイで本格的に使えるのは中盤以降となる。 |
トンプソン1928 (Thompson 1928) |
45口径の弾薬を使い、50連発のドラム式マガジンを備える。みんな大好きトミーガン。第5章以降で使用できるようになる[12]。速射性は高いが集弾性はイマイチ。離れた敵を倒すには指切りバーストが要るが、逆に至近に接近された場合には弾数の多さと速射性が頼りになる。 元々は軍用の自動火器として開発されたが、アメリカの歴史において最初にこれを活用したのはギャングであり、またそれに対抗する警察であった。ついたあだ名はシカゴタイプライター。 |
トンプソンM1A1 (Thompson M1A1) |
40口径の銃弾を使い30連発マガジンを備えたもの。本作では警察官の装備として登場するほか、敵のギャングも使用している。主人公も使えるのだがハリーの店ですら取り扱いが無く、弾薬も含めて拾って使うしかないものである。集弾性が1928より少し良い。 1928をプレス加工で作れるように設計を見直し、生産性を向上させ、調達コストの低減と生産数の増大の為に開発された。急に第二次世界大戦をやることになったので、歩兵用の近接火器として1942年に採用された。 |
38口径SMG (.38 SMG) |
38口径弾の30連発。イタリア軍が使用していたもので、どういうわけかエンパイア・ベイにも流入している。もちろんハリーの店での取り扱い。MP40と並んで使いやすい。 |
グリースガン (Grease Gun) |
9mm弾の30連発。敵の武器として中盤以降に登場し、主人公もそれを拾って使えるようになるが、ハリーの店での取り扱いは終盤である。 グリースガンとは元々は機械にグリスを注入するための工具の名前だが、これは見た目がそれに似ているのでグリースガンとあだ名された。第二次大戦で使用する目的でアメリカで開発された。 薬師丸ひろ子や原田知世や橋本環奈がセーラー服を着てぶっ放していたのがこれ。 |
MP40 | 9mm弾を使い30連発マガジンを備える。ハリーの店で入手できる他、中盤以降で敵も使用している。 ドイツ軍が採用したサブマシンガン。サブマシンガンの中では集弾性が良いので、ヘッドショットも狙いやすい。 長澤まさみがぶっ放していたのはこっち。 |
ショットガン (Shot Gun) |
12ゲージ弾の8連発。離れた相手と戦うには向いてないが、近接戦闘では絶大な威力を誇る。ハリーの店では第5章以降、一般の銃砲店では第7章以降に取り扱われる。第2章でウォルター・クーペを盗むために訪れるバー「ローンスター」の裏口の部屋から無料で貰える。 |
M1ガーランド (M1 Garand) |
.30-06(7.62mmx63mm)スプリングフィールド弾の8連発。第1章のハスキー作戦ではヴィトの標準装備。後々ハリーの店や一般の銃砲店で取り扱われる。 第二次大戦時におけるアメリカ軍の主力ライフル。セミオートマチックになっており、ボルトアクションが不要で速射性に優れる。金属製クリップに弾薬を装着している。最終弾後の排莢時にクリップも一緒に排出され、その際に「カーン」という特有の音が鳴る。 |
K98ライフル (K98 Rifle) |
8mm弾の5連発。第1章でイタリア軍が使用しているものを拾えるが、エンパイア・ベイでは後半でハリーの店で取り扱いがある。 第二次大戦終了までのドイツの主力ボルトアクションライフル。速射性はM1ガーランドに劣るが、ボルトアクションであるため命中精度はこちらが優れている。 |
グレネードMK.II (Grenade MK.II) |
一度に最大6個を携行できる。第一次大戦後にアメリカで採用され、第二次大戦中に多用されたもの。みんながイメージする手榴弾の形をしている。パイナップル。ハリーの店で第10章以降に買えるようになる。 |
モロトフカクテル (Molotov) |
火炎瓶で一度に最大6個を携行できる。投げて割れると火炎が広がり、しばらくの間は燃え続けて敵にダメージを与え続ける。火炎に近づくと自分もダメージを食らうので気を付けよう。 |
MG-42 |
ドイツ軍が使用した機関銃。主人公が自由に購入・携行することはできないが、第1章と第5章で固定銃座として登場する。弾数無制限でバリバリ撃ちまくれる。 |
自動車
広い街を移動するのには欠かせない自動車。おまけに本作は公共交通機関が使えないので、自動車の重要性は前作よりも高くなった。ボンネットの開閉ができる、雨の日にはワイパーが作動するなどリアルな作り込みがされている。またゲーム開始当初は季節が冬で路面が凍結しており、車が滑りやすくなるといったこともある。このゲームにブリザックは無いので気を付けたいところ。
そして皆さんのご想像通り、この手のゲームの主人公が真面目にお金を払って車を手に入れるわけがない。
本作の自動車の特徴
- 車の挙動設定をタイトルの設定メニューから変更できる。モードは通常 (Normal) とシミュレーション (Simulation) の二つ。後者はタイヤのグリップや車の反応が現実寄りになり無理が効かない。
- 衝突を繰り返すと車体はどんどん壊れていき、特にフロント側を大きく損傷するとエンジンも止まってしまう。
- ナンバープレートの番号がランダムで設定されており、警察はナンバーで車の手配を行う。
- 雨が降るとワイパーが動くギミックがある。
- 修理工場で改造を施すができる。
- 自宅の車庫に10台まで保管しておける。
- 1945年と1951年で登場する車種が変わる。
- 雪道では車が滑りやすくなる。
- 燃料を入れないと走れない。
車種
舞台となる時代の車を模したものが多数登場。復員直後の1945年は初代Mafiaでも見たような車がまだ数多く走っているが、1951年はそういった車はほぼ無くなり戦後型の車が道路を埋め尽くしている。ビッグ3の陰謀により夢潰えた、あの名車そっくりの車も登場する。
スミス (Smith) |
モデルはフォード。1作目(とDE)でのBoltに相当するブランドで、大衆車やスポーツカー、商用車など多数のモデルが登場する。 |
シューベルト (Schubert) |
モデルはシボレー。スミスと同じく大衆車や商用車を手掛け、これも多数のモデルが登場する。 |
カルバー (Culver) |
モデルはダッヂ。ジョーの最初の愛車であるエンパイアのみが登場するが、通常の乗用車の他に1940年代のパトカーもある。名前からすると地元のメーカーっぽい。 |
ポトマック (Potomac) |
モデルはポンティアック。大衆車メーカーで、エディの愛車でもあるインディアンが登場。 |
ラシター (Lassiter) |
モデルはキャデラック。高級車メーカーで、セダンのシリーズ69[13]と、リムジンのシリーズ75ハリウッドの二車種が登場する。 |
ジェファーソン (Jefferson) |
モデルはリンカーン。1945年にオープンカーのプロヴィンシャルのみが登場する。 |
クイックシルバー (Quicksilver) |
モデルはマーキュリー[14]。4ドアセダンのウィンザー(Windsor)のみが1950年代に登場するが、これには通常の乗用車の他にタクシーもある。 |
ヒューストン (Houston) |
モデルはハドソン。4ドアセダンのワスプ(Wasp)のみが登場する。 |
ウォルター (Walter) |
モデルはウィリス。ビジネスクーペのウォルター・クーペと[15]、DLCで四輪駆動車のミリタリーとユーティリティが登場。クーペはヴィトが第2章で盗むもの。 |
ウォーカー (Walker) |
モデルはタッカー。1950年代のみに4ドアセダンのロケットが登場。DLC限定を除けば最高速は最も高い[16]。 モデルとなった新興メーカーのタッカーは、ビッグ3の妨害もありモデル48(トーピード)を50台製造しただけで倒産した。この世界では元気に量産メーカーとして活躍しているようだ。 |
ハンク (Hank) |
モデルはケンワース。大型車メーカーで、大型トラックのHank Bが登場。これにはセミトラクターとタンクローリーの二種類がある[17]。 |
燃料
本作の車には燃料システムがあり、燃料が切れたらまともに走れない(実車と違い低速では走れる)。燃料は市内8ヶ所に点在するガソリンスタンドで購入できる。乗車中画面右下に表示されるスピードメーターHUDに燃料計があり、針が右端にあると満タン、左側あると燃料切れ。燃料が少なくなると燃料計内のオレンジの警告ランプが点灯し、画面左上のヒントメッセージで給油が促される。
車の燃料システムは2002年に発売された1作目で実装され、2010年発売の本作でも引き続き採用された。いわばMAFIAシリーズのお約束であったのだが、2016年に発売されたMAFIA IIIではこれが無くなった。2020年に発売されたコンプリートエディション三部作では、事実上の最新作となるMAFIA:DEで燃料システムが復活した。
車の故障
主人公の車が衝突を繰り返すと車が壊れていく。ヘッドライトが壊れて消灯する、ホイールキャップが飛んでいくなどプレイヤーにとってギミック的なものから、車軸の破損により進路が偏心する、エンジンが壊れて動かなくなるという走行に影響するものまである。
衝突を繰り返すなどしてエンジンが故障し動かなくなった場合は、ボンネットの前に回り込んでボンネットを開けて修理すれば再び動けるようになる。ただこれは応急修理であり、再び衝突するとまた直ぐに止まってしまう。本格的な修理が行えるのは修理工場と自宅の車庫である。
ナンバープレート
警察の項目でも述べる通り、本作ではナンバープレートの番号が車ごとに異なる仕様を反映し、警察の手配もナンバープレートによって行われる。手配中の車はWANTEDの警告アイコンが表示され、その車に乗っていると一度パトカーを振り切っても、警察は発見次第また追跡してくる。
追跡を逃れるにはその車を乗り捨てるか、修理工場でナンバープレートの番号を変えるか、デバド巡査部長に電話をかけて$500の賄賂を支払い手配を解いてもらわなければいけない。
自動車の入手
前作ではファミリーの御車番であるラルフが「へ、へ、ヘイ、ト、ト、ト、ト、トミー。こ、こ、こ、今回の車はな、な、な、な、な、中々いかしてるぜ」とミッションの度に新しい車を用意してくれ、修理工場のルーカスと共に車の盗み方を教えてくれた。また彼らから盗み方を教わらないと、その車種を盗むことができなかった。今回は御車番も整備工場を営む悪友もいない代わりに、どんな車でも直ぐに盗めるようになった。
しかし駐車中の盗みたい車の横へ行って、いきなりドアをガチャっと開けて盗めるわけではない。ドアを開けるプロセスがある。一つは肘鉄や銃床でドアガラスを破り中から鍵を開ける方法。もう一つはピッキング器具を使った開錠。前者は簡単だが、窓ガラスが割れるので後々使い続ける場合はガラスを直さないとなんとなく気になるし、改造する場合は必ず修理しなければならない。ピッキングは車を壊すことなくドアを開けられるが、その作業はプレイヤーが自分で行う必要がある。安くて古い車は簡単に行えるが、新しい高級車は鍵が複雑になっているので時間が掛かる。
いずれの場合でも、それをやっているところを警官に見つかると逮捕されそうになる。特に路上駐車の車を狙う場合は、通りを徒歩の警官やパトカーが頻繁に通るので、ピッキングに時間が掛かると危ない。しかも最初に盗む時はヴィトーが直結でエンジンをかけるので(ここは自動)、スタートにもやや時間がかかる。
GTAチャイナタウンウォーズと良い、今の流行は「車を盗むのにも一手間」のようだ。だがそれが良い。
なお、ピッキング中に持ち主が車に乗り、走り去っていくバグが報告されている。
プレイヤーのピッキング動作は継続され、成功し、車に乗ろうとすると、その車内にワープするが操作を受け付けず、降りると元の場所に戻る。
車の改造
後述する修理工場で行える。車を改造すれば外観を格好良く、性能の向上が可能。ピックアップトラックにチューナップを施し、ホワイトレタリングのスポーツタイヤに派手な塗装、といったこともできる。
- 車輪
様々なデザインのホイールとタイヤがある。この時代のタイヤはホワイトリボン付きも多く、その太さも色々。高級車向けの上品なデザインのものから、ホワイトレタリングのスポーツタイヤまで揃う。 - 車体色
外観の印象を最も大きく左右する色。多くの車種でツートンカラーを施すことができるので、同じ色で統一してするか、ツートンで見せるかはプレイヤーの好み次第。 - チューナップ
見たくもないミラーに映った泣いたお前を口説く暇もなく、だからよろしくチューニソグ。チューナップには三段階あり、ゲームの序盤ではエンジンのパワーをあげるベーシックのみ施すことができ、中盤以降はハンドリングも向上させるスポーツが可能に。さらにスーパーチャージャーを搭載することで、マッドマックスのインターセプターのようになる。チューナップすれば普通のセダンであっても、チートのように速いパトカーを仏恥義理できるほど高性能に。ターゲットの車を追跡する時も、チューニングカーなら難易度は下がる[18]。
ものの本によると、禁酒法の時代には密造酒を運ぶ業者が自分の車にチューニングを施し、カーチェイスでパトカーに勝てるようにしていたらしい。やがて彼らは自動車の性能を競ってレースを行うようにより、これが現在のNASCARへと繋がっているという。マフィアとチューナップには実は深い縁があった。
警察
エンパイア・ベイを守ることになっている治安組織。実際は汚職も多く、そのおかげで生きながらえる犯罪者も多いとか。
Mafiaの世界の警察は他の犯罪ゲーより法規にうるさい。前作では速度超過したといっては切符を切り、他の車とぶつかれば切符を切り、信号無視をしたら切符を切り。お陰で犯罪ゲーでは中々ない、安全運転を要求されるゲームであった。
今回の警察は前作よりはやや緩い。信号無視はお咎めなしだし。それでも制限速度には気をつけないといけないし、他の車とぶつかれば切符を切られる。取締りを受ければ違反切符なら罰金を、逮捕レベルなら賄賂を渡すことになる。それが嫌なら逃げるしかない。警察がこっちを銃で攻撃してくるなら、逃亡か死か。
犯罪への対処レベル
警察の犯罪への対処は以下の四段階に分かれており、主人公がいまどの段階で警察に追われているかはアイコンによるインジケーターと星の数で確認できる。
スピード違反や交通事故など軽微な違反や犯罪については1。罰金を払えば釈放してくれる。また死人が出ていない素手での喧嘩であれば、罰金も取らず注意で済ます。武器の不法所持や自動車の窃盗などは2。主人公が火器で殺傷すると3、自動火器を使用するなどより凶悪犯罪を行えば4となる。4では橋やトンネルなど要衝となる道路でパトカーによる封鎖が行われており、短機関銃を持った警官が待ち構えている。
指名手配
警察はただ場当たり的に追いかけるのみならず、主人公の特徴から指名手配を行い、発見次第こちらに対処してくることがある。指名手配を行う主人公の特徴は以下の二点。
1は手配書に「WANTED」という情報表示で、2は車のナンバーに「WANTED」というそれで、現在自分がどのような手配を受けているかが分かる。1を解くには服を着替える必要があり、2は車を乗り換えるか修理工場でナンバーを交換するかしなければならない。しかも警察に追われている状態ではできず、一度警察を巻いてから行うことになる。もちろん店の前で警察に見つかったら、また巻くところからやり直し。
服装だけで手配されている時は、車に乗っている間は警察の目につきにくい。速やかに移動し服を着替えれば、簡単に手配を解ける。車のナンバーの場合はわざわざ交換しなくても、警察に見つからないとろこで車を捨てればよい。しかしどうしてもその車が必要な場合は、やはりナンバー交換が必須となるだろう。
賄賂
警察に逮捕されそうになった時や指名手配を受けた時、賄賂を支払うことで逃れる方法もある。
★2で逮捕されそうになった際は、自分の身柄を確保した警官に$100~$300程度の賄賂を渡すと見逃してくれる。断る警官はおらず「年金の足しにしよう」「俺の気が変わらないうちに消えな」などと言って金を受け取っていく。但し★3以上ではこの手は使えない。★3以上で手配を一気に消す方法としては、街中にある公衆電話などの電話から汚職警官に電話をかけて$500支払い、服装とナンバーの手配を消してもらうというのもある。
尚、街中ではNPCによる事件や事故も発生しており、警察官はこれにも主人公に対するのと同じく対処している。NPCの逮捕を試みる様子もあるのだが、すべての場合において賄賂を受け取っているようだ。若しくは射殺である。ゲームの世界にLCPDやLSPDより腐った警察があったとは。
店舗での犯罪後
店舗で強盗や殺人などの犯罪を行った場合は警察の捜査が行われ、ストーリーモードでは次章までその店舗を利用することができなくなる。
店員を殺害した場合は、後で戻ると店舗入口に 黄色い規制線テープ が貼られて封鎖されている。入り口をピッキング器具で開錠すると中には入れるが盗みなどは行えない。店員が生存していた場合は警察官が事情聴取をしており、近づくと警察官に追跡され指名手配される。いずれにしてもその章では使えなくなるので、後で用事があって入りそうな店に強盗に入るのは避けよう。
但し第11章のザ・ヒル・オブ・タラ(キングストンにあるアイリッシュバー)は例外である。第11章ではシナリオ進行により同店を訪れるイベントが発生するのだが、イベント発生前に同店を襲いバーテンダーを殺害したとしても、その後のイベントは通常通り発生しバーテンダーも生きている。
金策
本作にはお金のシステムがある。ストーリー進行において最低限必要な額のお金や武器などはイベントによって入手できるが、余分に服や武器が欲しい、車を何台もカスタムしたいといった場合には、余分にお金を稼がなくてはならない。特に第6章と第11章後半では持ち金がゼロに戻り、第14章後半では手持ちの武器が一度無くなるので、そのあたりで金策が必要になる場合もあり得る。本作において金策として使えるものは以下の通り。
スクラップ工場 | ブルスキーのスクラップ工場で車をプレス機に入れると、$400程度の収入が得られる。第2章から第15章まで限度無く使えるが、まとまった金額が欲しい場合は何度も車を潰す必要がありそこは面倒。工場敷地に駐車車両がスポーンされるので、潰しては離れて戻り、スポーンされたものを再び潰すというのが最も効率的か?。 |
港のクレーン | デレクの盗難車輸出ビジネスに車を売却するもの。第8章~第13章まで使える。高級車や希少なスポーツカーに限定されるが、一回の収入が最低でも$1500程度あり、ラシター・シリーズ75・ハリウッドやバークレー・キングフィッシャーでは$2500になるなど、金策の中では最も割が良い。但しシナリオ進行によって第14章からは使えなくなる。 |
店舗強盗 | 店舗に武装強盗に入り金を奪うもので、最初から最後まで使える。ブルスキーのスクラップ工場に次いでやりやすいもの。欠点としては、強盗に入った店は次章になるまで使えなくなることと、店舗によっては店員が武装して返り討ちにある危険があること。リスクと金額を勘案すると銃砲店(一回$400~$900程度)が他よりも分が良いと思われる。 店によっては強盗ができないものがある。バーはイタリア系組織の店は強盗不可、それ以外の店舗は強盗可能。ジュゼッペの店やハリーの銃砲店も強盗ができない。 |
街にある施設
買い物をするお店、お金を稼ぐ為の場所など、街には様々な施設がある。それらを上手く使いこなすと、ゲームをより簡単に進めることが可能。
店舗は一部を除き、強盗に入ってレジの金や商品を盗むことができる。概ね女性店主は抵抗してこないが、男性店主は武装して撃ち返してくることもあるので注意が必要。また店を叩けば警察が駆けつけるので、頂くものを入手したら速やかに逃げるのが良い。
自宅
生活の拠点となるヴィトの自宅。物語の進行にあわせて四箇所が順番に登場する。自宅には冷蔵庫、ラジオ、ベッドなどの家財道具があり、それぞれ実用的な機能を有する。冷蔵庫の中に入っている飲食物は体力を回復することができ、ラジオでは番組を聴取することができる。そして所定のミッションをクリアした後にベッドで休むと物語が進む。
自宅には必ず車庫が付いていて好きな車を10台まで保存できる。10台溜まった状態で入れ替えを行うと、出庫した車は車庫から破棄(保存から削除)される。DLCで入手した車は最初から車庫に保管されており、そのうち港やスクラップ場での売却や車庫からの廃棄ができないものに関しては、10台とは別枠で保管される。車の修理は有料だが車庫でも行うことが可能で、修理すると車体の汚れも落ちる。車庫に置ける車は乗用車とピックアップトラックで、タンクローリーやトラックなど大型車と緊急自動車は置くことができない。自宅車庫として使えるもののうち、ジョーのアパートの横にあるものは本編中一貫して使用することができる。
ジョーのアパート (Joe's Apartment) |
第2章~第5章 リトルイタリー |
復員したヴィトの最初の自宅となる場所。エンパイアベイ・ハイウェイのリトルイタリー・インターチェンジ近くにあるアパートの3階。ヴィトは第2章前半の帰郷当日こそ母と姉が住むアパート自室で寝るが、翌日となる第2章後半~第5章までジョーの部屋に居候する。後にジョーの手により内装が変えられ、かなり個性的なものとなった。フラミンゴ。 | |
アップタウン174 (Uptown 174) |
第7章~第9章 アップタウン |
社会復帰したヴィトが最初に住むアパートで、アップタウンの遊歩道近くにある。ジョーが手配した物件であり、最初の一か月の家賃は彼が支払ってくれた。まぁまぁお喋りな不動産屋が最初に室内を案内してくれる。 | |
スカレッタ邸 (Villa Scaletta) |
第10章~第11章 グリーンフィールド |
マフィオーソとなったヴィトが手に入れた豪華な邸宅。高級住宅街のグリーンフィールドにある。第2章で「いつかこんなところに住みたい」と言っていたヴィトの夢が叶った。全自宅の中で最も広い面積を誇り、庭にはプールもある。だが第11章でオニール・ギャングに焼かれたことで、たった2章で出番が無くなってしまった。第12章以後に訪れると焼け跡が残っている。 | |
マーティのアパート (Marty's Apartment) |
第12章~第15章 オイスター・ベイ |
オニール・ギャングにスカレッタ邸を焼かれた後、ジョーの計らいで当面の住まいとなったマーティのアパート。内装が汚くて狭い、冷蔵庫にサンドイッチがないなど問題は多いが贅沢は言えない。 導入部のムービーにおいて、大雨の夜に、紫煙とウィスキーを肴にヴィトがスカレッタ家のアルバムを眺めている部屋はここである。 |
ブルスキーの自動車スクラップ場
ゲームの初めのほうで訪れるブルスキーが営む自動車のスクラップ場。敷地には廃車の山。
ここには自動車のプレス機があり、持ち込んだ車を潰すとスクラップ代として$400程度の収入が得られる。ゲーム全般を通して金が必要な時にお世話になる場所。ある程度まとまった金が必要な時は、何度も車をプレス機で潰すことに。
港のクレーン
ヴィンチ・ファミリーのデレックが支配する港にあり、ゲーム中盤~終盤まで自動車を輸出する拠点として使われる。当然輸出するのは盗んだ車となる。クレーンの先についている白い台に車を載せると買い取ってくれ、$1300~$2500程度のまとまった収入が得られる。但し輸出する関係から、高級車やスポーツカーなど付加価値の高いものしか受け付けてくれない。普通の量産車を持っていくと「こんな安物じゃ割に合わないよ」と拒否される。
後日まとまったお金が必要になるかも知れないと思ったら、車庫に高級車を何台が停めて置き、その時になってから港で換金する手もある[19]。
チャーリーの修理工場
ここは車の医者だよ。だから(ピー)って名前なんだ。チョコレート工場ではない。
町の至る所にある。ここでは車の修理、ナンバー付け替え、車体色の再塗装、グラフィックアートの塗装、チューナップが行える。警察に追尾されている最中は工場へは入れないので、一度パトカーを巻いてから訪れる必要がある。店に入っただけで車体の汚れが落ちるので、車が汚れてきたら修理工場に入っても良い。詳細は自動車の項目で。
経営者はチャーリー・ロペスという人だが、工場で働いているのはトミーという従業員である。ダンスが上手いらしい。
ジュゼッペの店
ゲームの初めのほうで訪れるピッキング器具を扱っている店。経営者は街一番の金庫破りと言われたジュゼッペ。ゲームを進めるとピッキング器具だけでなく、火炎瓶や増量マガジンのM1911など危ない品揃えも増える。買い物以外でも一部のミッションで来ることになる。
銃砲店
街のそこかしこにある銃砲店。品揃えは物語の進行段階に応じて変わるが、38口径のリボルバー、M1911コルトガバメント、ショットガンなど基本的な銃とその弾薬が手に入る。銃砲店だけに店の親父は武装している。強盗に入る場合は注意しよう。店内で銃を抜くと「ヘイボーイ、その銃をしまいな」と警告してくる。いきなり撃たないあたりが意外に紳士だ。まとまったお金と武器弾薬が手に入るので、叩きをやるにはオススメ。
ハリーの武器屋
タモリのような眼帯をした、ハリーというオッサンが経営する銃砲店。普通の銃砲店とは違い入り口の扉は普段は施錠されていて、呼び鈴を押してインターフォンで確認を受けてから入店する。品揃えは物騒であり、トミーガンや手榴弾、果てはドイツのMP40やモーゼルC96といったものまで置いている。
店の雰囲気といい本人の人柄と良い、ステレオタイプのアメリカ的ガンフリーク又はミリヲタ。トレマーズに出ていたら、きっと妻と一緒に銃でグラボイズを倒していたに違いない。トミーがハスキー作戦に参加していたと聞き、相手の都合も構わず軍隊トークで盛り上がる。
この店は普通の銃砲店とは違い店内で武器を出すことができず、カウンターの中にも入れないので、強盗に入ることができない。例え出来たとしても、こんな危なそうなオッサンの店には入る気がしない。
ガソリンスタンド
1作目と同じくMafia2の車もガソリンが減る。同じ車を使い続けるにはここで給油しよう。燃料切れ近くまで減らした後の満タンで$4~$5ぐらい。またどのガソリンスタンドにも自動洗車機があるので、ここでも車の汚れを落とすことができる。修理工場なら無料だけど洗車機を使っても¢3。我慢してケチる程の金額ではない。
食事
食事ができる場所で体力回復に役立つ。自宅の項目でも記したように、食事はヒットポイントを回復するアイテム。事故や戦闘で体力が減ったら、次の過程に進む前にここか自宅で体力を回復しておくのが吉。
食事ができる店舗としては以下のものがある。
- エンパイア食堂 (Empire Diner)
チェーン店で市内各所にある。ハンバーガー、ホットドッグ、サンドイッチ、コーヒー、ビール、瓶コーラ、グラスドリンクのコーラを飲食できる。一部店舗はマップ上ではエンパイア食堂となっているが、行くと違う店名の看板が掲げられている。 - それ以外の食堂
Stella's Dinerなどエンパイア食堂以外の店舗。品揃えは若干の違いがあり、ハンバーガーが無く代わりにケバブがある、コーラは瓶コーラのみの提供など。いずれも体力回復効果はエンパイア食堂のものと同じ。 - ホットドッグ屋台
通りなど屋外に設置されている屋台。ホットドッグが食べられる。
一部ミッションではステージの途中に飲食物が置いてあり、それを飲食することで体力の完全回復ができる。
バー
ウィスキーにブランデー、ワインといった種類を主に提供する店。市内にある各バーは何れかの犯罪組織の庇護下にある。
本作はお酒でも体力回復ができるので、それが目的ならバーを利用しても良い。その代わり酒は負の要素もある。前作の蒸気船のミッションをやった人はお分かりだろうが、酒は何杯も飲むと酔っ払う。そうなると画面が霞んだり二重になったり揺らいだりと、しばらくの間は酒酔いの状態になるので注意が必要。また二杯よりは十杯のほうが酔っ払っている時間は長い。
バーには強盗が可能なものと不可能なものがある。強盗不可なのはイタリア系組織と関係のあるバー。店内では武器が取り出せないようになっている。また出入口のドアで短いロードがあってシームレスな出入りはできず、屋外で武器を出していても入店時に強制的に収められる。システムによってそもそも強盗ができない作りになっているのだ。
一方でストリートギャングと関係のあるローンスター、ヒル・オブ・タラ、ドラッグストリップの三店は強盗が可能。出入は屋外とシームレスに行われ店内で武器を取り出すことが可能であり、また裏口もあるのでバーテンダーの不意を突くことができる。
各バーの特徴は次の通り。
フレディズ・バー (Fredy's Bar) |
リトルイタリー |
庶民的なバー。戦場からエンパイア・ベイに帰還したヴィトをジョーが連れて行ったところ。オーナーはバーテンダーでもあるフレディ・マッキオーネだが、クレメンテ・ファミリーの庇護下にあり企業舎弟である。店内にはビリヤード台が備えられているが、残念ながらゲームシステム的な意味で遊べない。 | |
ザ・モナリザ (The Mona Lisa) |
ウェストサイド |
高級店。オーナーはフランク・ヴィンチでヴィンチ・ファミリー傘下の店。名前の通り、表に面した窓ガラスにはモナリザが描かれている。店名はヴィンチ親分の後妻に由来するらしい。 | |
ザ・マルチーズ・ファルコン (The Maltese Falcon) |
ミッドタウン |
高級店。カルロ・ファルコーネがオーナーを務めるファルコーネ・ファミリーの店。店内面積は広くグランドピアノが備えられており、BGMもピアニストによる生演奏である。バーの上階にはコミッションの会合も行われる会議室がある。 名前のマルチーズ・ファルコンは「マルタの鷹」という意味で、ドン・ファルコーネが愛読する探偵小説が由来とのこと。実在する同名小説のことであろう。 |
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ザ・ローンスター (The Lone Star) |
ハンターズポイント |
大衆店で、アフリカ系ギャングのボンバーズの縄張りにある。序盤で主人公が車を盗みに行くところであり、中盤ではジョーの誤射でバーテンダーが死ぬ店でもある。裏庭に続く小部屋にショットガンが置いてあり無料で貰える。 | |
ザ・ヒル・オブ・タラ (The Hill of Tara) |
キングストン |
アイリッシュバーでオニール・ギャングの縄張りにある。とある出来事がきっかけで、ヴィトはジョーと共に賑やかにここを訪れることになる。 名前はタラの丘という意味。タラの丘はアイルランドの伝説の王たちの居る場所とされ古墳も見つかっている。日本でいう高天原のようなところであろうか。 |
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ザ・ドラッグストリップ (The Dragstrip) |
ノース・ミルビル |
グリーサーズの店。店内は自動車やバイク由来のものが多数置いてある。名前のドラッグストリップもドラッグレースのコースのこと。ストーリー本編の進行上では行く機会のない唯一のバーである。1945年には既に建物も看板もあるが、実際に入れるのは1950年代になってから。 |
じゃあ注文を聞こうか。
服屋
服を購入する場所。服屋には高級店と大衆店があり、当然前者の方が値段が張る。手配された時は特にお世話になる。購入できる服のタイプは、以下に記すように高級店も大衆店も同じ。革ジャン以外は何種類かの色を選べる。タイプが同じといっても、やはり高級店の物は見た目がいかにも高そうだ。
- シャツ+ズボン
- 革ジャン+シャツ+ズボン
- スーツ+フェドラ帽
Definitive Editionの大衆店では帽子は省略された。DLC「ジョーの生き様」の大衆店ではジョーはハンチング帽をかぶる。 - スーツ+コート+フェドラ帽
靴磨き
ラジオ
本作には三つのラジオ局が登場し、車または自宅のラジオで聴取できる。放送内容はいずれも音楽中心だがニュースも流れており、作中で起きた大きな事件 (犯人はほぼ主人公) をアナウンサーが伝えているのを聞くことができる。かかっている音楽は実在のヒット曲。1945年と1951年の二つの時代があることから、放送される楽曲も時代に応じて変わる。
- エンパイア・セントラル・ラジオ (Empire Central Radio, コールサイン:ECNR[20])
流行のポップス系ヒット曲を放送している。 - エンパイア・クラシック・ラジオ (Empire Classic Radio, コールサイン:ECLA)
日本語のラジオ選局では「エンパイアオールディーズ」となっている。懐メロ系ラジオであり、ECNRより古い時代の楽曲を放送する。1951年のとあるミッションでは、シリーズのファンにとってなじみ深いジャンゴ・ラインハルトのあの曲が流れる。また同じミッションで、1945年にECNRで流れていたベニー・グッドマンの "Sing, Sing, Sing"がECLAで流されている。 - デルタ・ラジオ (Delta Radio, コールサイン:EDLT)
1940年代はジャズ、1950年代はロックンロールと、若者向けの曲を放送している。
DLC
Mafia IIにはいくつかのDLCがある。服装や乗り物を追加するものの他、新たなストーリーやミッションのDLCが三本ある。後者はGTAなどのようにフリーロームで街を探索し、所定の場所でミッションを引き受けるもの。オミットされたフリーモードの代替と言えるかもしれない。
2020年のコンプリートエディション発売以後は、DLCは無料頒布(ソフト同梱)に切り替わった。SteamでのPC版については、クラシックは全DLCが最初から利用可能。コンプリートエディションは、Made Manパック以外のものは最初から無料頒布され、Made Manパックは2Kアカウントを作成しゲームとリンクを行うと無料で利用できる。また以下では購入特典についても触れておく。
服装・車の追加DLC
グリーサーパック (Greaser Pack) |
革ジャンや2台のホットロッドなど、暴走族のグリーサーをイメージした衣装と車が追加されるもの。 |
レネゲートパック (Remegade pack) |
ウォルター・クーペのホットロッド1台、ポトマックのコンセプトカーのようなスポーツカー1台、ジェームス・ディーンのような赤い革ジャンの服、高校生をイメージした服が同梱されている。元々は2010年版のアマゾンでの予約特典だったらしい。 |
ベガスパック (Vegas Pack) |
作中に登場する自動車メーカーであるジェファーソンのコンセプトカー、シトロエンDSっぽい車、チャック・ノリスが着てそうなカウボーイハットとスーツ、ジョーのDLCに登場するロッコのスーツ[21]が同梱。ラスベガスをイメージしたものになっている。 |
戦争の英雄 (War Hero Pack) |
軍用ジープと民生用ジープ、アメリカ陸軍のサービスドレス、バトルドレスが同梱。 |
メイドマン・パック (Made Man Pack) |
メルセデス・ベンツ300SLみたいなスポーツカーと戦前型の高性能な高級セダン、タキシード、ノータイにサングラスのスーツが同梱。先述の通りクラシック版はそのまま貰えるが、コンプリートエディションに関しては2Kアカウントのリンクへの特典となっている。 |
トミー・アンジェロ (Tommy Angelo) |
コンプリートエディション限定。1作目のリメイクであるマフィア:コンプリートエディション (Mafia:Definitive Edition) を所有していると、トミーをイメージしたピンストライプのダブルスーツと、シューベルト・シックスのタクシーが追加される。正確に言えば本作のDLCというよりMafia:DEの購入特典である。 |
リンカーン・クレイ (Lincoln Clay) |
上記と同じくコンプリートエディション限定で、マフィア3:コンプリートエディションを購入していると、3の主人公であるリンカーン・クレイのアーミジャケットと黒いスポーツカーが追加される。 |
ジミーの背信 (The Betrayal of Jimmy)
グラヴィーナ・ファミリーの殺し屋・ジミーの新たなストーリーとミッションが遊べるもの。ジミーが市内で大暴れしまくる痛快活劇となっている。
ジミーの復讐 (Jimmy's Vendetta)
連邦刑務所で囚われの身となっていたジミーが、刑務所内の暴動を利用し脱獄した。自分を虜囚の身に陥れた者に復讐すべく、ジミーがエンパイア・ベイで大暴れしまくる!痛快活劇第二弾!。
ジョーの生き様 (Joe's Adventures)
ヴィトの相棒のジョーが主人公となるストーリーやミッションが追加される。ヴィトが逮捕・収監されていた期間、ジョーがどのように活動していたかが描かれたもの。本編の内容を補足するものと言えるだろう。
このDLCではカルバー川上流にあるカルバーダムに行けるようになる。ブルスキーのスクラップ工場裏手と北ミルビル(リトルイタリーの東隣)とを繋ぐ、トンネルや峠道から成る道路が存在し、途中でダム堤防の上を通過する。ダム湖の畔にあるヨットハウスなど新たな施設も登場し、おそらくこれがエンパイア・ベイのフルマップなのであろう。
ガソリン配給券の窃盗と闇流通の嫌疑で逮捕されたヴィトを自由にすべく、ジョーはルカに協力を仰いで動き始める。なんとか重要証人を探し出し口封じには成功したものの、裁判でヴィトに下された判決は連邦刑務所に懲役10年の実刑。ジョーは弁護士の件でクレメンテ配下のルカに詰め寄るが、そのことでジョーはルカの暗殺リストに載ってしまう。やむを得ずジョーはエンパイア・ベイを離れ雲隠れした…。
それから5年後の1950年。エンパイア・ベイにジョーがファンキーな服装で舞い戻った。彼はファルコーネ・ファミリー構成員のトニー・ボールズの助けを借り、再びエンパイア・ベイの裏社会で活動し始める。うまく仕事をこなしていけば、ルカやクレメンテの動きを封じれるかも知れない。任侠の男・ジョーの生き様がここに示される!。
The Story of Frankie Potts
邦訳すると『フランキー・ポッツの物語』 。「フランキー・ポッツって誰やねんそれ。ちゅうかどんだけフランキー出てくんねん」と思われたかも知れない。第7章『愛しい思い出のF・ポテンツァに』でエディ・スカルパの車のトランクに数日間放置されていた遺体、あれがフランキー・ポッツ、本名フランチェスコ・ポテンツァ (Francesco Potenza)である。本編ではいきなり死体で登場し穴に埋められたのだが、そうなる物事の前提がある。それが "The Story of Frankie Potts" である。
これはかつて公式サイトで公開されていた、ゲームの世界観や登場人物を紹介する為のいわばプロモーション企画となるものだった。内容はフランキー・ポッツの目線で読み進める物語形式になっており、所々でミニゲームを解きながらエンパイア・ベイの裏社会にどんな人物がいて、どんな活動が行われているかの資料を集めていき、作品の世界観を知っていくというもの。フランキー・ポッツの登場人物としての位置づけは、いわばアーケード版アイドルマスターにおける音無小鳥のようなものであった。
ではなぜフランキー…フランチェスコ・ポテンツァは本編で死体となって登場したのか。
正体
フランチェスコ・ポテンツァの正体はFBI捜査官である。FBI長官のジョン・エドガー・フーヴァー (John Edgar Hoover) [22]は勢力を伸ばし暗躍するマフィアについて捜査を拒否し続けていた。これに業を煮やした一部捜査官たちは、独自且つ秘密裏に証拠を集めようと動き出した。この際、エンパイア・ベイの裏社会に潜入したのがポテンツァである。
1950年12月、捜査開始。彼はフランキー・ポッツの偽名を使いエンパイア・ベイでの単独潜入捜査を開始。クレメンテ・ファミリーに接近し潜入に成功する。そこでの活動を通じてジュゼッペやブルスキーなど周辺協力者に関する情報を集め、またファルコーネ・ファミリーが手掛ける紙幣偽造なども知るに至った。数か月に及ぶ捜査によってエンパイア・ベイの深淵へと迫ったポテンツァだったが、偽造紙幣を調べていていることにエディが気づき始め、ポテンツァは徐々に追い詰められていく。強大な力を握るエンパイア・ベイのマフィアの渦中にあって、ポテンツァ自身の精神も安定を欠くようになっていた。
1951年4月。捜査16週目。ポテンツァがFBI向けに作成していた報告書に、血糊と共にメッセージが添えられていた。
伏線回収としての第7章
公式サイトでは "The Story of Frankie Potts" は見られなくなっているが、まとめサイトに内容がまとめられている。
The Story of Frankie Potts (MAFIAWIKI)
本編第7章は本来は「酔っ払いおっさんの車のトランクに、なんだか知らないけど死体が転がっている」「F・ポテンツァってなんやねん」なわけではない。公式サイトのプロモーション企画と連動した話であり、伏線回収なり後日談なりを本編で描いたのが第7章なのだ。
ただ現状は公式サイトのそれが無くなってしまっているので、予備知識無くゲームを遊び始めると「唐突に死体とF・ポテンツァなる言葉が登場する」「公式情報だけでは不足する」という状態になっている。上記のまとめサイトがあるので物語の内容は今でも把握することは可能ではあるが、新しくプレイする人もいることを考えれば、些か残念な状態だと言えるだろう。
ヴィンチ邸 (Vinci Mansion)
トリビア的な話だが、このポテンツァの報告書に添付された1948年版のエンパイア・ベイの地図に、ヴィンチ邸を示す記述がある。地図の西端、ヴィトの3箇所目の自宅のもっと西側に位置する豪邸。そこがこの地図ではヴィンチ邸となっているのだ。ここは本編では門が閉ざされ一切立ち入ることはなく、ジミーのDLCでは裁判官の自宅として登場している。
本作は当初はマルチエンディングになる予定であり、この地図の記述はその名残と言われている。また本作のファンがPC版の死蔵データを解析したところ、ゲーム中に指示として表示されるテキストメッセージに「Kill Frank Vinci」「Call Vinci's Consigliere」なるものを発見した。つまりマルチエンディングとなる最終ミッションの一つがヴィンチ邸に殴り込むもので、その展開の中でレオに電話する展開があったと考えられるのだ。
こういったこともあり、あの屋敷はファンの間では便宜的にヴィンチ邸と呼ばれている。
その他
ポテンツァが集めた資料の中には、椅子に座った男の写真がある。撮られた場所はヴィンチのバー「モナリザ」の、コミッション会議室へと繋がる階段の下。写真には「この男の名はネイルス (Nails)。ラッキー・ルチアーノの用心棒筆頭の可能性があり、またミシガン州フリント出身と思われる」というメモ書きが添えられている。
ラッキー・ルチアーノは実在したドンであり、彼の組織はニューヨーク5大ファミリーに数えられた。またアメリカでコミッションを立ち上げた、1930年代における新進気鋭のマフィオーソであった。その用心棒がモナリザにいたということは、撮影当日にルチアーノがモナリザを訪れていたこと、そして少なくともヴィンチとは会っていたことを示唆している[23]。
Mafia II Mobile
Mafia II Mobile プレイ動画 (youtube)
Mafia II本編と同時期の2010年に公開されたモバイル向けゲーム。主人公はマルコ・ルソット (Marco Russoto)。一作目に登場したサリエリ・ファミリーの武器担当・ヴィンツェンツォの甥である。物語の時代設定は1938年。ファミリーを官憲に売ったトミー・アンジェロに復讐するべく、マルコはエンパイア・ベイへと渡り、ファルコーネ・ファミリーの下で仕事をこなしながらトミーを探していくというもの。時系列としては一作目と本作との間にあたり、両者をつなげる話となっている。
マルチエンディング
モバイル版は主人公の選択肢によってエンディングが二つあるマルチエンディングになっている。
一つはカルロ・ファルコーネの依頼に基づいてフランク・ヴィンチを狙撃するもの。こちらではヴィンチはMafia IIの本編開始前に死ぬことになる。そしてトミーはファルコーネが探し出し、彼の手下がトミーにサリエリのメッセージを伝える。
もう一つはフランク・ヴィンチを狙撃しないもの。こちらではマルコはヴィンチの罠にかかり警察に殺される。
Mafia II本編ではヴィンチは生きており、トミーもヴィトとジョーが訪れるまで生きていた。これによりMafia II本編は「マルコがヴィンチの罠にはまり殺された」流れの物語であると推測できる。
トリビア
戦時体制のアメリカ ~ガソリン配給と天然ゴム~
物語序盤、ヴィトが戦場からエンパイア・ベイに帰ってきた直後の時期は1945年2月であり、まだ枢軸国がが降伏する前の戦時中である。本作中でも当時の戦時色が幾らか再現されており、それが最も現れているのが第3章「エネミー・オブ・アメリカ」である。この章ではヴィトはヘンリーの発案に基づき、価格管理局に忍び込んでガソリン券を盗み出す。ここで登場する価格管理局とは、戦時中に配給や物価統制を担った Office of Price Administration (OPA。終戦後の1947年5月に解散)のこと。またガソリン券 (Gas Stamp) とはガソリン配給券のことである。
本邦においては、戦時中の物不足と配給は自国のことはよく知られているものの、当時の交戦相手国であったアメリカについては「物量が豊富であった」と思われている。もちろん日本よりはるかに豊富だったのは事実だが、総力戦下である以上はアメリカも軍事と産業維持に資源配分を優先的に割り当てており、対してそれ以外の部分は最低限まで抑制する必要があった。
厳しい統制が必要だった物資の一つに天然ゴムがある。天然ゴムはタイヤの原料として欠かせないものだ。その主たる供給源は、当時は欧米列強の植民地であった東南アジア。日本軍は真珠湾攻撃と同時に南方攻略作戦を開始し瞬く間にこれを攻略、アメリカは天然ゴムが入手しづらくなった[24]。つまりタイヤの生産も滞るようになったのだ。一方でタイヤは軍用車両や航空機、産業を支えるトラックなど輸送用車両には欠かせない。
そこでアメリカはガソリンを配給制にすることで走行距離を抑制、タイヤの消費を抑える施策をとった。もちろんガソリン自体も戦略物資として重要で統制の必要はあるのだが、実はそれと同じくらい重視されたのがゴムの統制だったのである。
アメリカ政府は日本との直接対決が始まると統制と配給を開始。戦争継続における優先順位で自動車の種類を分け、週あたりの配給量に差をつけることにした。最も優先順位が低位なのはA区分とされたもので、一般の自家用車がこれに該当する。配給量は週3~4ガロン(約11~18リットル)であった。ヘンリーは「最近はガソリン不足でガソリン券の価格が跳ね上がっている」と泥棒を画策したが、こういった当時の事情が物語の背景にあった。
またアメリカ政府はタイヤやガソリンの節約のため、乗用車の単独乗車を避け乗り合いを奨励する宣伝活動も行っていた。本作中ではヴィトが忍び込んだ価格管理局の一室にそのポスターが張られている。単独乗車を「ヒトラーと車に乗っているのと同じ」としたもので、これは当時実際に作られたポスターの一つである。他にも「乗り合いは新しい出会いの始まり」「あなたの車、まだ人が乗れるでしょ」というものもあった[25]。これらは言わばアメリカ版の「石油の一滴は血の一滴」「欲しがりません勝つまでは」である。
また当時は配給と物不足という社会背景から闇市場も発達し、ギャングがこれを取り仕切っていた。当時のポスターには配給券と指でギャングを押しつぶし「配給券で闇市場を撲滅しよう」「法定価格以上を支払わない」というプロパガンダも行われていた[26]。主人公らはガソリン配給券を盗み出しこれを横流ししていたが、物資統制に使う配給券を盗み横流しするという行為は、時世を考えると社会混乱を招きかねない極めて悪質であったと言えるだろう。
こういったことから第三章で描かれた配給券泥棒は、連邦政府に対する犯罪というのもさることながら非国民的行動であり、故に「アメリカの敵」だったのだ。一方で第一章で描かれたハスキー作戦でも垣間見られるように、アメリカ政府は戦争に勝つためにマフィアを利用していたのも事実である。
トミー・アンジェロのシーン
一作目の主人公であるトミー・アンジェロが、かつてのボスであるサリエリからの言伝を二人のメッセンジャーから受け取るシーン。一作目のMafia:The City of Lost Heaven、二作目のMafia II 、一作目のリメイクであるMafia:Definitive Editionに共通して描かれている。そのメッセンジャーはヴィトとジョーなのだが、この時の二人の身なりや服装、態度などが作品によって異なっている。またトミーにも違いがある。
- Mafia: The City of Lost Heaven
この時の二人は後の作品とは違い襟付きジャケットに帽子、ネクタイという姿。Mafia IIで主人公になる二人だが、この時点ではまだキャラ設定は無かった。ヴィトがサリエリからの言葉を述べた後に、ジョーが物理的よろしくを伝える流れは共通している。
トミーにとってメッセンジャーが来ることは予想外であり、その態度は戸惑いを隠せないものになっていた。 - Mafia II
ヴィトとジョーがメッセンジャーになった経緯が描かれ、金に困った二人がバイト感覚で請け負ったものであることが判明した。服装も革ジャンにシャツという軽装である。言伝を述べる時のヴィトの態度は、両手を腰に当てるという横柄なもの。バイト感覚だから仕方ないね。
トミーの造形は高精細で作り直されてはいるものの、一作目に準じたものになっている。また言伝を受け取る態度は一作目と同じ。 - Mafia:Definitive Edition
本作は完全リメイクとなったことで話の大筋は一作目と同じながら、キャラクター設定などが見直されトミーの考えや心構えは違ったものになっている。それもあってかこのシーンでも一作目とは違い、トミーはサリエリのメッセンジャーがやがて訪問してくることを理解していた。またキャラ造形が新たに行われたこともあり、顔立ちなどは一作目から変わっている。
ヴィトとジョーはMafia II後のリメイクというのもあり、造形はMafia IIに準じたものになった。服装もMafia IIに準じた革ジャンにシャツではあるが、言伝を述べる時のヴィトの態度はMafia IIとは異なっている。こちらでは手を前で組んで背筋を伸ばして立つという、礼儀正しく儀式的なものであり、本作の話の流れに相応しいものにされている。
Mafia II Christmas Confession (Trailer)
2008年12月に公開されたトレイラー。ある年のクリスマスの出来事をコミカルに描きつつ、Mafia 2の内容を紹介したもの。Confessionとは、ここではカトリックの告解のことを意味する。
主な登場人物は以下の5人。
- ヴィト
言わずと知れた主人公。信心なんて特にあるわけじゃないが、敬虔なマンマに連れられて神父さんに告解することになる。 - ヴィトのマンマ
敬虔なカトリックであるオカン。普段は悪いことばかりしているヴィトを教会に連れてきた。 - ジョー、ヘンリー、エディ
いつのもの三人。告解が終わった後のヴィトを車で迎えに来る。
この5人がクリスマスに揃うことはない
いきなりだが、本編ではクリスマスの同じ日にこの5人が揃うことは時系列的にあり得ない。つまりトレイラーで描かれる短い物語は、そもそも本編とは関係ないものと言える。順を追って説明しよう。
まずこれは何年の出来事か。説明はないのだが街が賑やかなこと、登場する自動車などを見ると、1940年代後半~1950年代であろう。本編の内容を踏まえればヴィトは1945年2月~1951年9月まで、ガソリン配給券の窃盗と密売の罪で連邦刑務所に収監されているので、そうなると1951年以降のクリスマスということになる。だがヴィトのマンマは収監中に病死しており、釈放後のヴィトとクリスマスを迎えることはできない。更にヘンリーは1951年9月にトライアドに殺害されていることから、彼も1951年のクリスマスを迎えることはできない。
逆にこれ以前だとどうか。それだとヴィトが宝石窃盗で逮捕された後で兵役に就き、西部戦線に送られる前の1943年以前ということになる。しかし当時ヴィトと知り合いだったのは母親以外ではジョーのみ。ヘンリーと知り合いになるのは1945年、エディは1951年なので、こういった形で彼らが集うこともない。
本編の内容はさておき、登場人物によるコミカルな動画になっている。
教会とヴィトと母親と
教会での出来事はヴィトと母親がどのような人物かを要約している。つまりゲームの発売前にあって、主人公がどういう人間でどんな人間関係を持っているのかを端的に見せている。
話の前提となるのは、教会がカトリックであるということ。カトリック教会であることは、神父さんに告解する小部屋があることからも明らかである。ジェームズ1世の弾圧を逃れて新大陸へと渡った清教徒(ピルグリムファーザーズ、プロテスタント)が中心になって作られたアメリカにおいて、カトリック信者が多いのは従来はイタリア系とアイルランド系の人々。つまりクリスマスに告解の為にならんでいる人々は、だいたいがイタリア人かアイルランド人である。そして母親がイタリアの男性名である「ヴィト」と息子を呼んでいるので、「ああ、この男はイタリア人なんだな」と分かる。
母親は頭巾をかぶっているが、これは母親が年季の入った敬虔な信者であることを示している。従来、カトリックでは女性は髪を見せないことが習わしとなっていた。アブラハムの宗教で髪を隠すと言えば、現代ではイスラム教の女性(ムスリマ)のブルカやヒジャブが思い起こされるが、元々はカトリックも似たようなことをしていた。現代でもカトリックの修道女は髪を隠す頭巾をかぶっているが、同じことが在家信者にもあった。
その母親に連れられた息子ヴィトは、嫌々仕方なく来た様子が態度からあきらかである。告解の順番待ちの先頭に立っている時、母親になにか言われても「わかってる、わかってるって」という素っ気ない態度。真面目に告解などする態度がない、信仰心が無いというのが示されている。やがて前の人の告解が終わってドアが開くと、出てきたのはきれいな女の人。ヴィトはにやけて見惚れている、信心より色気である。見かねた母親が「ヴィト、行きなさい」と促すと、「わかったわかった、なんだよもう」と告解の部屋に入っていく。
この部分の台詞。原文では "Right, right, going. Jesus Christ" と言っている。Jesus Christはもちろんイエス・キリストのことだが、ここでの意味は「此畜生」「くそったれ」「なんだって」など怒りや驚きなど表すスラングの方。それを聞いた周囲の信者は驚きの声をあげるが、これはJesus Christが非常識な、もっと言うと神に対して不敬な言葉だったから。つまりヴィトは教会でそういうことを口癖で言ってしまう、信心深さとは無縁で品のない人間であることが示されたもの。
アメリカ人は日常的に "Jesus Christ !"と言ってそうな印象があるが、それは俗っぽい人の場合。敬虔なキリスト教徒はこの表現を基本的に嫌う。モーセの十戒に「神の名をみだりに唱えてはならない」と書いている上に、イエス・キリストの名を下品な俗語として使っているからだ。あの場に集っているのは告解の為に教会に来ている人であり、そういう場であれを口走ってしまうというのは、彼が母親とは違う俗物だとわかる演出なのである。
いつもの連中と教会
やがて告解も終わり、ヴィトは母親をタクシーに乗せて送り出す。そこへ高級セダンがやってきて、ヴィトは後部座席に乗り込む。乗っているのはいつもの三人で、教会帰りのヴィトを笑い飛ばす。普段の彼をよく知る三人は、マンマと連れ立って教会に来たヴィトを面白がっているという具合。ヴィトを含めた彼ら四人は教会に通うような人間ではないように描かれている[27]。
一方で本編でも教会の話が出てくる。本編でのヘンリーは毎週教会に通っており、登場人物の中ではヴィトの母親に次いで教会に馴染んでいることが明示された人物である。それを知ったジョーは驚いていたので、彼は教会へは通っていない。ヴィトは1945年以来行っていないとのことだが、「女の体に良からぬ興味を抱いた」と母親に引っ叩かれて懺悔させられたという。1945年のヴィトは2月に戦場から戻り間もなく逮捕されたので、その間に教会へ行ったということだろう。また語られた様相は、このトレイラーの内容を彷彿とさせるものになっている。
関連動画
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外部リンク
関連項目
脚注
- *初代MafiaのDefinitive Editionはグラフィックのゼロからの作り直し、登場人物や台詞の追加、システムを抜本的に刷新など、全く新しいゲーム(アプリケーション)として作られている。これに対しMafia IIとMafia IIIは元々が新しい世代のゲームでグラフィックなども良かったからか、オリジナルのシステムやグラフィックを使いつつ、映像をより高精細にしたものになっている。よって初代のリメイクとは異なり、Mafia2はクラシック版もリマスター版も基本的には同じゲームであり、同じグリッチ(バグ及びバグ技)が両者で発生している。
- *フルネームが出てくるのは、第6章冒頭の裁判のムービーシーンで裁判長が判決を言い渡す時と、アップタウンにある自宅2軒目の表札及び郵便受けである。
- *トリビアの項目でも述べたが、2002年発売の1作目の段階では造形も声も異なり名前もまだ無かった。"Mr. Salieri sends his regards"の場面に出てくるのがヴィトとジョーということになったのは本作からの設定である。
- *2025年発売予定の『マフィア:オリジン~裏切りの祖国』(Mafia: The Old Country)は舞台設定が1900年代のシチリアで、1925年生まれのヴィトはまだ生まれていない。よって登場しようがないのでヴィトの皆勤賞はなくなった。時代的にはヴィトのオトンとオカンがまだ子供で、渡米前のドン・サリエリやヴィンチ親分が若者だった頃である。
- *Derekは英語の男性名だが語源はドイツ名のTheodoricと言われており、その意味は「人民の支配者」である。またDerekから派生した人名にDerrickがあり、その名がつけられた物には港で使われるクレーンのデレックがある(ソース)。つまりDerekというあだ名には「支配者」「港湾荷役」の二つの意味が込められていると考えられる。
- *実際のマフィアも労働組合に関りを持っていた。経営者側について組合潰しをすることもあれば、一方で組合を乗っ取り経営者に圧力を加えて上納金を取ったり、自分たちの裏ビジネスに利用するなど。そのあたりは映画「アイリッシュマン」などで描かれている。
- *Mafia IIコンプリートエディションと同時期に発売された、1作目のリメイク作品であるMafiaコンプリートエディションのとあるミッションで、モレッティ殺害を伝える新聞記事を読むことが出来る。
- *1933年のカレンダーを見ると7月1日は土曜日なので、その前の木曜日は6月29日でありその日が彼の命日となる。
- *高利貸しのブルーノがこの聖句を引用するのは実は皮肉的である。出エジプト記はいわゆるモーセの十戒が記されたもので、ユダヤ人を率いエジプトを脱出した預言者モーセは神から啓示を受け、様々な戒めを与えられた。その中には「寄留の他国人を苦しめてはならない」(第22章21節)、「寡婦や孤児を苦しめてはならない」(第22章22節)、「貧しい者に金を貸す時は、金貸しをしてはいけない。利子を取とってはならない」(第22章25節)など、むしろ高利貸しのブルーノの所業こそ戒められている。ブルーノが引用した24節において「我が怒りは燃え立ち剣をふるう」の主語は神の一人称であり、その神の怒りの矛先は寡婦や孤児を苦しめ、寄留の他国人を苦しめる者に対して。ブルーノは言葉の綾とはいえ、自身のような人間対する神の戒めを自己に都合よく抜粋・引用し、債務者に対して課していたことになる。
- *史実ではジョー・マッセリアと、彼の部下であったチャールズ・"ラッキー"・ルチアーノの出来事がこれに近い。マッセリアがマランツァーノと抗争していた1931年、ルチアーノはマッセリアを裏切って暗殺に協力。マッセリア亡き後のファミリーを手中に収めルチアーノ・ファミリーを結成した。
- *19世紀半ばのニューヨーク市を舞台に、そういったアイルランド系ギャングの対立と生き様を描いたのがマーティン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」である。
- *正確には第4章から。窃盗に入ったショッピングモールの警備員がこれで武装しており、彼らを倒して奪うと使用できる。但し何人もがこれで武装し火力に圧倒的な差があること、警備員を倒すのに手間取るとジョーが死んでしまうなど、一般的な方法ではない。
- *いくつかのコンセプトアートやPC壁紙などで使われている。
- *QuicksilverにもMercuryにも水銀という意味がある。分かりやすい。
- *ビジネスクーペとは個人利用や業務利用を想定し、1人ないし2人の移動の為に作られた実用車。最低限の装備で価格を安く抑えており、戦前のアメリカ車ではよくみられたものである。ブルスキーが「普通の車だ、派手なのはいらん」との理由でウォルター・クーペを希望したのは、こういったものがあったから。
- *これは実車もそうで公称スペックだが、0-60mph加速が約10秒、最高速は120mph(193km/h)、CD値0.27と、同時代の車と比べると異次元の性能を持つセダンのスーパーカーだった。
- *本当はセミトレーラーも登場し、けん引して走る予定だったらしい。まとめサイトのカットコンテンツ(省かれたコンテンツ)紹介のページに画像がある。モデリングやテクスチャは作ったものの、製品版では省かれたのだろう。
- *とは言うものの、パワーを上げるとスロットルへのレスポンスが敏感になりすぎるという欠点もある。高級車系のハンドリング特性が穏やかで最高速度が高い車か、中盤以降で出てくるスポーツカーなどをノーマルで乗った方が、平均的に早い走りができるかも知れない。
- *本作には物語の進行上不可避な財産喪失イベントが2回ある。1回目は序盤で、ガソリン券(正確にはガソリン配給券)を価格管理局から盗み出した罪で逮捕・収監されるもの。もう一つは敵対ギャングであるオニールギャングに3箇所目の自宅を襲撃・放火され、自宅が全焼するもの。どちらも持ち金や武器を全て失うが車庫に保管した車はなくならない。そこでイベント後に纏まった金を手に入れる金策として港のクレーンが使えるのだ。
1回目はラシター・シリーズ69を確保し車庫に保管しておく。釈放後に物語を進めていくと港のクレーンが使えるようになるので、それからシリーズ69を売却すると1台当たり$1750になる。2回目もそれと同じように、例えばラシター・シリーズ75なら1台当たり$2750、バークレー・キングフィッシャーなら$2500で売れる。ここで挙げた車は作中では高級車であり出現率は相対的に低いが、滅多に出てこないというわけでもないので比較的入手しやすいものだ。
通常の金策とは別に車庫を貯金箱代わりに使えば、財産喪失イベント後の武器の買いなおしなどもしやすい。但し港のクレーンは第14章で使えなくなるので、中盤の自宅焼失イベント後は注意が必要である。 - *アメリカの地上波放送局(テレビ含む)に割り当てられるコールサインはアルファベット3文字若しくは4文字となる。頭の文字は地域コードで、実際のものはW(東部)またはK(中部、西部)である。1921年に放送免許の交付が始まった当初は3文字での交付であったが、全米で多数の放送局が開局し、3文字では近い将来のコールサイン不足が早くも明らかであった。そして翌1922年4月から4文字コールサインの交付が始まっている。これ以後も3文字コールサインの交付は続いていたが、1930年にサウスカロライナ州コロンビアのラジオ局「WIS」(1985年まで。1986年~現在はWVOC)に交付されたのを最後に3文字コールサインの交付は終了した。
- *てっきり「ゴッドファーザー Part.2」のフレド・コルレオーネをイメージしたものかと。
- *実在の人物で、彼がマフィア・コミッションへの大々的な捜査を拒否していたのも事実である。
フーヴァーは1924年にFBIの前身となる司法省捜査局 (Bureau of Investigation, BOI)の局長に就任。1935年のFBI発足と共に初代長官に就任した。前身のBOIも含めれば約半世紀に渡ってFBIの最高責任者を務め、今日のような大きな連邦捜査機関になるまで育てた立役者である。しかしフーヴァーはFBIを私的権力の機関としても使っており、捜査過程で得た政治家の醜聞を盾に自身への追求を交わしていた。
またマフィアと癒着し何らかの利益供与があったのではとも言われている。マフィアは禁酒法時代に大きく成長し密売網を作り、全米各地で銃撃戦を繰り広げ、やがてはコミッションを作るに至っていたにも関わらず、フーバーはコミッションの存在を否定し捜査もしなかった。当時の多くの人が存在を疑いまた実際に存在したコミッションの存在について、FBI長官が否定的であったのは、癒着を疑われるに十分な理由となるであろう。尚、1957年の。アパラチン会議以降はさすがに否定できなくなったようである。 - *ルチアーノは1936年にニューヨーク州立刑務所に収監されたが、大戦中にアメリカ政府に協力しイタリア上陸作戦を間接的に支援したことで、戦後に恩赦が下り1946年に釈放された。ただし市民権がなかったことで国外追放となり故郷のイタリアへと帰参している。これ以後もマフィオーソとしてイタリアや地中海、キューバなどで暗躍するのだが、ポテンツァが潜入捜査をしていた1950年~1951年は国外追放となった後であり、ルチアーノがアメリカ国内にいることは「公式には」あり得ない。
- *アメリカ化学会が作成したUNITED STATES SYNTHETIC RUBBER PROGRAM, 1939-1945(1939年~1945年における合衆国の合成ゴムの取り組み)というレポートから引用すると。第二次大戦時にアメリカは、天然ゴムの世界生産量の90%の取り扱いから排除されたとある。これが東南アジア、つまり日本が南方攻略で支配下に置いた地域で生産される天然ゴムの世界シェアである。当時のアメリカの天然ゴム消費量は年間60万トン、備蓄は100万トンであったそうだ。つまりそのまま消費を続けたら2年持たない。アメリカは天然ゴムの統制により年間消費量を40万トンへ抑制を図ったという(3頁, pdfの5頁)。一方でゴムには合成ゴムもあるが、1941年時点での生産量は231トン、1945年には7万トンであった(1頁, pdf3頁)。合成ゴムの生産量は開戦から終戦までに約300倍に増えたが、それでも天然ゴムを代替するには絶対的に不足していた。
戦間期を通じてアメリカは常にゴム不足に悩まされており、その唯一の解決策は日本に勝利することのみであった。 - *WWII Carpooling Propaganda。乗り合いを「絶対にやれ」とアンクルサムが言っており、他にも単独乗車を「ガソリン、ゴム、金をドブに捨てる」と表現したポスターもあるなど、乗用車の単独利用による資源消費をアメリカ政府がかなり警戒していたことが分かる。
- *Stamp Out Black Markets With Your Ration Stamps。「Stamp out」で撲滅する、根絶するという意味。撲滅するのStamp outと、配給券のRation Stampをかけた言葉になっている。
- *ただしこれはトレイラーの登場人物がという意味で、イタリア系犯罪組織の構成員には教会を重視している者は少なくない。特にイタリア本国ではそうで、過去にはバチカンとマフィアとの癒着が明らかになった事件もあった。近年は犯罪組織との癒着を断ち切るべく、非イタリア系の教皇が改革姿勢を示しており、犯罪組織構成員を破門にするなどの対応も取られている。
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